ふと目が覚めた。  
部屋の中は真っ暗で窓から月光が差し込んでいる。まだ夜中だろう。俺は目を動かして壁掛け時計を見る。  
まだ午前2時……寝よう。  
寝返りをうとうとして、  
「ん? んー?」  
体が動かない。金縛りか?  
いやでも口まで動かないというのはおかしい。  
それにこれは体が反応しないというより見えない何かに押さえ付けられているような感じだし……。  
「あ、起きたね。こんばんわー、おやすみパパママ彩波だよー」  
俺の寝ているベッドのすぐ横に二つの人影があった。  
一方は小柄なツインテールの影、そしてもう一方は、  
「こんばんはかのう、多加良」  
月の光を返す銀の髪を持った妖怪の影だった。  
「………………」  
一体なんだこんな夜中に?  
俺が怪訝に思っていると、彩波が  
「あのね、今日は多加良ちゃんを彩波のものにしに来ちゃいました! きゃー!」  
などと意味のわからない言葉を発してはしゃいでいる。  
俺を彩波のものにするって……?  
「まあ、端的に言えば契るということだのう」  
まぐわいや性交と言ってもいいがのう、とかのうはつぶやいた。  
「………………。んむ! むんんんむんむっんー!」  
冗談じゃない! 確かに彩波は可愛い部類に入るし、俺もそれなりに好意を持ってはいるがそんな対象としては見られない。  
そもそも婚前交渉は俺の主義として禁止だ!  
「うんうん、多加良ちゃんの考えてることはだいたいわかるよ。結婚相手でもないのにそんなことしちゃダメって言うんでしょ。  
 でもね、世の中には既成事実っていうすばらしい言葉もあるんだよー!   
 だからね、彩波はかのう様にお願いして既成事実を作るのを手伝ってもらうことにしたんだよ」  
 
既成事実を作る手伝いって、この金縛りはかのうの力か!  
というか何考えてるんだかのうのヤツは! 止めろよ!  
「ほら、妾は和家の願いはいつでも叶えなければならないという縛りがあるからのう。  
 彩波にも求められれば従わざるを得ないのだよ」  
などともっともらしく言っているがその目に好奇の色が宿っているのを見逃す俺ではない。  
 
「じゃ、はじめよー! 夜もけっこうすぎちゃったからね」  
彩波はそう言って掛け布団をつかみ一気に捲くった。  
そしてベッドの上にのり、俺のズボンに手をかけ  
「んんー! んっんー!」  
俺の抗議を意に介さず引き下げた。パンツごと。  
 
「えーと、たしか男の人には棒が付いてたよね……あれ? 大きくないよ?」  
そう言って彩波は俺の股間をまじまじと見つめる……って、見るな! 観察するな!  
「かのう様ー、多加良ちゃんのが小さいままです。どうしたらいいんでしょー」  
彩波はかのうに振り向くと、  
「それは、多加良が興奮していないからだのう。男のモノはその気になるとムクムクと大きく……」  
などとかのうが男性器の説明を。  
「じゃあ、どうしたら興奮してくれるんですか?」  
「方法は色々あるが…女の裸を見る、というのが一般的かのう。彩波も脱いでみたらどうかの?  
 多加良一人を裸にしておくのもどうかと思うしのう」  
わかりましたー、と言って彩波はベッドから下り服を脱ぎだした。  
俺は目を閉じようとしたがグギギギと不可視の力で強制的に首を向けられ開眼させられた。  
見るのを拒否することも出来ないのか!  
 
そう思う俺の横で上着にスカート、ブラ…はつけていないからパンツまで全て脱ぎ、彩波はくるりと一回転。  
「ほら、多加良ちゃんどう? 興奮した? その気になってこない?」  
正直言って彩波の体はあまり発育が良くない。  
胸の起伏はあるかないかといったレベルで、下は、その、……生えてもいなかった。  
幸いなことに俺はロリコンではない。不可能とは言わないが俺自身がその気にならなければ俺のモノは役に立たないだろう。  
だが彩波は少し、いや結構傷ついたようだった。  
「ううっ、かのう様ー、多加良ちゃんが全然大きくなってくれませんー」  
かすかに涙の混じった声で彩波はかのうに訴えた。  
「う、うむ。……多加良、据え膳という言葉を知らぬのか? このような場合、男は女の気持ちを受け止めなくてはならぬのだぞ?」  
頼んでもいない料理に手をつけるのは常識じゃないぞ。  
そう視線で訴えると、かのうは少し考えて  
「しかたない、妾が一肌脱ぐとしようかの」  
腰紐を解き、すっ、と脱皮するように服を脱いだ。  
「ほら、これならどうかの多加良?」  
ふふ、と笑いながらかのうは体を見せつける。胸や下は腕で隠しながら。  
う……。認めたくはないが彩波と違ってかのうは女としてきちっとした体だ。  
胸は大きく膨らんでるし、たぶん下も生えてるんだろう。  
いやダメだ! そんなことを考えるな、まずい、このままだと俺の下半身があっ!  
 
「あ、だんだん大きくなってきましたかのう様。ぴくぴくして芋虫みたいですねー」  
まさしく芋虫を相手にするように、つんつんと彩波は俺のモノを突っつく。  
「なう、ろーでぃんぐといったとこかの」  
もうかのうは隠そうともしない。ありのままの姿をさらしている。  
そしてそれを見せられる俺のモノはもはやガチガチなわけで。  
「彩波、もう頃合だのう。結ばれるがよいよ」  
「はい、かのう様。今、彩波は大人になりますっ!」  
そう言って彩波は俺の上にまたがった。  
彩波の股間からはぽたぽたと透明な粘液が垂れ落ちている。  
そして彩波は俺のモノを掴み、穴の中に受け入れ、  
「ん……きつ…っていたたた!」  
あっさり俺の上から降りる彩波。  
「ううー、痛いですかのう様ー」  
「そんなことを妾に言われてものう……それは全ての女が通る道だし」  
……処女膜を破ってもいないのにその痛がりようじゃ契りなんて無理だろうな。  
とりあえず、この場はしのげそうだと希望の光が見えてきたところで  
「では、今日はやめて違う日に改めてするかの?」  
「そんなことしたら多加良ちゃんはおもいっきり彩波を警戒するようになっちゃいますよー」  
「ではどうするかの」  
「うーん………………………………あ、そうだ!」  
彩波はなにやら思い付いたらしい。  
何を思いついたんだ一体。  
 
「憑依ですよかのう様! 彩波の体を使ってもらえば痛みなんてへっちゃらですよ!」  
いや、それおかしくないか? 普通こういうのは痛みを耐えて行うことに意味があるんじゃないのか?  
「む、妾は構わぬが……彩波は本当にそれでいいのかの?」  
かのうも少し迷いの色を見せる。  
「もちろんですよ、かのう様。それに多加良ちゃんもかのう様なら文句なしです、きっと!」  
今現在かのうに対する文句は大アリだが口を動かせない俺にはむぐむぐうなる事しか出来ない。  
「わかった。では彩波の体を使わせてもらうとするかのう」  
するとかのうの姿がふっと消え、彩波に重なるようにして再び現れた。  
かのうはふふっ、と俺に微笑みかけ  
「では、挿れる前の準備をしようかのう」  
準備? なんのことだと疑問に思うと  
「ん……っ。はあ……」  
かのうが自慰を始めた。  
片手で大きな乳房を揉みしだき、もう片手は股間を弄っている。  
「んっ、ん、んっ……ふふっ、どうかの多加良。もっと興奮してきたかの?」  
かのうが指を出し入れするたびに、粘液が床にボタボタ落ちていく。  
白い体がかすかに紅く染まり、うっすらと汗をかいている。  
「はっ、はっ、ん……んっ………ん……っ!」  
びくっ、とかのうが体を硬直させたかと思うと、びゅっと粘液が飛び散った。  
それで達したのか、かのうは少し脱力し気だるい声で言った。  
「少し……時間をかけてすまなかったのう多加良。女は濡らしておいた方がよくてのう」  
初めてならなおさらと言い、かのうが俺の上にまたがった。  
かのうは見かけに対してずいぶん軽い。体は彩波のものだから当然だが。  
「ふふ、多加良もずいぶんと濡れておるのう。では」  
そう言ってかのうは俺のモノを握って固定し、狙いをつけて  
「………………!」  
一気に腰を下ろした。  
 
ぶちぶちと何かを引きちぎる抵抗感と全方位からギュッと締められる感触、  
高熱を出しているときのような熱さにぬるぬるとした液体の無摩擦感。  
「彩波はおめでとうかのう、多加良」  
俺とかのうの繋がっている場所から赤いものがにじみ出てきた。  
体は彩波のものだが……まるでかのうが処女を失ったように見えるのは俺の錯覚だろうか。  
「しかし多加良が大きいのか、彩波が小さいのか、ぎちぎちに狭いのう」  
そのほうが快感が増すとも聞いたが本当なのかのう、とかのうは呟いて腰を上げはじめた。  
かのうの壁が俺のモノをこすり心地良い感覚を与えてくる……ってやばい、こみ上げて来る物がっ!  
そんな俺の事情をよそに知らずかのうは深く腰を沈めて  
「ん……っ! んーんー!!」  
「ん、どうかしたかの多加……あ」  
出してしまった……。それもかのう…じゃなくて彩波の中に。  
「多加良……そなた、出すのが早すぎないかの?」  
じとっとした目で俺を見下ろすかのう。  
「しかもその割りにはたっぷり出しおって。彩波が孕んだらどうする気かのう」  
その言葉にはっと思い出す。彩波は中等部だったことを。  
あの年ならもう生理が来ていてもおかしくない。  
………………大丈夫だよな? いや、大丈夫であってくれ。  
 
俺が出し終えたのを感じたのか、かのうは俺のモノを抜きひざ立ちになった。  
そして穴を指で広げ赤色と白色と透明の混ざった液をかき出し、  
「ん……生臭苦い味だの」  
こくっ、とそれを飲み込んだ。  
彩波の体にそんなものを飲ませるなよ……。  
と思いつつも、そのかのうの姿がとても妖艶に見えて  
「おや、また元気が出てきたようだの」  
また立ち上がっていく俺のモノ。  
「もう一度するかの、多加良」  
いや、ダメだって。間違ってもう一度中に出したらヤバイだろう。  
「いまさら一度も二度も変わるまいよ。それに……妾はまだ楽しんでないしのう」  
かのうはくすりと笑い俺の上にのしかかり、  
「……んむっ」  
と俺に深く口づけした。  
……ついでにさっき飲んだ物まで流し込んでくれた。  
「ほら、女だけに飲ませるのも男としてどうかと思うであろう? 多加良」  
オマエが勝手に飲んだんだろうが! 俺をまで巻き込むなっ! ……うえっ、気持ち悪い。  
「ではもう一度まぐわうとするかの。……多加良も一度出したのだから、少しは長く保たせること。おーけー?」  
そう言うと俺の反応も待たずに腰を下ろしていった。  
「ふうっ……ん…。んむ…多加良を一度通したから、少し伸びて入りやすくなっているのう」  
ぐっ、と腰を落としてかのうは俺のモノを根元まで飲み込んでしまった。  
「ほら、全て入ったよ多加良。そなたも少しは…そういえば動きを封じておったの」  
かのうはやっと思い出したのか、金縛りを解いてくれた。  
……俺の下半身だけ。  
「多加良も少しは動いておくれ……あっ、けっこう激しいのう」  
俺は胸のうちに溜まっているモヤモヤを解放するように突き上げた。  
ああもう、なるようになれ!  
 
「はっ……はっ……多加良、なんか前より硬くなってないかの?」  
かのうもゆっさゆっさと体を動かしている。  
俺の目の前にある胸がふるふると揺れて触りたくなる。ただの幻影だとわかってはいるが。  
俺とかのうの接合部は激しくぶつかり合って粘液をシーツに飛び散らせている。  
「多加良っ、どうかの、そろそろ……!」  
かのうはそろそろなのか、少し息が荒くなっている。  
「んっ……んん!」  
俺もそろそろ出そうでかのうの目を見つめる。  
視線を理解してくれたのかかのうは大きな乳房に俺の頭を抱え込みぎゅっと力を込める。  
「あ……! っつ……はぁ……っ!! ああ……あ…!」  
あまり嬌声を上げたくないのか、かのうは俺にぎゅっと抱きつき声を殺している。  
俺はドクドクと放出する快感に頭が溺れ、かのうの体が幻影なのか実体なのかも気にならない。  
 
「あー……最後までしたのは久しぶりだのう……」  
で、俺の体を放したあと。終わったあとの脱力感を隠さない声でそうかのうは呟いた。  
「のう、多加良」  
そして俺を見て  
「今回は彩波の“お手伝い”だったがのう。もしまた機会があったら頼むよ」  
などと楽しそうに言った。  
 
俺は誰がおまえと二度も、と言おうとしたが口が動かない。  
……そういえば上半身はまだ固まっていたんだった。  
「では、妾はそろそろ戻ろうかのう。あまり長すぎると彩波に負担がかかりすぎるしの」  
そう言うとかのうはふっと姿を消した。と同時に俺の金縛りが完全に消える。  
そしてかのうの代わりにそこに寝そべっているのは汗や粘液で全身ベタベタの彩波だった。  
彩波ははっと気を取り戻し  
「あ……多加良ちゃん、おはよー。って、あ、彩波の体がベッタベタだ! ということはあ…………。  
 やったよー! とうとう多加良ちゃんは彩波のものになったんだね!」  
花丸100%のにっこり笑いで言い放った。  
「ちょっと待て彩波。落ち着いて話を」  
「うんうん、多加良ちゃんの言いたいことはわかるよ。今日はかのう様に手伝ってもらったけど、次は彩波と二人っきりでしようね!」  
彩波はテンション十割り増しのようで俺の話を全然聞く様子がない。  
しかたない、彩波と話すのは後回しにしよう。  
すると今考えるべきことは………………  
 
この汚れた布団をどう処理するか?  
 
 
            終  
 

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