美羽の淫らなヒダを掻き分けた先で、とうとう小さなピンク色の突起をみつけた兼一。  
「女芯」とはよく言ったもの。  
この普段は肉皮で隠された女肉の芯こそ、童貞的探求欲の究極的対象といえよう。  
顔前数センチに迫った美羽の肉芽を前に、兼一の興奮は一気に加速した。  
美羽の性器から分泌されるフェロモンの作用のためだろうか?  
それとも人間が生まれ出でる肉穴への本能的な郷愁のなせるワザであろうか?  
美羽の熱い吐息とたかなる心拍鼓動を伴奏として、  
兼一は淫らにヌメる美羽の肉芽へ、ゆっくりと舌を伸ばしていった。  
 
粘膜と粘膜の接触。  
 
美羽の体がピクリと反応した。  
 
(美羽さんが塩辛い…)  
 
当たり前といえばあたりまえである。  
そこは本来、人が口をつけるべき場所ではない。  
だからこそ、とでも言うべきか、兼一は憑かれたように美羽の女芯を口にしていった。  
舐め、しゃぶり、吸い付いた。  
肉芽だけではなく、その周囲も丁寧にナメまわした。  
美羽の粘膜という粘膜を、ジックリと余すところなく、ねめまわしたのである。  
一滴も残したくないとでもいうように、限りなく湧き出てくる美羽の肉汁も、すべて口にする。  
 
ややキツめの美羽の性器臭などまるで気にならない。  
舌に感じる塩辛さも、気にならない。  
肉ヒダに絡みついたトイレットペーパーの残りかすもまるで問題にならない。  
それらはまったくもって問題にならない。  
ほんらい性器臭や塩辛さは、ある種の「汚さ」を連想させるものである。  
しかし今やそれらは、生々しくオンナとしての美羽を象徴している。  
兼一にとって、もはや美羽は鑑賞専用でもなければ、一方的な恋慕の対象ではない。  
むろん保護者でもなければ、単なるズリネタでもない。  
美羽は、「征服」すべきオンナなのである。  
兼一は、本能的にすばやくズボンと下着を脱ぎ捨てた。  
やや小ぶりではあるものの、勇ましくそそり立つイチモツ。  
フヌケンと揶揄されたことがあるにせよ、やはり兼一も一個の男子であった!  
 
さてさて、ようやくオトコとしての本道を歩み始めた兼一。  
あとは美羽を床にでも寝かせて、本能に身を任せればそれで十分なハズ。  
しかしここで兼一ならではの余計な想念が、頭をよぎる。  
(体位はどうすればいいのかな…)  
やはり兼一は兼一である。  
ブキッシュと言うか知識偏重と言うか、どうにもカタチから物事を考えてしまう。  
(やはり最初だから、思うがままの体位がいいな。  
 で、僕が好きな体位は…)  
童貞なのだから「好きな体位」などありえないが、このあたりに兼一はまったく無頓着。  
股の付け根をなにやらモゾモゾさせる美羽を尻目に、長考すること約3分。  
考え抜いた末に兼一がたどり着いた答えは「バック」。  
意識の無い美羽とコトをなすにあたっては、まことに不適切な選択である。  
これは悲しき童貞的着想というほか無い。  
 
とはいえ、ひとたび意を決すれば、抜群の行動力をみせるのが兼一だ。  
脱力した人間を運びのは大仕事だが、そこは持ち前の意志力と体力でこなしてしまう。  
「あんがい美羽さんも重いから、自重で机からズリ落ちないだろう」  
などと言いながら、さっそく机を準備し、その上に美羽を配置する。  
「あ、やっぱりズレない。だいじょうぶだ。  
 美羽さんは胸が重いから、うまくバランスがとれるのだろう」  
兼一にもコトを急ぎたい気持ちがあったのだろうか。  
美羽の手が机の端を握り締めていることには、まったく気がついていなかった。  
 
さあ、いよいよ準備は整った。  
兼一の怒涛はエネルギー充填120パーセント。  
生まれてこの方16年間、溜まりに溜まったホルモンで、まさにはちきれんばかりの勢いだ。  
一方机の上に乗せられた美羽はと言えば、こちらも準備完了。  
可愛いお尻がプリっと突き出され、両脚はそれとなく開き気味となっている。  
尻の割れ目はヌラヌラと光り、いつでも兼一を受け入れられる態勢だ。  
 
童貞喪失といえば一生に一度のこと。  
大人のオトコへのステップアップを目前にひかえ、さすがの兼一も緊張をかくせない。  
今までお世話になったエロ本の数々が、脳裏に去来する。  
(さようなら少年時代…。  
 さらばベッドの下に隠したエロ本たちよ…『大学館・性の神秘シリーズ』よ…  
 もう君らの世話にはならないよ…)(←筆者注・甘い!)  
ひととき感慨にふけった後、兼一は意を決した。  
燃える炎を瞳に湛えながら、やや小ぶりな怒涛に右手を添え、気合をいれる。  
「さぁ、美羽さん、いきますよ!」  
鼻息も荒く、兼一が突進する先は、お尻星人の天国。  
すなわち美羽のプリケツである!  
 
「うおおおおお…!!!」  
 
むんずと美羽の尻肉をつかんだ次の瞬間、兼一は宙を舞っていた。  
(ああ、セックスというものは、こういうものなのか…)  
(天に昇る心地とは、まさにこのことだ…)  
(しかし、どこかおかしい…)  
(バックでヤっているはずなのに、どうして美羽さんの顔がみえるのだろう?)  
(あれ?なんで美羽さん、そんな驚いた顔をしているの?)  
 
だが深く考えいる時間はなかった。  
コンマ数秒の空中遊泳はすみやかに終わりをむかえ、  
着地の耐え難い衝撃とともに兼一は意識を失った。  
 
さすがは「殺し屋気取りの女子高生」。  
じつに見事な投げ技である。  
とはいえ美羽としては、鮮やかなワザのキレを、誇る気にはまるでなれない。  
火照ったカラダを持て余したまま、わが身に染み付いた習慣を呪うばかりであった。  
「あちゃー、またやってしまいましたわ…私のバカバカバカ!」  
 
 
「おい兄弟…だいぶお楽しみのようだったな」  
新島の声で兼一は目を覚ました。  
「あれ?新島…ボクはいったいどうしていたんだ…?」  
あの美羽との夢のようなエロ時間は夢だったのであろうか。  
兼一は記憶をたどろうとしたが、いまひとつハッキリしない。  
美羽のプリ乳やプリ尻にムシャブリついたことは、覚えている。  
パンツを脱いだことも覚えている。  
しかしその後がどうも定かではない。  
(果たしボクは美羽さんとセックスできたのだろうか?)  
兼一は考え込み、問いかけるように新島のほうを向いた。  
 
「さすがは切り込み隊長だ。  
 タップリ一時間、ハメまくったみたいだったな。  
 英雄色を好むってヤツか?ケケケケ!!!」  
 
どうやら新島は兼一が、みごと童貞喪失に成功したと決め込んでいるらしい。  
そしていつもながらのマシンガントークが炸裂だ。  
「兼一もこれで童貞卒業!  
 オレより一足早く、大人の仲間入りかぁー、くーうらやましいぜ!!!  
 でもまあ、新白連合の切込隊長が、童貞ってのもおかしな話だしな!  
 八拳豪なんて、みんなオンナ作ってヤリヤリって噂だぜ!  
 これでオマエもヤツラと対等ってことだな!!!」  
 イヤ、美羽ちゃんほどのオンナは滅多にいないから、連中以上か!!カカカカッ!!!」  
 
巧みにヨイショを交えた新島の弁舌。  
彼ならば商品先物だろうがマルチだろうが、ヒョッとする新興宗教すらこなせるだろう。  
そんな弁舌をまえに兼一はひとたまりも無かった。  
ここまでヨイショされて「ハメられたかどうか、記憶がない」とは到底いいだせない。  
それどころか、新島の話をきいているうちに何だか気持ちがよくなってくる。  
本当に美羽とセックスしたような気持ちになっていくから不思議なものだ。  
 
(記憶はさだかではない。  
けれども本当に大切なのは、セックスしたかどうかではないはず。  
大切なのは美羽さんとセックスしようとしたかどうか。  
つもり気持ちの問題だ!  
美羽さんとセックスした気持ちでこれからを生きていけばイイんだ。)  
お得意のご都合主義的正論とどこか身勝手な自己完結。  
ああ、やはり兼一は兼一であった。  
 
満足そうにニヤつく兼一をみながら新島は、思いだしたように言い出した。  
「ところで兼一、金曜日空いているか?  
 新白連合のミーティングがあるんだけど、出席してくれないかな?  
 オマエが出ると、兵たちが喜ぶんだよ。」  
あからさまにイヤな顔をする兼一。  
しかし新島はひるまない。  
「浮田と武田はこれないからオマエだけが頼りなんだよ〜  
 …何なら美羽ちゃんと一緒にきたら?また眠ってもらうことになるけどさ、ケケケ」  
 
兼一は息を飲んだ。  
「…でも金曜といえば、明後日。  
 いくらなんでも、美羽さんにバレてしまうんじゃないか?」  
コトが露見すれば、全ては終わってしまう。  
それだけは避けたい。  
わずかなリスクも避けて通りたい。  
生半可にせよ肉体を味わっている為と言えばうがちすぎだろうか。  
兼一の美羽への思いはいっそうの高まりを迎えていたのである。  
 
そこで新島はしたり顔で答えた。  
「なんなら美羽ちゃん以外のオンナでもいいんだぜ。  
 例えば泉優香なら簡単に連れ込めるだろ…クククク。」  
なんとも新島らしいダークでクレバーな提案である。  
だが兼一は「それはできない!」とキッパリ断った。  
予想外の反応に驚く新島に、兼一は決意を固めた口調で言いはなった。  
 
「ボクにとって美羽さんは、友人であり、セフレであり、  
 いつかはハラましてやりたい大切な人なんだ!  
 美羽さん以外の人ではダメなんだ……絶対に!!」  
 
こんなコッパ恥ずかしい発言を堂々と言えるのが兼一の良さであろう。  
陰にこもった「策士」新島にはまぶしすぎるような天真爛漫さである。  
そのまぶしさに、さすがの新島もシドロモドロ。  
「じゃあ…週明けの…そうだな…火曜あたりにで、いいかな?」  
というのが精一杯であった。  
「うん、火曜日なら美羽さんも大丈夫!  
 ミーティングにはちゃんと行くから安心してくれ」  
いったい何が大丈夫なのか、かなり疑問であるが、それはさておき兼一の快諾に新島も大い満足した。  
 
「助かるぜ、兄弟!  
 オレの方も催眠術に磨きをかけておくからな!  
 次回は眠らせるだけじゃなく、命令どおり美羽ちゃんを動かせるようにしとくぞ!」  
新島にしてみれば、そんなことはお安い御用。  
兵の士気を上げ、新白連合を磐石なものとできるのなら、美羽に泡踊りすらさせるだろう。  
また兼一はといえば、  
「じゃあフェラとパイズリをお願いしたいのだけど、できるかな?」  
となかなか遠慮が無い。  
「オウ兄弟!任せておけ!!」  
権力欲と肉欲とがおりなす見事な調和。  
男たちは利害の一致に、互いの肩を叩きあって大いに喜んだのであった。  
 
喜びの声が部屋に響く中、美羽はいまだ机の上で「失神」していた。  
兼一と新島の会話に耳を澄ましながらも、息を潜めてピクリとも動かない。  
しかし兼一への思いと高まる期待感は抑えきれない。  
乳首とクリトリスは尖りっぱなしだ。  
(では、しぐれさんから、おクチと胸の使い方を教わっておかなければなりませんわ…)  
そんな風に思っただけで、  
瞳と秘所から流れ出る歓喜の体液を、どうにも押しとどめられない美羽であった。  
 
おそまつ。  
 

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