夏美は暗闇の中足音を忍ばせていた。
向かった先は夫の寝室。
新婚だというのに別々の部屋で眠る二人は、もちろん夜を共にしたことはなかった。
静かに戸を閉める。
月明りでぼんやりと霧が掛かる中で夫の姿を探す。
「う゛〜」
肘が夫の顔に当たってしまったらしい。
夏美は素早く夫のベッドに潜り込んだ。
「ねぇ、信介さん」
「え・・・はあ!?」
夫・信介は覚めてしまった目をさらに大きくした。
「あ、あなた明日仕事でしょう、もう午前2時じゃないですか。」
「私もう我慢できないんです。抱いてください。」
「ちょ・・・」
信介の言葉を遮って、夏美は上半身を自ら露にした。
「寂しいんです。やっと結婚できたのに。やっぱり私、あなたが欲しいんだと思います。」
そういうと夏美は信介のパジャマに手を掛けた。
信介はまだ理解できないといった表情をしている。
「だめ・・・?」
「い、いや、そんなことは・・・」
夏美の愛らしい潤んだ瞳に、信介はそう答えるしかなかった。
二人とも全裸になった。
夏美は信介の前で正座をした。
静かに時は流れた。
「して・・・くれないんですね。」
すると夏美は信介のナニを掴んだ。
「私からってのも、ありですよね。」
夏美は信介の巨根を咥え、激しく動かした。
「ぬぉ・・・はぁ・・・」
信介から小さい呻き声が上がる。
夏美の技術は信介が思っていたのをはるかに超えていた。
「もう、いいですよね。」
ビンビンに張った信介のバナナを自分の秘部に当てて夏美は言った。
司令塔の指示も待たずに分身は敵のアジトに侵入していく。
信介はまだ妻を敵視している事を自覚していないようだ。
「あぁっ」
そのとき初めて桑野夏美の快楽が産声をあげた。
「あん・・・いやっ・・・」
夏美の性欲は速さを増す。
信介の上で踊り狂う女体は急に倒れ込んだ。
夏美は舌を無理やり信介の口内にねじ込み、そして絡めた。
「私の事、どう思ってます?」
「・・・へ?」
「信介さん、私の事一度も欲しがってくれた事ないんだもん・・・」
夏美はさらに続ける。
「一度も名前で呼んでくれた事ないし、単なる独りよがりなのかなって思ったら空しくなっちゃって・・・」
「な、夏美・・・」
「愛してるって言って」
「そ、そんな・・・」
「私はそれなりにあなたと恋愛してから結婚したつもりでいた。もし違ったらごめんなさい。」
「でも私あなたを手放したくない。お願い、ひとつになりたいの。あなたと。」
「あ・・・」
夏美は再び瞳を潤ませてその言葉を待った。
「あ、愛してる」
夏美の宝石が信介に転がり落ちて、さらにシーツを濡らした。夏美は信介にしっかりと身体を密着させ身を委ねた。
幸せいっぱいに微笑む夏美の下に、ぎこちなく笑う信介。
そして体勢が逆になった。
「あなたの好きにして。どんな言う事も聞くから。」
「な、夏美・・・四つん這いになって」
こうして二人の熱い夜は更けていった。