スキャンティを下ろし、股縄を外すと、そこに現れたのは美羽の秘所だった。
しかしよく見えない。
もともとバックスタイルは、花園観察に不適当な姿勢である。
くわえて美羽は、あんがい毛深なうえ、「上つき」だったのだ。
「上つき」の毛深女といえば、深情けのいわゆる「あげまん」女。
なるほど、これで兼一最近の運命の展開も、説明がつくのかもしれない。
とはいえ今の兼一には、そんなことは、どうでもよいことだった。
美羽の秘所への期待感、転じて失望感。
期待が大きかった分だけ、見えないことへのもどかしさがつのってしまう。
思春期童貞野郎の常として、興奮した頭にあるのは、女性の秘所のコトのみ。
こうなれば、いつものようにリクツもヘッタクレもなくなってしまう兼一君。
「ええーいっ、これではダメだ!!美羽さん、仰向けにしますよ!!」
普段の「フェミニスと」ぶりなど、どこへやら。
兼一は美羽を軽々と抱きかかえると、やや強引に床へと寝かしつけた。
「さぁ美羽さん、脚を開いてください!!」
その口のきき方は、オトコのエゴ全開の命令口調。
なんとも見下げ果てた野郎である。
いっぽう美羽はといえば、兼一の強引さに、呆然とした様子。
事態の目まぐるしい展開に、判断力がニブっているのであろうか?
目を丸くしながらも従順に、しかしゆっくりと腿を開いていった。
その姿勢はスプレッド・イーグル。すなわち大股開きであった。
大きく開脚した太モモの付け根に現れたのは、美羽の秘所。
ようやくその全貌を露にした「ご本尊」を前に、兼一は、歓喜の震えを止められなかった。
(すごい…これが美羽さんのオ○ンコなのか…!?)
はじめて見るナマの女性器の迫力に、兼一は圧倒されてしまった。
それに、なんといってもこの観音様は、他ならぬ愛しい美羽の観音様だ。
しかも本人以外は誰も見たことのないハズの、いわば「視姦処女地」だからタマらない。
ともすれば視姦だけで、美羽を征服したような錯覚にすら、おちいってしまうようだ。
兼一は、魅いられたようにして、美羽のシークレットゾーンを、注視していった。
(すごい…なんだか肉がグチャグチャしていて、とてもエッチな感じだ…)
ビッシリと密生したジャングルのなかにみえるモノ。
それは、ナマナマしい肉のヒダとヒダとの複雑な重なりあいだ。
めくれあがったヒダの内側からのぞく鮭桃色の美肉が、なんとも鮮やかで毒々しい。
くわえてその鮭桃色の淫肉が、妙に潤っているのだ。
視姦に感じているのだろうか、グジュグジュと水気を帯びているのである。
まるで南洋の食虫花のような淫靡さであった。
(こんなグロくてイヤらしい器官が、美羽さんにあるなんて…)
童貞の兼一には、信じられないような思いだった。
あの憧れの美羽が、
颯爽と、風に舞う羽のように戦う美羽が、
ときに母や姉のように上品な慈愛で兼一を包んでくれる美羽が、
肉のグジャグジャから汁を垂れ流しているのだ。
このギャップかあまりに大きい。
ふと兼一は、視線を美羽の顔に移してみた。
みれば美羽は、耳まで真っ赤。
やはり相当恥ずかしいのだろう、目を伏せたまま息を荒くしていた。
表情はひどく切なげで、ハンハンという鼻息が、ひどく扇情的。
乱れた前髪がひとふさ、おでこにペッタリと張りついていた。
今まで見たこともない美羽のオンナの表情に、兼一の劣情は高まるばかりだった。
(これはまさか…!?)
「据え膳」にもみえる状態に直面して、兼一のイチモツはいきりたった。
(美羽さんは感じているのでは、なかろうか!?
新島の言うとおり、女の人は、レイプやSMで感じちゃうのか…)
だとすれば、今の美羽さんとナニしても、なんら問題はないはず。
むしろ人助けとして賞賛されるだろう。
手前勝手な理屈をデッチあげ、ひとり自己完結的に納得する兼一クン。
瞳にエロい炎を燃やしながら、兼一は意を決した。
「美羽さん!ハメますよ!いいですね!!」
いったい、ナニとナニを「ハメる」というのだろうか?
ひどく分かりにくい物言いだが、エロ全開な兼一のオーラからして、その意は明白だ。
ウブな美羽にも意味は十分通じたようで、
「エッ?」というように、兼一のほうへと視線をむけたまま、絶句した様子だった。
再び目を伏せて、長考すること約十数秒。
兼一のエロい期待が、かつてなく高まる十数秒。
ズボンの前をパンパンにふくらませた兼一にむかって、美羽は、静かに首を横に振った。
当然であろう。
いかに下半身が鍛えられたとはいえ、今の兼一の修行レベルは、美羽には遠く及ばない。
もちろん将来的な成長は大いに期待できるはずだ。
また拒否した美羽の目をみても、兼一に対する特別な思いは容易にみとれる。
しかしまだまだ兼一は、実力不足だ。
現段階でのベッドインを拒んだ美羽の判断。
おそらくは美羽にとっても苦渋に満ちた判断だったはずだが、
やはり公正かつ適切な判断であったといえよう。
しかし、サカった兼一にそんな理屈など通用しなかった。
また今の兼一は、この程度ではひるまない。
修行の過程で、不撓不屈の精神力を、十分に身につけているのだ。
梁山泊の師匠たちも、まったくもって、余計な覚悟を仕こんでくれたものである。
とはいっても、全身で拒絶の意を表す美羽の姿は、兼一にとって少々ショックだった。
くわえて罪悪感が、まったくないワケでもない。
握りしめた拳の震えがとまらないのは、何もセックスへの期待感だけではないはずだ。
兼一は自分に言いきかせた。
(あせるな!ここで呑まれてしまえば、勝負は負けだ!)
そこで「戦いの流れ」を変えるために、まずは深呼吸。
「ん〜、今日もいい天気だ!!」と、身体をおおきく伸ばしてみる。
お得意の気分転換である。
気が落ち着いたトコロで、すかさず、お得意の自己完結的頭脳が、全力回転だ。
(レイプはまずいが、合意があればレイプは成立しない。
そして今の美羽さんは、ギャグで口が封じられている…というコトは…!?)
兼一はニッコリと妙に不気味に微笑を浮かべた。
「あ〜美羽さん…すみません、僕の言い方が悪かったようです。
よろしければ、僕とセックスしてもらえませんか?
もしダメなら、ハッキリと口に出して断ってください。
沈黙は同意とみなします。」
「!?」
目を大きく見開いて驚愕する美羽。
きっと「ダメ!ダメですわ!!」とでも言いたいのだろう。
大あわてで首をブンブンふるが、兼一はまったく意に介さない。
何か強く訴えかけようとしているが、ギャグに阻まれて言葉にならなかった。
目を大きく見開いて驚愕する美羽。
「ダメ!ダメですわ!!」とでも言いたいのだろうか、
大あわてで首をブンブンふるが、兼一はまったく意に介さない。
何か強く訴えかけようとしているが、ギャグに阻まれて言葉にならなかった。
「ん?何かおっしゃているようですが、聞こえません。
美羽さんもだいぶ感じてらっしゃるようですし、
ではOKというコトでよろしいですね!」
そう早口でいい終えると、兼一はポケットからハンカチを取り出した。
「同意のうえのセックスです。でもいちおう誤解をふせぐために、
ハンカチをお尻のしたに敷いておきますね。
これでゼッタイに婦女暴行罪は適用されません!!
たしかに美羽さん緊縛されていますが、
これはあくまで双方合意のうえの「ファンタジー・レイプ・ロールプレイ」です!!」
むろんハンカチ云々は大ウソ知識である。
大学館刊『四十代夫婦のための円満ナイトライフ』のウケウリにすぎない。
しかし劣情に支配された兼一のエロ笑顔は、ファンタジーどころか、リアルそのもの。
品定めをするように、美羽のナイスバディを見つめる視線は、ひどく真剣である。
兼一の血走った目は、美羽を震え上がらせた。
「んー!!、んーっ!!んーっ!!」
兼一は、美羽の声にならない哀願を、完全に無視した。