どうして…こんなことになってしまったんだろう?  
 
助けは…届かない…  
いくら叫んでも暗闇にかき消されていくわたしの声…  
 
―――剣心さん…  
―――――弥彦くん…  
―――――――わたしは…強くなれなかった…  
 
――――――――――――――――――――――――――――  
 
それは一週間前のことだった。  
わたしは妙さんに頼まれて町に買出しに出かけていた。  
町はいつもと変わらず活気に溢れている。  
遠く遠くそして吸い込まれそうな青空が美しく、  
太陽が町をやさしく照らす。  
 
「いいお天気…京都の方も晴れているのかな?」  
 
空を見上げてわたしはつぶやく。  
青空は美しかった。けどなにかせつなさも感じられる。  
きっとそれは弥彦くんがいないから。  
いつものように赤べこやってくる弥彦くんがいないからだ。  
弥彦くんは今、京都にいる。  
薫さん達と共に再び流れていった剣心さんを追いかけるために。。。  
 
さみしかった…わたしも弥彦くんを追いかけていきたかった。  
けど何もできずにただ待つだけの自分が歯がゆい。  
剣心さんを追いかける薫さんがうらやましい。  
 
「あっ!はやく買出し終わらせなきゃ。」  
 
わたしは積もりゆく心の葛藤を振り払い、歩き出した。  
必ずみんな東京に帰ってくる。もちろん弥彦くんも…  
帰ってきたときは笑顔で迎えてあげよう。だからわたしもがんばらないと。  
 
・・・  
 
買出しを終え、赤べこへの帰路につくわたし。  
いつの間にか、日は沈みはじめ、徐々に闇の布地が真っ赤な空に覆い被さっていった。  
 
「急いで帰らないと…」  
 
わたしは少し歩きを早めていった。  
すると見慣れた町並みが見えてくる。  
ここの角を曲がって、交差点を右に曲がればあとはまっすぐ行くだけ。  
夜になってしまう前に帰りたかったのか、わたしは、あたりまえの道をあたりまえのように確認しながら、  
急ぎ足で赤べこに向かった。  
やがて赤べこが見えてきた。その瞬間だった!  
 
ドッ!  
 
「…えっ…」  
 
声が出なかった…あたしの首の後ろから何かが体中に走る衝撃を受けた。  
何をされたのか考える間もなく、わたしの意識は薄れていき…  
…視界がみるみるうちに狭くなり…目の前が闇に包まれた。  
そう…あの闇の布地を覆い被される空のように…  
 
 
「う…? ううん…」  
 
…そこは冷たく、薄暗かった…  
 
「…痛っ!」  
 
首を起こすと痛みが走った。  
そこで自分の身になにが起こったのか思い出すことができた。  
わたしは妙さんに買出しを妙さんに頼まれて、赤べこに戻る途中に…  
そこから、よくよくは思い出せないのだがおそらく何らかの衝撃を与えられ、  
気を失ったと思う。よくは思い出せないが首の痛みがそうわたしに語りかけていた。  
 
「こ…ここどこだろ?」  
 
ひんやりとした板状の床…薄暗く不気味な雰囲気。  
思わず鼻を遮ってしまいたくなるカビくさいにおい…  
…怖い…わたしは動揺をしている。  
 
「ここ…なんなの?あたしはなんでこんなところにいるの? 誰か? 誰かはいないんですか!?」  
「へへ…やっと目を覚ましたか。燕よぉ」  
 
わたしが叫ぶと、男の声がした。聴きなれた声。もう聴きたくなかった声。この世のものとは思えない下品な声…  
その男は部屋に灯りをともし、徐々にその姿を表した。  
 
「み…幹夫様…」  
「よお。久しぶりだなぁ燕。元気でなによりだな。」  
 
目の前に現れた男は…もう二度と逢いたくない男だった。  
わたしはこの男によって苦しまされ、悩まされ続けてきたのだ。  
 
「あん時はよぉ…よくもあんな変な餓鬼を仕込んでくれたなぁ…」  
「…や…弥彦くんは…わたしを救ってくれただけです…」  
 
わたしは立ち上がり、近づいてくる幹夫様から逃げるように後ずさりをする。  
あの時、弥彦くんは苦しんでいるわたしをこの幹夫様から救ってくれた。  
うれしかった。本当にうれしかった。  
これ以上、弥彦くんや剣心さんたちに迷惑はかけられない。わたしも強くならなくては…  
 
「か…帰してください。 今のわたしにはお金もなにもありません…   
 も…もちろん赤べこの売上にも…手を出させません…」  
「あぁん!?」  
「わ…わたしは長岡家とはもう無関係です… 時代は…変わったんですよ…」  
声が震えていた。怖かった…けどあの時、薫さんに言われたようにわたしは強くならなければならない。  
いつまでも…いつまでも怯えててはいけない。  
わたしは震える体を抑えながら幹夫様の目を見つめた。  
「ふーん。。。燕もずいぶん偉くなったもんだな。こりゃ恐れ入ったぜ。けどな…」  
その瞬間、男の拳がわたしの頬に突き刺さった。  
バキっ!!  
「あん!」  
わたしは体ごと、宙に浮かび、床に倒れた。  
「てめぇら三条家の人間はな!!俺ら長岡家の犬なんだ!!飼い犬なんだよ!!  
 飼い犬が飼い主に噛み付きやがって…時代が変わっただぁ!?ふざけたこと抜かしてるんじゃねぇよ!固羅ぁ!」  
「…」  
あたしは殴られた頬に手を当てただただうずくまることしかできなかった。  
幹夫様はそんなあたしの髪をひっぱりあげた。  
「痛い!!」  
思わずわたしは声をあげた。しかし幹夫様は気にすることなく、下品な笑みを浮かべながら口を開いた。  
「なぁ?燕? 世間が四民平等を唱えようとオレには関係ないことなんだよ。  
 お前ら三条家はオレらの犬。世間がどう喚こうと犬は犬なんだよ。わかるか?」  
「…」  
「オレはよぉ…飼い犬に噛まれるのが一番キライなんだ。  
 だからよぉ、てめぇんとこの変な餓鬼にやられた時はくあの餓鬼もそうだが、お前も殺したいくらい憎かったんだぜ?」  
「い…いや…」  
「へへ…心配すんな。別に殺すためにお前をさらったわけじゃねぇ。長岡家の名が汚れちまうからなぁ…」  
「お…お金でしたら…さきほども言ったとおり…」  
パシっ!今度は平手打ちが頬にとんだ。  
 
「本当に馬鹿な犬だねぇ。お前は。  
 まぁ馬鹿な犬だからこそお前をさらったんだが。」  
「…ど…どうゆうことですか…?」  
「まだわからんのか?じゃあ馬鹿なお前に程度を合わせて話してやるよ。  
 つまりだ。しつけだよ。しつけ。」  
「し…しつけ…?」  
「なんだ?わからんのか?本当に頭が悪い奴だな。なら教えてやるよ。しつけを通してな…」  
 
そう幹夫様が言った瞬間だった、突然、幹夫様がわたしを押し倒した。  
突然のことでわたしは現状を把握できない。  
 
「な…なにを…!?  
 ううーーん!!」  
 
わたしの口がふさがれた。幹夫様の口によって。  
幹夫様の舌がわたしの口に入ってゆく。  
わたしの舌と幹夫様の舌が絡みつく。  
 
―気持ちが悪い。  
 
しかしわたしは抵抗ができない。  
 
生暖かくぬるりとしたものがわたしの口の中で動き、  
気持ちの悪い音を立てる。  
 
ちゅっ…くちゅ…くちゅくちゅ…ちゅっ…  
ちゅぱ…  
 
幹夫様が口を離した。  
わたしと幹夫様の口をつなぐ唾液の糸がいやらしく光る。  
わたしはそれを手で遮る。  
 
「どうして…こんなことするんですか? お願いです幹夫様…帰してください…」  
「ハァーハァー… 帰す? しつけはこれからだろ? そうだな…じゃあ裸になれ。」  
「…えっ?」  
「今、着てるもんを全部脱いで、裸になるんだ。できるよな?帰りたいもんな?」  
「そ…そんなことできるわけがありません… は…裸なんて…」  
「あ?帰りたくないのか?」  
「…そ…それは…でも裸なんて…」  
「ガタガタ抜かしてねぇでさっさと脱げって言ってんだよ!?  
 しつけすらできねぇ犬なら殺すぞ!!」  
「!!」  
 
わたしは幹夫様の罵声に体を大きく震わせた。  
そしてようやく自分が置かれている立場を把握した。  
幹夫様に逆らえば殺される…間違いなく殺される…  
たったこれだけのことだけど、自分の立場を知る上で充分すぎる答えだった。  
「わ…わかりました…脱ぎます。」  
わたしは声にもならない声で口を開くと、服に手をかけた…  
 
幹夫様の舐めるような視線に耐えながらわたしは服を脱いでいく。  
恥ずかしい…見られたくない…けどそれ以上に幹夫様が怖い…  
わたしは恥ずかしさを必死におさえながら服をたくし上げるように脱いだ。  
やがて胸があらわになる…恥ずかしい。今までこんな恥ずかしく怖いことなどあったのだろうか?  
 
「へへへ…やっぱ胸は餓鬼だな。」  
 
中のひんやりした空気にわたしの躰が無条件に反応してしまう。  
最近、わたしの胸は微妙に丸みを帯びはじめていた。先端はツンっと上をむいている。  
妙さんにこのコトを話した妙さんはまるで自分のコトのように喜んでくれた。  
 
―「ええか?それは燕ちゃんが成長しとる証拠。恥ずかしがることはないんよ。」  
―「でも…なんか変な感じです。恥ずかしいというか… あたふた。。。」  
―「ふふふ。最初は誰でもそうなんよ。ウチもそうやったし…」  
―「そうなんですか。誰でも最初は同じ気持ちになるんですね。」  
―「そう。そして女の人は成長していくんよ。  
  胸が成長したら弥彦くんに見せてあげなあかんね。燕ちゃん?」  
―「えっ… 弥彦くんは関係ないですよぉ (カーッ)」  
―「冗談なのに顔真っ赤にして、ほんまにカワイイわぁ燕ちゃんは♪」  
―「…ひどいですぅ。」  
 
…わたしはいつのまにか妙さんとの会話を思い出していた。  
あの時の「弥彦くんに見せてあげなあかんね。」妙さんのこの一言は恥ずかしかったけれど、  
なぜか少しうれしい一言だった。  
しかしわたしの胸を見ているのは弥彦くんじゃない。幹夫様だ。  
幹夫様が舌なめずりをしながらわたしの胸を見ているのだ。  
 
「…あまり…見ないでください。」  
 
わたしは思わず座りこみ、両腕で胸を隠した。  
 
「なんの?真似だ?」  
ふ…服は脱ぎました…これで帰してくれるんですよね?」  
「腕をどかして乳を見せろ。」  
「えっ?」  
「腕をどかして乳を見せろ。って言ってるんだよ?」  
「そ…それは…」  
「この餓鬼ャぁ!じれったい!!そこまで隠すならオレが動くまでだぁ!」  
 
と、次の瞬間。ものすごい力でわたしは躰ごと押し倒され、両腕をどかされた。  
「キャアっ!お止めください!幹夫さま!!」  
必死に幹夫さまに訴えかけるわたし。  
しかし訴えても訴えても幹夫さまの耳に届くことはなかった。  
それどころか幹夫さまの手はわたしの胸に伸びていった。  
 
「!!?」  
 
そして揉まれる。 なんども揉まれる。  
揉まれる。揉まれる。なんども…なんども…  
抵抗をするわたしに構わず幹夫さまの手はわたしの胸を揉みつづけた。  
 
「へへ!!餓鬼の胸ってのも悪くないねぇ…むしろいい感じだ…  
 何も穢れを知らない白い胸。小ぶりだが…オレは好きだな…」  
「おやめください!幹夫さま!」  
 
幹夫さまの手はとまらない、やがて指は這うように胸をすべり、  
先端に辿り着く。そしてその先端を指で弾かれる。  
「いぃっ!」って声を上げ躰をビクっとさせるわたし。  
 
「ひとつ気にくわねぇのはその乳首だな… ケッ!飼い犬の分際で生意気にもツンっと上を向きやがって!」  
 
そう言うと幹夫さまは両指でわたしの胸の先端をつねるように摘まんできた。  
 
「痛い!!」  
 
痛い…両胸の先端から電流のような痛みが走り出す。  
思わず目から涙がこぼれる。  
これも妙さんから訊いたのだが、わたしと同じくらい女の子は胸が成長していく過程のうえで、  
先端が敏感になっているらしく、その中でも特に痛覚をよく伴うという。  
たしかに先端に服が擦れたりすると痛い。しかしこの痛さは服がこすれるくらいの痛さとは比にならないものであった。  
 
「この乳首にもしつけが必要だな!!ああ!?わかるか!?」  
 
罵声をあげながら幹夫さまはわたしの先端を引っ張り上げる。  
 
「痛い!!痛いよぉ!!いやぁ〜!!幹夫さまぁ〜もうやめてください!!お願い!!おねが…痛い!!痛い!!」  
 
わたしは泣き叫ぶ、しかしわたしが泣けば泣くほど、叫べは叫ぶほど、幹夫さまは喜んでいるようだった。  
力は一層強くなり、摘み上げられては弾かれて、引っ張り上げられては弾かれて…  
やがてわたしの先端は真っ赤になり、右の先端は血が流れだしていた。  
 
「痛い…ぐすっ もう…ゆるしてください。」  
「へへへ…馬鹿が。まだまだこれからだ。」  
 
幹夫さまは血が流れる先端を舐めはじめた。  
 
「あん!」  
 
思わず声が漏れてしまうわたし。  
なぜ声が漏れてしまうのかわたしには理解ができなかった。  
 
「お願い…変なことはしないで… あっ! ああ!」  
 
ピチャピチャ。レロレロ…  
いやな音を立てながら幹夫さまは舐めつづける。  
チュッパ!チュッパ!  
音が…変わった…先端から伝わる感覚も変わった…  
わたしは恐る恐る、自分の胸に目をやった。  
すると幹夫さまは先端を吸い始めていた。  
 
「…!!やめて!!もうゆるして!!お願い!!」  
「五月蝿い!!少しは静かにできんのかぁ!?オラァ!ああん!?」  
「そっちこそ… お…大きな声出さないでください…」  
「ああん!?だと固羅ぁ!?犬のくせにオレに意見するんじゃねぇ!!」  
 
そう言うと再び先端を口に含み、そして…  
 
―カリッ!―  
 
「ああああぁぁぁ!!痛いぃぃぃぃ!!痛いよぉ!! ああああ!!」  
 
わたしは叫んだ。泣き叫んだ。  
今まで感じたことの無い激痛が胸の先端から、  
眩い閃光を放つかのように躰中に走りぬけた。  
先端は真っ赤に晴れ上がり、血が止まることなく流れつづける。  
「はん!生意気言うからこうなるんだよ!」  
血が流れるそこをキュッと捻り上げながら下品な笑みを浮かべ幹夫様は言った。  
「ううう。。。もうイヤだ。 助けて剣心さん…左之助さん・…弥彦くん!」  
声は届くはずがない…なぜならみんなは京都にいるのだから…  
「あん?その名前は神谷道場の連中か?いくら助けを呼んだってこねぇよ。  
 京都に行ったことはすでに調べ済みだしよぉ」  
そう幹夫様はずっと待っていたのだ。剣心さんや弥彦くん達が道場に不在となり、わたしをさらう好期を…  
「まぁあいつら帰ってきても助けにはこないぜ?ここは、代々長岡家に伝わる地下の拷問部屋なんだよ?  
 今はただの物置になっちまったけどな…まぁこうして娘の一匹や二匹、監禁するくらいは楽にできるんだよ。」  
 
…拷問部屋…ぞっとする響きだった。  
昔、この部屋では世にもおぞましい拷問が行われていたのだろう。  
そう考えると部屋中のカビの臭いが血のにおいに感じる…  
人の腐敗するにおいに感じる…  
いやだ。いやだ。怖い。怖い。怖い。  
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い!!!!  
 
「い…いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」  
 
わたしは発狂をした。今までここまで叫んだことはあったのだろうか?  
自分の声なのかどうかもわからない。いや…これはわたしの声なのだろう。  
寒気がわたしを襲った。震えがとまらなかった。  
目の前にいる幹夫様の顔が鬼に見えた。  
怖い…怖かったのだ。  
 
「うおら!ギャーギャー五月蝿ぇぞ!静かにしねぇか!!」  
 
皮肉にもわたしの発狂は幹夫様の叱責で止まりようやく我に帰った。  
そしてもう一度幹夫様に救いを求めた。  
「お…お願いです… 何でも言うことをききますから… 帰してください…」  
「ほぉ…何でもねぇ…?」  
幹夫様は微笑を浮かべ、わたしに言った。  
「まだ素っ裸にはなってないよな?」  
「…えっ?」  
「下も脱げ。」  
「そ…そんな…」  
「何でも言うこときくんじゃないのかよ!?まさか…オレに向かって嘘つくつもりか?」  
「…」  
「脱げ!!下も脱げ!!聴こえねぇのか!?」  
「・…はい…」  
 
わたしは下着に手をかけた。するする降りていくわたしの下着…  
 
「ほほぉ…やっぱ餓鬼だねぇ… 毛もなにもはいていねぇなぁ…」  
 
幹夫様は舐めるようないやらしい目線をわたしのそこに注いだ。  
恥ずかしい… とても恥ずかしい…  
そういえば妙さんが言っていた…今、幹夫様が視線を注いでるそこは、  
赤ん坊が生まれるとても大切なところだと。。。  
そして何故、赤ん坊ができるのか?というわたしの質問にも答えてくれた…  
その話を聞かされていたわたしは薄々気づいていた。  
幹夫様が何をしたいのか?薄々と気づいていたのだ。  
 
「…そうか… へへへ」  
 
何かを悟ったように幹夫様は相槌を入れた。  
 
「燕… お前わかってるんだなぁ?自分が何をされるか?」  
 
わたしの心の中は見事見透かされていた。  
それが歯がゆくて…くやしかった。  
 
「…わかっているって…なにがですか?」  
「ああん!?とぼけてるんじゃねぇぞ!!この助平娘がぁ!!」  
「す…助平?」  
「てめぇのそこから溢れ出てる小汚ねぇ汁が答えじゃねぇか!!」  
「…!?」  
 
汁?なんのことだろう?そんなものが出ているはずがない。  
わたしはたしかめるようにそこを触れた。  
……濡れている。  
なにかぬるぬると生暖かい液体がわたしのそこから溢れ出していた。  
尿?違う…尿とは全く違うものだ。  
 
しかし尿とは違うなんらかの液体がそこからよだれのようにだらだらと流れているのである。  
わたしはそれがとてつもなく恥ずかしく思い、カァーと頬を赤くし、手でそれを拭った。  
そして拭き通ろうと何度も指でそこを触れる。  
 
クチュ!クチュ!  
 
燕「・・・はっ! ああん。」  
 
わたしが拭き取れば拭き取ろうとするほどよだれのようなものは溢れ続け止まることがなかった。  
さらには声が思わず漏れる。  
そしてなにより何か甘い感覚のようなものが、下半身から、熱を通じて体中に走り抜けていく感じが何ともいえなかった。  
 
汚い…よだれがあふれる… 拭かなきゃ。拭かなきゃ…  
 
クチュ!クチュ!クチュ!ピチャ…  
 
「ああん! ああ!! ひぃぃ…」  
 
指が止まらない。最初は溢れ出るよだれを拭うために指を走らせていたが、  
今は違う。この甘くとろけるような感覚を追うかの如く指を走らせいるようだ。  
 
「はぁ…はぁ… と…止まらないよぉ…」  
 
思わず独り言…ダメだ。指が止まらない…  
 
幹夫様の一言で指をようやく止めることができた。  
止めることができた?  
違う。そんな簡単なことじゃない。わたしは一時的に自分だけの世界に入っていたような気がする。  
それが幹夫様の一声で現実の世界に引き戻された感じだ。  
 
「犬の分際でよぉ? 飼い主を無視して自慰に走る犬ってありえねぇだろ?おい?」  
「じ…自慰!?」  
「てめぇ一人だけで気持ちよくなってるんじゃねぇよ!」  
「な…なんのことだか…」  
「嘘をつくな!じゃあ何でひとりでそんなところを弄ってるんだよ?」  
「そ…それは…」  
「へっ!どうせ夜な夜な一人でやってたんだろう?春画でも見ながらよぉ!?」  
「そ…そんなことしていません!」  
「だから嘘をつくなと言ってるだろう!!餓鬼のくせに盛りだけではいっちょ前につきやがってよ!てめぇはやっぱ助平娘だ!!」  
「違います!!」  
「じゃあやっぱ犬。助平犬。」  
「ひ…ひど過ぎます…」  
 
しかし否定はできなかった。たしかにわたしは助平なのかもしれない。  
わたしはとろけるような甘い感覚に夢中になっていた。  
幹夫様が言うようにあそこから溢れていたよだれはその感覚によって引き起こされ出ていたものであろう。  
わたしはさきほどから幹夫様から受けていた数々の暴力、辱めなども正直、あの甘い感覚として受け止めていたのかもしれない。  
それが何より助平だという証拠なのだ。  
 
「まぁそんなに急くなよ。燕。これからもっと気持ちよくしてやるからよ。」  
「…けっこうです。」  
「おい!?なんだそのけっこうですっつーのは!? ここまでてめぇ一人でよくなってきて、それではいお終いかよ!?ふざけるのも大概にしやがれ!」  
バチッと平手打ちが飛びわたしは倒れ込む。  
「おい。よつんばいになれ。どうもお前は未だに聞き分けがよくなってねぇみてぇだからな。」  
逆らったらまた殴られる。ヘタをすれば殺される。  
わたしは幹夫様に言われるがままよつんばいになる。  
 
するとお尻が広がりわたしの…わたしの…お尻の穴にスースーと冷たい空気が当たる。  
 
「もっとケツをこっちに突き上げろ!!」  
「…はい。」  
 
わたしは言われたとおりにお尻を幹夫様に突き上げた。  
恥ずかしい。恥ずかしすぎる。こんな汚いところを何故男の人に見せなければならないのだろう?  
恥ずかしいと思えば思うほどその気持ちに対しあそこのよだれは止まることなく溢れ出ている。  
 
「へへへ… まさかこんな小娘のケツの穴を拝めるとはなぁ!!」  
「…」  
「いいか?そのままの体勢でいるんだ。お仕置きはこれからなんだからなぁ…」  
 
そういうと幹夫様は壁にかけてあった竹刀を手にとった。  
まさか…まさか…  
 
「うぉら!」  
 
バシィ!!  
 
「あうっ!!」  
「あんま…」  
 
ベシィ!!  
 
「痛い!!」  
「調子にのるんじゃねぇ!」  
 
ビシィ!!  
 
「イヤァ!!」  
 
幹夫様は竹刀で何度も何度もわたしのお尻に竹刀を叩きつけた。  
竹刀とお尻がぶつかりある衝撃とわたしのお尻はぷるぷるとゆれていた。  
バシィ!バシィ!ビシィ!  
何度も叩く。 何度も。何度も。  
わたしは泣き叫ぶ。しかし幹夫様のゆるしが出るまでこの体勢を崩すわけにもいかない。  
崩したらもっとひどい事をされる。  
バシィ!!  
「うーっ!」  
バシィ!!  
「あん!」  
痛い。激痛だ。しかし激痛が…激痛が…いい…  
ふと気づくとよだれがより一層増えているようだった。  
 
「はぁー はぁー 楽しいぜぇ… 小娘のケツを竹刀で叩くのがここまで楽しいとはな…」  
 
そう言うと幹夫様の竹刀が止まった。  
わたしのお尻は真っ赤に赤く膨れ上がっていた。じんじんと痛みが走りつづける。  
けど…それがよく感じてしまう自分… わたしはどうかしてしまったのだろうか?  
すると…  
カラン!  
竹刀を落とす音だ。  
どうやらこれ以上叩かれることはないらしい。  
とりあえずほっとした。  
 
「もう…我慢できねぇ…」  
 
幹夫様はぼそっと呟いた。そう言うと幹夫様は自らの着ているものの全てをわたしの前で脱ぎ捨てた。  
すると黒くてかてか光ったものが勢いよく飛び出した。  
 
「ひっ…」  
 
わたしは声をあげた。無理も無い。はじめて見た男の人の男根だ。  
よつんばいの体勢のままのわたしの口へそれが近づく…  
 

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