美羽:ケンイチ  
キサラ:宇喜田  
フレイヤ:×  
「・・・・・・」  
自分だけ・・・自分だけ男がいない・・・  
顔もスタイルも悪くはないはずだ  
恐らく周りの手前、今まで男は遠ざけてきたのが要因なのだろう  
しかし自分も女である以上、異性と付き合いたいという気持ちはある  
誰かと付き合いたいではある・・・しかし出来れば、自分よりも強いものとなら一層良い  
「ケンイチと宇喜田は除外だな・・・」  
宇喜田は狙っているようなカマをかけてみたことはあるが  
流石に友人や仲間の恋路の邪魔はしたくない  
「ジークは・・・何考えてるか分からないしな・・・」  
女を軽視するという自分の嫌いなタイプでもある  
「トール・・・」  
やっぱり見た目も大事だよね・・・  
ウサギのようなものが足元を駆け抜けた気がした  
「隠者・・・」  
最近ほのかという彼女が出来たらしい、コイツも除外・・・  
元々色恋沙汰には興味が無さそうだったのだが・・・それは自分も同じか  
「となると・・・アイツしかいないか・・・」  
 
 
「あれ?フレイヤちゃんおひさ〜」  
褐色の肌、連合内の本物の砂の入ったサンドバッグを叩いているボクサー  
後ろから気配を絶って近づいたというのに振り向きもしないで・・・  
「少し・・・来てもらえるか?」  
どうにも口下手なのが嫌になる・・・  
「あ〜・・・うん、オッケ〜」  
 
 
連合の裏手、罠だけは普通に設置されているようだが  
誰一人として寄り付きもしない場所だ  
ここなら誰かに邪魔されることもないだろう  
「少し手「今からここでちょっとウデ試し・・・てトコかな?」  
カブせられたトコロに少々ムカつきを覚える、  
さらにはそれが当たっている所が特にムカつく  
「・・・何故分かった?」  
いつものヘラヘラとした笑顔で答える  
「カンタンだよ、ここまで来る間、殺気は抜けないしスキは見つからないし  
肩も少し上下してる・・・多分ウォーミングアップでもして来たんだろうね  
ここまで完全に警戒されてるならきっと自分で一つウデ試しでもする気かな〜・・・って」  
返す言葉が無い・・・  
「で・・・結局やるのか?」  
「女のコは殴らない主義なんだけどね〜・・・でも一回戦ってみたかったし  
女とか男とか抜きにしても〜・・・一応負ける気は無いよ」  
ヘラヘラと笑ってアッサリと受けて立つ宣言  
「では・・・行くぞ」  
 
顔の前でゴツい拳が止まる  
目にも止まらぬ速さで繰り出されたそれは・・・自分の眼前で寸止めされていた  
「私の・・・負けだ」  
攻撃が当たらない  
食らえば確実に気絶するであろう一撃を何度も寸止めされては・・・  
負けを認めないわけには行かないだろう  
「まァフレイヤちゃんもよくやったって、結構アブなかったよ」  
口から血を流し、体中のあちらこちらにアザが見える  
逆上してもおかしくないこの状態で寸止めをするとは・・・  
「じゃあボカァちょっと走りこみに行ってくるから、またね〜」  
「あ・・・」  
「ん、どうかした?」  
「・・・・・・・・・・・・・・いやなんでもない」  
「?」  
 
 
 
とある鉄橋下の民家、どこか疲れに諦めが入り混じった顔のボクサーが入っていく  
「フハハハ、こんなに貰ってくるとは・・・これはもう少し特訓が必要であるな・・・」  
破壊神こと、ジェームズ志波  
今日のやり取りを報告し、予想通りの反応が返ってくる  
「え!?ちょ・・・もう体中ズタボロなんですが・・・」  
当然の反論も、当たり前のように聞き流される  
「全く、我輩ちょっと新しい器具を作っておくから、走りこみに行ってきなさい」  
「あ、いやだから・・・もう2時間も走りこんで来たんですが・・・それにあちこち痛くて・・・」  
「そういう極限でこそ武術家としての真価が問われるのである」  
ニッコリとピーンと立ったヒゲの下から満面の笑みを見せる  
そして一言  
「それよりも帰って来てからの方が数百倍ツラいと思うのであるが・・・」  
「!!!」  
容赦なく追い討ちをかける  
「今から走り込みに行くのと我輩と付きっ切りでスパーをするのと・・・どっちがいい?」  
無論、地獄と自殺なら選択肢は分かりきっている  
「喜んで走りこみに行って参ります」  
「物分りの良い弟子じゃのう・・・・・・」  
そこでボソッと小さく・・・聞き取れないほどの音量、だが確かに聞こえた  
「チッ」  
 
「・・・・・・・・・!!!」  
 
 
 
『まァ休みたければ休んでも良いぞ、どうせ後で死ぬような目に遭うのである、  
悔いを残さんように休めるだけ休むといいのである』  
 
 
「全く・・・なんて師匠だ・・・」  
タッタッタッ・・・と一定のリズムで走り続ける  
ってもう既に息がヤバいんだけどな・・・  
「ってアレ・・・?」  
師匠の家からかなり遠い所のもう一つの鉄橋下に、女が佇んでいる  
「ありゃあ・・・フレイヤちゃんじゃないか」  
この男、知り合いがいれば話しかけずにはいられない性質である  
「オーイ、フレイヤちゃーん」  
少し間を空けて女が振り返る  
しかしこっちは遠くの相手に大声で話すタイプではない  
「・・・・・・」  
「ん、なんだろ」  
何やら手招きしているようだ  
「今・・・走りこみの途中なんだけどなぁ・・・」  
自分が話しかけた手前、無視する訳にはいかない  
 
 
 
 
「付き合ってくれ」  
 
 
 
は い ?  
 
 
 
 
 
 
あまりに唐突・・・  
その内容に軽く頭が痺れる  
「え?えーと・・・・・・え?」  
「ム・・・どこか言葉が足りなかったか?」  
いや言葉の意味は分かるけどえーとえーとえーと・・・ハイ!?  
最早体の方は完全に機能停止、頭の中はパニック状態である  
恐らく今の彼ならフレイヤはおろか小学生にだって負けるだろう  
しかしどこまでパニック状態になろうと思考は意外と丈夫なもの  
放っておけばいずれは頭に追いついてくるもので  
 
 
10秒経過・・・  
 
 
20秒経過・・・  
 
 
30秒経過・・・  
 
 
この辺りでようやく武田が恋愛的に告白されている・・・という結論に達する  
「あ〜うん・・・え〜と・・・」  
マトモな返事など期待する方が無謀というものだろう  
しかしそこで・・・先に動いたのはフレイヤだった  
ドサァッ・・・ともたれかかる  
 
全身を脱力させ、完全に体を預けている  
「うっ・・・」  
あまりにも華奢・・・先程までは容赦無く襲い掛かってきた相手の体は  
動かせば折れるかと思うほどにか弱く・・・  
 
「好きに・・・して・・・いいぞ」  
 
この一言だけでも、普通の人間を悩殺するには十分であろう  
無論、武田のマトモな思考を奪うには十分過ぎる刺激でもある  
 
僅かに残った理性をかき集め、自分を制御し、この状況を押しとどめようとするも  
 
「はは・・・いいのかい・・・?ボク・・・結構Sだよ・・・」  
 
どうにか相手を突き放そうとするが、材料はこの程度である  
相手としてはどこを取っても申し分無い・・・一生モノのチャンスである  
あとすこし押されれば自分を抑えきれる自信は無い・・・フレイヤもそれを感じ取ったのだろう  
「ああ、私としてもその方が有難い・・・どっちかと言われればイジメられる方が好きだからな」  
仲間内で恋愛感情はタブー、そんな本能のような自制心は呆気なく崩れた  
 
 
 
「ここだと人の目もあるしな・・・ちょっと向こうに行こうか」  
武田は鉄橋の下を指差して歩き出す、それに習って後ろから奥の暗がりへ付いて行く  
 
「じゃあちょっと服脱いで」という武田の指示通りに、普段付けている服を上から脱ぎ去る  
どんどんと服は無くなり、素肌が完全に露になるまでそう時間はかからなかった  
「へぇ〜、ブラどころかパンツまで穿いてないんだ〜・・・」  
「そ、そんな・・・マジマジ見るな・・・」  
武田は普段とは全く違う目でこちらを見ている・・・やはり紳士を気取っても男は男か  
しかし普段なら絶対にしない異常な姿だ  
屋外で、何一つ身に着けず、まさに生まれたままの姿で立っているのだ  
まだ夕暮れ時で薄暗い光が残っている  
少し離れた所からでも服を着ていないことは分かるだろう  
寒さと恥ずかしさが相まって体中が火照る  
「いつまでこのままにするつもりだ・・・?」  
季節的にも決して暖かいとは言えない  
手は震え、足はカタカタと小刻みなリズムを刻む  
「う〜ん・・・いい眺めなんだけどなァ・・・この表情がまた・・・」  
まァ武田が楽しめているならこのくらいの寒さは苦でも無い・・・気がする  
「んじゃあとりあえず・・・ちょっとこっち来て・・・手ェ付けて・・・」  
 
武田に言われたとおり、四つんばいになり、壁の方に向き直る  
素足だけではなく、手と膝にも小石の冷たさが伝わり、1秒ごとに冷たさを増しているような錯覚に陥る  
少し風の強い外気、地面の冷たさ、そんな物に気を取られている間に、  
武田が正面に・・・コンクリートの壁にもたれかかるようにあぐらをかいて座る  
「さァて・・・と、まずはボタンを外して・・・ジッパーを下ろして・・・」  
言われたとおりに股間の前面を開ける  
Gパン越しには分からなかったが、パンツ一枚になるとかなりの硬さと大きさが分かる  
そしてパンツを下ろす・・・どこか生生しく凶悪なソレから目を離せない  
 
「じゃあ、嫌だったら言ってね・・・すぐ止めるから・・・」  
全く・・・肝心な所で締まらない男だ  
「私から誘ってるのに・・・途中で止めるなんて考えないでくれ・・・」  
小さく笑い声が聞こえたかと思うと、  
「じゃあそれ咥えて・・・」と言いながら後ろ髪を掴み、ギンギンに反りたった逸物に顔を押し付ける  
矢張りSというのは本当だったのだろう、自分の方も嘘をついた訳ではないが  
とりあえず口いっぱいに頬張り、手も使って必死でしごく  
男の匂いが鼻に衝く、まァ武田のものと思えば嫌な気分はしないが・・・  
「そうそう・・・カリの部分に舌を絡ませて・・・」  
最初に口に入れた瞬間、一気に大きくなり、その後はたいした変化が無かった・・・のだが  
「う・・・ぐぐ、で、出るッッ」  
という声と共に、口の中一杯に苦い味が広がる  
一体何が出るのかも分からず、予想もしてなかった為、口から逸物を離し、  
ゲホゲホと咳き込みながら地面にペッ・・・と吐き捨てる  
「あ〜・・・ゴメン・・・」  
申し訳無さそうな顔を見せるのだが、股間ではまだドクドクと白濁液が滴っている  
「大丈夫・・・だ」  
 
暫くの沈黙、またここも自分が切り出す、矢張り自分は落ち着きが足りないのか  
出来れば男にリードしてもらいたいものだが・・・  
「で・・・するのか・・・セックス?」  
「え、えーと・・・いいの?」  
ここまでしておいて何を今更・・・  
「ダメな訳が無いじゃないか・・・」  
「いやでも・・・コンドーム無いし・・・  
それにバージン・・・でしょ?オレなんかが・・・しかもこんな場所で奪っちゃっていいのか?」  
そっちに気遣いをしてたのか・・・  
「別に今日は安全日だから問題無い  
処女は武田に貰って欲しいんだ、場所なんか関係無い」  
ゴクリ・・・と唾を飲む音が聞こえる  
「ちょっと失礼・・・」  
武田の手が肩を掴み、仰向けに押し倒す  
そして少しの間を空け、一言  
「入れるよ・・・」  
 
その日・・・処女を失った  
初めてのセックスは濃密で・・・少しSMが入り混じってて・・・あくまで優しく・・・  
 
 
もう一つの鉄橋の下へ帰ってきたのは4時、到底修行など始められる時間でもないし・・・明日は地獄だな  
などと考えていたが・・・甘かった、非常に上機嫌、そして・・・  
「ブワハハハ、秋雨っちの弟子に一歩リードであ〜る、  
え、修行?何のことであるか?もう今日はシッカリ休め、あ、赤飯炊いといたであ〜る  
明日の朝食にでもするとよいのである」  
・・・なんだかスゴク納得が行かないが・・・そんな訳で慌しい一日は幕を閉じた  
そして明日からは・・・可愛い彼女と過ごす事になりそうだ  
 

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