それはとても風変わりな告白だった。
おかげでプレイヤーが告白と気づくまでに半日かかったほどだ。
「お兄様と呼んでもよろしくて?」
「二人だけの時なら」
艦橋の中央に据わる巨大なコンソール。その席は「夜明けの船」を制御する全ての部署を監視する艦長席である。
現在、艦長席のほかは無人。規則的に明滅する天井が床に落とす人影は、ない。
青い軍服の上に黒のレースで縁取られた白のドレスが広がる。
過剰な量の布は華奢な少女の体の描く曲線を外へ露にすることはなかった。
肌も外から見える部分はほとんどない。
少女の纏う堅苦しい雰囲気そのもののように、少女を守り外界から隠していた。
自らの仕事場である艦長席に座り、少女を膝の上に乗せた男の手も。
「……んぅ……」
服の下からもぐりこんだ男の手がまだ固い胸のふくらみを押さえた。
少女は微かに呻き、白いレースに覆われた細い指をぎゅっと握りしめた。
くるりと乳首の周りを指先でなぞられ、反対側の手がスカートをかき分けて内腿を這いのぼる。
思わず手を引きかけた少女の耳に男の声がかかる。
「手を下ろしてはいけないよ」
男の声は、冷静で優しい。
「は、はい…」
コンソールの上で握られた両手が震える。
その声は少女の纏う壁を壊す甘い幻想だった。
「……お兄様」
男の指は内腿をたどり、下着のわきから秘所に触れた。茂みはほとんど存在せず、
ふっくらとした盛り上がりは滑らかな表面を晒している。
仄かに湿るそこを楽しむように数度指を往復させ、少女の兄ではない男は口を開いた。
「足を広げなさい」
「はい」
少女は従順だった。膝を大きく割り、足で男の両足をはさむ。
重厚なドレスの下でぴったりと閉じられていた秘唇がほころび、その奥がわずかに外気に触れる。
「あっ……はぁ…はぁ……」
そこはクチュクチュと微かな音を立てて男の愛撫を受け入れた。
陰核を指の腹でこすり、濡れはじめた入り口の周りをなぞる。
キュ、と乳首をつまみあげると大きく背がしなった。
「はぁん!……やぁ…」
痛みと快楽がないまぜになった感覚に悲鳴に近い声が上がる。
それでも両手はコンソールの上から離れなかった。
幾度も絞るように乳首を揉みこまれ、黒白のカチューシャと両側で巻かれた金髪がぱさぱさと揺れた。
「あっ、あ、ぁ…っ、おにい、さま……っ」
「なんだい?」
秘所の立てる水音は一段と派手になり、とろとろと蜜を溢れさせる秘孔は男の指をくぷりと飲み込んだ。
狭い肉襞をかきわけて激しく抽挿され、少女の息はますます乱れた。
「あぁん!あぅ…んんっ、あっ!…っく…わ…わたくし………もう…」
ジュプ、と空気混じりの卑猥な音を立てて指が抜かれた。秘孔が埋めるものを失って切なくヒクつく。
スイトピーはため息のような喘ぎを漏らした。
「あっあ、あ、あっは……あぁん!」
男は少女を膝の上に乗せたまま、下着の横から猛る自身を割り込ませ、下から貫いた。
充分に潤った未成熟な隘路が男を締め付け、えもいわれぬ快楽をもたらす。
少女はコンソールから言いつけどおり手を離さなかった。
後ろを振り向かないように。
男は少女の背中を押し、コンソールへ伏せさせた。
坐位で後背位をとらせ、細腰をつかみ激しく上下させる。乱暴ともいえるやりかたに、少女の意識が溶けてゆく。
「はぁっ…、あっん、おにい、さまぁ…っ、もっと……ぁあっ!もっと、して…!」
びくびくと腟内が痙攣し男を追い上げる。肉棒が秘所を突き上げるたびにあがる卑猥な音は、
行為を覆い隠す繊細な布が意味を失うほどに際立っていた。
「っ…おにいさまぁ…あ…!」
最奥に吐き出され、少女の背が魚のように跳ねた。余韻にひくつく秘孔から白濁が溢れて肉棒を伝い落ちた。
ずっと行為を隠していた布に行為の染みを刻んで。
男は「お兄様」が何者なのかは知らない。知ろうとも思わない。
ただ、それは少女が殻を破り内面を晒すために必要な装置なのだ。
抱かれながらその美しいブルーの瞳が自分を映すことはない。それはこの先誰に抱かれても同じだろう。
男は長くため息をついた。
それからまだ息の乱れる少女を抱きおこして優しく口づけた。
瞳を閉じたいとしい恋人に。