夜の海は何もかもを飲み込みそうだ。  
漆黒の闇に漆黒の海。ただ波音だけが静かに聞こえる。  
薫は夕刻からずっと海を眺めていた。  
 
「…まだ海を見てたのか」  
 
見かねた縁が傍らに立ち口を開く。  
 
「……ええ。昼間はあんなに綺麗な青だったのに今はただ闇しか見えない」  
 
「闇か……今の俺は闇しか見えんがな」  
 
縁の言葉に薫ははっとし、返す言葉も無く黙り込んだ。  
 
「……もう入るぞ。人質のお前に風邪を引いて貰っては困る」  
 
波音だけが静かに聞こえる中、縁は薫の手を引き部屋に戻った。  
 
ここに来てからもう2週間は経つであろう。  
剣心は一向に迎えに来てくれる気配が無い。  
 
ただ剣心を信じて待つだけ。でも薫の内心は不安でいっぱいであった。  
 
先日縁に言われた事が頭をよぎる。  
 
「お前は抜刀斎にとってどれ程の者だと思う?抜刀斎は未だに姉さんを忘れられず  
苦しんでいる。そんなお前はただ姉さんの代わりでしか過ぎない」  
 
図星だと思った。剣心はまだ巴さんを愛してる。  
でも私を代わりなんて思って無い。剣心はそんな人じゃないわ。  
 
「おい」  
 
不図、縁の声がし薫は我に帰った。  
 
「抜刀斎はどうやらお前を見捨てたようだな。これ程待っても来ないとは」  
 
縁はにやぁと不気味な笑みを浮かべながら言った。  
 
「……剣心はまだ悩んでいるんだわ。人斬りを犯した罪を」  
 
薫が言い放つ。その目には力が篭っている。  
縁はその薫の顔を見てイラ付きを覚えた。  
 
「……お前を見てるといらいらするんだよ。…あんな男を信じて」  
 
「…え?」  
 
不図、風景が回転し薫の目には天井が写る。  
薫の上には縁がいる。縁は薫の首筋に舌を這わせた。  
 
「いやぁっ!やめてっ!剣心!」  
 
薫はやっと状況が把握できたのか思いきり叫ぶ。  
部屋中に響き渡る薫の叫び声。だがこの館には縁と薫しかいないのだ。  
波の音だけが静かに聞こえる。  
 
「うるさい、黙れ」  
 
縁は乱暴に薫に口付けをした。いきなり舌を入れ薫の舌を貪る。  
 
「んっ……んっ……」  
 
薫は必死に抵抗する、そしておもむろに縁の唇を噛んだ。  
 
ごりっという音と共に縁が口を離した。その口からは血が滴り落ちる。  
 
「はぁ…はぁ…あなた…なんかに好き勝手されないわ…」  
 
薫の目は尚も力が篭って輝いていた。  
そんな薫を見て縁のいら付きはもっと増す。  
薫に平手打ちをし傍にあった縄で薫の両手を縛った。  
 
「いやっ…!離して!」  
 
抵抗するが縁には到底敵わず。  
縁は薫が着ているバスローブを引き千切り鎖骨、胸を舌で舐めた。  
露になった身体は細く、雪の様に真っ白だ。  
そして桜色をした乳房に舌を這わせ舐める。  
薫の身体はビクンと剃り返った。  
 
「はぅ…いやぁ…ぁっけん…しんっ…」  
 
「抜刀斎の事でも考えてろ。さすれば楽に終わる」  
 
縁は薫の足に手を伸べ、秘部を指で触った。  
 
「ぁっ…あぁ…やめっ……」  
 
「フフ…嫌と言いながらも随分濡れてるぞ…全く厭らしい女だ」  
 
「ちっ…違う…ぁっ…ぃやぁ…」  
 
か細い声を出し否定をするが縁が言う通り体は正直で縁の指が振れるたびに  
淫らに咲いた秘部からは蜜が溢れ出る。  
秘部上にある突起を縁は舌で舐め上げた。  
 
「…あっ…ぁん……はぁっ…」  
 
薫の目は何時の間にか虚ろになり目線は上の空だ。  
 
「…感じ易い体質らしいな 抜刀斎にでも仕込まれたか?  
……フフ…じゃあもう慣れているだろう。舐めろ」  
 
縁は薫の眼前に自分自身を差し出した。  
それはどくどくと脈を打ち太く勃起している。  
薫は初めて見る性器に目を背け口を硬く閉じた。  
 
「…往生際が悪い女だ…」  
 
縁は薫の頭を抑え得つけ反対側の手で無理矢理口を開かせた。  
 
「舐めろ」  
 
薫は涙を流しながら縁の物を口に含んだ。  
 
「んっ……んっ…んふぅ……」  
 
初めてにしては中々上手な方だろう。  
縁の物を咥え真紅の舌を出し懸命に舐め上げる。  
物は太く大きく喉につっかえ薫は時々嗚咽をする。  
部屋中に響き渡るのは ぴちょ という嫌らしい音と薫の曇った声だけ。  
 
「…くっ…はぁ……」  
 
縁の口から声が漏れたかと思うと同時に薫の口の中に生暖かい何かが広がった。  
 
「ごほっ…」  
 
薫は咽るが縁は 全部飲め と言い無理に自分の精液を飲ませた。  
 
涙する薫に征服感を感じる縁。  
 
―――抜刀斎は姉さんを奪った。だから俺もお前の物を全部奪ってやる―――  
 
再び縁の手は薫の秘部に伸びる。  
おもむろに膣へ指を入れた。  
 
「ぁあっ…あぁっ…」  
 
薫は苦痛の表情を見せる。  
入れた指で膣内を掻き回し奥まで指を入れる。  
じゅちゃ くちゃ と音を立て厭らしく溢れる愛液。  
 
「…もういいだろう…」  
 
縁はニヤリと笑うと自分の勃起した物を薫の秘部へ当てた。  
今までとは違う何かを感じその刹那異物が薫の中へ入る。  
 
「あぁぁぁっ!…いやぁっ…いたっ…いっ…」  
 
薫は叫び声を上げ悶えた。鈍い痛みが走る。  
 
「…もしかして…初めて…か?」  
 
涙を流しながら頷く薫。  
 
「……そうか。てっきり抜刀斎の女だと思ってたが見当違いだったようだな…。  
  まあ、いい。すぐに良くなる」  
 
縁はゆっくりと自身を上下に動かした。動く度に ずぷ と音がする。  
薫の顔は苦痛に悶え口からは喘ぎ声が漏れる。  
痛みのような快楽のような分からない感覚。  
髪は汗で濡れ、身体全体は火照り桜色に染まっていた。  
 
「…はぁん…いやぁ…剣…心…剣…」  
 
剣心の名をうわ言の様に呼ぶが虚しいまま。  
縁は顔色一つ変えずに薫の中を掻き回す。  
段々と腰を早め薫の中を突き上げる。痛みが増す。  
だが愛液は留まる事を知らず縁自身に絡み付く。  
 
「……中々いい締まり具合だ」  
 
「ひど…い…こんな事をして…あなたの中の巴さんは…一生笑わないわ……」  
 
縁は目を丸くした。  
確かにこの女をここに連れて来てから姉さんは笑ってくれない。  
だがこの女とは全く関係無いはず…。  
憎悪の表情を見せた縁薫の髪を掴んだ。  
 
「…だまれ。きさまに姉さんの何が分かる。抜刀斎が姉さんを汚した様に  
俺もお前をぼろぼろにしてやる。もう笑う事すら出来ないくらいに!」  
 
薫に突き上げた自身を抜き、縁はビンに入った液体を取り出した。  
それを口に含みおもむろに薫の口に入れる。  
 
「!?…んっ」  
 
薫は縁の口から流れてくる液体を無理矢理飲んだ。  
 
「はぁ…はぁ…何?何を飲ませたの?」  
 
「フフ…じき分かるさ」  
 
縁は怪しげな笑みを浮かべ部屋から去ってしまった。  
もちろん逃げ様としたがドアには鍵が掛かっている。  
 
30分程経っただろうか。縁は戻って来ない。  
でも何かがおかしい。そう、身体が熱いのだ。  
身体の心から燃える様な熱さ。酒も飲んで無いのに顔が火照る。  
 
「!まさか…あの薬…」  
 
するとガチャと音がして縁が入って来た。  
 
「どうだ?気分は。そろそろ効いてくるはずだ…」  
 
「…はぁ…あなた…何を…飲ませたの…?」  
 
「フフ…媚薬だよ…日本では手に入れられない魔法の薬さ。  
これを飲むとどんな女でも大人しくなる…むしろ自分から求めて来るがな」  
 
縁はおぞましい程の笑みを見せ薫の唇を貪る。  
滴り落ちる唾液は薫の首筋を通り、傍にある蝋燭で妖艶に照らされる。  
真っ白な胸に到達すると乳房を噛んだ。  
 
「あぁぁっ…あぁんっ」  
 
薫の身体は媚薬で先程とは比べ物にならない程敏感になっている。  
 
「…乳房を噛んだぐらいでこんなにも感じるとは…是非抜刀斎に見せてやりたいな」  
 
秘部へ手をやり指で触ると ぬちゃ と音と共に縁の指に愛液が絡み付いた。  
真紅に染まった薫の秘部から滴り落ちる愛液はシーツまでも濡らしている。  
 
「もうこんなに濡らして…淫乱な女だ…見てみろ」  
 
目の前に出された縁の指は蜜が付いた様に濡れ、てらてらと光っている。  
薫は首を横に振るがその口からは淫らな声を上げ目は虚ろだ。  
頬は桜色から紅葉(もみじ)色に変わっている。  
薫の秘部はぴくぴくと動きもう限界のようだ。  
 
縁は薫の両手を縛っている縄をそっと解いた。  
白く細い手首に縄の跡がくっきりと残っている。  
縁は秘部上にある突起と膣内を交互に責めた。  
溢れんばかりの愛液は留まる事を知らず縁が指を動かすたびに増す。  
 
「ああぁぁっ…ぁんっ…あっあっ……もう…駄目っ…お願い…入れてっ…」  
 
「自ら懇願するとは…本当に厭らしい女だ…こんな女姉さんの足元にも及ばないな」  
 
尚も縁は不気味に笑い、薫の乱れ行く姿を楽しそうに見ている。  
 
「あぁっお願い…だから…」  
 
「フフ…きさまにはもっと楽しませて貰わなくてはな…」  
 
縁は鉄で出来た男性性器の様な形をした道具を取り出した。  
薫の秘部へ当てると一気に挿入し突き上げた。  
ひんやりと冷たい異物が薫の中を掻き回す。  
 
「ああぁぁっ…いたっぃ…な…にっ…」  
 
先程、縁の物を入れられ少しは慣れたかと思いきや流石に鉄の玩具(がんぐ)は痛い。  
ゆっくりと鉄の玩具を動かすたびに膣内を擦り、冷たい鉄の感覚が何とも気持ち悪い。  
ごりごり と金属音の音がする。  
 
「…っはぁっ…かた…い…いやっ…お願い…縁…」  
 
涙を流しながら薫は言う。  
 
「…あなたのを…入れ…てっ…ぁあっ…お願いっ…」  
 
「……仕方の無い女だ…四つん這いになれ」  
 
薫は言われるがまま四つん這いになり尻を縁へ向けた。  
真赤に染まった秘部が丸見えである。  
 
「…良い眺めだ。で?どうして欲しい?」  
 
縁は意地悪く言う。  
 
「はぁ…はぁ…お願いっ…縁のを頂戴…もう…限界なの…」  
 
苦痛の表情で訴える薫。  
もう本当に限界のようで身体自体がびくびくしている。  
尚も動かない縁に薫は自分自身の手で秘部を広げる。  
愛液がたらたらと垂れ、丸みのある尻に滴り落ちる。  
 
「…お願い…おね…がいっ…入れ…てっ…」  
 
「ここまで壊れてしまったらお仕舞だな…抜刀斎が見たらどう思うかな…」  
 
今の薫には剣心の事を考える余裕は無かった。  
ただ欲望だけを剥き出しにし、淫らに崩れ行く様は実に妖艶で厭らしい。  
少女とも言えるその華奢な身体で一人の男を求める。  
 
「…はぁっ…え…に…し…」  
 
「フフフ……じゃあ褒美を与えよう」  
 
思いきり焦らし、薫の壊れていく様を十分に楽しんだ後、  
縁は自分自身を一気に薫の膣内へ入れた。  
愛液でどろどろになった薫の膣は ずぶっ と大きく音を立て縁自身と交じる。  
 
「ああああぁぁぁっ……ぁあっ…んんっ…はぁっあっ…」  
 
薫の喘ぎ声は天を貫くがごとく大きな声だ。  
縁と薫しかいないこの館は、どんなに大声を出しても誰かに聞かれる心配は無い。  
先程、縁に入れられた時は痛みが走ったが、今は快楽しか無い。  
敏感になった秘部に縁自身が何度も擦れる。  
縁が深く突く度にそれは子宮にまで伝わる。  
何とも言えない快楽に薫の身体はとろけ落ちそうだ。  
 
「はぁ…っ…あっ…あぁぁっ…もっと…突いて…奥…までっ……」  
 
縁が腰を動かす度に薫の尻に当たりぱんぱんと音がする。  
皮膚と皮膚がぶつかり合う音。  
その動きが激しくなればなる程に音の早さは増した。  
薫も自ら腰を振り、縁を受け入れる。  
愛液はみるみる溢れ、縁自身に絡み付き薫の腿と縁の腿を濡らした。  
喘ぎ声と性器が交わる音だけが静かに響いた。  
 
「あっ…あっ…いいっ…え…にしっ…ぁんっ…あっ…あああぁぁぁっっ」  
 
薫は快楽の頂点を迎え、ベッドの上に崩れ落ちた。  
同時に縁も頂点を迎え薫の中に熱い液を放った。  
秘部からは縁が放った液が薫の愛液と混ざりとろとろと滴り落ちる。  
不意に薫の顔を除き込むとぐったりと気絶していた。  
 
「はぁ…はぁ……これで…抜刀斎の物は俺の物だ……」  
 
「…ん」  
 
蝋燭の炎が静かに照らす中薫は静かに目覚めた。  
 
「やっと起きたか…いつまで寝ているつもりだ」  
 
薫は先程までの事を思い出し罪悪感と恥ずかしさで胸がいっぱいになった。  
 
……私…私…何て事を…薬とは言え…縁とあんな事を……。  
 
「フフフ…今ごろ後悔しても遅いがな…お前のあの姿、抜刀斎にも見せてやりたかったぜ」  
 
「あなたが変な薬使うからでしょ!…お願い…剣心には言わないで…」  
 
「………お前の心にはまだ抜刀斎がいるようだな……。  
 まあいい、時期に忘れるだろう。毎晩俺に抱かれていればな」  
 
おぞましく微笑む縁。  
 
「…そんなっ…あんな酷い思いは嫌…せめて…せめて…優しく抱いてくれたって……」  
 
思いもしなかった言葉に縁の目は丸くなる。  
蝋燭に照らされる薫の顔は余りにも美しく少女では無く女だ。  
薫の大きな瞳から溢れる涙が縁の手の甲に流れ落ちた。  
薫の涙を自分の手で優しく拭った。  
 
「えにし…?」  
 
薫は不思議そうに顔を上げると縁はハッと我に返り  
 今日はもう寝る と言い部屋を後にした。  
部屋にポツンと一人になった薫。  
縁の事が憎くてまた抱かれると思うと怖くて不安で…  
でもこの胸に何かがつかえる様な感じはなんだろう。  
さっと布団を被るが波音が薫の耳に残り眠れぬ夜を過ごした。  
 
                     終  
 

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