『警視庁から入電中、警視庁から入電中、帝丹小学校体育倉庫で殺人事件発生。直ちに現場へ急行せよ。直ちに現場へ急行せよ』  
 いま思えば、あの入電ボイスが全ての始まりであった。ケータイ刑事である銭形愛の専用携帯電話には、事件が発生すると警視庁から  
捜査開始命令の連絡が入る。指令を受ければ直ちに現場に急行して捜査に当たるのが愛の仕事なのだ。その日も普段と同じように、愛は  
現場に指定された小学校へと一人向かった。いつもなら大抵相棒の五代刑事も一緒にいるのだが、今日は法務大臣から仕事を頼まれた  
とのことで、珍しく別行動となっていた。  
 普段と違うと言えば、現場の様子もどこかおかしかった。小学校で殺人事件となれば大騒ぎになるのが当然のはずなのに、体育倉庫には  
野次馬はおろか、鑑識の人間さえ見当たらない。それ以前に被害者の遺体すらどこにも無いのだ。今まで入電ボイスが誤報だったことは一度も  
無い。しかし愛にはここが事件現場とはどうしても思えなかった。  
(誰か……いる?)  
 陽の傾きかけた体育倉庫の中で、愛は僅かに人の気配を感じ取った。携帯電話のストラップを指にかける。この和同開珎を模したストラップは、  
犯人に投げつけて捕縛するための武器になるのだ。  
「おっと、お賽銭は遠慮しておくよ銭形警視正」  
 ところが跳び箱の影から現れたのは意外な人物だった。10歳くらいの幼い少年。半ズボンに黒ぶちの大きな眼鏡をかけている。声も女の子の  
ように高いトーンだったが、その語り口はとても子供とは思えない、落ち着いた深みのある口調だった。  
「多摩川検事正……びっくりさせないでくださいよ」  
 少年の名は多摩川ドイル。法務大臣の息子にして現職の検事正。見た目は子供だが、どうやら永遠に成長しない特殊な体質らしく、その頭脳は  
普通の大人と同じかそれ以上の冴えを持っていた。警察のことをあまり信用しておらず、時々こうやって事件現場に姿を現して自ら捜査にあたったり  
する。そのため愛も何度か力を合わせて……というか、競い合って事件を解決したことがあったのだ。  
「またご自身で事件を捜査ですか?」  
「事件? 何のことだね。ここは私の通っている小学校だよ」  
「小学校……って。検事正が?」  
「君だって現職の警視正でありながら高校に通っているじゃないか。見た目が子供である以上、世間体というものがあるからね」  
「なるほど、そう言われてみれば……」  
 確かにドイルの外見はどこから見ても子供そのものだった。愛がこうやって腰をかがめて視線を合わせながら話していると、ごく普通の姉と弟の  
ようにしか見えない。実際はドイルの方がずっと年上のはずなのだが。  
「じゃあやっぱり何かの間違いだったのかな」  
 愛はもう一度携帯電話を開いてみた。入電ボイスで指定されている殺人事件現場はやっぱりこの体育倉庫だ。背負っていたランドセルを足元に  
置いて、ドイルが手を差し出す。  
「見せてみたまえ。殺人事件発生がもし誤報なら責任問題だ。関係者を厳正に処分せねばならない」  
 言われるまま愛は携帯電話を手渡し……そうになって、はたとその動きを止めた。電話を胸元に引き寄せて握り締める。  
「多摩川検事正……どうして殺人事件だってご存知なんです?」  
「うん?」  
「あなたはさっき殺人事件とおっしゃいましたね? 私はまだ『事件』としか言ってませんよ。入電ボイスの内容はケータイ刑事しか知らないはず。  
あなたはこの体育倉庫の中を見て殺人事件が誤報だなんて、どうして気付いたんですか?」  
 考えられる結論は一つ。ドイルが最初から入電ボイスの内容を知っていた。そうとしか考えられない。つまりこの入電ボイスはドイルが何らかの  
方法で仕組んだニセの指令であり、その目的は愛をこの体育倉庫に呼び出すことだった……そう考えるのが普通だろう。足元のランドセルを開き  
ながらドイルが不敵に微笑む。  
「さすがだね銭形警視正。けれどそこまで私が怪しいと気付いたのなら、早々に私の動きを止めるべきだったね。知人だからと油断していると……」  
 ランドセルの中からドイルが取り出したもの。それはガスマスクと小型の圧縮ボンベだった。  
 
「……取り返しのつかないことになる」  
 マスクを被ると同時にボンベを開き、中のガスを噴出する。愛はとっさに制服のブレザーの袖で鼻と口を覆うが、その程度で防げるようなガス  
ではなかった。  
「これはッ?」  
「知り合いの博士に頼んで作らせた筋肉弛緩ガスだよ。なに、10分ほど身体が痺れて動けなくなるだけさ。その間君を無抵抗の人形に出来れば  
それで十分」  
 恐ろしい即効性のガスだ。たちまち愛の膝が震え出し、床に四つん這いに倒れ伏してしまう。口を覆う力も無くなり、完全にうつ伏せになってしまうと、  
もう二度と立ち上がることも出来なかった。  
「ど、どうして……こんなことを……」  
「警察教養規則極秘特例に定められた特殊教育カリキュラムは知っているね?」  
「ケータイ刑事に課せられる……通常の警察官教育より厳しい特殊教育課程」  
「そう。もちろん君はそれを優秀な成績でクリアしている。しかしこのカリキュラムには修了後、本人の資質の応じて追加される補講事項が存在する  
のだよ。例えば……」  
 ガスマスクの向こうで、黒ぶちの眼鏡に彩られたドイルの視線が愛を貫く。  
「ケータイ刑事となった人間が若い女性だった場合、犯人からの抵抗で性的暴行を受ける恐れがある。もちろんそれを未然に防ぐ対処法や護身術は  
学んだはずだが、万が一暴行を受けた場合……ケータイ刑事ならば取り乱すことなく冷静に状況を分析し、ベストの行動を取らなくてはいけないのだ。  
残念だが銭形警視正、君にそれだけの強い精神力があるとは思えない。現にこうやって私の罠に堕ちてしまった訳だしね」  
 圧縮ボンベの気圧メーターを確認し、ドイルはガスマスクを外した。靴のつま先で愛のめくれかかったスカートを引っ掛けるが、ガスを嗅がされた彼女は  
全く抵抗できない。レースのあしらわれた薄いパープルの下着が露わになる。  
「これより警察教養規則極秘特例に基づき、銭形愛・警視正に対する特殊教育カリキュラム補講事項を実践する。……諸君、入ってきたまえ」  
 ドイルが体育倉庫の外に声をかけると、ドアが開き、小学生の少年たちがなだれを打って入り込んできた。  
「多摩川検事正……。い、いったい……何をするつもりですかッ?」  
「決まっているだろう。君が犯人に暴行を受けても動じないよう、性に関する耐性を徹底的につけてもらう。彼らは私のいわゆるクラスメイトというやつでね。  
精通を迎えて女性の身体に飢えているのだ。君をセックス漬けにするにはもってこいの人材というわけさ」  
「そんな……嫌です! どうして検察の人間のあなたが……」  
 呂律のおぼつかない唇を必死に動かして反論しようとするが、既に麻痺した手足は少年たちによって引き広げられ、愛は大の字になって仰向けに固定  
されてしまった。いくら大人数とはいえ、小学生の男の子の力に敵わないなんて情けなさ過ぎる。  
「ねぇドイルくん。本当にこのお姉ちゃんを好きにしていいの?」  
「ああ構わないよ。愛お姉ちゃんは今日からしばらくの間、うちの小学校の慰安奴隷になってくれるんだ」  
「いあんどれい?」  
「好きな時に好きなだけセックスしていいってことだよ」  
 少年たちはさすがに顔を見合わせて躊躇していたが、ドイルがスカートのホックを外して鮮やかに腰から抜き取ると、免罪符が与えられたとばかりに  
一斉に愛の身体に群がり始めた。ブレザーを脱がし、乱暴にブラウスをはだけさせる。露になった上下の下着を鑑賞するゆとりもなく、我先にとブラジャーを  
剥ぎ取り、ショーツを引っ張って足から抜き取った。それはさながら、地面に堕ちた手負いの蝶に群がる飢えた蟻の大群である。  
「やめ……やめて! ちょっと……いい加減にしないと、怒るからね!」  
 愛は本気で怒鳴ったつもりだったが、抵抗できないと分かっている少年たちは意に介さない。眉間に皺を寄せる少女の嫌悪の表情さえ、薄ら笑いを浮かべて  
見下ろしているだけだ。  
「やっぱりクラスの女子とは違うよな。ほら、結構胸あるぜ?」  
「まぁちっちゃい方だけどね」  
「それより見ろよ下の毛。意外と濃いんじゃね?」  
「うわっ、中ってこうなってたんだ。チンポ入れる穴ってここだっけ?」  
 少年の一人が無造作に愛の膣口に指を入れた。あまりの乱暴な動きに裏返った悲鳴を上げる愛。  
「あはは、変な声」  
 
 性の知識に乏しい少年たちの指の動きは何の配慮も遠慮もない。数人の指が思うままに愛の性器をこね回し、痛みで苦悶の声を上げる表情を  
楽しんでいた。股間に群がることが出来る人数は限られているから、あぶれた連中は胸をもみ、乳首をつまんで暇を潰す。まさか一番下の妹の  
零よりもっと年下の子供たちに身体を弄ばれるとは……悔しさのあまり目に涙を浮かべながら、愛は必死にドイルに訴えた。  
「やめさせて下さい多摩川検事正! こんなのがカリキュラムだなんて……」  
 やめろと言われてやめるくらいなら初めからこんな事をするはずがない。愛を見下ろすドイルの視線は冷静だった。  
「いい加減聞き分けたまえ銭形警視正。これはケータイ刑事の職務なのだ。銭形警視総監が君のためにと、特別に私を教育係に任命してくれたと  
いうのに」  
「おじいちゃま……が?」  
「君だっていきなり脂ぎった中年の刑事に弄ばれるのは苦痛だろう? 子供相手なら少しは楽だと思ったのだが、そんなに嫌なら仕方がないな。  
バッジとケータイを返上するべきだね。元々子供の君に務まる職務ではなかったということだ」  
「う……」  
 推理を競い合ったこともあるドイルにそう見下されては愛も黙っていられない。まして敬愛する祖父の配慮があったというならその期待に応え  
なくては……。そんな愛の迷いを見越して、ドイルが両足の間に割り入ってきた。半ズボンのファスナーを開けるとピンク色のペニスが飛び出して  
くる。年齢の割にはちゃんと皮も剥けているし、サイズも大きめだろう。  
「ま、待って下さい! それだけは……私、はじ」  
 言いかけて愛が言い淀む。  
「何だね? 言いたいことがあるならはっきり言いたまえ銭形警視正」  
 訊き返すドイルの表情は、明らかに愛の言わんとしている事を察している顔つきだった。知っていてわざと愛に言わせようというのか。仕事とはいえ、  
徹底的に愛に恥辱を与えようとするドイルのやり口は執拗だ。周りの少年たちもごくりとつばを飲み込んで愛の次の言葉を待ちわびていた。涙を  
こぼしながら、顔を背けて声を絞り出す。  
「……わ、私、初めてなんです。だからお願いします。それだけは許して下さい」  
 観念して嘆願する愛を、ドイルは満足げに見下ろして黒ぶちの眼鏡を直した。  
「今どき処女信仰でもあるまい。確かに17歳の女の子にとっては価値あるものかもしれないが……自覚が足りないな。君は女の子である前に  
ケータイ刑事であるべきなのだよ。ケータイ刑事に処女など無用の長物。君にはもっともっと恥ずかしい思いをしてもらうんだ、この程度のことで  
泣き言を言っていたら先が思いやられるぞ?」  
 意味ありげなセリフと共にペニスを愛の膣口にあてがった。そろそろガスの効き目が薄れてきたとはいえ、数人で押さえ込まれている限り足を閉じる  
ことさえ出来ない。ドイルの肉棒は容赦なく愛の処女地を踏み荒らしていった。  
「あ、やぁぁ……いやぁ!」  
「情けないな銭形警視正。子供のような悲鳴を上げるもんじゃない」  
 ペニスをねじ込まれてしまってはIQ180の頭脳も持ち腐れだ。愛はただのか弱い女の子になって陵辱の痛みに耐えるしかなかった。  
「すげー、ホントに入っちゃってる」  
「これがセックスかぁ……」  
 少年たちの声が耳に響く。初めての性体験だというのに、その様子を余すところなく……しかもこんな大勢の男の子たちに見られているのだ。自分が  
見世物になったことを痛感して唇を噛み締める。あまつさえこの少年たちは、ただの見物人で納まるつもりは毛頭ないらしかった。  
「おいドイル、早くしろよ。次がつかえてんだぜ?」  
「フフフ……そうがっつくなよ。これから毎日いくらでも突っ込めるんだからさ。まずは軽く一発目を出しておくとするか」  
「出すって、そんな……ああっ!」  
 一気に抽送を早めたかと思うと、ドイルのペニスが愛の膣の奥底で弾けた。子供とはいえ精液は精液。胎内で射精されれば妊娠の危険だってある。  
愛よりも少年たちの方が驚いていた。  
「おいヤバいんじゃね? もし妊娠しちゃったら……」  
「堕胎の費用は経費で落ちるから心配ない。そんな事より私のランドセルを取ってくれないか。最後の仕上げをしておかないとな」  
 無理矢理押さえつけて、服を剥ぎ取って、処女まで散らしたと言うのに、まだ何をするというのか。すっかり打ちのめされた愛は普段の気丈な態度など  
消し飛び、怯えるような目でドイルを見上げていた。ペニスを抜き取ったドイルがランドセルから巨大な注射器を取り出す。  
 
「みんな、愛お姉ちゃんのお尻を持ち上げてくれ。これからたっぷりと浣腸してあげるから」  
 注射器の先端から垂れる透明な液体を目にして、茫然自失だった愛が青ざめた。  
「かんちょうって?」  
「みんなの前でウンチしてもらうんだよ。これだけの人数を捌くにはお尻の穴も使わないと間に合わないからね。まずは腸を綺麗にしておかないと」  
「や、やだ……浣腸だなんて……。そんなの、そんなの……」  
 がくがく震えてかぶりを振る愛。少女にとってこれ以上の屈辱はあるまい。だからこそやるのだ。手足をばたつかせて逃げようとするが所詮は  
無駄な抵抗。数人がかりで腰を持ち上げられ、足首が頭の両脇に来るよう身体を折り畳まれると、肛門を天井に向けてさらけ出す惨めなオブジェの  
完成である。中出しされたドイルの精液が糸を引いて垂れ落ち、涙に濡れた愛の顔面を汚した。  
「動くと危ないよ銭形警視正。なに気にすることはない。どんな可憐な美少女だって、定期的に排泄行為をしていることはみんな知っている。ただ意識  
しないようにしているだけさ。衆人環視の中平気で排泄できるようになれば君も一人前のケータイ刑事だ」  
 少年たちの指で八方に引き広げられた肛門に、ドイルの注射器の先端が沈んでいく。年相応に生え揃った茂みも、散らされて精液まみれになった  
性器も、浣腸の挿入を受けるすみれ色の肛門も、余すところなく電灯の光に照らされ少年たちの網膜に焼き付いていった。シリンダーが目一杯押し  
込まれ、知り合いの博士特製の浣腸液とやらが全て愛の腸内に注ぎ込まれる。  
「こいつは即効性だからね。ものの数分で大噴火だ」  
 注射器を抜き取ると、ドイルの指示で愛の腰がゆっくりと元の位置に戻された。同時に少年たちが愛の身体から離れるが、今さら拘束を解かれても  
何もかも手遅れだ。愛も身体をよじって胸や股間を隠すものの、立ち上がって逃げ出すそぶりは見せない。当然だろう。いま不用意に動けば腸内で  
暴れまわる排泄物がいつ飛び出してくるか分からないのだから。  
「さて銭形警視正。そろそろ身体の痺れも回復したことだろう。ここに便器を用意したから、自分で排泄したまえ」  
 そう言ってドイルがランドセルから取り出したのは、銀色の洗面器。しかもわざわざ愛から数メートル離れた床に置く陰湿さだ。ご丁寧に周囲の体育  
用具は撤去され、愛の排泄ショーを楽しむための観客スペースは十分に用意されていた。いくらケータイ刑事の職務と言われても、17歳の女の子に  
こんな屈辱を受け入れられるはずがない。  
「む、り……です。お願いします……トイレに……行かせてください」  
「君が選べる排泄場所は二つだけだ。そのまま寝転がった状態で漏らすか、ここまできて洗面器の中に排泄するか。いずれにせよ床にこぼした分は  
銭形警視正に清掃してもらうよ」  
 初めから選択の余地など与えられてはいなかった。愛は観念してよろよろと身体を起こす。二本足で立ち上がるのはとても無理だし、無様だが四つん  
這いになって床を這うように進むしかないだろう。全身に汗を滲ませ、泣きながらナメクジのように這い進む女子高生。なんとも滑稽な有様を指差しながら  
少年たちが笑い、口々に勝手な感想を述べ合った。  
「なんかさー、幻滅って感じだよねぇ」  
「そうそう。最初体育倉庫に入っていった時はさ、制服もかっちり着こなしてて凄くカッコよかったのに」  
「綺麗なお姉さんだなーって思ってたけど、こんなカッコ見たらガッカリだよ」  
「まだまだ、ガッカリするのはこれからじゃないの?」  
 そう、今から行う排泄ショーに比べたら、今までの恥辱など大したことはないのかもしれない。そして愛にはそれを逃れる術が一切無いのだ。年端も  
いかぬ子供たちの玩具に成り果てるしかない。  
 かろうじて床を汚すことなく、愛は洗面器の元までたどり着くことが出来た。足を広げ、不恰好に洗面器をまたぐ。腸内の便塊は渦を巻いて暴れ回って  
おり、もう体裁など気にしている余裕は無かった。両足できちんと床に立ち、股間を覗き込みながら洗面器の位置を自分で調節する姿は哀れと言うほか  
無いだろう。  
 ところがいざ用意が整うと、周囲を取り囲む少年たちの視線に萎縮したのか、なかなか肛門が開いてくれなかった。人前で排泄など生まれて初めて  
することだ。身体が思うようにならなくても無理はない。  
「やれやれ、世話の焼ける警視正どのだ。君、これで愛お姉ちゃんのお尻を叩いてやってよ」  
 ドイルはランドセルからバラムチを取り出し、近くの少年に手渡した。細い帯が束になった形の鞭で、激しい音が出る割に痛みは低い、初心者向けの  
SMグッズである。もちろん渡された少年はそんなことなど知らないだろうが。  
 
「へぇ、面白そう」  
「だ、だめ……待って、そんなので叩かれたら……」  
「えい!」  
 少年の一振りが容赦なく愛の臀部を直撃し、少女の悲鳴と派手な殴打音が体育倉庫内に響き渡った。続けて二発、三発と鞭を振るう。愛が  
耐えられたのは四発目までだった。とうとう決壊した肛門から突如として浣腸液が勢い良く噴出する。  
「うわ、汚ね」  
 続けて便秘気味だったのか、肛門の窄まりを押し開いて固形の便塊がボトリボトリと洗面器の中に飛び込んでいった。異様な悪臭がたちまち  
広がっていく。少年たちが息を呑む中、愛の排泄音だけが延々と響くのだ。いっそ目も見えず、耳も聞こえなければこれほど羞恥を感じることも  
無かったのに。  
 少年たちの好奇の視線を一身に浴びながら固形の便が排出されると、最後にまだ軟らかさの残る黄土色の便が蛇のように連なって落ちていく。  
年頃の美しい少女が本来決して人に見せることの無い排便の様子。その一部始終が、目で耳で鼻で、数え切れない男の子たちに記憶されてしまった。  
人間としての最低限の尊厳すら踏みにじられたのだ。もう、何もかも終わりだと愛は思った。下半身の力が抜け、浣腸液と便塊が山盛りになった  
洗面器に排尿までしてしまう。  
「あーあ、小便まで垂れ流してるよ」  
「なんかもう堕ちる所まで堕ちたって感じだね」  
「人間として終わってるよな」  
 あまりの惨状に少年たちも呆れ返っていた。最初は憧憬の念がこもっていた視線も、好奇と欲情を経て今は軽蔑に変わりつつある。目の前に  
いるのは綺麗な年上のお姉さんではなく、人前で平気で排泄する汚らわしい慰安奴隷なのだ。  
 それからドイルに命じられ、愛は床に這いつくばって自分のお尻を高々と掲げた。指で肛門を開き、少年たちに排泄の汚れを拭いてもらうのだ。  
もはや抵抗する気力すら失った愛は命じられるままに動く人形となっていた。  
「お願いします。お尻の穴に付いた、う……うんちの汚れを、拭き取って下さい」  
「なんだよ、子供じゃないんだから自分で拭けよな」  
「きったねー。拭いても拭いても取れないじゃん」  
「臭いもきついよな。普段なに食べてるわけ?」  
 口々に悪態をつきながら子供たちが一人一人、愛の背後に回って肛門を覗き込み、ポケットティッシュで茶色い汚れを拭き取っていく。他の少年たちは  
洗面器にひり出された愛の便塊を、鼻をつまみながら観察していた。どんな可愛い女の子でも、ましてやケータイ刑事だろうと警視正だろうと、肛門から  
排出される物は自分たちと同じなのだ。まだ最初の頃は保っていた、年上の美少女である愛に対する憧れの気持ちは、もうどの少年の心にも残って  
いなかった。  
「……さて、では場所を移そう。ここは臭くてたまらないよ。銭形警視正、立ちたまえ」  
 ドイルに命じられると愛は素直に言うことを聞く。この体育倉庫に来るまではライバルのような関係だった二人も、今ではすっかり主従関係が板に  
ついていた。愛が完全にドイルの言いなりに成り下がったのだ。  
「その汚い排泄物をトイレに流さないとね。案内しよう」  
 そう言ってドイルと少年たちは体育倉庫から出て行ってしまう。愛は慌てて自分の制服を探したがどこにも見当たらない。まさか……裸で外に出ろと  
言うのか。夕方とはいえまだ陽は出ているし、校内にも生徒が残っているかもしれないのに。  
 けれど考えている暇は無い。一人置いてけぼりにされたらそれこそどうしようもないだろう。愛は自分の排泄物が詰まった洗面器を持ち、オールヌードに  
靴下と靴だけという破廉恥な姿で体育倉庫の外に足を踏み出した。そして……ドイルの冷徹な姦計を思い知った。  
 体育倉庫の外には何人もの生徒が遠巻きに見物していたのだ。中には女子児童や教師と思しき姿もある。愛をこの小学校の慰安奴隷にするという  
ドイルの言葉は嘘でも誇張でもなく、学校側も了承した計画だったのだろう。これまでの数倍の視線を一斉に浴び、愛は思わず手にした洗面器を  
落としそうになった。  
「こんなところで落としたらどうなるか、分かってるだろうね銭形警視正」  
 ドイルの言葉に慌てて洗面器を抱え込む。排泄物の悪臭は野外であっても十分周囲の空気を汚していった。  
「あの人でしょ? 慰安奴隷になるのって」  
「サイテー、何あのカッコ」  
 妹の零と同じ年くらいの少女が嫌悪の目で愛を蔑んだ。  
「ここまで臭ってくるわよ。私、あんな目に遭ったら舌噛んで死ぬわね」  
「本人も好きでやってんじゃない? 変態よ、変態」  
 
 明らかに聞こえるように言っているひそひそ声に打ちひしがれながら、愛はのろのろと自分の排泄物を持ってドイルたちの後を追った。身体を  
隠そうにも両手が塞がっていてはどうにもならない。視線をそむけようとうつむけば自分の汚らわしい便塊が嫌でも目に飛び込んでくる。ドイルの  
術中に落ちた愛はもう、見世物となった自分を受け入れるしかなかった。  
 裸同然の格好でグラウンドを横切り、校舎に入り、廊下を歩いて男子トイレに連れ込まれる。その間に何人もの小学生や教員たちが愛の身体を  
眺め、排泄物の異臭に顔をしかめた。慰安奴隷の宣伝としては十分すぎるだろう。  
 そしてようやく洗面器の中の汚物を男子トイレの便器に流すと、セックスの饗宴の再開だ。もはや愛を性の道具としてしか見ていない少年たちに  
容赦は無い。まだ皮も剥けきらないペニスを愛の可憐な唇にねじ込み、ドイルの精液の残滓も構わず性器に挿入する。もちろん綺麗に掃除された  
肛門も陵辱の道具となっていた。順番を待ちきれない者は愛の手を取って指でしごかせたり、脇や膝の裏でこすったりと無茶苦茶に弄び始めるが、  
抵抗の意思など粉微塵に打ち砕かれた愛はされるがままに大人しく子供たちの玩具に徹していた。  
 愛のオールヌードの行進を見た生徒たちも次々とトイレにやって来て順番待ちの列を作り始めている。この分だと今日は夜までかかりそうだ。焦る  
ことは無い。羞恥心を根こそぎ失うまで、愛はずっと慰安奴隷としてこのトイレで生活するのだから。  
「しばらくは生徒限定にしておくけど、慣れてきたら教員の相手もしてもらうよ銭形警視正。現役の女子高生とタダでやれるって聞いたらみんな張り  
切っちゃってね」  
 完全なセックス奴隷に身を落とした愛の惨状を満足げに見下ろしながら、ドイルは彼女の使っていた携帯電話を手のひらで弄ぶ。当分の間は  
これも必要ないだろう。調教が終わった時、愛は真のケータイ刑事となることが出来る。それまではお預けだ。  
「妹さんたちが心配しないよう、ちゃんと家には連絡してあるから大丈夫……おやもう聞いてないかな」  
 ドイルは言葉を継ぐが、穴という穴に次から次へとペニスをねじ込まれる愛の耳にはもう、誰の声も届いていないようだった。  
 

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