「テンコが?」  
「あぁ、保健室に運ばれたらしいぜ」  
「んなわけないだろー(あいつは…)」  
 
家族同然の女の子のことだというのに呑気なこの少年は神山左間太郎  
サマタロ-やらサマちんなど呼ばれてはいるが正真正銘の神様の息子なのである  
「サマタローでもないのにおかしいよな」  
……神様の息子なのである!  
「どういう意味だ?」  
「とりあえず様子見に行ってくれば?」  
見事なスルーである  
「イヤ、大丈夫だろ。それより授業始まるぜ?」  
 
ブスーッとした顔の少女が一人  
「どうしたの?テンコさん?まだ調子悪いの?」  
「イっ、イエ!もう大丈夫です!」  
 
この膨れっ面のまま保健の先生と話すこの不届きな少女の名はテンコ  
まだ幼いものの大人になったら……グフフ  
と思わずにはいられない程の美少女である  
それもそのはず、なんと天使なのである  
「……いつまで膨れてるのかしら?」  
……天使です!  
「あっ、スイマセン。じゃあ、そろそろ戻ります」  
「お大事にね」  
テンコは保健室を後にし彼のいる教室へ向かう  
 
シュッシュツと頭から湯気を出すテンコは蒸気機関車の如し  
もうトーマス顔負けである  
 
なんでアイツは来ないんだ!チクショー!!  
そんなことを考えながらテンコは教室に入る  
そして真っ先に彼の元へ…  
「なんで来ないんだ!チクショー!!」  
「はい!?」  
……テンコさんは自分に正直なんです  
そこんとこわかってあげてください  
教室に入ってくるなりスゴイ形相でそんなこと言われても訳がわからないサマタロー  
しかし、今は授業中  
タイミングが悪かったね☆  
「テンコさん廊下に立ってなさーい!」  
廊下側へとクルリと体を反したテンコ  
 
「いきなりなんなんだよ…」  
そんなサマタローをテンコがギロリ  
「…行くわよ」  
「ハッ?なぜ俺も!?俺は何も…グェッ」  
見事にサマタローを黙らせたテンコ  
サマタローを肩に担ぎ廊下へ  
ざわ……ざわ…ざわとよどめく教室を尻目に保健室へと向かいます  
 
 
コンコン  
「失礼します」  
「あら?テンコちゃんやっpp」  
「ここ借りてもいいですか?」  
「えっ!?いきn」  
「い い で す か ?」  
「ワ・・ワカリマシタ」  
テンコのとびっきりのスマイルに先生も快く部屋を貸してくれました  
テンコやったね☆  
 
 
テンコはとりあえず肩に担いだサマタローをベッドに寝かすことにした  
「んッ、しょっと」  
気絶しているサマタローを見つめる  
「コイツ、私の気持ちを−」  
そこでハッと気付く  
 
彼にとって私はなんなんだろう?  
 
それは自分でも痛い程わかっていた  
 
神様と天使  
 
それ以上でもそれ以下でもない  
さっきは少しも心配しなかったサマタローにイラついた  
しかし当たり前じゃないか  
所詮彼と私は神様と天使でしかないのだから  
そんなことを思ったらサマタローに申し訳なくなってきた  
 
 
なぜだ?俺は何かしたか?  
目を開けるとそこには泣いているテンコがいた  
とりあえず目を閉じる  
「…サマタローごめんね」  
泣いているテンコの口から聞こえてきた言葉  
しかし、サマタローは余計に訳がわからない  
俺なんかされたっけ?  
俺を気絶させたことか?  
いや、そんなの普通のことだろ  
…この少年なかなか苦労しているらしい  
とりあえず、わざとらしく起きることにしよう  
これが悩んだ末の結論であった  
 
 
「…んーっ……あれ?テンコどうした?」  
「な、なんでもないよ!」  
テンコは悟られまいと笑顔をつくった  
が、そんなテンコをサマタローは見ていていたかった  
目は赤くなり、濡れたシーツ…  
彼女が泣いていたのは明白だった  
 
 

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