私を見て下さい。  
私にキスして下さい。  
もっと近くに。もっと触れて下さい。  
私の身体が壊れるほど抱き締めて下さい。  
あの人ではなく私のことを一番大切にして下さい…。  
 
 
そこで夢は途切れ、久美子は目が覚めた。今は夜中。午前2時ぐらいのようだ。  
目が覚めた久美子は隣りの部屋を覗いてみた。  
佐間太郎の部屋。  
しかしそこに彼の姿はない…。今、彼は…。  
泣きそうになるのをこらえながら久美子は再びベッドにもぐって目を閉じた。  
 
(終)  
 

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