一、決められない兼一クン  
あの「リアル投げられ地蔵」の出現いらい、兼一の修行生活は少々変わった。  
あれほど嫌がっていた、対女性武術家戦の稽古。  
これに、異様なまでの熱意をもって、取り組むようになったのである。  
むろん、兼一のならではの「ご都合主義フェミニズム」は、いまだ健在。  
「女性に手を上げるのは、ボクのポリシーに反します」  
と、いまなお公言してはばからない。  
ただし、  
「でも稽古だけならいいでしょう。これも修行の肥やしですね。」  
と、付け加えるようになった。  
これはまさに、秋雨の目論見どおりの展開だった。  
秋雨が練りに練った「兼一君童貞喪失計画」は、軌道にのりつつあった。  
 
ただし、ことの進捗はなかなかはかどらなかった。  
いくらヤリたい盛りの年頃でも、兼一はオナニストだ。  
それも、気合のはいったオナニスト。  
童貞喪失には、かなりの抵抗があった。  
それに、今後の身の振り方を考えるに、やはり躊躇するものがある。  
童貞喪失をどの肉穴で果たすのか?  
「美羽地蔵は、かわゆいし、いつかは守ってあげたい大切な地蔵だけれど…  
 しぐれ地蔵も、捨てがたいなあ  
 キレイで世話焼きで…美羽さん…じゃなかった美羽地蔵よりもスタイルがいいし…」  
この期に及んで、いまだ地蔵の正体を認めようとはしない兼一クン。  
つくづく逃避的な人格、といえよう。  
 
それはともかく。  
兼一は、迷いに迷っていた。  
梁山泊オカズ天国は、人間関係の微妙なバランスによって、成立している。  
どちらの地蔵を選択しても、今後の人間関係は確実に変化するだろう。  
「できれば、今の状態がずーと続けばいいんだよなあ…。」  
平穏なオカズ天国の維持発展。  
これこそが、オナニスト兼一にとって、もっとも望ましい。  
 
だから兼一には、決めることができなかった。  
しぐれ地蔵をとろうが、美羽地蔵をとろうが。  
このオナニー最適均衡状態をブチ壊す選択など、もとより不可能といえよう。  
「ボクには選ぶことなんかできないよ…」  
そこで兼一は、選択すること、それ自体を放棄しようとしていた。  
成りゆき任せの行き当たりばったり。  
兼一らしいといえば、まことに兼一らしい身の決め方だった。  
 
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ニ、兼一とフンドシ  
そんななか、兼一のオナニーライフに、あらたなオカズネタが現れた。  
馬剣星が、盗撮画像にくわえて、しぐれの生下着を持ってきたのだ。  
生下着といっても、しぐれのものだから、フンドシである。  
それも、使用済み・未洗濯のフンドシを、大量二〇枚も。  
「いつも買ってくれるからサービスね。」  
と、さりげなく馬剣星はいう。  
 
フェチ系オナニストの兼一だから、しぐれのフンドシは、とうぜん大歓迎だ。  
だが、おかしい。  
兼一には腑におちない点があった。  
いくらパンドロ達人の馬剣星でも、一度に二〇枚とは、いささか多すぎる。  
それも、あの「剣と武器の申し子」相手に、である。  
にわかには信じがたい。  
 
「師父、ほんとうにしぐれさんのフンドシなんでしょうね?  
 まさか師父が自分の股間で、大量生産したのでは…」  
買ってきた安フンドシを、小汚い股下半身にあてて、ズリズリシコシコ。  
そうやって、よごれフンドシを「大量生産」したのではなかろうか。  
いくら師匠とはいえ、はしこい馬剣星のことだ。  
けっして、油断がならない。  
疑惑のまなざしが、いっそう厳しく馬剣星にむけられた。  
 
オナニーグッズを吟味する兼一の直感には、確かなものがある。  
あらためて知る兼一のするどさに、馬剣星は狼狽した。  
「そ…そんな愛弟子よ…大量生産だなんて…  
 可愛い弟子をだますようなことは…おいちゃん…しないね…」  
口ごもる弁明が、いっそう兼一の疑念をかきたてた。  
 
オナニーグッズを吟味する兼一の直感には、確かなものがある。  
あらためて知る兼一のするどさに、馬剣星は狼狽した。  
「そ…そんな愛弟子よ…大量生産だなんて…  
 可愛い弟子をだますようなことは…おいちゃん…しないね…」  
口ごもる弁明が、いっそう兼一の疑念をかきたてる。  
 
無実を証明すべく、馬は、股間の陰毛を数本ムシり取った。  
「兼ちゃん、しぐれどんのマン毛をよ〜く思い出すね。  
 薄めの直毛でしょ?  
 でも、おいちゃんのチン毛は、クルクルの剛毛ね。」  
差し出された馬剣星の陰毛を、兼一は入念に吟味した。  
なるほど、太くてチリチリ。  
豪胆だが、ひどく汚らしく、不潔きわまりない。  
しぐれの優雅なマン毛とは、まるで似ても似つかなかった。  
「ふぅ良かった。しぐれさんの毛は、まっすぐのサラサラですもんね。」  
兼一は安心した。  
馬に詫びると、さっそくしぐれのフンドシに、手を伸ばした。  
 
手に取ると、白い越中フンドシであった。。  
しぐれの心意気を表すかのような純白が、目にまぶしい。  
みたところも、ひどく清潔で、とても使用済みとは思えなかった。  
几帳面に、角と角とを合わせて、畳んでもある。  
ことによると、軽く水洗いされていたのかもしれない。  
(これじゃシミとか臭いは、あんまりついていないかも…。)  
兼一は、心の中で軽く舌打ちをした。  
 
しかしこの布着れが、しぐれの蒸れた秘肉を封じこめていたのだ。  
陰毛も、マン肉も、クリトリスも何もかも。  
きっと、このフンドシに触れていたことだろう。  
そう思っだけで、兼一の童貞イチモツは、反応してしまう。  
(臭いが無くてもいいのさ。  
 しぐれさんのフンドシに触っているだけで、ボクは…)  
童貞固有の豊かな想像力で、兼一のイチモツはパンパンだった。  
いささか無様ようだが、やむを得まい。  
兼一は、当年とって十六歳。  
箸が転がっても、ヤリたくなる年頃なのだ。  
 
フンドシを手にして、ただ感無量の兼一に、馬剣星が優しく促した。  
「お楽しみは、これからよ。  
 ちゃんと、全部広げてみるね。」  
促されるまま、畳まれたフンドシを広げてみる。   
たちまち、はらりと露わになるのは、しぐれの女肉が直接あたる部分。  
そこに、布地ほんらい純白は、ほとんど見当たらなかった。  
形容しがたい色のシミが、三つ四つに、五つ六つ。  
布地が完全に変色しきっていたのである。  
しぐれが分泌したさまざまな体液によって。  
 
これは、なんともうれしい誤算であった。  
ここまで汚れた下着は、今まで目にしたことがない。  
兼一は、驚愕していた。  
夜のご無沙汰で、熟れに熟れきった母・さおりの生下着。  
机の角で、未熟な性を開花させつつある妹・ほのかの生下着。  
これらの生下着は、内弟子修行のお守り代わりに、兼一が盗んでおいたものである。  
が、汚れ具合において、いずれもしぐれの生フンドシには、遠く及ばない。  
「しぐれさん…あんな澄ました顔をして、こんなに下着を汚しているなんて…。  
 ひょっとして、感じやすい体質なのかな…」  
しぐれな一面を想像するにつれ、興奮は高まる兼一クン。  
はやる心をおさえて、まずは鼻を近づけてみる。  
いまだ臭いが残っている。  
ツンと鼻腔を刺激するのは、手ごわいしぐれのマン肉臭である。  
まろやかな異臭は、兼一の意識をフェチの桃源郷へと、速やかにいざなっていった。  
 
こうなれば、たまらない。  
芳醇な香りにトロかされた兼一は、フンドシに顔を埋め、ズボンを下ろした。  
さっそく始まるのは、フンドシをイチモツに巻きつけての自慰行為だ。  
いまだ湿り気を帯びた変色部が、たぎったイチモツに冷たく、心地よい。  
「ああ、しぐれさん…臭いです…気持ちいいです…  
 しぐさんが、こんなエッチな女だったなんて、ボクは…」  
荒い息とともに、兼一のザーメンが、何度と無くしぐれの汚れフンドシに浴びせかけられた。  
少々もったいないようだが、しぐれフンドシは二〇枚もあるのだ。  
多少、消耗させてもかまわない。  
そう思いながら、兼一は二枚目のフンドシを、取り出した。  
 
「さあ、しぐれさん、今度はアナルにブチこみますからね。  
 覚悟してください!!」  
 
いまや兼一は、真顔でしぐれのフンドシに語りかけていた。  
どうやら、空想のしぐれ相手に、これまた空想のセックスを楽しんでいるらしい。  
これからの始まるのは、芝居がかった脳内アナルセックスだ。  
童貞フェチストの空想力には、限界というものがないようである。  
 
「じゃあ、好きなだけ楽しみがいいね。」  
 
兼一の射精を見届けたあと、馬剣星は静かに部屋をあとにした。  
 
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三、しぐれとフンドシ  
 
馬剣星が向かった先は、離れの同じ階にあるしぐれの居室だった。  
 
「しぐれどん、入るね。」  
「……」  
 
無言の返事はいつものこと。  
気にせず、部屋の戸を開ける。  
開けたとたん、馬剣星は、鼻と口を手で覆った。  
部屋中が、むせかえるような汗とメスの臭気で、満ちていたからだ。  
(しぐれどん、また、すごいことになっているね…。)  
臭気に顔をしかめながら、馬剣星は室内を見まわした。  
部屋の雰囲気は、だいぶ変わっていた。  
かつて部屋を占領していた、武器刀剣の類は、みあたらない。  
それらは、押入れ深くに仕舞いこまれていた。  
部屋のいたるところ。  
武器のかわりに、うず高く積まれているのは、フンドシの山である。  
いずれも、染みつき未洗濯。  
異臭フンプンたるフンドシの山だ。  
そうした香しい汚物の山々に囲まれて、当のしぐれは、いた。  
 
全裸に、純白のフンドシひとつで、しぐれは一心不乱。  
腰を落として、しめているフンドシで、股間をしごきたてる。  
ぬめりきった秘肉を、白の布地に擦りつけているのだ。  
擦りつけては、布ごしに秘肉を指でなぞり、あふれでる粘液を染みこませる。  
純白のフンドシはみるみる変色し、ついには一種異様な汚物と化す。  
このようにして、「使用済み生フンドシ」が製造されているのである。  
汚れフンドシが、兼一の自慰に供されることは、いうまでもない。  
居室は、いまや使用済みフンドシ製造工場と化していた。  
汚物へと転じていく新品の純白フンドシが、馬剣星の目にはいささか気の毒に写った。  
 
どうにも見かねたところで、声をかけた。  
「しぐれどん、そろそろ休んだらどうね。  
 そんなに根を詰めてると、身体に悪いね…。」   
「まだ、疲れていない…かな。」  
声をかけられても、しぐれは仕事の手を休めようとはしなかった。  
馬剣星をみとめても、しぐれは顔もむけてこない。  
返事をかえしても、その注意は、汚れフンドシを生産する股間に、むけられていた。  
とにかくもって、汚れフンドシ製造に一意専心である。  
さすがは「剣と武器の申し子」で、馬剣星すら舌を巻く集中力であった。  
「御百度参り」の生真面目さで、しぐれは、汚れフンドシの製造に没入していた。  
 
一枚あたり約30分。  
心をこめて、ていねいに、何度も繰り返して。  
しぐれは、想いのこめられた分泌液を、たっぷりとフンドシに吸収させる。  
布地ごしに、性器や肛門を指でなぞる。  
股間深くにフンドシを喰いこませて、しごく。  
そうして、蒸れた女肉の香りと汁を、余すことなくこすりつける。  
純白だった布地の大分が、「しぐれ色」に染め上げられたところで、完成だ。  
白い部分が上になるよう、丁寧に畳んで、あとは「出荷待ち」である。  
しぐれは、この過程を、一日に最低二〇回は繰り返す。  
修行時間を別にすれば、汚れフンドシ製造工場は、ほとんど24時間フル稼働状態であった。  
 
かくして大量生産されたのが、しぐれ特製「兼一オナニー用汚れフンドシ」。  
この汚れフンドシの山を前に、馬剣星は鼻をつまみながら、思いをはせる。  
どのような気持ちで、しぐれが、この山を積み上げていったのかを。  
(この山は、しぐれどんの想いの証ね…)  
馬剣星は、正しくしぐれの心中を見取っていた。  
 
この汚物と化したフンドシが、想いの証とは。  
読者諸賢の多くが、違和感を覚えるであろう。  
常人の感覚として、やはり肯首しがたいものがある。  
じっさい、あの馬剣星ですら、臭気フンプンたるフンドシには、閉口しきっていた。  
みているだけで、それだけで吐き気すらわいてくる。  
ただし、馬剣星も熟達した色道の達人である。  
吐き気を催すような醜事にせよ、みためだけでは判じない。  
ものの本質を見抜く眼力を、もっていた。  
 
馬剣星は、汚れフンドシの大量生産を、単なる異常性愛と判じなかった。  
なるほど、確かに行為自体は、異様このうえない。  
変態行為といっても、よかろう。  
けれど、これは変態的な性的欲求を満たすためのものではない。  
じつをいえば、オナニスト兼一に対する、性的誘惑ですらない。  
報われない愛の代償行為である。  
そう、馬剣星は見取っていた。  
 
実らぬ恋にあって、悩める男女は誰もが、多かれ少なかれフェチズムに逃避してしまうもの。  
(であるかどうかは、知らないが、ここではとりあえずそういうことにしておこう。)  
いっそ忘れてしまえばいいのだが、そうもいかない。  
そこは恋心の妙で、大切な想いを、大切な思い出に転化するには、かなりの時間を要するのだ。  
しぐれの場合、想いの丈が、染み込ませる愛液の量にほかならない。  
想いが深いほどに、兼一のために生産される生フンドシの量は増えていく。  
 
そんなしぐれの健気さを、馬剣星は哀れに思う。  
(しぐれどんには気の毒だけど・・・ぜんぜん見込みないのにね…)  
馬剣星は、正しく兼一の意中を見取っていた。  
しぐれと兼一が結ばれる見込みは、まったくない。  
けっきょくのところ、兼一は、美羽に一辺倒。  
「いつかは守ってあげたい大切な人」は、あくまで美羽である。  
だから兼一にとってのしぐれは、オカズとして消費されるだけの存在といえる。  
生真面目にに角と角とをあわせて、汚れフンドシを畳むしぐれの姿に、馬剣星の心は疼いた。  
 
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四、フンドシの再生産  
 
そうこうしているうちに、フンドシ生産にくぎりがついたのだろう。  
ようやく、しぐれが、馬に話しかけてきた。  
 
「兼一は、どうだった…?」  
 
ぶっきらぼうな表情に、しぐれの切なさが見てとれる。  
馬は、返事をいささかためらった。  
もちろん兼一は大喜び。  
だが果たして、そのことをしぐれに話すべきだろうか?  
もし、正直に「兼ちゃんは大喜びだったよ」と言ったらどうなることか。  
一途なしぐれのことだ。  
修行も何もかも放り出して、フンドシ作りに専念してしまうだろう。  
馬には、しぐれの行動が容易に予想できた。  
 
かといって、ウソをつくのも、ためらわられる。  
ウソはウソをよび、けっきょく問題が悪化するだけである。  
(ここは自然体ね。ありのままでいくね。)  
馬は、兼一部屋から盗んできたフンドシを、しぐれにさしだした。  
 
「兼ちゃん、喜んでたみたいよ。」  
「……」  
 
無言のまま、しぐれはフンドシを手に取った。  
しぐれのエキスがタップリと染みこんだ、あのフンドシ。  
そのフンドシのうえに、ベッタリと兼一の男汁がブチまけられている。  
男女の汁が、混ざり合って出来たシミに、しぐれの表情が微妙に変化した。  
「エッヘン、どんなもんだい」とでも、言いたそうな顔であった。  
 
二人のエキスが染みた汚れ下着は、時間経過でかなりの異臭を放っている。  
だがそれすらも、しぐれには、いとおしい。  
しぐれは、汚れフンドシを再び身につけた。  
汚れ具合にためらうことなく、スルスルとフンドシを巻く。  
新鮮な兼一の汁がこびりついた部分を、前にあてて、後ろでキュッと締める。  
フンドシは、しぐれの股間に食い込んだ。  
 
兼一の精液が染み込んだ布地が、直に女陰部に触れている。  
このことが、しぐれの心と身体を興奮させた。  
シミだらけのフンドシの表面に、さらなる粘液が染み出していく。  
かつて純白だったフンドシが、形容しがたい色へ染め上げられるなかで。  
しぐれは、兼一と一体となっていた。  
 
満足そうなしぐれに、馬はおそるおそる尋ねてみた。  
 
「ひょっとして、しぐれどん…そのフンドシをずっと締めとくつもり・・・?」  
 
顔を紅くしてコクンと頷くしぐれに、もう何もいうことはない。  
馬は思う。  
オナニスト同士が、セックス抜きで、フェチ嗜好を高めあう。  
それがいかに異様で、空しいものであっても、ここで余人が介入する余地は無い。  
たしかに、オナニストに変貌したしぐれは、やや哀れにみえる。  
だが、しぐれにせよ、兼ちゃんにせよ、幸せならそれでよし。  
しぐれの汚れフンドシも、兼一を経由して、最後はしぐれの元に戻って大団円。  
世の中は、バランスがとれているのかもしない。  
そのように自分を納得させて、馬はしぐれの部屋をでた。  
 
部屋の中から、無音のあえぎ声が聞こえたような気がした。  
が、あえて聞こえなかったことにした。  
 
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五、兼一のパンドロ(これでおしまい)  
 
数日たって、馬剣星は兼一の「弟子一号部屋」を再訪した。  
そこで馬は、床にズラリと並べられた汚れフンドシの一群を、発見した。  
 
「兼ちゃんね…、いったい何をやってるの。」  
「いや〜師父、お恥ずかしい。  
 でもコレクターとしては、整理しないと気がすまないんです。」  
 
しぐれのフンドシは、すべてビニール袋に梱包されたうえ、きちんと整理分類されていた。  
いかにも童貞らしい几帳面さで、年月日と通し番号がうたれ、小さなコメントまで添えられている。  
「永久保存用」と「消耗用」が分けてあるのは、童貞的「もったいない」の精神の表れか。  
童貞オナニストの業の深さに、馬はへきえきする思いだった。  
 
「じゃあ、こっちの消耗用フンドシで、毎日オナニーしてるのね・・・」  
「ええ、美羽さんのパンティを使わない日は。」  
「え、美羽のパンティー!?」  
 
そんなシロモノを提供したおぼえはない。  
驚いた馬は、あわてて聞き返した。  
 
「ええ、美羽さんのパンティですよ。  
 この三日は、美羽さんのパンティーのお世話になってまして…グフフフ。」  
 
「兼ちゃん、いったいどこで、美羽のパンティーを盗んだの?」  
 
「このあいだ、美羽さんに言われて洗濯を手伝ったのですけど、  
 すっごい量のパンティが、汚れ物入れにあったんですよぉ〜。  
 30枚ぐらいは、あったと思います。  
 だから、10枚ほど失敬したんですう〜グフフフ。  
 ホラ、師父も見て行ってくださいよ、コレなんですけどお〜。」  
 
じっさいに手にとってみると、間違いない。  
パンティから漂う粘っこい厳しい臭気は、まぎれもなく美羽のもの。  
しかし、あの美羽が自分の汚れ物の洗濯を、兼一に頼むであろうか。  
それも、ドロドロに汚れた汚物同然のパンティを。  
当惑する馬の耳に、兼一の楽しそうな声がはいってきた。  
 
「師父、すごいでしょ、この汚れ具合。  
 しぐれさんのフンドシもいいけど、美羽さんのはもっとスゴイですね。  
 マン汁以外にも、すごいものが沢山ついてるんですよお〜。   
 ホラ、これなんか、どーみてもオシッコのあとでしょ?  
 あれなんか、ウンチのあとみたいですよ。  
 ひょっとして美羽さんったら、アナルオナニーとかしてるんじゃないですか!?」  
 
ありえない。  
むろん、パンティもパンティに染み付いた汚れも、美羽のもの。  
だが、美羽がこんなことを思いつくわけがない。  
楽しそうに妄想を繰り広げる兼一をよそに、馬剣星は思索をめぐらした。  
なるほど、美羽がしぐれに対抗して、パンティを提供したのは、間違いない。  
だがアイデアを出したのは、美羽ではない。  
性格からいって、美羽がこんなことを着想するとは、考えにくい。  
 
馬は、ふと手に持ったパンティに目を落とした。  
そこで、執拗なまでに擦りつけられたアナルの痕跡が、馬の目に止まった。  
梁山泊で、アナル・スカトロマニアの達人といえば、たったひとり。  
あの男なら、たおやかな美羽をアナルジャンキーへと、変貌させかねない。  
目的のためなら、なんの躊躇もなく、アナル調教にふみきるだろう。  
 
美羽の背後にいる甲越寺秋雨の存在を、馬は正しく直感した。  
 
おしまい。  
 
 

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