@来【くる】  
 
「皆の者、やつが来るぞ」  
「!!」  
その男はかつてここで修行していたのだが、  
ある日、長老が修行の為に闇ヶ谷に連れて行き、  
そこで緒方一神斎という男の動の気に呼応し、  
師弟になった後、この4年ばかり行方知れずになっていたのだ  
そして4年ぶりに梁山泊という古ぼけた道場の前に来ているのだ  
「やつですか・・・」  
「やつかね・・・」  
「ケンイチが来たかよ」  
「で・・・どうするつもりだ?じじい」  
「うん・・・かなりデキるみたいだ・・・ね」  
「どうしますの?おじいさま」  
面々が一斉に騒ぎ出す  
そして長老は深刻な面持ちで切り出した  
「よいか・・・あの男は4年前まで知っていた弟子ではない  
そして我ら全員揃っても勝てる望みは薄い  
そして狙いは恐らく美羽じゃ」  
全員が一瞬かたまる  
「あやつを全員で迎え撃つ、しぐれは美羽を守ってやってくれ  
金属の類では恐らく勝てはせん、よいか、もしものことがあったらすぐに逃げるのじゃぞ」  
しぐれが頷く  
「他の者は道場へ行き、しぐれと美羽は裏庭から地下に潜っておれ」  
 
 
A闘【たたかい】  
 
大人しくしぐれに付いて地下へもぐってゆく  
歩いているうちに何か地響きがしていることに気付く  
「始まった・・・ね」  
「おじいさまたち大丈夫かしら・・・ですわ」  
 
 
それから小一時間ばかりした頃、相変わらず地響きは収まらない・・・が  
手足の先がシビれはじめてきた  
「なん・・・だ・・・これ・・・はっ!!」  
異変に気付き、しぐれが反応する・・・・・・が  
「!?」  
足が動かない  
見ると美羽は倒れている  
自分も壁伝いに体がずり落ちていく、  
『これは・・・?』  
もはや声も出せない  
心臓の鼓動がやけに大きく感じる  
その時、誰かが降りてくる音が聞こえた  
「ケケケ、もう効いてきたか」  
 
 
B隠【ふくへい】  
 
「う〜ん、いいザマだなぁ、妖怪娘♪」  
昔に何度か見たことのある顔だ、  
ケンイチがいなくなったときから見ないと思っていたら・・・  
「このガスは俺様が自分の一族秘伝のシビレ薬をさらに自分流に改善したもんでな  
まぁこのワクチンを飲んでいれば少しフラつく程度だが、ワクチン無しで吸い込めば・・・  
 
 
常人なら二日は動けないだろうな、無論お前らみたいな化け物だってかなりの間は動けないぜ」  
自分の体にシビレ薬は効かないハズなのに・・・  
それに何故こんな事を・・・  
「さァて・・・っと、ケンイチのやつの所に持ってくかな〜」  
『!!?』  
声にはならない声が出る  
『あいつの仲間がいたのか!?  
一年前に闇を壊滅させたときは単独だったはずだぞ!!』  
声に出ないので返事は期待できない  
「おっと・・・その前に念の為に落としとくか、  
このガスじゃ意識までは失わないからな、念には念を・・・な♪」  
『これまでか・・・』  
なにか液体を口の中に流し込まれた所で意識が途切れる  
 
 
C覚【めざめる】 
 
「おーい、そろそろ起きろー」  
宇宙人のような風貌の男が手にしたリモコンをいじる  
「・・・・・・っ!!あっっつ・・・ぐぁぁぁあ」  
しぐれの体に電流が走る  
この男に好き勝手されるようになってそろそろ3日が経つ、男に予告された日だ  
梁山泊を離れてどのくらいがたったのかは分からない  
体内時計もこんな精神状態じゃ正確かどうかも分からない  
それでも目覚めたときのことは鮮明に思い出せる、そしてあの時ほど絶望した事は無かった  
 
 
「う・・・うぅ・・・ん・・・」  
『ここは・・・何処・・・だ・・・?  
目隠しされている・・・ベッドのようだが・・・』  
冷静に状況を分析する、  
手は後ろで縛って吊り下げられ、足はひざで折って荒縄で束ねられている  
そんな状態でベッドの上でうつぶせになっているようだ  
「お、起きたか♪おはよう」  
『この声は・・・あいつ・・・』  
一気に記憶がよみがえってくる  
「オマエよくも私達を!!美羽はどこにい・・・・・・っっつ!!!ぐああぁぁ」  
怒鳴ろうとすると体中にいきなり激痛が走った  
「・・・・・・っっつ!!・・・・・・ハァ・・・ハァ・・・」  
笑いを含んだいやらしい声が聞こえる  
「くくっ・・・大人しくしなって、折角のキングサイズのベッドなんだぜ」  
たしかに・・・こんな状況だというのに寝心地は悪くない、  
しかし格好が問題だ、裸ではないようだが普段とは全く違う感触がする、恐らく相当にいやらしい格好なのだろう  
そこまで自分のためというわけでは無さそうだ  
「このリモコンのボタン一つで結構色々できるんだぜ、今みたいな痛みのほかにもな。  
ちょっとばかり実演してみるか」  
この状況下でも冷静に対処しようと頭をフル回転させる  
『この縄は・・・縄抜けの出来ない縛り方・・・なら逃げるには・・・』  
しかし冷静さを保っていられたのはそこまでだった  
「!!!あぁぁっ・・・ぐっ・・・うぅ・・・熱っ!!・・・いぃ・・・!!」  
まるで火炎の中にに飛び込んだような感覚である  
「まずは赤のボタン〜、体中が熱くなりますよ〜♪」  
ゆっくりと・・・しかし楽しそうな口調で語りかける  
「あっ・・・ぐぅうっっ!!熱・・・あぁぁっ・・・やめ・・・うぁあああ!!!」  
「熱いのか、それじゃあ冷ましてやろう」  
そう言って青いボタンを押す、  
「っ!?」  
今までの暑さが一転、いきなり体の芯から凍りつくような寒さに変わった  
手足の先の感覚はもう全く無い、今さっきの熱さが天国に思える  
しかしこの急激な温度差はシャレになってない  
「あ・・・う・・・うぅ・・・」  
しぐれの意識は遠のいていく、ここまで耐えたのも今までの修行の賜物である  
しかし悪魔のようなこの男は言い放つ  
「フム・・・これぐらいか・・・まァいい  
三日経ったら本格的に始めるからな、せいぜい地獄を覚悟しろよ」  
その言葉を聞いた直後にしぐれは気を失った  
 
 
D備【したじゅんび】  
 
その後目覚めてからも、意外なことに何もされることは無かった  
脱走を計ってみるも縄は全く切れず、そのまま3日目・・・今になる  
そして目の前には(目隠しは外れている)あの男がいる  
「さァて・・・っと、今日が3日目だな、じゃ・・・ちょっと始めるか」  
 
 
足の拘束は縄を解き、短めの鎖で両足を繋いでいるだけだ  
そして手の縄は天井から外してトンガリ耳の男が持っている  
言われるままに部屋の隅にあったバスタブの前まで歩いてきた  
高級ホテルのスイートルームのようなこの部屋の中で  
この一角にあるバスタブからは得体の知れない液体がグツグツと泡を噴出している  
「何を・・・するつもり・・・だ」  
「いや3日もそのままじゃ女として嫌でしょうから  
お風呂の用意をさせて頂きました♪どうぞゆっくりとお浸かり下さい。」  
何が目的かは知らないが捕われの自分に選択肢は無い  
「この格好のままで・・・入るの・・・か」  
自分の服は捕まったときに着替えさせられたようで、  
元の和服と似てはいるが、  
上半身の胸のあたりは網で出来ており、恐らく薬で眠っている間につけられたのだろう、  
乳首にはピアスがつけられ、その二つだけは網の外側にて短めの紐で繋がっている。  
さらに下半身の丈は5センチほどに縮んでいるフンドシに書かれた『変態娘』という文字が丸見えである。  
もはや衣類の役割は果たしていないだろう。むしろ付けていない方が良いに違いない  
「その格好のままでお願いします♪」  
容赦無く言い切る  
「うっ・・・く・・・」  
気の強そうなこの美女が眉をハの形にして躊躇う姿にはこの男でなくとも興奮を覚えるだろう  
しかし新島がポケットから最早トラウマとなったリモコンを取り出すと、  
諦めたように恐る恐る片足からバスタブの中に入れていった  
 
 
E痛【げきつう】  
 
バスタブの中の不自然に青い液体は、不思議と浸かっていて気持ちが良い  
見た目は悪いが、熱い風呂に入っているうちに、捕まっていることが嘘のように思えてくる  
「はぁ〜〜〜〜〜〜♪」  
体が火照ってくる。久々に心の底から幸せな瞬間である  
その後ゆっくりと2時間ほど水浴びを楽しむ。しかし、この時で気付くべきであった  
きれいな花には棘がある。気持ち良く水浴びをさせるわけがないのだ  
こうしてただ水に浸るだけで2時間も過ごすところで異常に気付くべきであった  
もっとも・・・気付いた所でどうにもなりはしないのだが・・・・・・  
───────────────2時間後───────────────  
「さて、そろそろいいだろう、上がれ」  
新島が手にした荒縄をいきなり引く  
達人級とはいえ女性のしぐれは力負けして絨毯の上に転がる  
「ハっ!!」  
夢から覚めたように目を見開く  
そこに映るのはこれ以上の楽しみは無いと言わんばかりの悪魔のような顔である  
『今まで私は・・・何を・・・』  
不意を付いて考えているしぐれのニノ腕を裁縫針で刺す  
「ーーーーーーーー!!!ーーーーーーッッッッッツ!!!!!!!!」  
悲鳴を上げようとしたのだろうがショックで声が出ない  
床を転げまわって痛みを紛らわそうとする、しかしそんなことは無意味に等しかった  
今まで味わったことの無い痛み、痛みのあまり気絶すら出来ない  
発狂してもおかしくないところだが先程浸かった薬品がそれを許さない  
「────ーーーーハァっ・・・ハァっ・・・!?」  
まだまだ痛みは余韻を残しているがどうにか頭は落ち着いた  
「そうだよ、さっきの薬風呂だ、いい気持ちだったろ?」  
まんまと引っかかった悔しさとそれ以上の恐怖が頭の中を駆け巡る  
最早どうにか乗り切ろうなどという余裕は全く無い  
「さァて、ちょっと説明しt・・・・・・」  
気付けばしぐれの体は恐怖に駆られて縛られていながらも新島に体当たりをした  
 
 
F説【かいせつ】  
 
体当たりをしようとした・・・のだが  
いきなり体中の力が抜けてうつぶせに倒れる形になった  
全身ズブヌレで尻だけを突き出した姿勢は男を誘っているようにしか見えないだろう  
「な・・・なぜ・・・」  
声は出ることには出るがかすれて殆ど聞こえない  
さっきまで残っていた痛みも・・・というか体中の感覚が全く無い  
動かそうとしても指先一つピクリとも動かない、心臓の鼓動がやけに大きく聞こえる  
「う〜ん、エロい格好だな〜。男を誘う訓練とかもやったんだろうな〜」  
たしかに性欲に耐える訓練はした・・・だが何故今倒れているのかサッパリ分からない  
「とりあえずそろそろ解説しないと、読んでる方から『わけがわからない』というクレームが来るだろうし  
さっきから使ってる道具について説明してやるよ、有難く聞け」  
「なにを言っ・・・て・・・」  
「こっちの話、気にするな」  
訳は分からないが説明してくれるというなら有難い  
どの道動けないのだから、少しでも情報があるにこしたことは無い  
「まずはこのリモコン、これはお前の頭の後ろに埋め込んだマイクロチップに連動してる」  
『そんなものが頭の中に!?』  
「0.1mmくらいだけどな、事実上見つけるのは不可能だぜ」  
『そんな高性能なものが開発されているはずはない・・・』  
しかし今までの異常事態からするとあながち嘘とも言い切れなかった  
「そしてこのリモコン、これはただ電気を流すだけ  
赤いボタンを押せば頭の中には火に焼かれてる嘘の電気信号を送る  
青のボタンを押せば外気が零下120度という嘘信号を、調節は可能だけどな」  
理屈は合っている、そして傷一つ負っていない理由も  
「そして今朝使った黄色いボタンはただ電気を流すだけ、体中にな」  
『あれは痛かったな・・・』  
「んでもって今の状態を作る白いボタン」  
これが一番わけが分からない  
確かに体当たりをしようとしたときには手は何にも触れていなかった  
しかし途中で倒れたのは自分だった  
「これはボタンを押す以外にも使われる場合があってな、  
人は何かに攻撃しようとすると特殊な脳波が生まれる、それを感じ取った瞬間に自動で使われるんだ」  
聞いたことはある、人間は何かを傷つけるときに脳に特殊な波形が生まれるそうだ  
しかしそれを感じ取った瞬間に何をされて・・・  
「原理は驚くほど簡単、体中に弱い電気を流してパルス信号に逆電圧をかける  
すると体中の筋肉を動かせなくなる仕組み、声はギリで出せるだろうが、強くすれば心臓も止められる」  
「な・・・る・・・ほど・・・では・・・  
さ・・・っきの・・・液・・・体は・・・な・・・んだ?」  
面倒くさそうに溜息をつく  
「人に物を頼むにしちゃあ態度がでかいなァ?なにか言うことがあるだろうが」  
やはりここは情報収集優先である、プライドを捨てて頼んだ  
「おね・・・が・・・い・・・します・・・」  
それを聞くと嬉しそうに嬉々として説明を始めた  
「あれは俺様が独自に開発した感覚増強剤でな、普通は飲むんだが浸かった方が効果があるんだよ  
さらには精神安定効果に飲みやすく、浸かりやすくするための工夫、無茶苦茶に時間をかけた力作を  
五感一つ一つに特化し、さらにそれを使用者に対する気遣いを捨ててただひたすら感覚を上げる  
それの触覚ver、試したことは無いが理論では普段の感覚の1200〜1500倍になってるはずだ  
まさに極限ってやつだなァ♪」  
本当に嬉しそうに懇切丁寧に解説してくれる、時間を掛けたものほど他人に自慢したくなるからな・・・  
しかしこちらにとっては悪魔の拷問用具だ、これでは逃げようが無いだろう  
それにこの液体は・・・噂で聞いた事がある・・・都市伝説だと思っていたのだが・・・  
 
 
G頼【たのむ】 
 
「お・・・まえ・・・マス・・・タークラ・・・スか・・・」  
「あぁ、なんか知んないけどそういう風に呼ぶみたいだな」  
『やはり・・・特殊なマスタークラスが不思議な薬品を高額で売りさばくという噂を聞いたことがある・・・  
薬品はどんなに調べても製造方法が分からないというが・・・まさか実在したとは・・・』  
「まぁいっか、そろそろ逆電圧止めるよー」  
男がリモコンを取り出した所で思い出した  
『痛みの信号が消えている・・・だから何も感じない・・・  
でもさっき思いっきり床に転んで・・・』  
「ポチっとな」  
「っっっっ!!!ッッァァァアアアーーーー!!!!!」  
新島はニヤニヤと楽しそうにその様を眺めている  
 
 
ひとしきり悶えた後、新島は楽しそうにさっきの裁縫針を取り出した  
手には自分の手首から伸びる荒縄が握られている  
「!!!」  
「じゃ、次行ってみるか」  
「な・・・やめ・・・」  
逃げようとするが手を縄で引っ張られるだけでもかなり痛い  
むなしい抵抗も長くは続かなかった  
「さてさて次はどこに刺してほしいのかな〜♪」  
「やめてくださ・・・い・・・」  
「ん〜?何か言ったかな〜?」  
プライドを捨て、床に頭をつけて懇願する  
「やめてください、お願いします!  
何でも言うことを聞きますからこれだけはもうやめてください!!」  
「なんでも・・・ねェ♪」  
新島の顔を見上げると触角のようなものが生えている気がした  
 
 
H後【かこ】  
 
『さて・・・と、やっとここまで漕ぎ着けたか』  
昔初めて見た時からどうにか言うことを聞かせてみたいと思っていたしぐれ  
しかしそんな隙は皆無、挙句の果てには新白連合も解散、夢が全て尽きたかのように思えた  
しかしそんな時、ケンイチがフードを被った男に付いて歩いているという情報を見つけた  
最初は何かの冗談かと思ったが、調べてみると拳聖というラグナレクの元締めと行動しているらしい  
どうにか所在を突き止めて見張ってみたはいいが、結局捕まった  
しかしケンイチの頼みで逃がすことになり  
その後何度も後を付けてキャッチ&リリース。その度に自分も技術が進歩していることに気付いた  
やがては必要があれば誰の所在でも突き止め、尾行し、逃げきり、独自の薬品などを開発した  
そして拳聖にも気付かれずにケンイチと接触を取ったが、ケンイチは殆ど完全に人間の域を超えていた  
そのときにケンイチと盟約を結び、戦闘担当のケンイチとそれをサポートする自分の関係を築いた  
そして二年前、拳聖の課す最後の修行として、ケンイチは拳聖を文字通り乗り越えた、  
その後も強者を求めて俺の探す達人たちと渡り合った  
闇も俺が探した弱い拠点から崩し、どんどんと数を減らしていった  
最後はそんなガタガタの状態で起死回生を狙って総勢で梁山泊に挑み、潰されたらしい  
その後もケンイチの無茶に付き合ううちに自分の能力も明らかにケンイチの域まで上がっていた  
そして最近ケンイチが美羽の事が気にかかるらしく、  
過去に清算をつけると今回ケンイチが梁山泊に喧嘩しに行くことになり、  
美羽はケンイチが、しぐれはこっちが貰うということで手を貸すことになったのだ  
そして今、やっとしぐれに泣き言を言わせた  
さて・・・次は何をするか・・・  
「よォし、じゃあまずは俺の喜ぶと思う事をしろ」  
少し早いかな・・・ていうかこの娘体の割に意外と天然だからな・・・意味は分かるのか?  
「はい・・・わかりまし・・・た」  
そう言うとおもむろに部屋の隅にあるキッチンに向かった  
『え?』  
なにかをカチャカチャといじる・・・オイオイどこにあったんだ?そのガソリンタンクは?  
そしていきなり燃え上がるキッチン・・・・・・ってヤベー!!!  
「ウオオーイ!!何してるんだお前はァ!!?」  
すぐに火を消化する  
「いや・・・料理を食べさせたら喜ぶ・・・と」  
「だからってガソリン使うか普通!?」  
「・・・・・・」  
少し脅してみるか  
「・・・ちょっと尻でも叩いてみるか?どんな反応するか見てみたいし」  
「す、すみません、もうしません!ごめんなさい!!」  
アレ?なんか反応がおかしいな・・・  
「じゃあ今度こそ俺が喜ぶと思うことをしろ」  
 
 
I従【どれい】  
 
今度は何も言わずにこっちに歩み寄ってきた  
そして足元にひざまずくと股間のチャックを外し、すでに勃っている逸物を取り出した  
「うわ・・・大っきい・・・」  
自分でもサイズには自信があったのだが、やはりこういうことを言われると嬉しくなる  
「では・・・失礼しま・・・す」  
口を開け、いっきに咥える。暖かい感触が気持ち良い  
よくよく考えるとこの4年間、自慰をした覚えも殆ど無い  
「・・・もう少し舌を使え・・・そうそう・・・いいぞ・・・」  
時折歯が当たるが、マイクロチップが反応して体が崩れたりしないのでわざとではないだろう  
「これで・・・いいです・・・か?」  
上目遣いに潤んだ瞳で問いかけてくる  
少し顔が赤くなっているのがまたそそる  
「うっ・・・出るぞっ・・・」  
「どう・・・ぞ」  
口の中に白い液体を流し込む  
しぐれはせきこんでいる  
「吐くな、飲み込むんだぞ」  
ごくりと苦そうに飲み込む  
「これで・・・いいです・・・か?」  
「なかなか良かったぞ」  
本当に、恐らく初めてだろうに、お世辞抜きで気持ち良かった  
「じゃあ次の命令だ、これからはお前は奴隷として  
俺様の言うことは何でも聞き、どんな事でもしろ、それと俺はご主人様と言え、いいか?」  
選択肢が無いと知った上で聞く、奴隷という響きがなんとなく興奮するのだ  
「はい・・・わかりました・・・ご主人様」  
「じゃあ次は・・・フンドシだけ脱げ」  
元々この服はしぐれが着ていたものだ  
上着は胸の所を切り取って下から着ていた鎖帷子を縫いつけた  
『結局ウォーターカッター使わなきゃ切れなかったんだよな・・・ホントに鉄か?アレ』  
背中には色々武器を隠す場所があったので、それをローターやバイブと入れ替えた  
『なんであんなに入るんだろ・・・軽くドラえもんのポケット状態だったよ・・・』  
そして下の方は丈を詰め、フンドシに『変態娘』と(油性マジックで)書いた  
「・・・脱ぎました・・・ご主人様」  
「そうかそうか」  
笑いながらしぐれの背中からリモコンバイブを一つ取り出す  
手が擦れる度に反応して声が漏れる、少しやりすぎたような気分にもなる  
そしてそれをしぐれに渡して命令する  
「それを使え」  
顔が赤くなりながらも秘所に恐る恐る近づける  
「うっ・・・あ・・・ぁああっ・・・」  
少し触れるだけでも反応が強い、ただでさえ敏感な所だしな  
「早く入れろ、それとも俺に入れて欲しいのか?」  
諦めたように一気に差し込む  
「あぁぁあっっ・・・うぅ・・・太いぃ・・・っ」  
どうにか入ったようだ、先端には姻薬が塗ってあるからな、  
効果は明日になってからのお楽しみだ  
「じゃあもう寝ていいぞ、そこにあるベッドから出るなよ」  
恐る恐るゆっくりとベッドに入ってゆく  
 
 
J崩【くずし】  
 
『・・・もう朝か・・・・・・寝てる間外さないように言っといたが・・・  
あのバイブは時折自動的に震えるからな・・・  
設定はにしといたが・・・どんなことになってるかな・・・?』  
中に入ると、しぐれはどうやら一睡も出来なかったらしく、  
眠たげにこっちを見るだけだった  
「主人が来たってのに未だ寝てるとはいい度胸だな?」  
ポケットのリモコンからバイブの強さをにしてスイッチを入れる  
「ひゃあぅっ!!」  
慌てて飛び起きて手で股間を押さえる  
ついつい遊びたくなるようないい反応だ  
「ご主人様・・・もうこれ・・・外してもよろしいでしょう・・・か?」  
まだバイブはブルブルと震えている  
「うーん・・・まだいいんじゃないのか?喜んでるみたいだし」  
「そ・・・そん・・・なぁ・・・ぁうっ」  
股間からは明らかにネバネバとしたものが垂れている・・・  
「結局これで何回逝ったんだ?」  
「・・・・・・一度・・・も・・・」  
「ホントか?」  
「本当で・・・ひゃぁうっ・・・です」  
「ふーん・・・」  
姻薬も効いてるみたいだし、確実に三桁行ってるはずだがなァ  
おっと・・・  
「ひ・・・ひや・・・あっ・・・くぁあぁぁあぁっっーーーーっ!!!」  
悲鳴を上げて腰から砕ける  
「逝ったなァ・・・コレ本当に一回目なのかなァ〜?」  
「うぅ・・・」  
大の大人が目に涙を溜め始める  
流石にこれ以上追求するのも可哀想になってくる  
「んじゃあ抜くぞ」  
「えっ!?」  
少し驚いたような声を出す  
「じゃ・・・こっちに来い」  
「は・・・はい・・・」  
股間からバイブを抜くと、いきなり愛液が溢れ出た  
「この液はなんですかな〜?」  
「うぅっ・・・」  
説明などしようもない  
「ふわぁぁ・・・じゃあ俺もう行くわ」  
「えぇっ!?」  
またもや驚いたような声を上げる  
「ん?なんだ?なにかして欲しいことでもあるのか?」  
 
 
K落【おとし】  
 
姻薬漬けにして一晩中イカせ続けたのだ  
今は自分のアソコに物をぶち込んでもらうことしか頭に無いだろう  
「え・・・ぇと・・・その・・・」  
予想は当たっているようだ  
「なんだ?ハッキリ言え」  
「だから・・・あの・・そのぅ・・・」  
こんな格好でも持っている最後の恥じらいである  
こんな状況にあっても心の支えは自分からは求めていないことであろう  
それを姻薬と道具でこじあける  
「わたしに・・・挿れてくださ・・・い」  
「よく聞こえないなァ、もう一度」  
「私に貴方のを挿してください!!」  
落ちた・・・かな?  
「なんだ挿れて欲しかったのか?この淫乱奴隷は、じゃあちょっと来い」  
「あ・・・はい」  
おずおずと目の前まで来る  
「よし、チャックを開けろ」  
期待に満ちた目でチャックを開ける  
「じゃ・・・後ろを向け」  
「はい」  
そして秘所にズブズブと挿し込んでいく  
「あぁ・・・っ入ってきます・・・ご主人様のが入ってきますぅ・・・」  
そして乱暴にピストン運動を始める  
「あぅっ・・・あっ・・・あっあっあぁっ」  
まだ昨日の薬の影響が残ってるらしく、しぐれはかなり早めに逝った  
「駄目な奴隷だなァ・・・主人より先に逝くなよ」  
「ごめんなさ・・・い」  
謝ってはいるが恍惚とした表情である  
「じゃあもう行くからな」  
「あ・・・明日も来て下さいね、ご主人様」  
完全に落ちたようだ、そういえばケンイチはどうなってるかな・・・?  
 

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