ある日の夜、珍しく早めに帰宅した真紅煉(21)は、イラついていた。
その日会いにいった相手にホテルに入る寸前で急用ができ、
仕方なくそこで相手と別れ、他に行く当てもないため自宅に帰ってきたのだった。
ドアを開け居間に入ると妹の杏樹がいた。
いつも着ているの黒いゴスロリ服を着、これまたいつも抱えている、ブギーくんと呼ばれている
包丁を持った気味の悪い人形を抱え本を読んでいる。
「親父達と果林は?」と聞くと
「ママとパパは吸血に出かけたわ。お姉ちゃんは学校の行事で出かけて帰ってくるのは明日だって」
と無表情のまま答えた。
俺はジッとソファーに座っている杏樹を見つめた。
もともと今日出かけたのは吸血のためではなく、性欲を発散させるためだった。
家に帰ってきたのは、今日の相手以外の女に会おうとしても都合が合わなかったから
果林あたりで発散させようと思ったからだ。
(………杏樹を喰うのは育ってからにしようと思ったが、
誰か抱かないとどうにもおさまらないしな。仕方ない…か。)
考えこんでいると自分が見つめられているのに気づいたのか杏樹が話し掛けてきた。
「煉兄さん、どうかしたの。」
「いや・・ちょっと…な!。」
杏樹の質問に答えながら近づき、後頭部を手でおさえ深く口付けた。
「んっ!!……んん…ん……んぐぅ…ん………んんぅ…………んうっ!!」
杏樹の体が硬直しくたりと脱力したところで、俺はそのままソファーに杏樹を押し倒した。