「なんで私があんた達と顔つき合わせて、酒なんか飲まなきゃなんないのよ!」
「ほ〜らほら、イライラしてるとお肌が荒れちゃうよ〜。『女優は顔が命』でしょ?」
「余計なお世話よっ!」
「わ、私もお酒はあまり・・・。」
「いいじゃないさ、しろがね。たまには酒飲んで羽目を外すのもさ。日本語で、えーと
・・・無礼講ってやつ?」
お座敷トラックの中、エレオノール、ミンシア、ヴィルマの3人が向かい合っていた。
何故、この3人の女が顔を揃えているのかというと、こういう経緯だった。
フランシーヌ人形を倒すために、鳴海はたったひとりで戦いに行ってしまった。
ミンシアはサハラで受けた傷の為に動くこともままならず、療養を余儀なくされた。
自分も戦わねばと意気込む彼女は、傷が癒えるとすぐに鳴海の後を追い、日本に来た。
ところがなんと、その鳴海はフランシーヌ人形と共に小さなサーカスで暮らしていた。
「鳴海(ミンハイ)! どうしてフランシーヌ人形なんかと一緒にいるのよ!
こいつはみんなの仇なのよ!」
「私はフランシーヌ人形でも自動人形でもないわ! それに仇なんて言われるような
悪いことなんかしていない!」
突然訪ねて来た中国人美女が、鳴海を挟んでエレオノールと揉めているのを
事情の分からぬ団員達は遠巻きに見ていることしかできない。
「何言ってるのよ! 私のお父さんはあんたのせいで・・・。」
「ちょっとお待ちよ、あんた。」
火花を散らす2人の間に割って入ったのはヴィルマだった。
ヴィルマはエレオノールを庇うように、ミンシアの前に立ち塞がった。
「何よ、あんた誰? フランシーヌ人形の味方をするつもりなの?」
ミンシアは挑みかかるような目で、キッと睨みつける。
「人に尋ねる前にまず自分が名乗るのが礼儀ってもんだろう? お嬢ちゃん。」
「・・・私はミンシア。香港で女優をしてるわ。父は武術家でミンハイはその弟子よ。」
「そうかい、私はヴィルマ。ナイフ使いの芸人さ。フランシーヌ人形がどうとかって、
何のことだか全然分かんないけどね。この娘はあんたの言うような悪い奴じゃないよ。
妙な言い掛かりをつける気なら、私が代わりにお相手しようじゃないか。」
「望むところよ。そっちがナイフ使いなら、こっちは拳法使いよ。
フランシーヌ人形の味方をする奴は誰だって容赦はしないわ。」
「お、おい、よせよ、姐さん。」
「ヴィルマ、そんな・・・。私のことで迷惑は・・・。」
「OK。じゃあ邪魔の入らない所へ行くよ。しろがね、あんたもおいで。」
慌てる鳴海とエレオノールの言葉を遮り、ヴィルマはトラックの方を指し示した。
「悪いけど今夜は貸切にさせてもらうよ。女同士、大事な話があるんでね。」
通り際に、団員達にそう告げて、ヴィルマは2人を連れトラックの中に入っていった。
「おいおい、ヴィルマの奴、あの2人を連れてっちまって、どうするつもりだ?」
「何だか分かんねーけど、ヴィルマのことだから上手くやるだろ? それにしても・・・
おっかなそうだけど、いい女だなぁ。なんで加藤のヤローばっかり、あんな美人が・・・。」
「あのぅ、私達、今日どこで寝たらいいんでショウ?」
「この中でやろうってわけ? さあ、いいわよ。勝負をつけようじゃない。」
ミンシアは身構えたが、それに構わず買い置きのビールやウイスキーを並べて
ヴィルマは畳の上に座り込んだ。
「ちょっと! どういうつもりよ!」
「あ〜ら、私は決闘するなんて一言も言ってないよ。相手をしてやるって言っただけ。
どうやらあんたたち、それぞれ深ぁーい事情があるみたいだからねぇ。
酒でも酌み交わしながら、じっくり話を聞いてやるって言ってんのよ。」
「ふざけないでよっ!!」
「それとも世間知らずのお嬢ちゃんには、お酒はまだ早かったかしらねぇ?」
「バッ・・・バカにしないでよね。これっぽっちの酒なんてなんともないわよ。
こうなりゃ飲み比べでも何でもかまわないわ。決着をつけようじゃない。」
「そうこなくっちゃ。」
ヴィルマはにんまりと笑った。
「にゃははははは。そんれねー、ミンハイの奴ったらねー、もうバカれ・・・。」
ミンシアはすっかり出来あがっていた。
ヴィルマの思惑に乗せられ、挑発されるままに飲まされてしまったからだ。
エレオノールはといえば、ほんの2,3杯のビールでダウンし、畳の上に横になって
すやすやと平和な寝息を立てている。
「ふんふん、それで?」
2人には飲ませるだけ飲ませておきながら、ヴィルマ自身はほとんど素面のままだった。
いつの間にか、抜け目なくミンシアの横に移動し、その肩に腕を回していた。
最初の警戒心は何処へやら、ミンシアはふらふらと体を揺らし、
隣のヴィルマにしなだれかかっていく。
その体を支えながら、ヴィルマは妖しく目を光らせた。
「それにしても本当に綺麗な肌してるねぇ。肌理が細かくって、すべすべして・・・。
やっぱり東洋人の肌は最高だね。」
綺麗にマニキュアを塗った指で、無遠慮に頬に触る。
「あったりまえれしょぉ〜。私、じょゆーよ、じ・ょ・ゆ・う。毎日ちゃーんと
手入れしてるんらからね〜。」
ミンシアは呂律の回らない舌で得意気に言う。
「それに髪もつやつやしてて・・・。しろがねの銀髪も気に入ってるけどね、
昔っから黒い髪が一番好きなのよね。自分でも染めちゃったくらいでさ。」
ヴィルマは髪に鼻先を近付け、香りを嗅いだ。
「ふふ、い〜い匂い。良いシャンプー使ってるのねぇ。」
ミンシアは嫌がりもせず、とろんとした目でされるがままになっている。
ヴィルマは益々調子に乗り、吐息を吹きかけながら耳元でそっと囁いた。
「私ねぇ、あんたみたいに気の強い娘だ〜い好きなんだぁ。ね〜え、子猫ちゃん。」
「ん〜〜〜、やぁん、くすぐった〜い。」
顎の下を撫でられて、ミンシアはクスクスと笑いながら首をすくめた。
「ふふふ・・・。ねぇ、もっといい事しない?」
「ふにゃぁ? いいことぉ〜?」
「そ、いい事。」
ヴィルマは妖艶に笑うと、ミンシアの体を引き寄せた。
そして顎を上向かせ、その唇に自分の唇を重ね合わせた。
「むぅ・・・。」
突然、唇を塞がれて、ミンシアは息苦しげにもがいた。
ヴィルマはミンシアの唇をこじ開け、歯列を割り、舌を侵入させる。
ミンシアの舌を絡め取り、ねっとりと吸い上げる。
最初は体を強張らせていたミンシアも、巧みな舌の動きに次第に蕩かされていく。
「ふぅ・・・、ぅうん・・・。」
ヴィルマの舌の動きに答え、自分も舌を動かし始める。
ヴィルマはミンシアの唇を味わい尽くしてから、ようやく解放してやった。
ミンシアは「ぷはぁー」と大きな息を吐く。
酔いの為だけではない火照りで、顔が朱色に染まっている。
「なんか、熱い・・・。」
ヴィルマは満足気な笑みを浮かべる。
「キスの仕方も知らないんだ、あんた。まだヴァージンなんだね。ふふ、可愛い。」
そう言って、真紅のルージュがひかれた唇をぺろりと舐めた。
「それじゃあ、ミンシアちゃん。お洋服脱ぎましょうね〜。」
「おようふく〜? ぬぐの〜? ろぉ〜して?」
「だって体が熱いんでしょ? 脱いだら気持ち良くなるからね。ほら、脱いで脱いで。」
「ふぁ〜〜〜い。」
ミンシアは子供のように元気な返事をして、プチプチとボタンを外し始める。
が、指先がもつれて上手く外すことができない。
「あ〜ん、もぉ〜、外れないよぉ〜。」
「はーいはい。私が取ってあげる。」
ヴィルマは楽しげに、ミンシアの服を脱がせていく。
シャツを剥ぎ、ジーンズを下ろし、下着だけの姿にする。
ブラもショーツも、色気より動きやすさを重視したものだった。
そういうところはエレオノールと同じだ。
豊かに張り出した胸は寄せて上げる必要などなく、均整のとれた細身の肉体は
ランジェリーで飾らずとも、十分にセクシーである。
それもエレオノールと同じだった。
もっとも、軟体芸人であるエレオノールの身体は、肉体の重みが無いかのように
筋肉や関節の存在をあまり感じさせない。
対して、武術で鍛えられたミンシアの身体は、幾分硬質な感じがした。
同じ猫科でも、エレオノールはしなやかなシャムネコで
ミンシアは溌剌とした野生のチーターといったところだ。
「思った通り、綺麗な体ねぇ。胸もこんなに大きくて、ほら・・・。」
ヴィルマは形を確かめるように、ブラの上からミンシアの乳房に触れた。
最初は指で軽く、次第に手のひら全体でやんわりと揉み始める。
ミンシアは胸元をまさぐる手を、不思議そうに見つめている。
「ねえ、ミンシア。ラブシーンやったことある?」
やわやわと乳房を揉みほぐしながら、ヴィルマは尋ねた。
「んーとねぇ。私ってアクション派らからねー、そーゆーのぜ〜んぜんなのぉ。」
「う〜ん、確かに色気が足りないもんね、あんた。」
「れもねぇ、いつかぜ〜たい素敵な恋愛映画のヒロインやってやるもんね〜。」
「だったら、その時の為にもちゃんとラブシーンが出来るようにしとかなくっちゃ。
いい? 教えてあげるからね。私の言う通りにするんだよ。」
「うん、わかった。」
ミンシアは素直にうなずいた。
「まずはね、ブラジャー脱いでごらん。」
ミンシアはストレッチ素材のブラに手をかけ、一気に頭から引き抜こうとした。
「だぁめだめ! もっとねえ、こう色っぽく・・・。」
「・・・こう?」
「ゆっくりと手をかけてね、背中を向けて・・・肩から静かに下ろしていくの、そう。
目線はこっちへ・・・、胸は少し隠すようにして、谷間を強調するように・・・。」
ミンシアは唇を塞がれたまま、身を捩らせた。ミンシアは言われた通りに、一生懸命しなを作る。
「次はショーツ。足を上げて、太ももを見せつけるように・・・、焦らしながら・・・
ほらほら、ポイって捨てちゃダメでしょ。そっと床に落とさなきゃ。」
指示されるまま下着を脱ぎ、ミンシアは一糸纏わぬ姿になった。
薄明かりの中、豊かな白い胸も、両足の間の黒い茂みも露わになる。
だが酔いで羞恥心が麻痺したミンシアは、それを隠そうとはしなかった。
「それから〜? なにするの〜?」
「今度はね、キスの仕方。ほら、口を開けて。」
ヴィルマはミンシアの腰を抱き寄せ、口づけた。
生暖かい舌が侵入し、口内を探りまわる。
ぴちゃぴちゃと唾液の混ざり合う生々しい音が響く。
「ふぅ・・・、ん・・・、ん・・・。」
ミンシアは懸命に舌を動かした。
「もっと舌を使って・・・そうそう、だいぶ上手くなってきたよ、ミンシア。」
柔らかな舌を吸いながら、ヴィルマはミンシアの乳房に手を伸ばす。
「んっ!!」
長く尖った爪で胸の先端を摘まれ、ミンシアはビクンと体を揺らした。
ヴィルマは羽根で触れるように優しく、さわさわと敏感な突起を撫で擦る。
「・・・やぁ・・・ん、あぁ・・・。」
男の無骨な手とは違う繊細な指の動きに、ミンシアはたまらず喘いだ。
ヴィルマは唇を離し、今度は耳朶を甘く噛み始める。
ミンシアはもう座っていられず、ヴィルマの体に縋りついた。
「ふふ、気持ちいい?」
「うん・・・、きもちいい・・・。」
「そう、もっともっと気持ちよくしてあげるからね、」
「・・・どうかしたの? ヴィルマ。」
突然の声に、ヴィルマは後ろを振り向いた。
エレオノールが上半身を起こし、きょとんとした顔でこちらを見ている。
「あ、あらぁ〜、しろがね。お目覚め?」
「2人ともまだ起きてたんですか・・・?」
まだ酔いが抜けきっていない寝ぼけまなこで、エレオノールは尋ねた。
「そう、私達すっかり意気投合しちゃってさ。ずぅーっと映画のお話してたの。
それで演技について、お勉強してたとこなのよぉ。」
「そう、お勉強してたの。大変ですね。頑張って・・・。」
それだけ言って、エレオノールはコトンと横になった。
そして、すぐにまた寝息を立て始めた。
「あらら、この様子じゃ何も分かってないみたいねぇ。今、正気に戻られたら
さすがにやばいわ。」
生真面目なエレオノールにばれたら、せっかくの楽しみが邪魔されてしまう。
ヴィルマはエレオノールが今度はしっかり寝入ったのを確かめた。
「お・待・た・せ。さあ続きを始めるわよ、ミンシアちゃん。」
嫣然と笑いながら、放心したように座っていたミンシアに向き直る。
ヴィルマは人差し指を、つぅーと首筋にたどらせた。
「きゃんっ!」
ミンシアの体がビクンと跳ねる。
「うふ、感じやすいんだ。じゃあ、これはどう?」
髪をかき上げ、首筋を下から上まで、ねっとりと舐め上げた。
耳たぶを唇に含み、歯で軽く噛んでやる。
「やぁ・・・、あぁん・・・。」
ミンシアはぞくぞくと体を震わせた。
「いい感じよ、その声。色っぽいわぁ。」
首筋に舌を這わせている間も、手は休み無く動き続ける。
ふくよかな乳房を揉みしだき、つんと尖った乳首を擦る。
「う・・・あ、・・・やっ、あん・・・。」
ミンシアは体を弓なりに仰け反らせる。
ヴィルマはその背中を支えながら、畳の上に寝かせてやった。
「ねえ、ここは? 感じる? こっちは?」
「あふぅ・・・ん、あっ・・・いい、そこ・・・。」
ミンシアの滑らかな肌の上を、ヴィルマの手が這い回る。
細く締まった脇腹を擦り、白い腹部を撫でる。
女同士ゆえに分かる感じる場所を、ヴィルマは指先で的確に探り当て
ひとつひとつ念入りに引き出していった。
湧き上がる快楽に、ミンシアは我を忘れて喘いだ。
「ふふ・・・、ここはどうかな?」
ヴィルマは太ももの付け根に指を忍び込ませた。
そこはすでに、しっとりと潤っていた。
ヴィルマはそっと尖った花芽を撫でてやる。
「やっ、あんっ!」
「ほら、もうこんなに濡れちゃってる。分かる? 体が気持ちいいって言ってるの。」
花弁の中に指を埋め、くちゅくちゅと蠢かせる。
「あっ、あっ、いやっ、あっ・・・。」
ヴィルマは指を引き抜いた。
愛液でとろりと濡れた指を、目の前で見せつける。
「ほぉら、こんなになってるよ。自分で触って確かめてごらん。」
ヴィルマはミンシアの手に自分の手を重ね、導いてやる。
たっぷりと潤った襞は、するりと指を飲み込んだ。
「どう? 自分の大事なところは。」
「・・・とろとろして、・・・すっごく・・・熱い。」
ヴィルマに重ねられた手の指が花芽を擦る。
「く・・・、ふん・・・。」
「こうすると・・・、ね、どんな感じ?」
「ん・・・、なんだか・・・体が・・・じんじんして、あっ・・・、くぅ・・・ん。」
ヴィルマに押し付けられた指を、ミンシアは夢中で動かした。
溢れ出した蜜が、ちゅくちゅくと淫らな音を立てる。
「あっ・・・、はぁ・・・はぁ・・・ぁん・・・。」
身悶えるミンシアに、ヴィルマはそっと囁く。
「いい子ね。ちゃんと言うこと聞いたから、ご褒美をあげる。」
ヴィルマは押さえていた手を離してやった。
ミンシアは息を弾ませ、力無く手足を投げ出している。
その足元に移動し、両膝に手をかけ押し広げた。
「ふふ、ぱっくりと開いちゃって可愛い。それにとっても綺麗な色してるわよ。」
「・・・きゃあぁっ!」
花弁をねっとりと舐められ、ミンシアの体が跳ねた。
ヴィルマは揺れる体を押さえつけ、舌で丹念に愛撫をする。
肉の襞をやわやわと解きほぐし、充血した芽をつんつんと舌先でつつく。
「んっ! はっ、はぁ! あっ、あっ、きもち・・・いいっ・・・、もっと・・・。」
「そう、いいわよ。素直に、感じるままに声を出しなさい。」
ヴィルマは止めどなく蜜を溢れさせる花弁に、さらに深く舌を差し入れた。
ミンシアは髪を振り乱し、嬌声を上げる。
汗で濡れた頬に髪が張り付き、しどけなく開かれた唇から唾液が漏れる。
「はぁ・・・、い、いいっ! あっ、あんっ! あんっ! ああぁぁぁ!!」
ヴィルマの絶妙な舌技に狂わされ、ミンシアは全身を震わせ絶頂に達した。
「・・・くしゅんっ!!」
自分のくしゃみの音で目を覚まし、ミンシアは身を起こした。
「・・・なんで私、素っ裸で寝てんの・・・?」
ミンシアは素肌の上に掛けられていた上着を見つめ、しばらくボーっと座っていた。
が、徐々に頭が冴えてくるに従い、昨夜の嬌態の記憶が蘇って来た。
「・・・あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
「あ〜ら、おっはよ〜、ミンシアちゃん。早起きねえ。」
背後からヴィルマがしれっとした顔で、声をかける。
「あ、あ、あんたぁぁぁ!! よくもよくもよくも―――――!!」
ミンシアは怒りに震えながらも手早く服を着込んだ。
「やぁねぇ、朝っぱらから御機嫌斜め? 夕べはあんなに可愛かったのに。」
ヴィルマはくすくすと笑う。
「な、な、何言ってんのよ! 人が酔っ払ってるとこにつけ込んでぇ!」
「何事も女優としての経験よ、経験。お陰でかなり艶っぽくなったんじゃな〜い?」
「ふ、ふざけんじゃないわよ!!」
「おはようございます。」
そこへ、エレオノールが目を覚まし、起き上がってきた。
「昨夜はずいぶん遅くまで起きてたんですね。練習ははかどりました?」
「ええもう、ばっ〜ちり。この娘ったら本当に練習熱心でねえ。将来が楽しみだわ。」
ミンシアは言い返そうとしたが、下手に騒げばヴィルマにまんまと弄ばれたことが
エレオノールにばれてしまう。
「二人とも仲良くなってくれてよかった。ナルミも安心するわね。」
「そう、私達もうすっかりお友達なのぉ。ねえ、ミンシアちゃ〜ん。」
「くぅ〜〜〜〜〜。」
「い、いつか絶対リベンジしてやる―――――!!」
ミンシアは心の中で空しく叫んだ。