からくりサーカス  

リーゼロッテは困っていた。  
少しだけ、困っていた。  

自分の布団と枕を占領して、ヴィルマが熟睡していたからである。  
しかもリーゼロッテの分だけではなく、彼女自身の毛布と布団もほぼ占領し、  
二人分のスペースを一人でぐちゃぐちゃにしていた。  

座り込んで覗いてみると、酒の匂いがぷんと鼻をつく。  
なにやらむにゃむにゃと英語で寝言を呟いては寝返りを打ち、  
突然怪しい仕草をしてへらへらと笑ったりするので、  
リーゼは起こそうとして出した手を何度も引っ込める羽目になっていた。  
「……」  
リーゼは途方にくれてきょろきょろとトラック内を見回した。  
彼女が密かに想いを寄せる才賀勝は今、ここにいない。  
彼を探すため、しろがねもずっとサーカスを空けていた。  
唯一トラック内に残るリョーコは、ずっと端の方で健康的な寝息を立てている。  
彼女は一旦寝るとちょっとやそっとでは起きないタイプだし、  
三歳も年下の女の子をわざわざ起こしてまで手伝ってもらうのも、なんだか悪い。  
リーゼは小さく溜息をついて、もう一度そろそろと手を伸ばしてヴィルマの肩を揺すろうとした。  

突然ヴィルマが大きく寝返りを打った。  

「!」  

ばっとパジャマの袖を引いて、高鳴る心臓を押える。  
布団の端から豊かな乳房がこぼれて、ぎりぎり見えるか見えないかというところで下着が申し訳程度に  
引っかかっているのが著しく目を引いた。  
耳まで真っ赤になっているのが分かったが、視線がどうしても逸らせなかった。  
(うああ、ど、どうシヨウッ)  
冬だというのに下着同然の姿で寝ているヴィルマの姿は、まだ少女のリーゼには刺激が強すぎる。  
顔を両手で覆ってどぎまぎしながらも、視線は指の間を縫って無意識に胸のあたりを彷徨ってしまう。  
しろがねと同様、ヴィルマも締まるところは締まっていて、出るところは出て、  
惚れ惚れするほどスタイルがいい。  
ただ、しろがねがやわらかで優しい白さを秘めているのに対して、目の前のヴィルマの身体からは  
熱と張りを持った「大人の女性」の自信が溢れ出ているように感じた。  
どちらにしても、発達途中のリーゼロッテが持っていないものだった。  

(お二人とモ、本当に素敵…。)  

銭湯で見た二人の身体を思い出して、リーゼはほうと息をつく。  
では、自分はどうだろう。  
ヴィルマの身体から目を離さないまま、彼女はおそるおそる自分の心臓の周辺を軽く撫で回してみた。  

落ち込んだ。  

知ってはいたが、あまりの差にちょっとショックだ。  
小さい。  
むしろ、ない。  
多少脂肪が厚い部分が胸の辺りにふたつある、そんな感じしかしない。  
目の前にちらつくはちきれそうなボリュームと同じ名称のものだなんて思えない。  
扁平だ。  
まっさらだ。  
日本では"センタクイタ"(彼女にはよく意味が分からなかったが)などとも言うらしい。  
次々と連想が働いて、彼女はずーん、と肩を落とした。  

「…ウウ…」  

いや、まだ成長するかもしれない。  
これからだと、前にヴィルマさんも言ってくれたではないか。  
気を取り直して、リーゼは首を振った。  
ともかくヴィルマを起こさなければ明日を迎えられない。  
眠れない。  
当面の問題に集中して、意を決してヴィルマの肩を掴み、ゆさゆさと動かす。  
「ヴィ…ヴィルマさん、アノ、起きてくだサイ。ヴィル―」  
「ん〜〜?あぁらリーゼちゅわんじゃな〜い、今日もかーわいいわねえ…むにゃ」  
どさくさに紛れて変なことを言われ、どうにも恥ずかしい。  
しかしこのまま眠られては困る。  
リーゼは酒の匂いに思わず目を瞑りながらも、もう一度健気に肩を揺すった。  
「ヴィルマさん、お願いデス…」  
「なーにさぁ…ん、」  

もぞもぞと腕を毛布から出して、ヴィルマが薄目を開けた。  
その身体の上で、リーゼがほっと息をつく。  
リーゼロッテの影で薄暗い真上をぼんやりと見つめて、ヴィルマは二三度瞬きをした。  
「ア、ヴィルマさん。良かっタ。あの、お布団なんですケド…」  
「うふふふふふ」  
「あ…あの」  
「ん〜〜〜〜。なぁにぃ?」  
「え?え、ええと、おふと…」  
「んっふっふっふっふ〜〜、リーゼちゃぁん、ほんっとうにアナタ可愛らしいわぁ。ねえ?」  
「イエあの、そういうことでは…キャァ!?」  
突然両腕が伸びて、パジャマ姿のまま布団の中に引き込まれた。  
「あああっ!ヴィ、ヴィルマさーん!起きてくだサーイ!」  
混乱してきゃぁきゃぁと暴れるリーゼロッテを強い力で抱き込み、  
ヴィルマはいつの間にか鮮やかに彼女を押し倒している。  
「やだリーゼったら、あたしゃバッチリ起きてるじゃないさ〜。」  
鼻と鼻とがかち合うくらい近い距離で言うヴィルマの口から酒の匂いが漂ってくる。  
リーゼの背筋が寒くなった。  
お、襲われる。  
「起きてません〜寝惚けてマス〜〜!ヴィルマさ…ひゃン!」  
突然淡いピンクのパジャマをたくし上げられて、冷たい手の感触に思わず声が上がる。  
きめ細かい肌を、長い爪がつうっと辿るくすぐったさにリーゼは身をよじった。  

満足そうに笑い声を立てて、ヴィルマは更にパジャマを胸が見えるくらいまで引き上げた。  
「キレーな肌してるわねえ。んん、もう食べちゃいたいわぁ…」  
はっと我に返って、リーゼは今度は本気で身をよじる。  
今のヴィルマにどうやら説得は通じない。  
「ヴィルマさ…やめっ、」  
「だーめ」  
気付くとパジャマの上着はボタンがすべて綺麗に外されており、彼女の控えめな上半身が  
まるごとヴィルマの視線に晒されていた。  
「キャー!!キャー!キャー!!!」  
「も〜、静かにしなさいよぉ」  
暴れるリーゼロッテの額を右手でぐっと押さえ込み、ヴィルマはまだ口紅を拭き取っていない  
真っ赤な唇を押し付けて少女の叫びを封じ込めた。  
「ん〜〜!?ん!ん、ん、ん〜〜っ!」  
爆発でもしそうなくらい顔に血をのぼらせてリーゼが顔を動かすが、ちょっとやそっとで  
ヴィルマの頭はどきそうにない。  
それでも懸命に逃れようともがいたが、酒の匂いが頭に回って、彼女にも  
どうしていいのかだんだん分からなくなってくる。  
喉から出す声がすべて口元で封じられ、酸欠で苦しい。  
ヴィルマはそんなリーゼにはお構い無しに、くちづけを続けながらすべすべした肌に手を這わせていた。  

「〜〜っ、っ、んぁ!ぷはっ!や…ふぅ!」  
解放されたと思った瞬間また口をふさがれ、なす術もなく下のパジャマまでもが脱がされにかかる。  
(アア!だ、ダメ!!)  
抵抗しようとはしたのだが、もう体力をほとんど使い切ってしまっている。  
頭がだんだんぼんやりとしてきて、今どこにいるのかも朦朧として分からなくなりかけている。  
そうこうしている間に、あっさりとパジャマのズボンは抜き取られてしまった。  
手際のよさに感心する暇もなく、突然何かぬめった熱いものが口内に侵入してくる。  
「…っ!」  
ヴィルマの舌は、どう対処していいか考えることすら不可能なほど混乱しているリーゼをよそに、  
小さな口の中を容赦なく犯していった。  
リーゼが酸欠になる手前で口を離し、彼女が息を継ぐ直後にまたむしゃぶりつく。  
そうこうするうちにリーゼの身体からは力が抜け、僅かにぴく、ぴく、と  
反応することしか出来なくなっていった。  

小さな赤い唇からすべてのエネルギーを吸い尽くそうとでもするかのように、  
ヴィルマは長い長い時間、彼女の口内を蹂躙し続けていた。  
合わさった唇からは受け止めきれずに溢れ出した唾液が溢れ出し、リーゼの喉元まで伝い落ちている。  
リーゼは、何も分からなくなりかけていたが、それでもほんのかすかな抵抗を見せており、  
時折思い出したように肩をよじってはヴィルマに押さえつけられていた。  

「んっ…ふ…」  
水音がして、ヴィルマの唇がゆっくりと離れた。  
口の周りを濡らす唾液が透明な糸を引き、すぐにぷつりと切れる。  
酸欠と体力の急激な消耗で完全にぐったりした頃合を見計らったらしく、  
今度はリーゼに逃げようとするそぶりは見られなかった。  
その意志があっても、少女の身体は動かなかっただろうけれども。  

「はァ…ハァ、ハァ…ッ」  
リーゼロッテは完全に息が上がっていた。  
苦しくて、酸素を肺にいっぱいに入れること意外が頭になかった。  
呼吸するたび、薄い肩が大きく上下する。  
汗ばんで紅潮した身体全体で酸素を求め、リーゼは胸をそらして足を広げた。  
なだらかな胸が、息をするのに合わせて不規則に動いている。  
「ハ…ふぅ、ふ…ふぅ、ふ…」  
「落ち着いた?」  
「ア…」  
ヴィルマが妖しい笑みを満面に浮かべて、顔を覗き込んできた。  
次第に落ち着いてきた呼吸に伴って、リーゼのぼんやりした意識もうっすらと蘇ってくる。  
それでも、身体がなんだかじんじんとして、その記憶は遠くなったり近くなったりと酷く安定しなかった。  
「あ…ヴィル…マ…さ、私…」  
「ふふふ、いい子だ。じゃあもっと楽しませてね〜♪」  
「はぁ…、…ぇ…?」  

突如、リーゼの思考の霧がさあっと晴れた。  
目の前の女性の視線と、自分の姿と、状況が、一瞬のうちにフラッシュバックする。  
「う?あ!あああー!!ダ、ダ、ダメです、ダメ…、」  
さっきほど勢いよくは動けなかったが、リーゼは渾身の力と知恵を使って上半身を起こした。  
抜け出せはしないものの、寝返りの要領でくるんと転がって、伸びた指先をかわす。  
しかし、うつ伏せ状態から両手を使って布団を抜けようとしたところで、肩からかくんと力が抜ける。  
支えようとした肘が何度頑張っても崩れて、もう起き上がれなかった。  
(ヤ、ヤダ、身体に力が入らナイ…!)  
「こぉら、逃げないの〜。」  
うつ伏せのまま動けずにいるリーゼの上に薄い影がかかった。  
まだ酔っている。  
ヴィルマに圧し掛かられそうになるのを間一髪で避け、リーゼは必死で横に這った。  
(あああ、ダメダメダメ、捕まっちゃウ…!!)  

がしっ。  

「アアー!」  
後ろから抱きつかれて、必死の抵抗も空しく、少女はまたもや酔ったナイフ使いの手に  
あっさり堕ちてしまった。  
「ダメぇ!うああ、もお、放してくだサイー!」  
「つ・か・ま・え・た〜〜!ふふふぅ…もぉお逃がさないからね〜」  
耳元でふっと息を吹きかけられて、リーゼがびくんと反応する。  
「ふぁ!」  
「ん〜、カワイイ反応♪リーゼ、もう最高。」  
「やぁあッ、ダメー、あ、あっ」  
背後からこうも完全に抱きすくめられていては、少女の残り少ない体力でのもがきは  
完全に意味を成さなかった。  
(ひーん、ドウシヨウドウシヨウ〜助けてマサルさーん!)  
涙目になって腕の中でもがいていると、ヴィルマが今度は耳たぶを甘噛みした。  
「ア…!?」  
背中に形容しがたい感覚が走って、目をぎゅっと瞑る。  

(やー、もう、誰かー……誰カ?)  
「アーッ!!」  
「ん、どうしたのォ」  
ヴィルマには答えず、リーゼはトラックの隅の、寝息の聞こえる方に顔をばっと向けた。  
肝心なことを思い出した。  
なんで今まで忘れていたのだろう。  
こんな姿を見られるのは恥ずかしいがこのまま好きにされてしまうより多分、ましだ。  
すうっと大きく息を吸って、肺に力を込める。  
「すぅ〜〜〜っ、リョーコさぁ…ンャァ!」  
助けを求める声は、終わらぬうちに甲高い悲鳴に変わった。  
リーゼは言葉を続けられずに、ヴィルマの指先に合わせてまた小さく悲鳴を上げる。  
「ァア!ふァ…、はァッ、はぁ」  
「ん〜、助けは来ないわぁ。残念ね〜」  
ヴィルマは、三度目の正直とばかりに、いっそう強く胸の突起を弾いた。  
「…ッ!!!」  
びくんとリーゼの顎が上がる。  
「あらあら、本当に感度がいいじゃない。気持ちイイ?」  
耳元で囁かれると、リーゼの背中が、また微電流を流されたようにじゅん、と痺れる。  
もう一度リョーコの名を呼ぼうとするが、たった数回胸を弄られただけなのに  
不思議なほど息が上がっている。  
身体も、変だ。  
何か魔法にでもかかったように、ふわふわして、じんじんして、勝手に動く。  
リーゼは何とか逃れようとしたが、ヴィルマの長い腕にすっぽりと収まっていて、  
逃げようとすればするほど彼女に背を押し付けてしまう形になった。  
「ア…あァ…、」  
幼い声で喘いで、それでもどうにか逃げようと腕が回されている下を見た。  

ショーツを除いてすっかり裸にさせられてしまっている自分が、下着姿のヴィルマに抱きしめられている。  

「やァ…」  
弱弱しく鳴いて、リーゼは目を細めた。  
瑞々しいピンクの先端が、小さな乳房の上でぴんと勃ちあがっていた。  
普段はやわらかいのに、なぜこんなに硬くなっているのだろう。  
寒いから?  
でも今は、あんなに動いてもがいて、こんなに熱いのに…。  
荒く息をついて、赤くなった頬を傾けてリーゼは首をそっと振った。  
もう、おかしくなりそうだ。  
やっぱり、もう一度助けを…  
「んっ」  
乳首をぎゅっと摘まれて、リーゼの思考はまた真っ白になった。  
そこにヴィルマの長い爪で触れられると、何かのスイッチが入ったかのように身体が反応してしまう。  
ヴィルマは、その部分を親指で捏ね回しながら、やんわりとほのかな膨らみをなでさすりはじめる。  
それもまたおかしな感覚を彼女に与える。  
ふと、リーゼは背中にヴィルマの乳房があるのに気づいた。  
(ア、ヴィルマさんの、やっぱり大き…)  
ぼうっと虚空を見つめ、リーゼは与えられる不思議な感覚をしばらくそのまま受け取っていた。  
何か、とても、気だるいような、でもやっぱりじんじんと強いような…  

ああ、なんだか、とても…  

抵抗を止めたリーゼロッテを見て、ヴィルマは口の両端をあげて睫毛を伏せた。  
「どうしたの?気持ちよくなってきた?」  
「んっ、あ……はぁ、はぁ……わかりマセ…ヘンなの…」  
「んん、正直ね。大丈夫だよ、ちゃあんと調べる方法はあるからね」  
目を閉じて熱い吐息を漏らすリーゼの首に啄ばむようなキスをひとつ落とす。  
「んっ」  
「可愛い可愛い♪」  
肩を竦ませるリーゼの後ろで艶しく笑んで、ヴィルマは高い鼻先を柔らかな黒髪に埋めた。  
ふわりと少女特有のにおいが漂い、酒に曇った彼女の頭に、程よい酔いを戻してくれる。  
左手で乳房をやわやわと揉みしだきながら、しなやかな右手をゆっくりと腰から下半身にかけて  
静かに移動させていく。  

腰の辺りをさすると、何かたまらないかのように少女の腰が断続的に震えた。  

 

「は…ぁん、ア…」  
太股を焦らすようになでられながら、リーゼは息を荒げた。  
胸を触られているのとはまた違った不思議な予感が、体中を包む。  
先程から、なぜか触られてもいないのに下半身が妙に熱かったのだけれど、  
今、直に触られそうになると熱いどころの感覚ではなかった。  
もっと、何か、意識が飛びそうなほどの未知の感覚が訪れそうな気持ちになる。  
指先ですうっと腰のラインをなぞられると、そうしようと思っていないのに、勝手に足が  
びくびくっと何度か跳ねる。  
何故かそれだけで、切なくて堪らなくなる。  

ヴィルマの甘い声が、朦朧とした頭の芯に響いて、リーゼは目を薄く開いた。  
「フフ…随分感度がいいみたいだけど、もしかして…自分で触ったことある?」  
質問と同時に、太股の間を彷徨っていた長い指が、くに、と秘所をなぞった。  
「ひァ!?え、ア、ダメ、…汚…ッ!ッァ!」  
急にはっとして指を押えようとしたが遅かった。  
初めての刺激に言葉を続けられず、リーゼの身体がぶるっと震える。  
恍惚、そうとしか言えない感覚が、物凄い速度で瞬間、彼女の背筋を駆け上がった。  
すぐにたち消えたその残滓を追う暇もなく、新たな刺激が同じ場所に加えられる。  
「ふぁあ!!」  
またもリーゼの身体が震えて、じわりと愛液が溢れ出てきた。  
「あらら…初めてかい?うふふ、これは開発し甲斐があるわぁ〜。ほら、」  
「あンッ…あ、はぁっ、…ッ、」  
少女はもう少し何か言おうとしたが、ヴィルマが指でソコを撫で回すたびに、  
押えられない吐息だけが口から漏れて、意味のある言葉にはならなかった。  
時々声が漏れて、真っ赤になりながらぎゅっと唇を噛んでは、我慢できずに小さく喘ぎ声を  
あげる、その繰り返しを見ながら、ヴィルマは愉快そうに声に笑みを含ませる。  
「ふぁあっ!?も…ヤメ…!」  
次々襲い掛かる初めての感覚に対処できずに、リーゼは必死で声を絞り出した。  
「やめないわよぉ」  
ヴィルマはにやにやと笑って、襞の割れ目に沿って、ゆっくりと指を動かしはじめた。  
元からしっとりと濡れていたそこは、指が往復するたびに熱い蜜が溢れ、どんどん指の滑りを  
よくしていく。  

「…ぁ、はぁ、はぁ…ッん」  
「濡れてるの、分かる?音がするでしょう?」  
そう言うと、ヴィルマはわざと音をたてるように指を大げさに動かした。  

くちゃ、にちゅ、ぐちゅ…  

卑猥な水音がリーゼの耳に飛び込んでくる。  
耳を塞ぎたくても、両手も自由にならなかった。  
自分の痴態が急に意識されて、リーゼは悲痛な悲鳴を上げる。  
「…!!イヤ…!イヤ、イヤァ!」  
逃げたい、と後ろに腰を退いても、ますますヴィルマに密着してしまうだけだった。  
もうだめ、変になってしまう。  
「あのね、気持ちいいと、女の子はみんなこうなるんだよ?」  
艶のある声が耳元で囁かれ、リーゼはかぁっと耳まで赤くなった。  
気持ちイイなんて、こんな、こんな…!  
指先が、蜜の溢れる部分を中心に攻め始める。  
しばらく休んでいた左胸の上の手も、それに合わせてまた動き始める。  
違った場所を同時に触られる刺激の強さに声が追いつかず、リーゼの口から涎が伝い落ちる。  
腰が自然にくねりはじめ、そのせいで耳に届く水音も激しくなった。  
「あ、あ、はァ…は、ふ…ぅン、あ」  

自分がこんな声を出すなんて、知らなかった。  
変な声が意志とは無関係に喉から出てしまう。  
洗うときだってあまり意識して触らない場所に、他の人の指があって、しかもそれに  
自分の身体が勝手に反応してしまう−自分の身体ではないみたいに。  
おかしくなりそうで、怖い。  
(デモ、今やめられたら、多分もっとおかしくなってシマウ…。)  
あくまで激しくない、じわじわとした触られ方に、リーゼロッテの頭が次第に麻痺しだしていた。  

そのまま十分ほどじっくりと攻められていると、リーゼの吐息がだんだんと艶を帯びてきた。  
喘ぐ声も次第に色を増し、表情も段々と恍惚に蕩けはじめる。  
何も考えられず、ただ、リーゼは感じるままに途切れ途切れの声を漏らしていた。  
「ふ…ぁ、い…」  
「イイ?」  
くすくすと頭の上で笑い声がする。  
身体を、今は逃げるためではなくもどかしげによじりながら、リーゼはほんのかすかに頷いた。  
恥ずかしそうに目を瞑ったままの表情にヴィルマが目を細め、唇の端を上げる。  
指の動きは止めず、リーゼを肩だけ振り向かせて、顔を近づける。  
「あ」  
「ふ・・・」  
不自然な体勢の深いキスに、リーゼがとろんとした瞳を半開きにして、おずおずと応えた。  
濡れた唇のやわらかい感触が心地いい。  
しばらくそれに浸っていると、ヴィルマがそっと唇を離した。  
「ァ…」  
惚けているリーゼの目蓋に小さくキスを落として、右手の指で彼女の愛液をすくいとり、  
胸を愛撫していた左手でクリトリスの包皮を剥いた。  
「んぁ、くふッ」  
敏感な突起が冷たい空気に晒され、リーゼが喉にかかった鳴き声を漏らす。  
「ふふ、もっと気持ちよくしてあげる…」  
「ぇ…?」  
「女の子の、一番気持ちのイイところをね…」  

不安そうなリーゼの目蓋にもう一度キスをして、ヴィルマは笑みを浮かべた。  
愛液の伝う指を、今まで触れていた場所から少しずつ上へと移動させていく。  
指の位置が段々上がっていき、充血した花芯に指がぬる、と触れた。  
瞬間、リーゼの頭が真っ白に爆発する。  
「ひアアァァ!!!」  
背中がぐんと反り、今までにないほど激しく腰がびくんびくんと跳ねる。  
そのままぬるぬると敏感な豆を擦ると、リーゼは腰を激しく痙攣させて、甲高い悲鳴を上げた。  
止めようとしても止まらないらしく、声を抑える様子がまったくない。  
聞こえるかもしれない、という不安や心配はすべて頭から吹っ飛んでしまったようだった。  
「アァ!や、やぁーッ!あはァ…、くぁ、あ、ヤ!!アア!」  

明らかに声の質が変わったのに気付き、ヴィルマは暴れるリーゼの腰を押さえつけて、  
いっそう強く花芯を押しつぶすようにして擦り、もう一方の腕で蜜の溢れる場所を掻き回した。  
リーゼの身体がその快感に震え、弾ける。  
リーゼロッテは、クリトリスへの攻めが始まった瞬間から、最早自分がどんな気持ちなのかも  
分からないほどただひたすら圧倒的な快感の波に巻き込まれ、ただただ声を上げては  
びくびくと反応し続けることしかできなくなっていた。  
「アァ!!イ、あ、あ、あ!!!」  
声がいよいよ追い詰められてきたのを感じ、ヴィルマが攻めを激しくする。  
首を振って叫ぶ少女の黒髪が首筋に張り付く。  
可愛らしい少女が、ただ叫ぶことしか出来ず翻弄されている様は、ヴィルマの嗜虐芯を  
十分すぎるほどに満足させていた。  
「リーゼ、ほら、イキな!」  
「あ!ア!!アぁーーー!!?」  
愉快そうに命令すると同時に、熟れきった赤い実をぎゅうっと押しつぶすと、  
リーゼは瞬時に初めての高みまで昇り詰める。  
つま先をぴんと伸ばし、弓なりになった体を震わせて、少女はヴィルマの腕の中で  
長い長い絶頂をしばらく味わっていた。  

 
 

「…」  
ぼんやりと目を開けると、薄暗いトラックの中にいた。  
朦朧とした頭をひねり、目をこすりながら起き上がる。  
妙に体中が疲れて力が入らなかった。  
昨日体育でマラソンをした疲れだろうか…。  

「!!!」  

そこで急に記憶が蘇って、リーゼロッテは自分の姿を急いで確認した。  
(は、ははは裸…夢ジャナイ…ウアアア!)  
耳まで真っ赤になって、慌てて布団から抜け出ると散乱していた寝巻きを引き摺り集める。  
あれからしばらく眠ってしまったらしい。  
胸元でパジャマを抱いて、膝元で眠っているヴィルマを見下ろす。  
「〜〜〜〜〜っ」  
ぼんと頭が爆発するような気がした。  
何をしてしまったのだろう。  
何かいろいろ、声も上げてしまった気が…。  
(アア、リョーコさんに聞かれてたカモ、起きてたカモ…!ハッ!!)  
ぐるぐると悩んで、そこでリーゼは目を見開いた。  
(そ、そそそそしてマサルさんにこのコトが伝わってしまったらー!!)  
絶望的な連想がさらにリーゼロッテを打ちのめす。  
そんなことになったら生きていけない。  
地の底まで落ちこんで、リーゼはすっかり寝入っているヴィルマを恨めしげに睨み付けた。  
(ヴィルマさん、ヒドイ…)  

 
 

…本当にひどいのは、起きた時にヴィルマが昨夜のことを全部忘れていたことだったという話。  

ちょん。  

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