「はぁあ〜〜〜、暇ぁ…」
巻町操は、馴染みの団子屋で縁台に座り、暇を持て余していた。
「爺や達は忙しそうにしてるし、蒼紫様はちっとも構ってくれないし……。はぁあ〜〜〜〜」
雪代縁の一件が片付いて京都に戻ってきて以来、刺激も彩りも無い生活の中で、操は溢れる元気の持って行き場が無かった。
操は立て続けに溜め息をつき続ける。
そんな操にある人物が声をかけた。
「いたいた〜! 久しぶりじゃない!!」
不意に背中を強く叩かれ、操は縁台から見事に転落してしまった。
「…いったぁ〜い! ちょっと、いきなり何すんのよ………って、オ、オカマ!?」
声をかけたのは、元十本刀・本条鎌足だった。
操は本能的に懐から苦無を出して構える。
「何でアンタがここにいるのよ!!」
鎌足は両手を前に出して、落ち着いて言った。
「ちょっと、ちょっと。私のこと、張クンから聞いてないの?」
操は、志々雄討伐の直後に白べこに来た沢下条張の話を思い出した。
「……ん? あぁ、そう言えば…」
操は苦無をしまったが、まだ怪訝な顔をしている。
「んで? 何の用な訳?」
「あら、随分つれないわね。アナタにはお世話になったから、せっかく向こうへ出発する前に挨拶しにきたってのに」
「ふん、イヤミのつもり?」
「そうじゃなくて。アナタは、自分で命を絶とうした私を止めてくれたでしょ? だ・か・ら」
そう言って、鎌足はニッコリと笑った。
その笑顔を見た操は、何故か顔を赤くしてしまった。
(……なななななんで私、ドキドキしてんのよっ! コイツは男なのに! あ、でも男だったら当然の反応か…。そうじゃなくて! コイツは見た目は女だし! 私には蒼紫様が! え〜と、え〜と……)
操は訳の分からない思考に陥り、頭を抱えだした。
そんな操を見ていた鎌足は、手を叩いて言った。
「そうだ! ねえ、私の泊まってる旅籠に来ない? お茶でも飲みながら、ゆっくりお話しましょ!」
そう言うと鎌足は、未だにNOooooooと頭を抱え続ける操を引きずり、自分の旅籠に向けて歩き出した。
不本意ながらも操は、旅籠の一室で鎌足と共にお茶を飲んでいた。
お茶をすすりながら、時折チラリと鎌足を盗み見る。
鎌足は葵屋での闘いの時とは違い、紅葉柄の着物を襷を掛けずに綺麗に着こなし、顔には薄く化粧をしている。
(ホンットに私より可愛い。……なんか腹立ってくるなぁ)
操は羨望に似た気持ちを抱きながら、またお茶を一すすりした。
そこで不意に鎌足が口を開いた。
「ねえ、あの蒼紫とかって人とは、とっくに結ばれたんでしょ?」
「ブーーーーー!!」
操の口から盛大に吹き出されたお茶を、鎌足はヒョイと避ける。
そして、そのまま操の隣に来ると、肩をくっつけて可笑しげに言った。
「あら、図星だった? へえ〜、見掛けによらずアナタもやるじゃな〜い」
「う、うるさいなぁ! いちいち隣に来ないでよっ!」
操は腹が立つやら、恥ずかしいやらという気分で、顔を真っ赤にした。
京都に戻ってから、操は一度だけ蒼紫に抱かれた。
その時は、蒼紫の優しい気遣いを含んだ動作や純潔を捧げた喜びで、破瓜の痛みはあったが有頂天といった感じだった。
しかし、それ以来抱いてくれるどころか、まともに構ってもくれない。
顔を合わせれば優しく微笑んでくれる時もあるが、それでも操は大いに不満であり、そのような経緯も操に溜め息を連発させるのだった。
しかし、そんな操の横で少し暗い声が聞こえた。
「……いいわね、あなたは。最愛の人がいつもすぐ近くにいるんだから…」
操が鎌足の方を向くと、再会してから初めて見せる陰のある顔が目に入った。
(……そっか、コイツ…)
今でも、あんな凶悪な人間を愛する鎌足の気持ちは理解できない。
では最愛の人間がこの世からいなくなる気持ちはどうかというと、その気持ちは痛いほどよく分かる。
「……元気、出しなよ」
操は鎌足の頭をよしよしと撫でた。
子供でもあるまいし、もっと方法があるのだろうが、操にはこれぐらいしか思い浮かばなかったのだ。
「フフッ、慰めてくれるんだ。ありがとう……」
鎌足は操をギュッと抱き締めた。
「わわっ、こらぁ!」
操は鎌足の突然の抱擁に驚き、非難の声をあげた。
だが、彼のこの先ずっと癒えることのない悲しみを思い、しかたなくその背中をポンポンと叩いてやった。
(……慰めてほしいのは私も一緒なんだけどな。でも、コイツの方がツラい思いしてるもんね…)
操はしばらく好きにさせることにした。
彼がオカマだということと、一人の男性を一途に想う似た者同士ということが、操の警戒心を薄くしてしまった。
鎌足は操の耳に、そっと顔を近づけて呟いた。
「優しいのね…」
鎌足の熱い吐息が操の耳に触れる。
「……んっ、くすぐったい…」
操が耳をくすぐる吐息に困惑していると、鎌足は操の耳朶を軽く噛み、舌を這わせた。
「ひゃあっ!? ちょ、調子に乗るな……んぁ!」
鎌足を怒鳴りつけ、振り払おうとした操だったが、装束の上から胸をまさぐられあっけなく声をあげてしまった。
「……慰めてくれるんでしょ?」
「だ、誰もここまでしていいとは言ってな、んむぅ! んうぅぅ!」
文句を言う操の口を、鎌足の唇が素早く塞ぐ。
「んぐぐぐぐ! んぐぅーーー!!」
操は力を込めて抵抗しようとしたが、鎌足の怪力で両腕ごとガッチリ抱き締められ、身動きが取れない。
そして、鎌足は操の口内に舌を滑り込ませた。
「んむぁ…あふ…んぐ…んうぅん…」
鎌足の舌が淫靡な音を立てて暴れまわり、操の四肢からは徐々に抵抗する力が失われていった。
瞳が潤み、体中が熱くなっていくのを感じた時、操は簡単に押し倒されてしまった。
鎌足は畳に押し倒してもなお、操の口内をしつこく攻め続けた。
「……あふぁ…はぁ……あぅ……ふあ…」
操はだらしなく口を開けたまま、口の端から涎を垂らしている。
やっと鎌足が口を離すと、二人はしばらく息を荒げて見つめ合った。
「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…な…に、すんの…よ」
「はあ…はあ…はあ…はあ…フフッ、かーわいー♪」
鎌足は、力の抜けきった操の装束を、喜々として脱がせ始めた。
「……やぁ…駄目ぇ。私…蒼紫様以外の男には…」
「だいじょ〜ぶよぉ。だって私、オカマだもん」
「……あ、そっか。なら、いいや………って、よくなぁい…」
操はツッコミにも力が入らない様子だった。
「そ〜だ! いっそのこと男はその人で、オカマは私、んで女はあの女剣士にしたら?」
「……私は…そんな変態じゃなぁい…」
再び力の無いツッコミを入れた頃には、操の装束はほとんど脱がされていた。
「あっ、やあぁ……」
操は顔を紅潮させて、胸と下腹部をそれぞれの手で隠した。
鎌足はその上から多い被さると、操の頬に口づけて言った。
「まあ、さっきのは冗談だけどね。でも、アナタに感謝してるのはホントだし、アナタを可愛いって思ってるのもホントよ。それに……」
そこまで言うと鎌足は先程とは違い、操をキュッと優しく抱き締めた。
「……アナタに慰めてもらいたいってのも…ホント。アナタは私の気持ちを分かってくれたから……」
抱き締める優しさとは裏腹に、鎌足の声はひどく悲しみに満ちているように、操には聞こえた。
操はしばらく考えた後、鎌足の背中にそっと両腕を回した。
「……いいよ」
「えっ…?」
「ん〜と、その、だから、男は蒼紫様だけ、オカマはアンタだけってことにしといてあげる。だから……いいよ」
鎌足は少し涙を滲ませながら微笑むと、操の唇に触れ合うような口づけをした。
「……ありがと」
優しい口づけを幾度も唇に降らせてくる鎌足を制して、操は言った。
「ね、ねえ、畳の上は痛いからさ……その、お布団で…」
「あ、そっか。ごめんね」
鎌足はうっかりしていた、という顔をすると、操から体を離して押し入れから布団を出した。
すでに全裸だった操は、鎌足の敷いた布団に急いで飛び込むと、恥ずかしそうに掛け布団を顔の半分まで被ってしまった。
そんな操を見て、鎌足はクスクスと笑いながら、帯を解いて着物を脱ぎ始めた。
操は鎌足の容姿のせいで、着物の下から出てくるのは女性の裸体だと錯覚していた。
違っていて当然なのだが、操は鎌足の体を見て目を丸くしていた。
(わ、私より胸が無い…! そそそそそんなことより、あ…アレがすごい立ってる! ていうか、お…おっきすぎる!! あんなのが入るの!?)
布団に入ってきた鎌足は、笑いながら操に言った。
「何、固まってんのよ? 私の見るの初めてじゃないでしょ?」
「で、でも、あの時と形も大きさも全然違うっ!!」
「そりゃ、あの時は平常時だったから…。それにアナタ、経験あるんでしょ?」
「蒼紫様の時は真っ暗だったもん! ていうか、堂々と見せるなぁ!!」
「んも〜相変わらずウブなんだからぁ。かーわいー♪」
そう言うと、鎌足は操に口づけしながら、胸に指を這わせた。
「んんっ! んぁ……あん…んぅ……あぁ…」
操の胸が自分に負けないくらい平坦だった為、鎌足は揉むことを諦めてひたすら乳首に刺激を与えた。
掌で優しく転がし、親指と人差し指で摘んで捻る。
「……んっ……はあっ……ふぅっ……ん……あっ…」
指先を往復させて弾き、爪を立てないように軽目に何度もひっかく。
「あっ…あっ…あっ…んんっ、ふあっ、んうっ、うぅっ」
最後に少し力を込めて指の腹で押し潰した。
「あああぁぁぁっ……そんなにしちゃ…いやぁ……んううぅぅ!」
ビクンビクンと体を震わせている操に口づけると、鎌足は布団の中へ身を沈ませた。
自身の体を布団の中に潜り込ませると、鎌足は操の乳首を口に含んだ。
「……んあっ!」
そのまま口の中で乳首を転がし、時折軽く歯を立てる。
「はあぁ…んうぅ…あぁあ……あっ、あっ、あっ、んっ……ひあっ! か、噛んじゃ駄目ぇ…」
片方の乳首を指でこねくり回し、もう片方を強く吸いあげる。
「んうううぅぅ! あぁっ! あふぅ! くうぅ……ふうぅ…強すぎるよぉ……あぁ…」
操は快感にあえぎながら、眉間に皺を寄せて固く目をつぶり、敷布団を強く握っている。
鎌足がそっと操の秘所に手を伸ばすと、そこからは洪水のように愛液が流れ出していた。
「……す、すごい、もうこんなに…。胸しかしてないのに…」
鎌足は宝物を見つけた子供のように瞳を輝かせると、さらに下へ下へと身を沈ませ、操の股の間に顔を埋めてしまった。
「あぁっ!? 駄目、駄目ぇ! そんなとこ、汚いよぉ…!」
恥ずかしがる操の耳は、布団の中から聞こえてくる、はぁはぁという鎌足の荒い息を捉えた。
自分の大きく広げた股の間に、鎌足が顔を埋めて興奮している。
蒼紫にもされたことの無い行為。
そんなことを考えると、操もいつしか羞恥を超えた妙な興奮に体を包まれていった。
「……な、舐めるわよ」
布団の中で鎌足は思わずうわずった声をあげた。
舌を大きく伸ばして、操の秘所を一気に舐めあげ、愛液を掬い取る。
「ふああぁぁ! はあああぁぁぁん!!」
敏感な秘所に感じる熱く柔らかい舌の感触に、操は一際大きな矯声をあげた。
鎌足は操の愛液を舌の上で転がし、充分に味わうとゴクリと嚥下した。
「……あぁ、すごく美味しい…」
うっとりした顔で言うと、鎌足は再び操の股間に顔をねじ込み、狂ったように秘所を舐め続ける。
秘所を襲う乱暴な快感の嵐に、操は泣き声に近い叫びを部屋中に響かせた。
「いああぁぁぁ! ひぃっ! ひぃっ! うぅああぁぁぁ!」
鎌足はもはや舐めるだけでは飽きたらず、舌を膣内に突っ込み、新鮮な愛液を掻き出している。
操の秘所は後から後から愛液を湧き出させ、布団はまるで寝小便を漏らしたようにビショ濡れになっていた。
操は瞳を潤ませ、受け入れきれない快感のうねりに身をよじらせている。
「……はぁ…はぁ…あぅん! も、もう駄目ぇ…。許して…あはぁっ! ひぃん!」
鎌足は湧き出る愛液を舐め取り、飲むことに没頭していたが、操の哀願の声を聞いて嗜虐心を燃え上がらせた。
そして、操の幼い肉芽の皮を剥き、尖らせた舌で直接グリグリと刺激した。
「!? きゃああああぁぁぁぁぁ!!!!」
あまりにも強すぎる初めての刺激に、操は悲鳴をあげた。
「あぁあ!! 許して!! お願ぁい!! うあぁん!! 強すぎるの!! ひあぁ!! 許してえぇ!!」
だが鎌足は操の反応が面白いらしく、なかなかやめようとしない。
「うあっ!! んあぁっ!! 許してぇ!! ごめんなさぁい!! ごめんなさぁい!! ごめんなさあぁい!! ああぁぁ!!」
別に何も悪いことをしている訳でもないのに、操は頭がおかしくなりそうな刺激から逃れる為、必死に謝った。
鎌足はその声を聞くと、さすがに気の毒になったのか、操の秘所から口を離した。
やっと苦痛に近い快感から解放され、操は死んだようにグッタリとなった。
鎌足は、操の意思とは無関係に愛液を湧出させる秘所を見つめながら、身を上らせて布団から顔を出した。
朦朧とする操の目の前に、鎌足の顔が戻ってきた。
悪戯っぽく笑うその顔に、操は少し不安を覚える。
「……はぁ…はぁ…ど、どしたの…?」
不思議そうにしていると、突然強烈な刺激が操の腰を跳ね上げた。
「ひぃあああぁぁぁ!!!!」
操は目を見開いて体を弓なりにしたまま、ガクガクと大きく体を震わせている。
「……あ…あ……あ……あ……あ…」
鎌足は申し訳無さそうに言った。
「ごめんねぇ。だってすっごくグショグショになってたから、つい…」
操の膣内には、鎌足の中指と薬指が奥深くまで挿入されていた。
やがて、操の体から力が抜け、跳ね上がっていた腰がフルフルと降りてきた。
「……も…もう…急に……入れ…ないでよぉ………馬鹿ぁ…」
「だから、ごめんってば。何? もしかして、達しちゃった?」
「……!」
操は両手で顔を隠したまま、プイと横を向いてしまった。
「あら? すねちゃった? お〜い」
「………」
操は顔をそむけたまま黙ったままでいる。
「……あら、そう。返事してくれないんなら…」
鎌足は挿入されたままになっている、二本の指を掻き回し始めた。
「……あぁっ!? あぁ! んあぁっ! うあぁあ! あうぅ! いやぁっ! あぁっ!」
鎌足は操の中を荒々しく掻き回したまま、耳元で尋ねた。
「ねえ、気持ちいい? 気持ちいいの? 言ってよ、ほら」
「あぁ! あはぁ! ひあぁ! うぅっ! き、きもち、いいっ! いいっ! ああぁあ!」
「ふ〜ん、そう…。胸だけであんなに濡らしたり、簡単に達しちゃったり…。経験少ない割にはずいぶん感じやすいのね。なんていやらしい子なのかしら…」
「ああっ! い、いやっ! いぃ、言わないで! そんなこと言わないでぇ! あはぁ! いやぁ! いやぁ! んあぁ! いやぁ!」
鎌足は操のその声を聞くと、暴れさせていた指をピタリと止めた。
「……え? なんで…?」
「だって、私にされるの嫌なんでしょ? 今、言ってたわよ、いやぁ〜って」
鎌足はわざと不機嫌そうな顔をして、ゆっくり指を引き抜いた。
操は鎌足の仕打ちに思わず涙ぐんだ。
「……そんなぁ…だって…だって………ねえ…意地悪……しないで…」
鎌足は、操のよく変わる表情を眺めながら、笑って言った。
「フフっ、う〜そ。安心なさいな。今、指よりいいものを入れてあげるから…」
そして、操の秘所に自分の肉棒を当てがった。
操は息を飲む。
しかし、また鎌足は悪戯っぽく笑った。
「……でも、その前にちゃんと『入れて』って、いやらしくおねだりしなさい」
操はその言葉を聞くと、今度は眉を吊り上げて鎌足を睨みつけた。
「絶っっっっ対、イヤ!!」
「入れてあげないわよ?」
「いいもん! いらないもん!」
操は怒りを露にして、鎌足からジタバタと離れようとする。
そんな操をしっかりと抱き寄せると、鎌足は肉棒の先端をほんの少しだけ秘所へ滑り込ませた。
「……うぅっ!」
その瞬間、吊り上げていた眉は弛み、もがいていた体も力を失った。
「あら、ごめんなさい。間違えちゃった」
そう皮肉っぽく言うと、鎌足は肉棒を抜いて入口辺りをぐじゅぐじゅと探る。
「別に私はこれでも充分気持ちいいから、このまま出しちゃおっと」
鎌足は意地悪く笑うと、腰を動かして肉棒を秘所に擦りつけ始めた。
「う〜〜〜〜〜〜」
中途半端でもどかしい快感を与えられている操は、気弱く鎌足を睨んだ。
だが、やがて意を決して鎌足に抱きつくと、耳元で小さく呟く。
「………お願い……い、入れてぇ…」
操は真っ赤になった顔を見られないように、しっかり抱きついて顔をピッタリと鎌足の首筋にくっつけている。
「……いいわ。じゃあ、入れるわよ」
鎌足は操を抱き締めたまま、肉棒の先端を秘所に当てる。
そして、緊張する操の頭を撫でると、一気に腰を突き進めた。
「あ、あ、あ、ああああぁぁぁ…!」
「はぁ……すご…い…締めつける…」
二人は同時に艶っぽい声をあげた。
鎌足の物が大きすぎるのか、操の幼い入口は痛々しいほどに広がり、今にも裂けてしまわんばかりだった。
痛いくらいの締めつけと操のしかめ顔を見ていると、さすがの鎌足も心配になってきた。
「ね、ねえ、大丈夫? あまり痛いんだったら…」
操は眉根を寄せながらも、笑ってかぶりを振る。
「……だいじょぶ。ちょっとお腹が苦しいだけで、痛くないから…。動いても、いいよ…」
「う、うん…」
鎌足は躊躇いながらも、ゆっくりと動き始めた。
「うぅっ、うぅっ、んぅっ! うぅっ、あぅっ!」
操は先程までの快感の矯声と違い、絞り出すようなうめき声をあげながら、鎌足の体の下で揺れている。
「あんっ、すごい…気持ちいい……あぁ…狭くて……んっ…」
鎌足はまるで女のように悦びの声をあげながら、操の上で腰を振っている。
操は、恍惚の表情を浮かべる鎌足の顔に手を伸ばし、その頬や唇にそっと触れた。
「うぅっ、んうっ……なん…か…あぅっ、女の人……みたい…だよ…んぁっ…」
鎌足は瞳を潤ませ、恥ずかしそうに眉を下げた。
「……だ、だって…はぁ…アナタの中…んん……熱くて…狭くて…んあぁ…柔らか……い…あぁっ…!」
操は攻めている側なのに可愛くあえいでる鎌足に、愛しさとおかしさを覚えていた。
その感情の働きが、秘所からさらに愛液を溢れさせ、二人の快感と滑りの良さを高めた。
「んあぁ、すごぉい! 気持ちいいよぉ! ね、ねえ、もっと強く動いて、いい?」
「はぁっ、い、いいよ……あん! もっと強くして…あっ、あっ、あぁ…!」
鎌足は操と舌を絡ませながら、腰の動きを強く激しくさせた。
「んむぅ…むぐ…ふあぁ! はぁ、はぁ、ふあぁ! も、もう駄目…! 気持ち良すぎるよぉ……出ちゃいそ…」
操は鎌足の頬を撫でながら言った。
「あうぅ…! はっ、はっ、はぁ…! い、いいよ…。んあぁ! 我慢しないで……出して。あぁっ! でも…でも、中は…」
鎌足は同じように操の頬を撫でながら言った。
「……分かっ…てる、大丈夫…よ」
鎌足はさらに腰の動きを速く、激しいものにした。
「あぁぁあ! んぅあぁ! こ、こわれそう! あうぅ! ひあぁ! うあああぁぁぁん!!!!」
「あぁ! あぁ! うぅぅぅぅ! 駄目っ! 駄目っ! もうっ、出るっ! あぁっ! 出ちゃうぅぅ!! んああぁぁ!!!!」
鎌足は高く叫ぶと、操から肉棒を抜き取ると、強くしごいた。
次の瞬間、鈴割から大量の精液が勢いよく放たれ、操の顔や胸、腹に降り注いだ。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
鎌足は精液を一滴残らず絞り出すと、荒い息を吐きながら力尽きたように座り込んだ。
二度目の絶頂に襲われた操も、瞳を閉じて四肢を投げ出したまま動かない。
ふと操を見ると、ゴクリと喉を鳴らして何かを飲み込んでいる。
それは口の中に飛び込んだ、鎌足の精液だった。
鎌足は苦笑すると、懐紙で顔や体についた精液を拭き取った。
そして操の横に寝転ぶと、彼女を抱き締めた。
「ん〜、美味しくない…」
「なんだ、起きてたの?」
「動けなかっただけ。う〜、それにしても口の中ヌルヌルするし、なんか喉に引っ掛かってる…」
「無理に飲まなくても、後で吐き出せばよかったじゃない」
「……だって、アンタも私の飲んでたし………なんか飲みたかったんだもん…」
その言葉を聞いた鎌足は、操を抱き締めている腕にギュッと力を込めた。
「ねえ……好きよ」
「……うん…………私も…」
二人はそっと口づけを交したが、操が慌てて付け足した。
「あ、でも勘違いしないでよ! 私は蒼紫様が一番なんだから。 オカマではアンタだけが好きって意味! アンタだけ特別だからね…」
「はいはい。私だって、今でも志々雄様が一番なんだからね。女には興味は無いけど、アナタは特別よ…」
「うん…………ねえ、日本に帰ってくることあったら……たまには私のとこ寄りなさいよ」
「……ええ」
「お土産は忘れないこと!」
「は〜い」
「あと、手紙ぐらい書いてよ…」
「フフッ、はいはい」
ふたりはまた口づけを交した。
終