「じゃ、私達は吸血しに行くからな」  
「ああ、留守は任せといてくれよ」  
「うむ、頼んだぞ煉」  
その日もパパとママは吸血しに屋敷から外に出ます、ちなみに最近頻繁に二人一緒に外へ食事ができるのは、  
お兄ちゃんが家に帰ってくるようになってたからでした。  
「しかし、あんたも珍しい日が続くわね、真面目に家に帰ってきて留守を守ってくれるなんて」  
「別に長男としての義務を、こうして果たしてるだけだからいいだろ」  
「う、嬉しいぞ煉!あのちゃらんぽらんな節操なしのお前だったのに!」  
「……悪かったな」  
「コホン、それでだが…ついでに果林の様子も、お前の方から見ておいてくれないか?」  
「そうね〜あの子たらこの数ヶ月程は、ちょっと顔を見せてすぐに部屋に引き篭もっているし」  
そう…私は最近ある理由から全身をパパとママ達に晒してなかったの…  
やっぱりこれだけ続くと怪しいと思われていたみたい、それを聞いて私はドキッとしました。  
お兄ちゃんは…薄っすらと口元がにやけていましたが。  
「まぁ、あれでも年頃の女だからな、いいよ兄として俺の方からも見ておいてやるよ」  
「頼んだぞ、煉」  
そして、ようやくパパとママは出て行きます。  
二人が居なくなると、残されたお兄ちゃんはクッとあきらかに微笑していました。  
「見てやるさ……じっくりな」  
そして後ろを振り向きます、その鋭い眼差しで見つめるの…  
パパとママが出て行った事を確認すると、自分の部屋から姿を見せた私を。  
「お兄ちゃん…」  
私はそんな兄を見つめ返します、その欲情し潤んだ瞳で…  
「親父らは出た、するぞ果林」  
「うん…」  
その言葉に心に大きな衝撃が与えられます、とても嬉しい心の衝撃が…  
同時に疼いてたの、股間のとこが…ずっとこの人に可愛がってもらっているアソコが…  
そして濡れてもいました…クチュッていやらしく。  
 
やがて屋敷に数ある使われていない部屋で、私達兄妹は互いに何も着ていない裸で向かい合ってたの。  
「へっ馬鹿でっかい胸だ、まさか前の倍以上にまで膨れるなんてな」  
 
むぎゅっ  
 
「あ…やぁ…」  
そしてお兄ちゃんは晒された私の胸の膨らみを、その大きな手で思いっきり掴むの、  
ちなみに大人の大きめの手の平でも、覆い隠せなくなってる程に私の乳房は大きく膨らんで変化してました。  
だけども力強い握力で指を、この胸の弾力性ある膨らみへと食い込ませて、  
何度も何度もこねるように形を歪ませながら、お兄ちゃんはそこを嬲っていく。  
それは愛撫とはとても言えないほどの激しい責めでした…でも、今の私にはそれが丁度良い刺激だったりします。  
「は…あぁ!あぁぁ!!おっぱい…気持ちいいよぉ…お兄ちゃん…」  
何度も何度も毎日のように激しくされてたから、この身体は完全に順応しちゃってたの。  
そしてこの胸から伝わってくる快楽に反応するように、その膨らみの先にある突起は段々と熱く火照っていく…  
ここも疼いてるの、先っぽがムズムズと…そして出ちゃいました。  
 
ビュッ!ビュッビュゥゥゥッ!!  
 
「あ…あぁ!出てる…ミルク出てるよぉ!」  
その膨らみの中に溜まってた母乳が噴出していきました…まだ赤ちゃんを産んでないのに、  
先行して私のそこは母体としての身体に目覚めていたの。  
「まるで乳牛のようだな、こうして背中から揉み搾るとな」  
「ひゃぁ!あぁ…あぁぁんっ!!」  
 
お兄ちゃんは背中から抱きつき、言葉どおりに搾るように胸を弄んでいきます。  
だから前方に飛び散ってました…私のミルクがたっくさん撒かれていく。  
そして濡らしていくの…この胸もその液体で…  
「エロい光景だ…それにこのお腹、そろそろ臨月になるのか?ここも馬鹿でっかくなりやがって…」  
「あ…あぁん…」  
その膨らみを指で軽く突かれて、思わず声を出し反応しちゃった。  
私は最近ね、学校に行ってないの…外すら出てません。  
そして家の中に居ても、そう…パパやママに物陰から顔だけ見せてるだけなの。  
それは全てこのお腹が原因でした、もう私の膨らみ続けてたここは…  
厚めの服でも隠せないくらいに、目立った膨らみ様にまで変化してたから。  
そして感じる…この中で暴れてる小さな命が、それはもう完全に形になってました。  
病院とか行ってないから詳細なんてわからないけど、素人判断でも何となくわかってしまうの。  
後少しで私はママになるって…元気な赤ちゃんを産むって。  
そしてお兄ちゃんは今度は膨らみの弾力を堪能するように、手の内側で念入りに触れてきました、  
自分の子種で膨らました妹のお腹を摩っていく…  
「おっ…動いてるぜ、俺とお前のガキがな」  
「うん…私も感じるよ…何度もお腹の中を蹴られてるし…はぅ!」  
まるでタイミングを狙われたように、本当に中で蹴られちゃったみたい、その衝撃に全身が震え反応しちゃった。  
「おいおい、自分の赤ん坊にまで苛められて感じてるのか?とんだ淫乱な母親だな」  
「だ…だってぇ…あ!こんな身体にしたのは、お兄ちゃんなのに…あっ!」  
多分、本当はこんな時の身体って辛い時期なのかもしれない…  
でも痛みすら快感に感じてしまうように変貌した、この淫らな肉体には至福の気持ちいい刺激でした。  
「じゃぁ、いつもの頼むぜ」  
「う、うん…」  
ベッドの上に腰掛けるお兄ちゃんの前で、私は床に座り込むとその股間にそびえ立つ、  
愛しいお兄ちゃんのおちんちんへと、自分のこの口を近づけていくの…  
やがて唇の先に先が当たり、軽くキスすると口を少し開き舌を伸ばしていきます。  
 
チュッ…ピチャチャプゥ…  
 
まず舌先で亀頭を丁寧に舐めしゃぶって…やがて竿部に舌全体を絡めていきました。  
そして口を大きく広げ、口で先端を包んでいくの。  
喉の奥限界にまで銜え込み…中で舌を舐め這いつつ絡めていきます。  
「うっ!へ…すっかり風俗嬢クラスの舌使いを身に付けたな」  
「うん…勉強したから」  
そして一旦離し、横から届かなかった竿部を舐めて唾液の跡を付着させていく…  
根っこまで丁重に舌を這わせていくのでした…美味しい。  
最後に精子が詰まった玉袋にもキスし、そこもじっくり舐めしゃぶっていくの…  
今日もたっぷり作ってねと祈りながらに、口に含み先で転がすように摩ってあげてました。  
「うくっ!はぁはぁ…やべぇな…思わず出すところだったぜ、さて…わかるな」  
「うん…」  
首を縦に頷くと、私は立ち上がり…お兄ちゃんの眼前で懇願していきます。  
「お兄ちゃん…今日も、この変態妹の淫乱まんこに、立派で逞しい肉棒を入れて下さい…」  
自分の手で、その膣への入り口を拡げながら、赤面の表情で誘うの。  
「もう孕んでるけど…熱く濃い精液を注いで欲しいの…」  
「知らないぜ、もし中のガキが女なら、そっちまで孕ませてもな」  
「うん…いいから、もう我慢できないの…これ以上焦らされたら狂っちゃうよぉ!」  
「仕方ねえな、俺様のメス奴隷の分際で我侭いいやがって…」  
「ごめんなさいお兄ちゃん、ううん…ご主人様ぁぁ…あ!あぁぁ!!」  
 
そして待ちに待った時がきます、背中から抱かれ持ち上げられて、そして体重を込めて挿入されていく  
だから一気に奥深くまでおちんちん挿し込まれたの、身体の中身が持ち上げられていき…  
そして子宮…赤ちゃん居る場所の壁一枚にへとお兄ちゃんの先が当たっていくの。  
凄い…こんな身体でこんな激しいセックス、いいのかな…でも気持ちいいよぉ。  
「あ!あぁ…あんっ!気持ちいい…いいのぉ〜」  
「おら、もっとよがれ!卑しく本能を解放しろよ!」  
「うん…お兄ちゃん…ご主人様ぁ…あぁ!!」  
全身を上下に揺らされ、膣内に大きなおちんちんが何度も何度も行き来していく、  
中で思いっきり擦れて気持ちいい…いい。  
愛液も思いっきり分泌し外にも溢れ漏らしながら…お兄ちゃんのを銜えていきました。  
何度も何度も喘ぎ声を叫び、屋敷内にまでやらしい声を響かせていく…  
もう少しでイっちゃいそう…そんな時でした。  
 
バタンッ!  
 
いきなり扉が開き黒い人影が、この部屋に転がるように入ってきたのは…  
 
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::  
 
その日、ようやく夜のバイトも終わった後、もう時間はだいぶかなり遅かったが  
月の光を頼りに、街灯もあまり無い上り坂を俺は歩いている。  
あいつの家を目指して、そう長い事に学校を休みバイトまでしなくなった俺が付き合っている  
真紅の家を目指し俺は歩き進んでいたんだ。  
「真紅の奴…こんなに長いこと学校を休んでどうしたんだ?」  
前からどこか具合が悪いのは知っていた、だがここまで酷い事になってるなんてな。  
俺はずいぶん前から見舞いに行きたいのは山々だったけども、運悪く果たせずにいた。  
都合も色々あったが、何より問題はあそこにどうたどり着けばいいのやらという事だったんだ。  
そうここまでなら近づけるのだが…ふいに迷い始め、アレがあるらしいそこでまた足を止める。  
実は真紅の家には結界というのがはってあり、他人の侵入を防ぐ効果があった、  
だが特別処置として俺も中に入る事を許されていたのだが…何故か今は俺だけではこの先に進めなくなっている。  
もちろんそれは、真紅と一緒じゃないからかもしれないけどな。  
「はぁ〜仕方ない…帰るか」  
本来ならこのまま引き下がるつもりは無かったが、だけども実は他にも心配事があったんだ、  
あっちも見てやらないといけなさそうだし…そう、この頃母さんも具合が悪いのが続いてたんだよ、  
時折ボーっとしてる事もあるし、失礼かもしれないがちょっと太ってきてるみたいだし。  
だけど、そうだな最近…いや数ヶ月前から何かがおかしくなっているんだよな。  
よく考えれば症状は同じだ、真紅の変化に続くように母さんも…これは本当に偶然か?  
「お兄ちゃん」  
そう思いながら足の向きを変えた時だった、その少女の声を聞いたのは  
「あんた…真紅の?」  
そして声のする方を俺は眺めるそれは木の上に居た、そこには人形を持つ女の子が座っていた。  
彼女は真紅杏樹…真紅の、いや果林の妹だ。  
「お姉ちゃんに会いに来たのでしょ?」  
「あ、ああ」  
 
正直、真紅の家族達は苦手だった、あきらかに恐怖を感じさせる気を持つ吸血鬼という事もあるが、  
何よりあいつをとても大切に思っているのが、よくわかってたからだ…いや、それ自体は微笑ましい事なんだけど、  
もし俺のせいで何かあるものなら本気で殺すかもしれない…そんな予感をさせる気をちょくちょく放出させていたんだ。  
特に目の前の彼女は一層にそれが濃いから何もしなくても緊張までしてくる。  
「そんなに警戒しなくても食ったりしないわ」  
『そうそう、このまま茂みに連れこんで童貞喪失なんて真似はしな…ぐわぁ!』  
妖艶な笑みを浮かべ俺を見つめてる彼女は、自分の持つ喋る人形の喉元を潰しすと、  
木の上から飛び立ち…そして俺の傍に降り立った。  
「案内してあげる…今は家の結界が強力になってるから私の手を繋いで」  
「ああ…」  
前に出された彼女の小さく冷たい手を、俺は握り締めるとそのまま彼女の進む方へと足を進めた。  
するとさっきのように同じ景色が続く事無く、実感として奥へと進めているのがハッキリわかった。  
「なぁ…真紅の、お姉さんの身体の具合はどうなんだ?まだ酷いのか?」  
静寂に耐えれず少々怖いが、杏樹ちゃんに真紅の事を聞いてみる、すると…  
「実際に見ればわかるわ…それで全てがわかるから」  
「え?」  
「…事実を知った時、お兄ちゃんはどう思うのかしらね…妬み?後悔?それとも軽蔑…」  
「ど、どういう事だよおい!」  
その言葉らに俺の心は動揺していく、同時に警鐘が鳴り響く感じだった…ヤバイと、  
「…本当に気付いてないの?変化の兆しから数ヶ月…激鈍ね」  
そうだ感じてた、確かに俺もなんとなく感じてたんだこの異常に!  
だけどそれを気付かないフリをしてきたのは…俺にはどうしょうも無い事だということも  
気付いてたから…そう今の母さんの事も!  
「やっと…わかってきたみたいね、クスッ…どうする?やっぱり引き返す?」  
「え…」  
「この先よ、真実の答えは…」  
いつの間にか、目指していた場所は目の前に建っていた。  
吸血鬼一家である真紅家の洋館がそびえ建っている…  
 
ギィィ…  
 
「今はパパとママが居ないから、どうぞ入ってきて」  
「ああ、そっか…あの人達は居ないのか」  
『安心したかい?だが怖い兄ちゃんは居るから、チャンスと杏樹を襲うなよ…ぐぎゅっ』  
また潰される人形、そしてまた彼女に連れられ屋敷内を俺は歩き進んでいく。  
 
「…ぁ…ぁ」  
 
すると、小さな小さな音だったが…確かに聞こえた、女の声が…  
これはまさか…  
「お姉ちゃんの声よ、ようやくお兄ちゃんにも聞こえたのね」  
「微かにだけど…やっぱり今のは真紅か?」  
「そうよ、後は一人でもいけるわね、この廊下の先よ…」  
外から繋ぎ放しだった手を離すと、彼女はそこで止まった…後は俺だけで行けという事か。  
正直、このまま足を進めるのは抵抗があった。  
 
何故なら俺は予感してたからだ、知らなければよかったと…絶対に後悔する光景を見るという事を。  
だけど確認しないといけないんだ、知らなければならない…真実を!  
知らないと全ては始まらないのは確かなのだから。  
「あぁ…」  
足音をたてないように気をつけて進むと、段々と声が近くなっていくのがわかる、  
そして気付く…この声は尋常のモノでは無い事に。  
どう説明すればいいのだろうか、それは苦しんでる声ともとれるが、違う…  
何故なら甘い響きが感じられたから、それを聞いてると本能的に何処か胸が熱くなってくるような感じさえしてた…  
何をされてるんだ真紅は?そうだ、俺は何となくに勘付いていたみたいだった、これは誰かにさせられて出す声だと。  
ならば何を?嫌な予感がする…そして心でまた警鐘が鳴り響いていた、  
そこから先に行くな!声の原因を突き止めるなと…  
だけど俺は無視し進んだ、やがて一番に声が聞こえてくる部屋の前に辿り着いた。  
他は暗いのに、そこの扉からは光が漏れている…夜目の利く吸血鬼の館で光を必要とするという事は、  
ここに真紅が居るという証拠になった、そういえば…薄っすらとだが扉は開いているな。  
鍵で閉ざされているわけでは無いみたいだ…つまりここから中が覗けるという事に!  
「ごくっ…」  
息を飲み込み俺はいけない事だと思いつつ、そのドアの隙間から中を覗き込む…  
そして見てしまったんだ…真実を…  
こんな小さな隙間から見える中の様子なんて、たかがしれてる筈なのに、  
まるでここからの視点を計算されたかのように、中に居る二人の位置はそこで何をしてるのかを  
ここからでも十分に見物できる場所に立っていた…そしてしてたんだ、その行為を…  
最初に俺が驚いたのは、二人が裸だったことだった…  
「っ!?」  
最初はそれが真紅だと気付けなかった、あまりにも記憶してる真紅の体つきと違っていたからだ。  
胸が前より遥かに大きくなってる…そしてなんだあのお腹の膨らみようは!?  
普通に食べすぎや運動不足で太った感じじゃない、明らかに目立ってお腹が膨らんでいる…  
まるで妊婦のように…!?妊婦…まさか…嘘だろ!  
だけど…俺の頭では今までの真紅の状況が、まるでパズルのピースのように次々とはまっていた  
そして真実に気付かされる…  
「妊娠……」  
その神聖でいて卑猥な単語を小さく口にしていた。  
数ヶ月に渡る真紅の状態は、人が妊娠した時の状態に酷似してる。  
つわりで苦しむ前半期、そして膨らむお腹を隠した後半期も…  
頭の中ではそんな馬鹿なと何度も何度も否定していた、しかし目の前の現実は無残にも  
俺に最悪の光景を見せ続けて、現実逃避する事を許さない…  
「あん…お兄ちゃん…もっと突いてぇ!!」  
「そんなにがつきやがって…中のガキに当たっても知らねぇからな」  
「だって…あっ!気持ち良過ぎて…あぁ!!」  
そしてとどめとばかりに耳に聞こえてくる、真紅の声…  
それも俺が今までに聞いた事のない淫らな声の響きと内容だった。  
近いというなら、あの増血した血を注ぎ込む時の感じにのようにも思えるが…  
だが今、この声を発してる原因は違う…真紅は正気で犯されてこの声を出しているのだから。  
「嘘だろ…なんで…」  
手に力が篭る、すると微かに開いてた扉が大きく開いていく!?  
どうやら無意識に押してたらしい、その為にその内へと転ぶように倒れながら入ってしまってた。  
 
バタンッ!  
 
「!?…雨水君…」  
 
そして床の感触が頬に伝わったとき、それは聞こえた…上の方から真紅の声が!?  
「覗きとはいい趣味してんな小僧」  
そしてもう一人…真紅を犯してる男の声、だがその顔を見て更なる驚愕の衝撃に襲われてしまったんだ。  
こいつは…真紅の兄じゃないか!  
この鋭い目つきは間違いない、だけど…つまり兄なのに妹を犯してたのか!?  
もしも見知らぬ男が相手なら、そのまま飛び掛っていたかもしれない、だけどその衝撃的な事実に、  
俺の頭は一気に混乱してた、おかげで悲しみも怒りも今はそんな感情が湧いてこない、  
だけど男の本能だけはきっちり働いていたみたいだったんだ。  
それに気付かされたのは…そいつの声だった。  
「ようやく遅すぎたヒーローのご登場かと思えば、くく…」  
含み笑いし、俺を見下ろす真紅の兄…その視線はある箇所に向けられていた。  
それに気付かず俺はそのまるで軽蔑でもしているような視線に、ようやく心の奥で怒りが湧き上がる…でも、  
「おいおい、何をそんなに怒ってるんだお前は?そんなに股間を膨らませてな」  
「!?」  
急速にその憤怒の感情は萎えていくのだった、逆に胸に宿るのは羞恥心、  
男が言う通りに俺の股間は盛り上がっていたんだ!  
そんな…こんな状況だというのに、俺は興奮してるのか?  
実の兄に犯されて悶える真紅の姿を見て…俺は…そんな気分になってたのかよ!  
「雨水くん…あっ!あぁ…」  
「傑作だな、この小僧…付き合ってた自分の彼女が別の男に犯されてるというのに、勃起してやがる」  
「くっ!これは…」  
言い返せない、これを晒された今、俺が何を言っても説得力のない言葉になってしまうのが分かってたから。  
ただ悔しさだけが心から湧き上がってた、俺は…何をしにここに来たんだよ!  
真実を知りたかった…真紅に今、何が起きてるのかを…  
好きな女の子の変調の原因をただ知りたくて…でも知ってしまったのは、  
最悪の事実…気付くのが遅すぎたという、自分の愚かさだったんだ。  
「あ!あぁ…雨水君…あぁ!!見ないで…見ちゃだめ…あぁ!」  
「嘘つけよ、見てほしいんだろが…ギュギュッて締めてきてるぞ」  
「あ…あぁぁ!!」  
容赦なく真紅の兄貴は妹である果林の胸を鷲掴みし、同時に耳たぶを噛みしめた…  
俺が見てるというのに…いやだからか?すると真紅は急に身を反らせ大きく反応したんだ。  
痛いのか?苦しいのか?…違う、これは…  
「あふぅ…あぁ…あはぁん…」  
か、感じてるのか?自分の兄にされてるこの乱暴な行為に!?  
「どうだ、果林…初恋の男に見られながら犯されて気分は?」  
「あ…あぁ!駄目…あっ、気持ちよ過ぎて…あぁぁ!!」  
そして淫らに恥じながらに、その感じてる感情を素直に口にしていく…  
「説明してやれよ…今の自分の状況を詳しくな」  
だらしなくも立ち上がれずに、下から見上げその淫らな光景を見ているしかできない俺を、  
自分の兄に身体を持ち上げられ交わってる真紅は、戸惑いと羞恥…そして申し訳なさを感じさせる眼差しで  
俺を見下ろし…そして静かに、それでいて淫らな声を発した。  
「雨水君…あ…あのね、入ってきてるの膣内に、お兄ちゃんの逞しいのが…一番奥にまで」  
眼は涙で潤ませながらに、そして表情は怪しく微笑みさせ、そのまま痴態を口にしていく…  
「突いてるの…壁を…子宮…赤ちゃんが入ってるとこを、壁越しに叩いてるよぉ…あぁ!」  
俺には、何となく真紅の今の気持ちが理解できたような気がする…  
別に俺の事が嫌いになったわけじゃないんだ…よな。  
 
俺には今の真紅が身動き取れずにいる、蜘蛛の巣に捕らえられた儚い蝶々のように見えてた。  
 
グチュッ!グチュゥウゥ!  
 
そして部屋に鳴り響く淫らな音は、蜘蛛の歩み来る音…  
「よ〜く、見ておけよ…こうして果林は俺の子を身篭ったんだからな」  
「あっ!あぁ…お兄ちゃん…あぁぁ〜〜〜〜〜!!!」  
 
ドクゥゥゥ!ドクドクゥゥゥ…  
 
そして捕食…無残に蜘蛛に食べられていく蝶々…  
真紅の身体はまた大きく身を反らし、そして今度は直後に痙攣までさせていた…  
そしてここからだとよく見える二人の繋がっている箇所が細かく波打つように振動させていた、  
その光景に卑しくも股間を熱くさせられながらに、俺はその繋がってる箇所の隙間から  
徐々に漏れ垂れ落ちる粘々した白濁液を見ていた…  
その正体はわかってる…精子だ、そしてそれが真紅の身体をあんな風に変えた事にも気付いてた。  
いつの間にか俺の頬には涙が零れていた、そして震える身体…真紅に怒っているわけじゃない、  
真紅を犯し孕ました外道の兄には怒りを再び抱いてたが…だが何よりも、  
何も気付けず、そして今もこうして見てるだけな自分自身が悔しくて…悲しかったんだ。  
そんな俺の情けない姿に視線が向けられる…見てるのは真紅だった。  
悲しそうな瞳で見つめ、弱々しく口が開いていく…  
「ごめんね、雨水君…もう私は変わっちゃったの…いやらしいエッチな女の子になっちゃた」  
俺の脳裏には、まるで撒き戻された記憶のテープが再生されていく…  
「こんな子…愛想尽きたよね?実のお兄ちゃんの子を身篭る女の子なんて、軽蔑してるよね嫌いだよね…」  
それは真紅との思い出だった…転校してきて出会った時からの蘇るあいつとの記憶…  
「それにあんな…雨水君が間近で見てるのに、あんなに感じちゃってた、最低よ私!」  
様々な騒動があって、いつしか…種族の壁まで越え付き合いだした俺達だったのに…  
「もう一度最後に言わせて…ごめんなさい、好き…だったから雨水君の事…」  
だけどいつしか、道が分かれていた…それも想定外の事で!  
それを知らしめるように口にする真紅の別れの言葉…  
 
「さようなら…雨水君」  
 
それを聞き、自分の無力さに気付かされた時…俺は胸が痛く身が裂かれそうになってた!  
もうこの場にいられなくなってたんだ情けないただの男である…俺は。  
「くっ!くそぉぉ!!」  
ようやく立ち上がり、まだ繋がったままの二人を背に…その場から出て行った。  
そして俺は走った…暗い屋敷内の廊下を!  
出口とか関係なく感情のままに、ただあの場所から離れたかったから…。  
信じられないあの光景を見た場所から…できるだけ遠くに行きたかった  
「知ったようね、雨水健太…」  
「!?」  
 
やがて聞き覚えのある声が聞こえ、俺は振り向く…そこには俺をここに導いた少女、  
真紅の妹…杏樹ちゃんが立っていた。  
 
「…凄い部屋だな」  
「私の自慢のコレクションよ、何…人形の事を聞きたいのかしら?」  
「いや…そっちの話じゃなくて」  
杏樹ちゃんの部屋に招かれた俺は、その彼女の使っているベッドに彼女と並び腰をかけた。  
どうして俺はここに着いてきてしまったのか?それはまるで磁石に吸い付けられるような鉄の感覚に近かった。  
ここへと付いて歩いてる時もただ誘われるままに、無意識に足が向かってた感じだった…  
「お姉ちゃんの話ね…見たわね、今のお姉ちゃんを」  
俺は言葉にしたくなく、首を縦に振った。  
「教えてあげる…全てね」  
怪しい微笑み…そしてその小さな口から聞かされた内容は、想像を絶する…しかし納得する代物だった。  
数刻後…全てを知り、ただ唖然とする俺…くそぉっ!やっぱり遅すぎたのかよ!!  
「快感てさ…」  
「ん?」  
「そんなに…人を変えちまうものなのか?」  
俺は今でも認めたくないのか、ずっと年下の彼女に恥じることなくそう聞いていた。  
返答は期待しない、でも聞かずにはいられない問いだったんだ。  
「そうね、ただの性行為ならあんなに心まで虜にされないと思うけど、あの兄さんだからね」  
「……」  
確かにあの真紅の兄は、そういうのに得意そうだが…  
「それにお姉ちゃん自体が純だったから、染まりやすかったのよきっと」  
「そういうものなのか?」  
とても信じられない話だった…だが実際に真紅はあんな風にまで堕ちてしまってた。  
「お兄ちゃんのは麻薬なのよきっとね…もしくは病気、しかも抗体の持たない人は一気に抵抗できずに犯されていくような代物」  
その例えは的を射ってる気がした、だが何にしろ…全ては遅いわけだが。  
「くっ…」  
「忘れさせてあげましょうか?今日の今までの分ならなんとか消せるわよ、多分ね」  
「え…」  
情けない自分への怒りに手を震えさす俺に、誘惑するかのように耳元に、その誘惑の言葉は怪しく囁かれた。  
「そして消した事をお姉ちゃんにも教えてあげる…そうしたらまた復学した時に普通に接する事ができるわ」  
そっと、俺の手の甲に冷たい手触りが乗る…それは彼女の白肌の小さな手だった。  
「もちろん…そこで待ってるのは偽りの付き合いだけども…」  
そして俺の顔下から迫ってくるように、自分の顔を近付けさせてくる…  
互いの瞳が間近にまで迫ってた…その迫力に思わず後ろに転びそうにさえなってしまう程に。  
だがその瞳が俺に決断を迫っていく…どうしたいと。  
 
確かに、今日知った事を忘れたなら楽になるだろう…でも…  
「それでも…俺は…」  
「後悔しないわね」  
俺の目から、悟ったのか…杏樹ちゃんは俺が答える前に分かってくれた。  
 
確かにもう、禁断の快楽に身を染めた真紅を元になんて戻せない、しかも子まで授かった今、  
俺が介入する隙など無いだろう、だけど…  
俺の気持ちはどうだ?若い身で身篭り、肉欲の虜になったあいつを嫌いになったのか?  
違う…俺はそれでもあいつが、真紅が好きなままだ!  
それは変わらない…あいつの心はどうだか知らないが。  
いや…それは聞いた筈だ、あいつもまだ俺が好きだと…いや過去形だから、  
心変わりしてるかもしれないが…それでも。  
「ああ」  
俺は決断した…本当に最後になるかもしれないけど、もう一度…告白すると!  
この心だけは打ち明けると…全ての事実を知った今だからこそ!  
そうこの茨だらけの道へと足を進めていく決断を、俺はしたんだ…  
 
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::  
 
「雨水君…もう居ないわよね」  
私は屋敷の外をウロウロしてました、もしかしたらまだ居るかもと思って。  
もう私にそんな資格は無いのに…口を押さえて自覚させます。  
あの後…あんな事があったというのに私は、しっかりお兄ちゃんの後始末までしてました。  
この口で、お兄ちゃんのおちんちんを綺麗にしてたの、  
だからまだ口の中にはお兄ちゃんの精子が残ってる…口周りにも付いてるかも。  
そんな事までして、それからようやく外に飛び出してた。  
だけどホッとしてるのも確か、だって…もし会っても何を話したらいいのか分からないし。  
そう思って家の中に入ろうとした時…  
「真紅…」  
「雨水君!?」  
それはとても信じられなかった…でもこの声と姿は確かに!?  
そして私は…あの人に再会したの。  
本当はついさっきに別れたばかりなのに…もう何年も会ってない気がしてました。  
でも、どうして居るの?あんな…酷い姿を見せたのに!  
だけど驚くのはまだ早かったの、それは唐突に聞かされました。  
「真紅…いや果林!俺は…お前が好きだ!」  
………え?  
一瞬時間が止まりました、そして流れる…一秒が一時間くらいに感じる長い時間の流れが。  
「雨水君?で…でも、私…」  
うろたえ悶える私…だけどすぐに汚れた自分が、彼に相応しくない女の子だって思い出します、でも…  
「果林がどう思って心変わりしてても関係ない…俺はそれでもお前が好きなんだ…愛してる」  
彼は言ってくれるの…とっても嬉しい言葉を、胸が暖かくなる優しい…そして愛しい言葉を。  
「でも、私…雨水君以外の男性の…お兄ちゃんの子を孕んでいるのよ!駄目よ…そんな…」  
「それでもかまわない…どんな身体になろうと、俺の果林への思いは揺るがないから」  
……これは夢?  
信じられなかった…彼の気持ちを裏切ったような行為をした私を許してくれて、  
そして愛してると言ってくれた…全てを受け入れるって。  
「雨水君…」  
彼の名を呼び、そして…頬に涙が流れてました。  
 
今度は悲しい涙じゃない、今度のは嬉しい涙…  
「ごめん…ごめんね…付き合ってる女の子がこんな子で…ごめんなさい!」  
「いいよ、俺もごめん…気づいてやらずに…だから、もう一度さ…やり直したいんだ」  
「うん…私も…やっぱりそれでも好きだから、雨水君の事…」  
いつしか私達は抱き合ってました、ただ純粋な感情のままに…そして  
 
お互いの唇が重なったの…  
 
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「ちっ…青臭い喜劇だな」  
その青春劇を続ける二人を眺める人影が二つ…一つは私、  
そしてもう一人は兄さんでした、舌打ちをし面白くなさそうな顔してるわ…  
あんな外道な事しても、私にはわかるもの…兄さんも真剣にお姉ちゃんの事が好きだって事は。  
「まぁいい…また時間をかけて堕としてやれば…」  
ただし、その表現はかなり歪んでいるけどね…だから私は今までは許してました、  
あんな事までしなければね。  
私の領域を犯したのだから…当然の報いを受けてもらうわ兄さん。  
 
「ふふ…時には青臭い演出も、素敵なのよ」  
「げっ!お袋!?いつの間に…」  
お兄ちゃんが声に驚き振り向くと、そこに立ってたのはママだったの。  
どうやらコウモリがタイミングよく伝えたようね。  
「はぁ〜い、ただいま…まさかこの子たら、私達に隠れてこんなトンでもない事をしていたなんてね」  
「いや、これはその…一族の血脈を純粋に残す為に…」  
かなり意表を突かれたみたい、兄さんらしくない誤魔化しをしてたもの。  
「はいはい、世迷言はあちらの方に言ってね」  
「っ!?」  
 
フシュゥゥゥゥゥ…  
 
そして青ざめたお兄ちゃんが振り向くと、そこには世にも恐ろしい怒れる表情をした魔神がそびえ立ってました。  
たぶん兄さんには山のように聳え立つ姿が見えてるのでしょうね。  
剥き出しになって盛り上がった筋肉の隆起からは、ほとばしる炎のような気さえ見えてる感じかしら、  
同じ吸血鬼同士なのに、激しい恐怖感をお兄ちゃんに与えていたの、パパは。  
 
ゴゴゴゴゴゴ・・・・・  
 
そしてその日…椎八場市に震度4〜5の地響きが鳴り響きましたとさ。  
この丘の地形も数分後には少し…いえ、かなり変わっちゃたしね。  
 
 
 
そしてそんな衝撃の一夜から、早くも一月…  
 
 
あの後にパパ達からなんとか死なない程度にキツイ制裁を与えられたお兄ちゃんは、  
頑丈に鎖をかけ縛られた棺桶の中で、小汚い倉庫内に現在は閉じ込められてます。  
パパの怒り具合から見て十年は外に出してもらえないと思うわ、  
まぁ当然ね…実の妹に手を出し孕ませたのだもの。  
そしてお姉ちゃんは…  
「ん…元気よく飲んでる…」  
「オギャーオギャー!!」  
それからしばらくして元気な赤ちゃんを産んだわ、その子がお姉ちゃんのような増血鬼か、それとも吸血鬼なのか  
それが分かるのは、もう少し先の事になると思うけど。  
『あはは、それによっては吸血鬼一族には重要な存在になるな、あの姉ちゃんも』  
「あら、もしも吸血鬼の子なら、孕み易いお姉ちゃんは一族に狙われるかもって事かしらブギー君?」  
『仕方ないだろ、絶滅寸前のレッドアニマルクラスの状況だしよ』  
まぁ、いずれそうなる可能性あるわね、でもそれはもう少し未来の事、今から心配してもしょうがないわ。  
「そう今は…」  
赤ちゃんを無事に出産したお姉ちゃんはその後、何もなかったように学生生活に戻りました。  
その間、お兄ちゃんの責任をとって、生まれた子の面倒を見てるのはパパ達だったの、  
久しぶりの子育てに頭を悩ませてる毎日みたいだけど、子供が新たに出来たみたいで  
少し嬉しそうにも見えました、私もたまに面倒を見てあげてるわよ。  
「なんかこの子…果林にそっくりな女の子ね」  
「だけど目つきの鋭さは煉似だがな」  
それって…お婆ちゃん似?と言いたかったけど、それを言うとママが機嫌悪くなると困るし  
あえて言わなかったの。  
『しかしなんだな、あんだけの事があったて言うのに…随分と早く元の鞘に戻ったよな』  
前どころか以前にも増して雨水健太へのラブっぷりを見せてくれるお姉ちゃんに、  
呆れたような口調で悪態づくブギー君。  
「そう、見えるかしら?」  
『なんだ、違うのかよ?』  
「ううん…確かに苦境を越えて二人の絆は深く結ばれたように見えるわ、でもね…」  
 
それはある夜の事…ようやくお姉ちゃんの赤ちゃんが寝静まった時にでした。  
「杏樹…今日もいい?」  
「お姉ちゃん…仕方ないわね、やらしいんだから」  
また今晩もお姉ちゃんは、私にアレを頼みにきたの…昨日もしてあげたのにね。  
「だって…疼いて仕方ないもん」  
「彼氏にしてもらったら?」  
「……」  
シュンと悲しい表情をするお姉ちゃん、実はあれから一度だけ…あの人と関係をもったそうよ。  
でもそれはやめといた方が良かったの、何故なら…自分の変貌をまた一つ解からされた事だから。  
「雨水君のは…その…」  
彼に悪いと思って中々口にできないみたいだけど、わかるわ…お兄ちゃんに調教されまくれてたから、  
やっぱり雨水健太ごときのでは満足できなかったのね。  
「わかった…してあげるわ、お姉ちゃん」  
だからその満たされない欲求不満は私が代わりに満たしてあげてたの…  
あれから更に増やしたこの怪しい道具達でね。  
『もしかして…この結末を狙ったのか、杏樹?』  
「さぁ?どうかしら…ふふ」  
そうお姉ちゃんは、兄さんのモノでも、ましてや雨水健太のモノじゃないわ。  
「可愛がってあげる…お姉ちゃん、一つになりましょ」  
「あん…杏樹…好き、愛してるから…あぁ!!」  
 
この私…真紅杏樹のモノなのよ、これからずっとね。  
 
【END】  
 

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