桑野信介と結婚して1ヵ月。  
夏美は特に今までの生活とあまり変わらなくも、幸せな日々を送っていた。  
 
――そんなある日の夜。  
 
夏美がふと目を覚ますと、ベッドの中で何かが動いている。  
――モゾモゾモゾ。  
「!?」  
夏美が布団を勢いよくめくると、そこには信介の姿が。  
「ちょっ!何してるんですか!?桑野さん!!」  
夏美はベッドの上で飛び退いた。  
「いや、その、夫婦なんだから名字で呼ぶのはおかしくないですか?」  
「そう言う事を聞いてるんじゃなくて...。」  
夏美が脱力していると、  
「いや、その...た、たまには一緒に寝るのが夫婦ってものでしょ。」  
信介はしどろもどろに答える。  
「あなたが睡眠はきちんと取りたいから、寝室は別にしようって言ったんじゃないですか...。」  
ため息を吐いている夏美を、信介はいきなり押し倒した。  
「な、ちょっと!?」  
思わず抵抗しようとするが、一回りも大きな男性に勝てるはずもない。夏美が抵抗を諦めても、信介はじっと夏美の首筋に顔を埋めて、微動だにしない。そんな信介に夏美は苦笑して、そっと頭を撫でた。  
 
暫くすると、信介は顔を上げ、夏美を見つめた。  
「僕は、あなたが好きなんです。」  
「ええ、知ってます。」  
優しく微笑う夏美の口唇が塞がれる。  
始めは触れるだけのキスが、段々深くなっていく。  
「ふっ...あっ。」  
夏美は思わず信介にすがりつく。  
「良かったですか?キスの仕方は英治に教わりました。」  
少し得意そうに嬉しそうに囁く信介。  
「...そんな事、いちいち言わなくていいです。」  
夏美の言葉を聞いているのかいないのか、信介は夏美のパジャマのボタンを外していく。ブラのホックも外し、下着も全てパジャマと一緒にベッドの脇に落とした。  
露わになった夏美の白い肌に、思わず見入ってしまう。  
「もう、恥ずかしいから、あまり見ないで下さい...。」  
恥ずかしそうに顔を背ける夏美がとても色っぽくて、信介は自分の理性を抑える事に限界を感じた。  
そして、自分の着ているものも一気に脱ぎ捨てると、夏美の首筋に口唇を這わす。  
右手で夏美の胸をそっと揉んでみると、柔らかさに驚く。  
「んっ...」  
夏美から思わず吐息が漏れる。  
たどたどしい指使いがくすぐったい。  
もう片方の胸は舌先で何度も舐めて、たまに吸うと、夏美の身体がビクッと反応する。  
「声、出してもいいですよ。」  
信介は夏美の胸が気に入ったらしく、指の腹で優しく転がしたり、舌先で何度も愛撫を続ける。  
 
「んっ...やぁっ、あっ...!」  
夏美の吐息も、段々甘く湿ってくる。執拗に愛撫する一方で、信介の手は、ゆっくりと夏美の下腹部へ向かっていた。  
 
そこは既に愛液でぐっちょりと濡れていた。人差し指と薬指で、その蜜をすくい上げる。  
「やっ...あ...っ、あっ」  
途端に、夏美の身体がビクッと反応する。  
信介は指先で寛げて、秘密の花びらににそっと口付けた。  
「あっ、...やっ...や...あぁん...っ」  
柔らかな蕾を、ざらついた舌で何度も舐め上げられる度に、夏美のそこから愛液が溢れてくる。  
とろりと濡れた感覚が気持ち良くて、無意識のうちに、身体が信介の舌の動きを追い始めた。  
最初はゆるゆると浅い場所を前後させていた指を、少しずつ夏美の内部へ侵入させる。  
「ふ、...ああぁん...っ」  
二本の指など簡単に入ってしまった。  
「余裕だな…。」  
信介は独り言のように呟くと、ゆっくりと指を動かしながら、舌で愛撫を続ける。  
 
「やぁ...ああぁ...あっ、あっ」  
指がグラインドする度に聞こえる、クチュクチュという卑猥な音に、夏美は羞恥のあまり顔を仰け反らせる。  
「いや、あっ...はっ、...はぁ...」  
信介は容赦なく、夏美の内部を激しくかき回し始めた。  
「あんっ、...やああぁっ...んっ」  
夏美は思わず、信介の頭を両手で引き離そうする。信介は顔を上げると、涙で濡れている夏美の頬に口付け、そして、甘い吐息が漏れる綺麗な口唇を塞いだ。  
「んっ、ふぅ...」  
夏美は信介にすがりつく。  
「挿れますよ...。」  
そう囁かれたかと思うと、入り口に、信介の先端が押し付けられる。何度か焦らすように擦り付けられ、グチュと音を立てて、ゆっくりと沈められていく。  
「んっ...ぅ、はぁ...っ」  
初めてではないにしろ、もう何年もSEXなどしていない夏美には、人より大きい信介のモノはかなりキツい。  
苦しそうな夏美に気を使いながら、信介は慎重に少しずつ沈めていく。  
一番奥まで入ると、信介はゆっくりと夏美を突き上げる。  
「んっ、はぁ...あっ」  
信介が動く度、忘れていた感覚が、段々呼び起こされる。  
「あっん...、あん...あ、あっ」  
夏美の喘ぎ声が甘く変わると、信介は再び一番奥まで貫く。夏美は汗まみれの身体を震わせた。  
 
信介が動く度に、グチュ、グチュ、と厭らしい音が聞こえる。  
「あ...いい...あぁんっ」  
「き、気持ち良いですか...?」  
信介の質問に、夏美はイヤイヤとかぶりを振る。  
すると突然、信介は腰を動かすのを止めた。  
「やぁ...」  
夏美はもどかしげに信介を見つめる。  
「どうして。嫌なんでしょ?」  
信介がそう言うと、夏美は真っ赤なり、下唇を咬んで、  
「...いや、じゃ…ないっ...」  
小さく答えた。そんな夏美が、信介は堪らなく愛おしかった。  
もう一度口付けをすると、信介は再び激しく動き出した。  
「ふ、...あぁんっ...んっ、ああぁっ」  
信介も限界に近づいいていた。深く、何度も夏美を突き上げる。  
「あぁああっ、..あぁんっ」  
 
そして、一層深く抉った途端、夏美の頭が真っ白になる。  
 
「あぁあ...やああっ...あああああぁ―――ッ!」  
 
夏美が絶頂を迎えるのと、ほぼ同時に、信介の熱い欲望が夏美の深い場所へ吐き出された。  
 
 
 
 
 
窓から差し込む朝日が眩しくて、夏美はそっと目を開いた。気だるい身体に、暫くボーっとしていたが、自分を抱きしめている腕に気が付く。  
夏美がそっと振り返ると、信介はまだ規則正しい寝息をたてていた。夏美はそんな信介に微笑むと、口唇にそっとキスをした。  
 
 
 
 

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