放課後の生徒会室。夕闇が迫る中、ぼんやりと外を見やる。夕焼けが世界を赤く染める。
文化祭も終わり、遅くまで残る生徒もいない。
そして、僕の股間に目を移すと、そこには夕焼けに赤く頬を染める美しい少女がいる。
顔をうずめ、一心不乱に陰茎をしゃぶる少女、文化祭のヒロイン、宮沢雪野は自分の快楽に正直だ。
優等生を装っていたのも、文化祭で舞台に上がったのも、すべては自分の快楽につながるからだ。
宮沢との久しぶりの性行為。
夏休みの間は、至るところでむさぼりあった。
二学期が始まり、宮沢は新たな快楽を見つけた。
それが演劇だった。
そして、宮沢は今回も自分の求める快楽を手にした。
その間、僕はひたすら宮沢に嫉妬していた。
十波のこともあるが、自分が手の届かない宮沢の部分ができることがたまらなかった。
自分が置き去りにされる恐怖。それは僕が幼いころから常に抱えていたものだ。
そして、今も宮沢は自分の快楽のために僕のペニスをしゃぶる。
そうして僕の快感を高めることで、僕が宮沢に快楽をもたらすというギブアンドテイクの関係が成り立っていることを彼女は知っている。
動物も人間も子供が愛らしいのは、そうあることで保護欲を刺激し、自分の身を保全するためだ。
宮沢は不必要なほど、丹念に僕のペニスをねぶる。
舌の表面のざらつきを亀頭にゆるゆるとこすりつけるかと思うと、鈴口を先端で刺激する。
そうかと思うと一気に呑み込み、激しい音をたてて吸いたてる。
そして、そのままで僕の目を見つめる。特別淫猥な目つきをしてだ。
「有馬のおちんちん、汗くさくておいしい。剣道したあとの蒸れた有馬のおちんちんが最高!」
動物の子供と同じだ。
こうすることで、僕の性欲を刺激して、自分の快楽を満たすのだ。
宮沢は賢い女だ。
生きる術を心得ている。
この賢さは愛するに値する。
僕のような愚直な人間には、宮沢のような存在が必要だ。
宮沢を取り込むために僕は宮沢を愛する。
そして、体を求める
宮沢の唾液で僕のペニスはおろか下着もしとどに濡れている。
「有馬ぁ。どうしたの? 疲れてる?」
ペニスを吐き出して尋ねる美少女。
しかし、その手のひらは、なおも僕のペニスをしごきたてる。
「ねえ、お願いしたいことがあるんだけど」
僕の瞳を上目遣いでのぞきこみ、一瞬目を伏せていう。
「…私のあそこもなめてくれないかなあ」
ゆっくりと身を起こし、ショーツを脱ぎ捨てて、今度は床にはいつくばり、尻を僕に向ける。
それは僕にとって初めて見る宮沢の痴態だった。
これまで、僕が何度宮沢に要求しても受け付けなかった行為。
僕が宮沢にそれ要求したのには理由があった。
僕にとって、女性の股間をなめるという行為は、その女性が僕を受け入れるという意味だったから。
僕の母は、僕に恒常的な暴力を加えると同時に、性的な奉仕も求めた。
父との性関係は僕らの親子仲と同じで、それほど良好ではなかったのだろう。
母は幼い僕に股間をなめることを強要した。
父が外に出かけた昼下がり、僕は母の性的なペットとなった。
僕に股間のなめ方を教え、快感をむさぼる母。
セクシャルな意味は何一つ理解できなかったが、
この行為が特別の意味を持っていることだけはわかった。
なぜなら、母は僕が奉仕している間だけは優しくしてくれたからだ。
股間に顔をうずめて教えられた通りに舌をはわせるだけで、母は僕の頭を撫でてくれ、せつなそうな声で僕の名前を呼ぶのだ。
宮沢が初めて僕の視線に股間をさらす。
遠目にも激しく濡れているのが分かる。
黒いストッキングから伸びる白い太股、濃く繁る陰毛、そこからのぞく充血した陰部。
男を誘惑するには十分すぎるほど魅力的な宮沢の体。
引き寄せられるように宮沢の股間に顔を近づける。
母と同じ濃厚な女の匂いがした。僕を捨てた母と同じ女の匂いが…。
そして、僕は自分の本能にプログラムされたように、宮沢の股間をなめた。
母に教えられた母の好むポイントを丁寧にトレースしていく。
「ああっ、有馬あっ、気持ちいいようっ! 有馬の舌、気持ちいい!」
宮沢は股間をさらに僕の顔にすりつける。股間からあふれる愛液で僕の顔一面が濡れる。
僕は宮沢を愛している。愛しているから受け入れてほしい。そして、僕は宮沢の股間に精一杯の快感を送り込む。
そして僕の頭を両の手で股間におしつけ、髪をやさしく、時々荒々しく撫でる宮沢。
性的なものとは別の快感がひろがる。
母親に撫でてもらったのと同じ快感。
しかし、母は僕を捨てたのだ。宮沢も僕を捨てる?
漠然とした恐怖感。
そうだ。
その時、僕は気づいた。
宮沢を自分だけの物にする方法を。