最近、ドロロの様子がおかしい。なぜか上の空で話もろくに聞いていない。  
「どうしたんでありますか、ドロロ?」  
普段と様子がおかしいドロロにケロロが聞く。  
「な、なんでもないでござるよ...何故、そんなことを聞くでござるか?」  
「いやぁ、なんかいつもと変だな〜と思ってさ」  
「別にいつもと変わらないでござるよ」  
「ふ〜ん。ならいいだけどさ」  
と、言ってケロロは製作中のガンプラに再び取り掛かった。  
好きな人がいるだなんていくら友達のケロロ君でも恥ずかしくて言えるわけない。  
その相手があの幼馴染の……  
 
「おい!!ケロロ!!貴様またそんなくだらないものなんぞに夢中になりおって侵略のこともそれくらい熱心にやれ!!」  
ばんっ!!と勢いよくドアが開いてギロロが入ってきた。  
「ギ、ギロロ!?ま、まあ落ち着くでありますよ」  
「これが落ちついていられるか!!貴様、いつになったら地球(ポコペン)を侵略するつもりだ!?」  
「まあ...SO・NO・U・CHIってことで…」  
いまにも飛びつきそうな勢いでケロロを怒鳴りつけている。  
「おい!ドロロ!お前もこいつに何かいってやれ!」  
「…………」  
「ドロロ?」  
「あっ!?なんでござるか?聞いてなかったてござる」  
「ドロロ、どうかしたのか?なんだか様子がおかしいぞ」  
「いやっなんでもないでござるよ…。それより拙者はちょっと用事があるのでこれにて…」  
そう言いドロンと姿を消した。  
 
「ケロロ。ドロロの奴、どうしたんだ?なんだか様子が変だったが…?」  
「それが我輩にもよくわからないのであります。ああ見えて、ドロロも年頃の女の子でありますからな。そっとしておくのがいいと思うでありますよ」  
「そういうものか?」  
「そういうものでありますよ」  
「そうか…」  
そう言いギロロも部屋から出て行った。  
(そういえば最近、ドロロの奴なんだかギロロが来るとどっかに行ってしまうでありますな。もしかして……)  
そこまで考えると  ああ、そうか  といった顔で納得した。  
(ふふふ、そうでありますか。そういうことなら遠慮せずに我輩に相談すればよいのに。よ〜しそれなら我輩にまかせるであります!おっと!その前に)  
不適な笑みを浮かべながら再びガンプラ作りに励んだのであった。  
 
 
そのころドロロの方は…  
(はあ、また逃げてしまったでござる)  
一人、悩んでいた。  
(ギロロ君の前だとつい、緊張してしちゃうんだよな。このままではいけないとはわかっているのに…)  
ドロロは今、どうしたらいいのかのか悩んでいた。  
子供のころ、ケロロ達と遊ぶようになってからは友達としてしか思ってなかったのに、いつの間にか彼のことを気になる異性と想うようになっていた。  
だからケロロ達と同じ隊になった時はうれしかった。  
でも今、その彼は他の人のことを想っている  
それに気付いた時とてもショックで、悲しくて涙が止まらなかった。  
でもこのままではいけないと思い、もうこの初恋はあきらめようと思った。  
なのに今でもあきらめきれずただ悩んでいた。  
 
「もうあきらめないと…」  
「何をあきらめるの?」  
「っ!?」  
突然の声に驚き、振り返るとそこには同じ忍びの小雪がいた。  
「こ、小雪殿……!?いつの間に!?」  
「どうしたの、ドロロ?近づいても全然気がつかなかったなんて、それじゃ簡単に敵にやられるわよ」  
「め、面目ないでござる……」  
近づいてくるのも気がつかない程、自分はそこまで悩んでいたのか思う。小雪の言うとおりこれではいつ襲われてやられるのかわからない。  
「ドロロ、本当にどうしたの?それじゃいつやられるかわからないわよ」  
「い、いやなんでもな……」  
「無い分けないでしょ!」  
「っ!」  
すぐに言い返され何も言えない。  
 
「悩んでるなら私が相談に乗ってあげるわよ。話してごらん?」  
ドロロは少し悩んだがこのままだと離してくれそうにないと思い、意を決して話し始めた。  
「実は、その……」  
「ん?」  
恥ずかしいのか少し顔が赤い。それでもなんとか話し始めた。  
「好きな人がいるのでござる………」  
言い終わると真っ赤になって下を向いた。  
「恋煩いね」  
コクリとドロロは頷く。  
「しかしその相手は他の者を想ってるのでござる………」  
(なるほどそういうことか………それじゃあ悩んで当然ね)  
「だからもうあきらめようと決めたのでござるが、その……」  
「あきらめられないって訳ね」  
再びコクリと頷く。  
「小雪殿、拙者はどうしたらよいのかわからないのでござる。どうしたら……」  
話しているうちにだんだん涙が出てきた。  
「わかっているのでござる。このままではいけないと……。でもどうしてもこの想いを捨てきれないんでござる」  
そこまで言うと堪えていた涙が流れた。もうただ泣くだけで自分でも止められなかった。  
 
 
「ドロロはその人のこと、とても好きなんだね」  
小雪はハンカチを取り出し、涙を拭いながら優しく言い始めた。  
「だからその人のことを思って自分から身を引いたんだよね。でもドロロはまだその人を忘れられないんだよね。だったらやっぱりちゃんとその人にドロロの気持ちを伝えたほうがいいと思うな」  
「えっ!?し、しかしその者は……」  
「このままずっとそのままいるつもり?本当はわかっているんでしょ。だったらちゃんと自分の想いを伝えたほうがいいわ。じゃないとあなたはずっと後悔することになるわ」  
小雪は真剣な顔でドロロに伝え、優しく勇気付けた。  
「小雪殿……」  
「大丈夫よ。きっと、その人に通じると思うわ」  
 
ニコッと小雪が笑うとドロロも少し笑った。  
「小雪殿。ありがとう。拙者、少し勇気が出てきたでござる。まだ少し怖いが頑張って、この想い、伝えてくるでござる」  
「そう、よかったわ。元気になって。そうだ!これをあげるわ。きっと役に立つわ!」  
そう言って小瓶を取り出しドロロに渡した。  
「これは何でござるか?」  
「それは媚薬よ」  
「っ!?な、何故こんな物、拙者に渡すのでござるか!?別に拙者は……」  
「まあいいじゃない。結ばれたらいつかはすることだもの。だったら持ってて損はないわよ」  
「こ、小雪殿……!?」  
「まあ、ドロロも女の子だから最初は怖いと思うのよ。でもそれがあれば少しは緊張が和らぐと思うんだけど……」  
確かに最初は痛かったり、怖かったりするとは聞いたことはあるが、まだ付き合ってすらしていないというのにそれはさすがに早いと思うドロロであった。  
 
その頃、ギロロはうたた寝をしていた。  
そして初めてドロロの家に遊びに行った時の夢を見た。  
 
「ゼーロロくーん、あーそーぼー!」  
「ケロロ君、よく来たくれたね。あがってよ」  
「ひゃあ〜〜〜ゼロロ君ち、金持ちじゃん!!」  
「そんなことないよ。普通だよ」  
いや絶対そんなことないと思ったケロロ達だった。  
そう思ってた時、ゼロロの母親がやって来た。  
「あら、ゼロロのお友達?ようこそいらっしゃい!」  
「あっ!コンチハ!」  
「娘と仲良くしてくれてありがとう、ありがとう」と土下座して言う。  
 
「もう…やめてよ、お母様!」  
なんだか大げさだなぁと思ったが優しいお母さんだなぁとケロロ達は思った。  
………………………  
んっ!!!!?  
「あっあの…おばさん!今、なんて……!?」  
なんだか今、とんでもない事を聞いたようなのでケロロは恐る恐るゼロロの母親に聞いてみる。  
「えっ?仲良くしてくれてありがとうって………」  
「い、いや!その前!」  
「娘と仲良く……」  
………………………しばし沈黙  
「「え〜〜〜〜〜!!!!」」  
屋敷にケロロとギロロの叫びが響いたのであった……。  
 
「だ、大丈夫!?ケロロ君、ギロロ君」  
「な、なんとか落ち着いてきたよ」  
「あ、ああ俺もだ」  
なんとか落ち着きを取り戻したケロロとギロロだったが、まだ信じられないといった感じだった。  
「女の子だってこと黙っててごめんね…驚かせてちゃったね」  
ゼロロは申し訳なさそうにあやまる。  
「まあ正直、驚いたけどそんなに気にすることないよ。でもなんで黙ってのさ?」  
「だってケロロ君達、僕のこと「君」付けで呼んでたし…なんだか話すに話せなくて…女の子だって知ったらもう友達じゃいられなくなると思って…本当にごめんね」  
「そっか…。気にすることないよ。男であろうと女であろうと俺達、友達だろ!なあ、ギロロ!」  
「そうだ、気にすることはないぞ」  
「ケロロ君…ギロロ君…ありがとう…」  
 
ゼロロは感謝で目が潤んでいた。  
 
(ゼロロ…よっぽど気にしてたんだな…なんだかそう泣かれると少しかわいいな、って何を考えてるだ俺は!)  
つい変なことを考えてしまったとギロロは顔を赤くしていた。  
「ギロロ君?どうしたの?顔が赤いよ」  
「ゼロロ。ギロロが赤いのはもともとだよ」  
ケロロはすかさずツッコミを入れる  
「それもそうだね」  
ふふっとゼロロが笑った。その笑顔を見たギロロはついドキッとしてしまった。  
(な、なんだどうしたんだ俺?なんでこんなにドキドキするんだ…)  
ギロロは自分の変化に戸惑っていた。こんな気持ちは初めてだったからである。  
「ギロロ?どうしたんだ?早くゼロロの部屋にいこうぜ」  
「あ、ああ…行こう」  
そう言いゼロロの部屋に向かったのであった。  
 
 
そこで目を覚ました。  
「む?いかん、いかん。武器の手入れをしてる最中に居眠りしてしまうとは……それにしてもあの時の夢を見るとは懐かしいな。あの時は正直驚いたな」  
幼少時代の頃を思いだし懐かしむ。  
(そういえばあの時何故ドロロのことをドキッとしてしまったんだろう…まさか俺は…)  
そう考えるとあの時の自分の気持ちに説明がついた。  
(俺がドロロのことを…?)  
そう思ったら顔が赤くなってきた。なんだか恥ずかしくなってきたので一旦、考えるをやめ、少し休むことにした。  
(そういえば今日のドロロの様子、変だったな。もっと気を引き締めてもらわねばな)  
今度会ったら注意しようと思った。  
(だがケロロが言っていたよな。そっとしておいたほうがいいと。アイツにしてはまともなこと言ってたしな、やはりそっとしたほうがいいのか?)  
どうしようか一人悩んでいたらケロロがやって来た。  
 
「おおっ!ギロロ!いたでありましたか。実は後で我輩の部屋に来て欲しいであります」  
「なんだ?侵略作戦についてのことか?それ以外だったら行かないぞ」  
相変わらず侵略のことしかないギロロであったがケロロはかまわず続ける。  
「侵略とはちがうんでありますが、どうしても来て欲しいんであります。それじゃあ1時間後に……」  
「あっ!おい!」  
ギロロが呼び止めるのも聞かずさっさと自分の部屋に帰ってしまった。  
「なんなんだあいつ……。勝手に頼んでさっさと行ってしまうとは…。まったく勝手な奴だ……」  
文句を言いながらも必死に頼んでいたことも気になり、後で行くことにした。  
そしてケロロはというとケロボールを取り出しドロロに連絡を取っていた。  
「あっ!ドロロ!実は後で我輩の部屋に来て欲しいんでありますが……平気!?じゃあ、1時間後にということで…。」  
用件を伝え、とりあえず一息つく。」  
「ふう……これで二人の方は大丈夫でありますな。さ〜てそれじゃ後は準備をするだけでありますな。クルルの奴、完成したかな〜」  
「ク〜クックック、もう出来てるぜぇ……」  
「ぎゃああ〜〜。い、いつの間に!?」  
驚き、振り返るとそこにはクルルがいた。  
 
「さっきからいたぜぇ…クックック」  
「と、ところで例の物は完成したのでありますか?」  
「ああ…ちゃんと出来てるぜ……」  
そう言い、持っていた銃をケロロに見せる。  
「おお!!これが!!」  
「ああ……完璧な出来だぜ…もっとも俺に失敗なんて言葉、存在しねえがな。ク〜クックック………」  
「ゲ〜ロゲロゲロ!これで準備は整ったでありますな。後は成功を祈るのみであります。それにしてもよく協力してくれたでありますな、クルル」  
「ク〜クックック。まあ俺としてもこの銃の性能を試したいからな、クックック……」  
まあそうだろうと思っていたので得に何も言わないことにした。  
 
やがて約束の時間が近づきギロロがケロロの部屋の前に来るとちょうどドロロが煙と共に姿を現した。  
 
「ド、ドロロ!?どうかしたのか?」  
「ギ、ギロロ殿!?そ、そちらこそ隊長殿に何か用があるのでござるか?」  
ドロロはまさかいきなりギロロと会うとは思わなかったので驚いていた。  
ギロロに会う前にちゃんと心の準備をしてから告白しようと思ったのにいきなり会ってしまったので焦っていた。  
(ど、どうしよう…まだ心の準備もできてないのにギロロ君に会うなんて…)  
「いや……俺はケロロに用があるから来てくれと頼まれたからきたんだが…」  
ギロロはさっきの夢を見たせいかついドロロのことを意識している。  
(くそっ…昔のことじゃないか。なんで今頃になって)  
「ギロロ殿も?拙者もでござる」  
二人を呼んで何をするつもりかわからなかったがなんだか悪い予感してきた。  
「あいつのことだからろくなことじゃないと思うが、必死に頼んでいたからきたんだが…」  
「必死に…でござるか?何故?」  
「さ、さあな、とにかく待たしておくのもなんだしな、とりあえず入るか…」  
「しょっ、承知したでござる…」  
二人とも焦りながらそう言いギロロはドアを開けた……  
 
「っ!?クルル!来たでありますよ!用意はいいでありますな!」  
「ああ…いつでもいいぜぇ…」  
クルルはドアに向かって銃を構えた。そして二人が入ってくる瞬間に引き金を引いた。  
引いた瞬間、強い光を放ち、その場にいた全員が巻き込まれた。  
「っ!?」  
だんだん光が収まってきたのでギロロはそばにいたドロロに話しかけた。  
「お、おいドロロ平気か……」  
少しずつだが目が見えるようになりドロロを見ると言葉を失った。  
「な、なんだよコレは……」  
ギロロが驚くのも無理はない。そこにはドロロの姿はなく忍者の格好で青い髪と目をした少女がいた。  
「ギロロ君こそ、その姿……」  
ドロロもギロロの姿を見て驚いていた。そこには軍人の格好で赤髪で目に傷跡があった青年がいた。  
 
「やった〜成功だ〜!」  
「クックック…だから失敗なんてしねえと言っただろ……まあ俺たちまで巻き込まれるとは予想外だったがな…」  
緑色の髪をした青年と黄色の髪をしていてグルグルメガネをかけた青年が言った。  
「おい!これはどうゆうことだ!」  
「クックック、この銃の光に当たるとポコペン人の体に変化させることができる代物さ…」  
「何故このような物を作ったんでござるか?」  
「まっまあこの姿ならポコペン人も油断させることができると思ってやったんでありますよ」  
「な、なるほど…」  
ケロロは少し焦ったような口ぶりだったが、ギロロ達は気付かず納得したようだ。  
「そうか…じゃあ成功したんならもう戻してくれないか?なんだか落ち着かん…」  
「クックック、そいつは無理な話だぜ…」  
クルルが笑いながら言った。  
 
「っ!?どうゆうことだ!?」  
「今の実験で銃が耐えられなくて壊れちまったからな…しばらくは使えないぜ…」  
「そ、それじゃそれまで拙者たちは…」  
ドロロが恐る恐る聞いてみた。  
「しばらくポコペン人の姿のままってことになるぜ…」  
「そんな……」  
クルルの言葉にドロロは落ち込む。そんなドロロにケロロはすかさずフォローする。  
「ま、まあずっとポコペン人の体って訳じゃないしさ、そう落ち込むことないでありますよ。」  
「…そうでござるな。落ち込んでいても仕方ないでござるな…」  
「戻れないなら仕方ない。しばらくこの姿で我慢してやる」  
二人は仕方ないのでこの姿でいることにした。  
「それじゃあ直ったら連絡するぜ…」  
「ああ、頼む」  
そう返事して二人は部屋から出て行った。  
 
「ふう…なんとか誤魔化せたでありますな…バレたりしたらホント殺されるてしまうでありますよ」  
ケロロはバレなかったことに安心している。  
「ク〜クックック…成功だな…使ったら壊れるように作ったからな、そう簡単にバレないぜぇ……」  
実は二人がすぐに戻れなくなるようにわざと壊れるように作ったのだ。  
「隊長…後はいいのか?」  
「う〜ん、さっきの様子からすると何故かわからないでありますがギロロもドロロのことを気にしてるようでありますからなぁ…とりあえず様子を見てみるであります」  
部屋の前の様子はモニターですべて見ていた。  
「ク〜クックック…了解…」  
 
一方、ギロロとドロロは……  
「まったく…酷い目にあったな…あいつらときたらろくな事をしない」  
「まあいいじゃないでござるか。隊長殿も悪気があってやった訳でないでござるし…」  
「しかしなぁ…どうしてもこの格好は落ちつかないんだが…」  
そう言ってドロロにほうを向く。  
「っ!?」  
「どうしたでござるか?ギロロ殿」  
「い、いや…なんでもない…」  
ギロロは顔を赤らめた。ドロロのかわいらしい女の子の姿にドキッとしてしまったからである。  
(ドロロの奴、ポコペン人の姿だとなんて可愛いんだ…くそっ!)  
「ギロロ殿……実は折り入って話したいことがあるのでござるがよいでござるか…?」  
 
「な、なんだ…俺でよければいいが…」  
突然、話し掛けられたの少し驚きながらも返事をする。  
「それでは後でギロロ殿のテントに行くのでその時に……」  
そう言って煙と共に消えた。  
ギロロも自分のテントに戻っていった。  
(やはり俺はドロロのことが…)  
ギロロは自分の気持ちに気付いていた。昔のことだけではない。今までそれとなくドロロのことを意識していた。だが強情な自分は恥ずかしいと思いその気持ちを否定していた。  
しかし今はっきりとわかった。そしてギロロは決心した。  
 
              ◇  ◇  ◇  
 
数十分後、ドロロがやってきた。  
「お邪魔するでござる」  
「よくきたな、入ってくれ」  
そう言ってドロロを中に入れた。  
 
「それで俺に話したいことって何だ?」  
「実は……」  
どうしよう…と思った。覚悟を決めて言おうと決めたのにいざ言おうとすると怖くてそこから先の言葉がでてこない。  
ずっと好きでした、と言えばいいのにどうしても言うことができない。だんだんこの場所にいることが辛くなってきた。  
「…やっぱりなんでもないでござる……失礼したでござる…」  
辛くて涙が出てきた。こんな姿見られたくない…。やっぱりだめだ…そう思いテントから出ようとした。  
出ようとした時突然、腕を掴まれた。  
「待て!ドロロ…俺も話したいことがある…」  
腕を掴んだまま話し始める。  
「今日、初めてお前の家に遊びにいった時の夢を見たんだ。そのときお前が始めて女だってわかった時の頃だ」  
ドロロは後ろを向いたまま黙って聞いた。  
 
「俺はずっとお前を友だと思っていた…だがあの日俺は友だと思えなくなってしまったんだ…」  
「…つまり拙者のことが嫌いになったという訳でござったのか…?」  
声が震えていたのが自分でもわかった。もう嫌だ!そう思い、掴まれている腕を振りほどこうとする。だがギュッ、と痛いくらい強く掴まれているので振りほどこうにも振りほどけない。  
「違う!」  
そう叫んで後ろから抱きつかれた。  
「違うんだ…俺はあの時からお前のことを友ではなく、一人の女として見るようになったんだ」  
ドロロは抱きつかれたまま黙って話しを聞いた。  
「俺はそんな気持ちを恥じてずっと気付かないふりをしていた…だがやっと決心がついた。  
ドロロ…俺はお前が好きだ…」  
「ギロロく……んっ!?」  
突然、向かい合わせになり口布を取られ口付けをされた。  
 
「ドロロ…」  
一度、口を離し角度を変えて唇を重ねる。ギロロの舌が唇を割って入ってドロロの舌をなぞった。  
ドロロはビクッと驚いてギロロの舌から逃げようとするがそれを許さず、舌を絡めとる。  
「んっ……ギロ…くっ…はあっ…ん…」  
何度も口付けされ続け息が荒くなっていく。頭の芯が溶けていくような気分だった。  
何度か口付けをして口を離すと二人の唾液が糸を引いた。  
「あ…は…っん…ギロロ…く…ん…」  
濃厚なキスをした刺激でドロロの目はトロンとしていてその潤んだ青い瞳でギロロと見つめ合いながら話す。  
「ギロロ君…僕もずっと君のことが好きだったんだ…お願い…抱いて…」  
「いいのか?俺で…」  
「うん…君を感じたいんだ…」  
そう言い終わるとゆっくりとドロロを押し倒す。そして少しずつドロロの服を脱がしていく。  
 
だんだん白い肌が露わになっていき、パサッと上着を取りドロロの胸を露にした。  
再び口を重ね、やさしく胸を揉みまわしながら舌を絡めあった。  
「ん…あっ…はあん…ギロ…は…ん!」  
そして口を離し顔を胸の方に移動し、ピンク色の突起を口に含む。  
「あっ…ん」  
ドロロの口から甘い声が漏れてくる。その声に刺激されたギロロは硬くなった乳房を甘噛みする。  
「ふあぁ…あっ……ギロロくぅん…!」  
生まれて初めての快感にドロロはただ喘ぐことしかできなかった。  
やがてギロロは胸から顔を上げて、下の方も脱がす。  
下着の中央の部分はしっとりと濡れていた。  
下着の上から秘部を指でなぞる。  
「ああっ…あん…っ!」とピクンッと跳ね上がる。  
ギロロは最後の衣服を取り、ドロロは一糸纏わぬ姿になった。  
「ドロロ…きれいだ…」  
そう耳元で囁くとドロロは恥ずかしそうに顔を赤らめた。そんな姿が可愛く思い、再びキスをする。  
 
そのまま口を塞いだまま秘部のほうを撫でる。  
「ん、あぁん…」  
直接、秘部を触られて余計に感じてしまい、唇を噛んで喘ぎ声を押し殺す。  
「ドロロ、もっと声を聞かせてくれ」  
「だ、だめだよ…恥ずかしいから…」  
「恥ずかしいのは俺だって同じだ」  
「え? あっ……」  
ギロロは少し恥ずかしそうに言うと、いきり立った剛直を滑らかな内股に押し付けた。  
服越しでもそれはとても熱く、鉄のように硬くなったその感触にドロロは驚く。  
「ギロロ君の…こんなに…!?」  
「わかったか?俺もここまで昂ぶっているんだ。お前と同じで…」  
そこまで言うと再び秘部を刺激する。  
「やぁっ…!だ、だめぇ…あ、ああ…」  
激しい愛撫にドロロは快楽に飲まれまいと必死に耐えるが、確実に攻めあげていく。  
すると何を思ったのか突然、愛撫をやめた。  
 
「ギロロく、ん?…あっ!あぁんっ!やあっ」  
ギロロは顔を秘部に近づけ、舌で刺激した。  
舐めるごとに秘部からは蜜が止まることなく舌ですくいとれないほど溢れ出してくる。  
「あぁんっ!だっ……めぇ!ギロ…く…このままじゃ……」  
「いいぞ…そのまま、達しても…」  
「そ、そんな……あ、あ、あっ!?」  
もうドロロの限界は近い。そう感じ取ったギロロは強く吸い付いた。  
「もう、もうっ!…ああぁんっ!」  
体を弓なり反らし、ドロロはビクビクと身体を震わせて達した。  
「んっはぁ、はぁ……。ギロロ君…」  
絶頂に達したところを見られたのが恥ずかしいのか顔を赤らめている。  
そんなドロロを愛しく思いながらギロロは服を全て脱ぎ去り、ドロロの上に覆いかぶさりいきり立った剛直を秘部にあてがう。  
 
「ドロロ…いくぞ?」  
「うん…」  
小さく頷き、ドロロの腕がギロロの首に回される。  
「っん!……あっ!いっ…!」  
入れようとした瞬間ドロロは痛そうに呻いた。すぐにやめて様子を確認する。  
「すまん…!痛かったか…?」  
「ご、ごめん…もう平気だから続けて…」  
平気だと言うがとても平気そうな顔ではない。  
「無理するな…痛いならやめるから…」  
「嫌だよ…やっとギロロ君と結ばれるのに…こんな中途半端なんて…」  
「だが……」  
「お願い…そうだ!」  
何を思ったのかドロロは自分の服を探りだした。そして何らかの小瓶を  
取り出しギロロに渡す。  
「ドロロ、なんだこれは?」  
「それは小雪殿からもらった媚薬なんだ…これを使えば少しは良くなると思う」  
「いいのか?こんな物使って…」  
「うん…ギロロ君の全てを感じたいんだ…だから…」  
 
そう言い終わるとギロロもわかった、と頷き蓋を取り、中からドロドロした液体をすくい取りドロロの秘部に塗りつける。  
「ふあぁ…あぁん…んあっ!」  
どんどん身体が熱くなってくるのを感じた。塗られたところが熱く疼いてくる。  
ギロロは秘部の内側にも塗りつける。  
「あぁ…ギロロ君…そんなとこまで…あぁん!」  
媚薬の効いてきたのかドロロの顔がだんだん上気してくる。身体が疼いて仕方がない。  
「ギロロ君…!お願い!きて!」  
その言葉にギロロはドロロに再び秘部にあてがう。  
「ドロロ!いくぞ!」  
「うっん!…っああ!」  
ドロロの様子を見ながらゆっくりと腰を沈めていく。まだ痛そうだが最初のときよりは良くなっていた。  
ドロロの中はとてもきつく、ぎゅうぎゅうと締め付けてくる。  
少しつらいがとても心地良かった。  
ある程度、腰を進めていくとズンッと先端に何かにぶつかった。それはドロロの純潔の証であった。  
 
「ドロロ…ここからまたつらいが平気か…?つらいのならやめるが…」  
「ううん…大丈夫…来て…」  
ドロロの承諾を得て再び腰を進める。ズブッと音を出してそこを貫いた。  
「あっ!痛ぁ……」  
膜を貫きドロロは処女を失った痛みで涙がポロポロと涙が流れ出る。  
流れ出る涙をギロロは唇ですくい取り、何度も優しくキスをする。  
何度もキスをしてくれたおかげでドロロも少し落ち着いてきた。  
「ドロロ、平気か?」  
「うん……大丈夫だよ…」  
小さい声で返事をしてドロロは優しく笑った。  
「ゆっくり動かすからな……」  
そう言ってドロロを気遣いながらゆっくりと腰を動かしていく。  
「ぅん……あっん…くふぅん……」  
少しずつだがドロロの口から甘い声が漏れ出す、しだいに顔が赤く上気していく。  
「うあぁん…ギロロくぅん…きも…ち…いい…よぉ……」  
ドロロは口の端から唾液を垂らし、喘ぎながらギロロに抱きつく。  
いつもの落ち着いた面影はなく、快楽に乱れている姿に欲情しながらひたすら突き続ける。  
そのたびに肉棒にまとわりつく肉壁が締め付け、より快感を昂ぶらせる。  
 
「くぅっ!ドロロ……そんなに締め付けては……」  
「ん……あっ!そ、そんなこと言われても…気持ち…良すぎて…ああんっ!ゆうこときかないよぉ…!」  
ギロロに力強く抱きついて快感に喘ぎながら訴える。すでにドロロには余裕がない。  
そんなドロロを更に追い詰めるために激しく突き上げる。  
「ああぁん!ギロ……く…やぁっ…だ…めぇ…!」  
目元に涙を浮かべながら己の限界を訴える。  
動き続けながらドロロの唇を己の唇で塞ぎ舌を絡める。ドロロも本能のまま舌を絡ませる。  
「い…やっ…も…だめ……本当にっ……」  
「くっ…!俺もそろそろ……!」  
二人の限界は近い。そう感じ取ったギロロは更に激しく突き動かす。ドロロもギロロの背中に強く抱きしめる。  
「くっ……ドロロっ……いくぞっ……くうぅっ!!」  
「あああああんっ!!」  
歓喜の声を出しながら二人は絶頂に達した。剛直の先端から大量の精液を最奥に注ぎ込む。  
「んあぁ……熱い…熱いよぉ……」  
子宮に熱い精を出され、恍惚の表情を浮かべその熱を感じながらふっと意識を失った。  
ギロロは自身を引き抜き、優しく抱きしめ髪を撫でながらそっとキスをして  
そばに置いてあった毛布をお互いの身体に被せ自分も深い眠りについた。  
 
              ◇  ◇  ◇  
翌朝、ドロロが先に目を覚ました。  
「ん…ここは……あっそうか……」  
気だるい体を起こし、昨夜の出来事を思い出す。  
(そうだ…昨日、僕はギロロ君と……)  
昨夜の出来事を思い出し、顔が赤くなってくる。  
(ど、どうしよう……これじゃ恥ずかしすぎて顔を合わせられないよ!)  
「ドロロ、どうした?」  
「えっ!ギロロ君!いつの間に!」  
顔を真っ赤にしてどうしようと混乱している時、ギロロは目を覚ましていた。  
「あっそ、その……」  
恥ずかしくてギロロの顔をまともに見れず、毛布で自分の顔を隠す。  
そんなドロロの様子に気がつき、可愛らしいと思った。  
「ギロロ君…僕でいいの……?」  
毛布にうずくまりながら恐る恐るドロロが聞いてきた。  
「ああ…お前がいいんだ……」  
そう返事をして毛布にうずくまっているドロロを抱きしめた。  
「本当に…?」  
「ああ、本当だ。好きだ」  
「ギロロ君…僕も好きだよ……」  
ずっと想い続けてきたこと言えてドロロは嬉しくて涙を流した。ギロロは涙を指で  
拭うと、どちらともなく唇を重ねた。互いの温もりも感じながら……  
 
              ◇  ◇  ◇  
「やあ!二人ともおはようであります!」  
身支度を整えケロロの部屋に行こうとするとケロロとやって来た。  
「おや?二人一緒でありましたか?ドロロ、どうしてギロロのテントに?」  
「えっ!い、いや別になんでも……」  
「あ、ああなんでもない…それより何か用か?」  
二人とも焦りながらケロロに説明する。  
「そうでありました。クルルが例の銃の修理が終わったので伝えようと思って  
来たのであります」  
「そ、そうか…ならすぐに行くとするか。ドロロ行くぞ」  
「あっ承知したでござる…」  
二人は顔を赤くしながら早々とケロロの部屋に向かった。  
(どうやらうまくいったようでありますな)  
二人の様子から見て進展があったのは間違いなかった。  
(よかったでありますな…ドロロ…)  
二人の後ろ姿を見ながら心の中でそう呟いた。二人の幸せ祈りながら……  
 
―END―  
 
 

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