「ふっふっふ。ほのかにオセロで勝とうなんて10年早いじょ!」  
「……くそっ。今日はいい線いったと思ったんだがな」  
「まだまだだねぇ〜なっちー?さあ、ほのかが勝ったんだから、お願いを1つ聞いてもらうじょ!」  
「ちっ。しょうがねぇな」  
 
今すぐケーキを買って来いと言われるか、それともまた遊園地にでも連れていけとねだられるか。  
目の前で嬉しそうに笑うほのかのお願いは、そんな夏の予想の遥か斜め上をいくものだった。  
 
「なっちー、ほのかのおっぱいを揉んで大きくするのだ!」  
「ぶはっ!!!!!」  
「やだ、なっちー…紅茶かかったじょ」  
「げほっ!ごほっ!なっ、お前っ、今なんて言った!?」  
「え?だから、なっちーがほのかのおっぱいをもn」  
「もういい止めろ!……聞き間違いじゃなかったか」  
 
聞き間違いであって欲しかった。夏は頭を抱えて大きく息を吐いた。  
 
「なっちー、大丈夫?」  
「……おい。何で…そんな事を頼もうと思ったんだ?」  
「だって…ほのかもう高校生になったのに、全然成長しないじょ。ほのかも、むちぷりみたいになりたいんだよ」  
「お前はまだ成長期なんだから、そのうち育つだろ」  
「育たないかもしれないじょ!」  
「何でそう言い切るんだよ」  
「お兄ちゃんの友達に大人になっても育ってない人がいるじょ!ほら、猫目で、髪の毛ハネてる…」  
「あー……。……お前は、まあ、そこそこ育つんじゃないのか?」  
「そんなことわかんないじょ!!」  
 
お母さんがああなんだから、とは、さすがに口に出しにくかった。  
 
「とにかく、そんな願い事は駄目だ。却下だ!」  
「えー!?そんな〜!なっちー負けたくせにズルいじょ!」  
「うるせえ」  
「ほのかちゃんを助けると思って〜!なっち〜!!」  
「そんな顔しても駄目なもんは駄目だ!他の願い事にしろ」  
「えー!もう……しょうがないなぁ。……それじゃあ、こっちはお兄ちゃんに頼む事にするじょ」  
「!?お前っ、実の兄貴にそんな事頼む奴があるか!!」  
「なっちーがしてくんないんだからしょうがないじょ!」  
「ふざけんなよ!普通兄妹間ではそんな事しねーんだよ!」  
「なっちー文句多すぎ!お兄ちゃんがだめなら、アパチャイに頼むからいいもん!」  
「この…っ!!」  
 
どんなに諭しても、諦める気配のないほのかに夏は苛立った。  
自分以外の男に頼むなんて、と、ちらと掠めた思いには無理矢理蓋をした。  
 
「……どうなっても知らねーぞ?お前が言い出したんだからな」  
「わーい!なっちー大好き!」  
 
無邪気に自分に抱きつくほのかに良心が揺らいだが、  
他の男に頼むほのかを想像すると、夏の心は黒く染まった。  
 
ソファに座って、ほのかを膝の上に座らせる。  
後ろから抱きしめるように腕を回して、ほのかの細い体を引き寄せる。  
自分の膝の上で、何の危機感も持たずに脳天気にはしゃぐほのかの様子にイライラする。  
夏がほのかのTシャツを捲りあげると、膝の上のほのかが「ひゃっ!」と飛び上がった。  
 
「えっ、と、…直に触るの!?」  
「そうしないと効果ねーだろ」  
「そ、そう、なの?…じゃあ、お願いする…よ」  
 
口から出任せだ。  
大体、胸を揉んで大きくなると言う話も眉唾ものだ。  
ほのかのTシャツをめくると、レースのついたピンクの可愛いブラジャーが覗いた。  
 
「…意外と、ちゃんとしたの付けてんだな」  
「お母さんが…、ほのかもそろそろこういうの付けなさいって…」  
 
ほのかの健康的に焼けた手足と違って、真っ白い肌がふんわりと盛り上がってピンク色の生地の中に収まっている。  
まだ発展途上だが、ほのかの胸は無いわけではない。  
それどころか、夏の予想以上には、あった。  
 
「…なっちー、…恥ずかしいから、あんまり見ないで」  
「…これでいいか?」  
 
大きな手で、ブラジャーごとほのかの胸を隠すように包む。  
そっと触れた程度だが、思っていた以上に柔らかい。  
 
「あっ、ま…って、なっちー!…これ、外す…ね?」  
「っ!お、おい…」  
 
ほのかの思わぬ言葉に慌てる夏を後目に、ほのかは少し夏から体を離して自分でブラジャーのホックを外した。  
ずずっ…と、自分からブラジャーをずり上げていく。  
白い膨らみの上に、桜色の小さなつぼみ。  
 
「…お前、もう、知らねぇぞ…」  
「…ん」  
 
ほのかは、夏の膝の上で、夏に身体を預けてぎゅっと目を瞑っている。  
夏は、そっとほのかの膨らみを包んだ両手に力を入れた。  
夏の大きな手のひらの中では慎ましやかに見える膨らみが、夏の手の動きにあわせて形を変える。  
ぐにぐにと形を変える柔らかいそれは、鍛え上げられた夏の体には無い感触だ。  
 
「んっ……」  
「………」  
「……な…ちぃ…」  
「………」  
「っ!!なっちー、痛い!」  
「我慢しろ。効果ねーだろ」  
「そ、そうなの?……あっ」  
「…声は我慢しなくていいぞ」  
「声って……あっ、……あぁんっ!!」  
 
桜色の胸のつぼみを指先で潰すようにこねると、ほのかの口から甘い声が漏れた。  
 
「や、やだ…なっちぃ…。なんか、ほのか、…変になっちゃう…」  
「俺は構わないぜ?……なあ、ほのか」  
「…なっちー?」  
「お前が俺と一つ約束するってんなら、これ以上の事も協力してやってもいいんだが、どうする?」  
「これ以上…の…?そしたら、ほのか、むちぷりになれる?」  
「ああ。(たぶんな)」  
「う、うん…。じゃあ、お願いするじょ。ほのか、なっちーと何約束すればいい?」  
「……これからは俺以外の奴には絶対触らせるな!!…解ったか?」  
 
 

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