――栞です。
私、今すごく困っています。
それは図書委員長から小説の催促をされているのに、まだ全然書けてないから。
だって委員長は、私がおとなしくて逆らえない事をいいことに
「官能小説」を書けって、強要してくるんです。
もうじき締切だけど、どうしていいかわからない。
「はぁ……、どうしたらいいのかな、そんな経験もないこと小説に書けるわけないよ……」
「やあ栞、どんな小説書いてるんだい?」
「かっ桂木くん……」
恥ずかしいけど桂木くんに聞こうかな、でも何て言えばいいの。
いきなり私のエッチな小説読んでください、って?
そもそも、経験のない私が想像で書いてるんだから、行為自体の順序が違うのかもしれない……
でもまずは文章を読んでもらってドバイスをもらおうかな。
……カシラギはシモーネの中に強引指を入れて、大事な豆しばを愛撫した。
そして、シモーネのハマグリに、きかん坊なソーセージを無理やり突っ込んできた。
「やめて!ぁああっん、いぁぁ、はぁはぁ」
ビッグソーセージの動きは予想外に…… "
てっ、 何て貧困な発想なの!!
豆しばに、ハマグリに、ソーセージ "って私、馬鹿じゃないの?
ここは、もっとダイレクトな表現がいいのかしら。
くっ、クリとリス、まっ、まん…こ、チン……ん??? "
だめじゃない、私、そんなこと書ける訳ない!!
それに、委員長は読み手の事を考えてもっと興奮するような比喩表現を
求めてるのかも。
ここは、
くりりん、まっまん…こ、亀仙人??? "
あれ?なんかドラゴンボールみたいな……
そう言えばドラゴンボールって、変な名前多いな。
ブルマ、ブリーフ、トランクス、ブラ……、あっ、ヤジロベーも何だか卑猥な気がしてきた。
ヤジロベー、何か興奮する……
って、何考えてるのよ!
あああっ、私のあほぉー……
図書館の一室、頭を抱え身悶える栞。
「おいお前、思ってること全部口に出てるぞ!」
(おしまい)