「お前のような奴は蛙になってしまえ!ハァッー!」  
 
ボンッ!  
 
「ケロ?」  
 
…  
 
 
俺の名前はケロット  
とある王国の王子だったが王宮に仕えていた  
魔女のあまりの狼藉ぶりにクビにしたのだが  
逆恨みから蛙に姿を変えられてしまった…  
 
始めは人生終わったなと自暴自棄になったりも  
したが、今では古いしきたりに縛られない生活も  
いいもんだと毎日を楽しんでる。  
あまり美男子とも言えなかった俺の唯一の  
心残りは童貞のまま蛙になってしまったこと。  
 
(一度は人間の女を抱いてみたかった…)  
 
でも、そんな俺にもようやく春がやってきた!  
 
 
「ケロット様〜♪」  
 
一匹の蛙がケロットに近寄って来る。  
 
彼女の名はケロルン  
最近、彼女は俺と遊ぶことが多くなった  
もしかして俺に気が…?  
いやいや…相手は蛙だぞ…血迷うな…  
 
でも、俺も蛙か…  
蛙は蛙同士の方がいいのかな…?  
 
ぼーっとケロルンの顔を見つめながら  
そんなことを考えていた。  
 
「やだ…そんなに見つめないで下さい…」  
 
そういってケロルンは顔を赤くし、  
照れながら微笑む。  
 
(か、可愛い…)  
 
最初はピンク色の蛙なんて気持ち悪いと  
思っていたが最近はそれも可愛いと思ってしまう。  
 
(やばい…美的感覚まで蛙化しているのでは?)  
 
俺は顔をブンブンと振り正気に戻ろうとする。  
人間に戻るのを諦めた訳じゃない。  
蛙で童貞を失ってたまるか…  
 
「どうかなさいました…?ケロット様…」  
 
ケロルンが心配そうに話かけてくる  
 
「なんでもないよ。それよりさ、  
なんで俺のこと様付けで呼ぶの?  
なんか、くすぐったいからやめてくれない?」  
 
「えっ…だって…ケロット様は、  
私の命の恩人ですもの…だめですか…?」  
 
ケロルンは瞳をうるうるさせながら答える。  
 
「ま、まぁ…ケロルンが呼びたいならいいんだけどね…」  
 
確かに前に滝から落ちそうになっていた  
ケロルンを助けたことがある。  
その時も瞳をうるうるさせてたっけな…  
 
「そうだ、ケロット様。お花畑にいきませんか?」  
 
それって…デートの誘い?  
 
「さぁ…いきましょう♪」  
 
そういってケロルンは俺の手を握ってきた。  
何をドキドキしてるんだ俺は…  
 
お花畑に到着した。  
 
「わぁ〜きれい♪」  
 
「そうだね…心が癒されるね」  
 
それから二匹で並んで座り、黙ったまま時間が過ぎる。  
 
…  
 
沈黙を破ったのはケロルンだった。  
 
「あのね…ケロット様…  
私ね…もう逢えないかと…思ってた…  
そしたら…私のピンチに助けてくれるんだもん…  
ほんとに…嬉しかった…」  
 
始めてあった時のようにケロルンの瞳は、  
涙で潤んでいた。  
 
「ずっと…ずっと…逢いたかったんですよ…  
私…ケロット様のこと…ずっと好きでした…  
今も…これからも…」  
 
俺はケロルンが愛おしくなった。  
もう自分に嘘はつけない。  
相手が蛙でもなんでもいい。  
俺はケロルンが好きなんだ…  
 
ケロルンの肩に手を置くと、ケロルンは静かに目を閉じた。  
そして、唇を重ねる。  
 
「んっ…」  
 
その時である、重なり合った唇を中心に穿孔が走る。  
 
…  
 
「待って…おばあさん…お願い…  
王子を元に戻す方法を教えて」  
 
ウィン王女は魔女に問いかける。  
再三の願いに魔女もとうとう観念した。  
 
「わかったよ…しつこい娘だね」  
「たった一つだけ方法がある、  
でも、それ相応のリスクが伴うよ  
あんたにその覚悟がおありかい?」  
 
「はい…覚悟は出来ています。」  
 
にやりと笑い魔女は杖を振りかざした。  
 
ボンッ!  
 
ウィン王女の姿が蛙に変わる。  
 
「お前達の呪いを解くには、心底愛し合う  
相手との口づけが必要じゃ  
果たして今のお前の姿を王子は愛してくれるかのう?  
この条件やお前の正体をばらしても効力は無効になる。  
せいぜい頑張ることじゃ…ひひひひ…」  
 
 
それから半年間、私は王子の行方を探し続けた。  
 
足を滑らせ、滝に落ちそうになり、  
あきらめかけた時にあなたは助けてくれた。  
 
あなただということはすぐに解った。  
強く握られた手は、前に助けられた時と  
何も変わっていなかったんですもの。  
 
…  
 
「…あれっ…?人間に戻ってる!」  
 
人間に戻ったケロットは驚いていた。  
目の前を見てさらに驚く  
 
「あなたは…ウィン王女…何故…」  
 
「よかった…」  
 
王女はケロットに抱き着き涙を流す。  
 
(二人とも元に戻ったということは、  
ひょっとして両想い…?)  
 
ボッと王女の顔は真っ赤になる。  
 
「訳はあとで説明します…まずは帰りましょう♪」  
 
王女はそういうと、戸惑うケロットの  
腕を取りいつものように手をつないだ。  
 
満面の笑みを浮かべて  
 
 

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