(…何故こんな事になってしまったのだろう…先日誓ったばかりなのに……  
  彼女だけは傷つけ無いと……)  
 
―――――隣で女が泣いている――――――  
 
―――――小さな肩を振わせて――――――  
 
(……何故……)  
 
 
月が紅い。月を斬ると血が滴りそうな――――。  
今晩も黒い封筒を渡され緋村抜刀斎は夜の闇に消えて行った。  
暗殺だけのはずだが後から新撰組が翔け付け2人の隊員と剣を交えた。  
二人とも剣の腕は大した事無くあっさりと抜刀斎に斬られた。  
血の匂いがいつもより良く匂う。  
その後、現場から少し離れた居酒屋で一人酒を嗜んだ。  
何故だろうか、今日はいつもより酒が進む。  
 
(…人を斬った後に飲む酒は血の味しかしないのに)  
 
酔うぐらいまで酒を飲んだ剣心は少し足取りを重くしながら小萩屋に戻って来た。  
 
部屋へ戻ると女がいた。  
そう、雪代巴という白梅香の香りがする美しい女。  
 
「…緋村さん…今お帰りですか?随分お酒に酔ってますね。顔色の方もあまり良く無いみたいですけど…」  
 
巴は穴が空いた剣心の袴の裾を縫ってくれている。  
 
「……ああ。済まないが一人にしてくれないか…?もう休みたい」  
 
「そうですか…。あの袴縫っておきましたので」  
 
「…ああ。済まない」  
 
巴は少し不服そうな顔をしながら部屋を後にした。  
白梅香が心地よく薫る。  
 
目が冷めると外はまだ暗く紅い月が薄っすらと部屋を照らした。  
酒を多量に飲んだせいか頭ががんがんした。  
ふと隣を見ると巴が寝ている。  
 
「…巴さん?何でここに…」  
 
座りながら寝てしまったのだろうか。布団に顔を埋めて寝ている。  
剣心は眠っている巴の髪を優しく撫でてみた。  
艶やかな漆黒の髪が絹の様に指を擦りぬけた。  
 
「…巴…さん」  
 
巴の頬にそっと触れてみた。  
すると巴が ぴくん と肩を揺らし目を覚ます。  
 
「…ん…緋村さん?…ご気分は如何ですか? 何だか体調が良く無いみたいで…気になったものですから」  
 
少し寝ぼけている巴の表情は虚ろで妖艶だった。  
剣心はその色っぽさに見とれ、見つめる。  
 
「……緋村さん?」  
 
「………あ、ああ。ありがとう。だいぶ…良くなったみたいだ…」  
(…俺は何を考えているんだ……)  
 
「では、私は失礼します…」  
 
巴が腰を上げようとした時低い声で剣心が言った。  
 
「巴さん、何で俺の部屋に?」  
 
「え?だから…あの緋村さん体調悪いみたいだったので…気になって…」  
 
「…違う。そんな格好で夜中に俺の部屋に来るなんて……」  
(…彼女は俺の女じゃないのに…)  
 
「はい?」  
 
いつもの剣心と少し違う剣心に巴は少し困った顔をした。  
 
「…俺の気持ちを知って誘ってる様にしか見えない」  
 
「きゃっ、緋村さん!?」  
 
剣心は強引に巴を押し倒した。  
 
「君が悪いんだ……」  
 
――――――頭ががんがんする 血の匂いと酒の匂い そして白梅香――――――――  
 
頭では悪いと思っていても体が止まらない。  
今夜は酒と血で頭がどうかしているのだろうか。  
白梅香が俺をより一層狂わす。  
 
剣心は嫌がる巴の上に馬乗りになり乱暴に着物を捲る。  
寝着物なので当然一枚しか着ていない。  
新雪の様な白い肌が露になった。  
 
「やっ…緋村さん!こんな事辞めてっ…」  
 
「…嫌ならこんな格好で俺の部屋に来るな」  
 
剣心は静かな声で囁く。  
いつもの彼とは違う。そう、あの晩見た人を斬る時の目―――――。  
 
巴は必死に抵抗し、暴れるが思いのほか剣心の力は強い。  
抑えつけられた手首に剣心の指が食い込んでいる。  
肌蹴た着物の中の巴の肌は余りにも美しく剣心の心はより一層昂ぶる。  
もう片方の指でその肌の上をゆっくりと滑らせた。  
蛇が這う如くするすると滑らせる。  
その度に巴の身体が仰け反る。  
剣心は巴の胸に手を伸べた。  
その柔かな胸を揉み舌で舐った。温かい唾液が絡み付く。  
剣心は巴の首筋にも舌をやった。  
白梅香がより一層薫る。  
首からゆっくりと耳まで舌を這わせ首筋には跡が残るよう吸った。  
真っ白な巴の首筋に桜の花が咲いた。  
 
「…どうして…こんな酷い事するんですか…」  
 
黙っていた巴が口を開く。  
 
「………」  
(そんな事分かっている…でも…俺にも止められない…こんな形でしか君を愛せない…)  
剣心は強引に巴の口を塞いだ。  
 
「んっ…」  
 
舌を無理矢理入れ絡ませる。  
巴の口から唾液がすーっと垂れた。  
 
「…黙って…俺の言う通りにしろ」  
 
紅い月の光が剣心の髪をより一層紅くする。  
巴に見える彼の目は闇の様に暗い。  
 
彼の吐息が静かに聞こえる。ただ静かに―――――。  
 
剣心の手が巴の秘所に触れた。  
 
「!いやっ…止めてっ」  
 
ひんやりとした感触が秘所に振れ、巴はぴくりと体を強張らせる。  
剣心は嫌がる巴の事など気にも止めずゆっくりと指を入れた。  
 
「ぁっ…やぁっ…」  
 
今までに感じた事の無い様なおぞましい感触。  
巴は唇を噛み、必死に耐えている。  
その中をゆっくりと指で解した。巴の温かな膣内が剣心の冷たい指に犯される。  
段々と抵抗する力も無くなり巴はぐったりと横たわった。  
 
「……そう、それでいい…」  
 
尚も剣心は愛撫を続ける。  
頭では否と言っても犯される身体は正直だ。  
秘所からはたっぷりの愛液が零れ落ちていた。  
 
巴は涙を流しながら声が出ない様必死に耐えた。  
 
「……もういいだろ…」  
 
剣心は自分自身を取りだし巴の秘所に当てた。  
 
「あ…いやっ…いやぁぁぁ」  
 
涙する巴の中に無理矢理突き上げた。  
秘所は十分濡れていると言うのに痛みだけしか感じ無い。  
無理矢理入れられた自身は巴の奥深くまで届き更に痛みが増す。  
 
「はぁ…ぁあっ…いた…い…緋村…さん」  
 
巴は涙を流し首を横に振る。  
 
「…我慢しろ…すぐ良くなる」  
 
まるで何かに取り付かれた様にいつもと違う剣心。  
吐息を漏らしながら乱暴に巴を犯した。  
 
快楽なんて何処にも無い。ただ人形の様に犯される。  
どんなに身体を離そうと上にいる男はそれを許さなかった。  
耳元で吐息が聞こえる。ただ静かに。  
重なり合う男の身体からは酒の匂いと微かに血の生臭い匂いがした。  
 
 
「はぁっ…あっ…あぁ…いやぁっ…」  
 
痛みに耐えられず必死に剣心に捕まる。  
腕には巴の爪痕が赤く刻まれていた。  
 
「…巴さ…ん」  
 
涙する巴の唇に強引に唇を重ねる。紅い舌が交わり糸を引く。  
巴の顔は涙と唾液で濡れ、真っ白だった頬も紅く染まっていた。  
苦痛の表情も色っぽく余計に剣心の心を仰いだ。  
何度も擦り合う性器は厭らしく音を立て否が応でも巴の耳に響く。  
秘所はお互いの愛液で濡れ、巴自身の血で紅く染まっていた。  
 
「はぁっ…あっ…あぁ…いやぁっ…」  
 
痛みに耐えられず必死に剣心に捕まる。腕には巴の爪痕が赤く刻まれていた。  
 
「…巴さ…ん」  
 
涙する巴の唇に強引に唇を重ねる。紅い舌が交わり糸を引く。  
巴の顔は涙と唾液で濡れ、頬を紅く染めている。  
苦痛の表情も色っぽく余計に剣心の心を仰いだ。  
何度も擦り合う性器は厭らしく音を立て否が応でも巴の耳に響く。  
秘所は愛液と巴自身の血で紅く染まっていた。  
 
どれぐらい時間が経ったのだろうか。余りにも長い時間。  
天井が滲んで見える。ただ、ゆらゆらと。  
 
未だ男は女の中にいる。その刹那が巴には余りに長く感じた。  
剣心は先程より激しく腰を動かし限界が近いようだ。  
息を殺しただひたすらに交じり合う。  
 
「…はっ…ぁ」  
 
剣心の口から声が漏れたその刹那、巴の中に熱い白濁液が注がれた。  
熱い液が巴の狭い膣内を侵蝕する。  
 
「あぁっ…嫌っ…もう…嫌…」  
 
力無く巴は言うが剣心はまだ物足りないようだ。  
血で汚れている秘所を舌で優しく舐め、再び自分の性器を突き上げた。  
 
「嫌!もう…やめてっ…やめて…下さい…」  
 
小さな肩を振わせ声を絞る巴、だが今の剣心はただ欲望を剥き出しにした男でしか無かった。  
つい先程、巴の中に欲望を放ったというのに剣心の性器は大きく勃起し巴の小さな膣を犯した。  
再び溢れる蜜と血。男を受け入れた事の無い巴の膣は狭くい。  
剣心の性器が擦れる度に激痛が走り血が滲み出る。  
余りに残酷で無残な光景なのに剣心はただ息を殺し獣の様に女を貪った。  
 
何度も悲痛の叫び声を上げ何度も涙する巴。  
あの潔白な女が今は男に犯され憐れも無い姿になっている。  
だがその姿は余りにも美しく妖艶であった。  
 
「はぁっ…ぁあ…ぁ…」  
 
涙を流し悲しそうな顔をする巴。  
口からは苦痛の声が漏れる。  
つい先日まで優しかった男がまるで人を斬る時の様に恐ろしく感じる。  
それでも巴は男の背に白い腕を回し爪痕を残した。  
まるで刻印を付ける様に深く―――――――。  
 
 
あれから何度交わり何度犯されたのだろうか。  
それすら忘れるぐらい身体を重ねた。  
白梅香の香りが染み付いてるようだ。  
 
 
巴は白く華奢な身体を小さく振わせ泣いていた。  
秘所からは剣心自身の精液と共に血が流れ布団まで紅く染めていた。  
酒に酔っていた、彼女が部屋に来た、という自分の勝手な理由で彼女を無理矢理抱いてしまった。  
巴を十分に抱いた後、剣心はわずかながら我に帰り酷い過ちを犯したことに気が付いた。  
 
だが、もう遅かった。  
もう彼女は微笑んではくれないだろう。  
 
「……巴さん…済まない。こんな事を…酔っていたんだ…どうかしてた」  
 
弁解するが、後の祭り。何を言っても巴はただ背を向けて泣いている。  
一番傷付けたく無い人を傷つけてしまった。  
重い沈黙の後、巴は背を向けたまま震える声で言った。  
 
「………誰でも良かったのですか?」  
 
「違う!君だから……君だから抱いたんだ…」  
 
力強く振り絞る様に剣心は言う。  
 
まだ夜なのに月明かりで巴の付けた爪痕だけが剣心の背にくっきりと浮かび上がる。  
剣心は震える巴の白い背にそっと手を伸べ優しく触れた。  
 
「……君だけだ…」  
 

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