今日は久しぶりに仕事がない休日、いつもかまってあげられない愛ちゃんと一緒に散歩に出かけた。
気持ちいい風が吹き抜ける午後、こんな日は、ホント、久しぶり。
愛ちゃんが道端でしゃがみ込む。
「ままー、このおはなふわふわしてるー。」
愛ちゃんが指したのはタンポポだった。
「それはねー、タンポポだよ。」
「え?たんぽぽはきいろいおはなだよ。」
「そうだね。でも、種を遠くまで飛ばせるようにわたげになるんだよ。」
「うぅん?愛ちゃん、よくわからない。」
「じゃあ、ふぅーっ、って息を吹きかけてみようか。」
愛ちゃんはしゃがみ込んだままタンポポに息を強く吹きかけた。ふぅーっっっ
するとタンポポのわたげは風とともに空へと飛んでいった。
私は愛ちゃんの頭を撫でながら、「よくできました。」
一方愛ちゃんは嬉しそうな様子で
「すごいねー、みんな飛んでるねー。」
「そうだね。」
私は微笑みながら愛ちゃんと一緒にタンポポのわたげを見つめていた。
「じゃあ愛ちゃん帰ろうか、今日はパパも早くお仕事終わるって行ってたしね。」
「うん。かえろー、まま。」
そうして私達はふわふわ飛んでいくわたげにさようならを告げ、家に帰った。
晩ごはん、何を作ろうか―――
そんな温かい休日の1ページ。