目が覚めた。うたた寝をしていたようだ。  
胸になにかがのしかかっている。素肌に肌触りのいい塊。  
視線を下げれば誰かの頭頂部がボクの胸板に寄り添って規則正しい寝息を立てていた。  
(そうだ。昨夜はハクアを抱いたんだっけ)  
この悪魔と肉体関係を結んでからしばらく経つ。きっかけは、口にしても仕方ない。  
いいかげん女心を弄ぶ鬼でいるにも限界が来たとか、  
駆け魂隊をクビになった元優等生悪魔がすがるように想いを告げてきたからとか、  
まあ、そんなところだ。  
ちなみに、現在ボクもハクアも全裸だ。着替えるのも忘れて寝入っていたらしい。  
(もう外は肌寒いのに。風邪をひきたいのか)  
誰に文句を言ったわけでもない。しいて言うなら自分にだ。確かハクアを騎乗位で責め立てて幾度となく絶頂を迎えさせて、  
気絶するようにボクにもたれかかってきたところまでは覚えているのだが、そこから先の記憶が判然としない。  
(とにかく、毛布だ)  
手探りで毛布を探す。ハクアは、起きるかもしれないが、かまうものか。一緒に抱きこんでしまえばいい。どかせて着替えて  
部屋移動してまた就寝なんて面倒だ。  
そこで、違和感に気づいた。  
(下半身が……)  
あたたかい。湯たんぽのように乗っかっている裸体の温度は無論あるが、具体的には股関節の中心。  
ボクの屹立した男性自身だ。  
朝勃ち自体は肉体の反応として当然知っているし、毎朝の付き合いだが、これは違う。  
なにやらこう、唾液をたっぷり絡めた無数の舌が恋人の口に群がるように局部をもてなす感覚。  
どろどろと、  
とろとろと、  
やわらかな人肌温度が亀頭に、カリ首に、陰茎に余すところなく密着し、甘える恋人のように  
(しまった)  
着替えや毛布以前の問題だった。ハクアの膣内に突っ込んだまま寝ていたらしい。  
(痙攣とか麻痺とか起こしてなければいいんだが)  
とにかく、このままはさすがにマズい。  
 
「おい。おいハクア、起きろ」  
胸板にのっかった頬に手をあてて呼びかけると、少し眉根を寄せてハクアは薄目を開けた。  
「かつらぎ……どおしたの?」  
「このカッコはまずい。起きろ」  
命じるとハクアは億劫そうに眼だけを動かして、  
「はだか……」  
とだけつぶやく。  
「そうだ裸だ。だが」  
「いやぁ」  
ぐずるような声色と同時、目を閉じてボクの胸板に寄りかかると再び寝息を立て始めた。  
「おい、おい!」  
少々強めに頬を叩いても体をゆすってもまるで起きない。  
それどころか「はなさないで……」などと寝言をもらしてますますしがみつく形になる。  
「くそっ」  
このままでは朝までこのままだ。それはさすがにまずい、気がする。  
かといってあまり乱暴な手段で引き剥がすのも気が引ける。となればどうするか。  
(押してダメなら……)  
引いてみた。  
「うっ」  
「ゃぁん!」  
ぴり、と甘い電流が男根から睾丸を通じて背筋まで駆けあがった。  
(こ、これは……かなり、イイな)  
治りきったかさぷたをはがすときの痛みにも似た瞬間的な快楽にあわせ、半身の心変わりにたたき起こされた膣肉がキュンとボ  
クの分身をしめつけ、いかないで、離れちゃやだ、と全力で媚びてくる。  
ハクアは、と見ると相変わらず寝たまま意識はない。だが口は半開きとなり、震える息を吐いている。  
(エロいやつ)  
寝たままでも男根に奉仕する肉体。このまま関係を続けたら、ゲームよりも溺れてしまうかもしれない。  
(でもやられっぱなしは……  
左手でゆっくりと髪をすいてやると眉根は緩んで口元はほころび、幼子が安心するような表情を浮かべる。  
 性に合わないっ!)  
そのまま右手で尻を固定し、思いっきり突き上げた。  
 
「あひぃっ!」  
「ぐぅうっ!」  
 
膣道が根本から締まり、ボク自身を包み込んだ。そのまま射精までもっていかれてしまいそうな刺激。歯を食いしばって我慢す  
る。  
「なに? なにこれ? え、なんで私裸なの?」  
「ああ、起きたか」  
混乱するハクア。どうやら先ほどのやり取りは寝ぼけていたらしい。  
「起きたか、じゃないわよ! どういうことよこれ!」  
「気にするな。それより続けるぞ」  
「つづけるって、あぁっ!」  
 
浅く腰を動かすだけでかなりの反応が返ってくる。  
時計を確認していないので正確なところは分からないが、転寝していた時間はそれほど長くないはず。おそらく一時間から二時間ほどだが、これほど長くつながったままでいたのは初めてだ。  
「新発見だな」  
尻をベッドに沈めた軽い反発を利用して浅く、連続でハクアの膣を突き上げると、そのたびにハクアは目を白黒させて反応した。  
「あっ、あっ、あぁっ、ぅんっ、す、すごいの、なに、これぇ……」  
鳶色の瞳は今にも涙がこぼれそうなほど潤んで、半開きになった口端からぽたぽたとボクの胸板によだれが垂れる。  
困惑に染まった視線は救いを求める幼子を連想させて、ボクは思わずその唇を奪った。  
「ふぅんっ、うむっ、あう」  
無理やり舌を絡めるようなことはせず、ふっくらとした唇を味わう。  
左手で髪をすいてとかし、優しい従属を与える一方で腰の動きは止めず、蜜壺にずくずくと執拗な屈服をせまる。  
「ぁあうぅ……かつらぎっ、かつらぎぃ」  
もう、ハクアの頭は真っ白になっているようで、腰の動きにあわせてふんふんと鼻を鳴らしながらキスに応えるだけだ。  
「わ、私ヘンなの、おかしいのっ、こんなに気持ちよくっ、あんっ、なるなんてぇ。おまえ、お前なにしたのよお」  
「何って、ほどでも。ただ、っ、ちょっとばかり長くお前の膣内にいただけだっ、よ!」  
「あぁ! 嘘、うそよそんな、のぉ。それだけで、こんな気持ちよくなるはずないっ、こんな、桂木とひとつになってるわけないっ」  
ひとつになってる、とはまた情緒的な言葉だ。  
なにせこの体位(というかプレイというかは知らないが)、性器の密着具合がいつもと比較にならない。  
ハクアの膣は普段泥のぬかるみにも似たやわらかさと同時に、蕩けてしまいそうな熱さと、  
肉の反発を提供してくれる名器だが、  
相互の悦びを得るためにはその極上の使い心地によって果てる前に獣のように激しく交わり、  
体力が尽きるまでひたすら貪りあう性交しかしたことがなかった。  
しかし、今回は長く挿れていたためか、隙間なく男根をくるんだ柔肉をたっぷり堪能できる。  
 
入口付近に膨らんだ個所があり、そこを竿でこすると  
「ひぃ! だめ、駄目! あたってるっ、ながいのっ、ながいのあたってるっ  
ハクアが背を反り返らすほど反応するとか、  
 
尾てい骨を押しながら浅く腰を動かすと鈴口にコリコリとちょうどいい負荷のかかる場所があり、そこを責めると童女のように  
 
「ぁ、あぁあ……いじめないで、いじめないで、そこ、よわいのお、いじめちゃやだあ  
と懇願するハクアを見ることができるとか、  
 
動かないまま一番奥にこすりつけるようにすると  
「あぁあああ! おくぅ! おくは駄目なの! ぐりぐりしないで、んひぃ! 突き上げるのはもっとだめえ!  
ハクアはむせび泣くような声しか上げなくなるとか、  
 
手を変え品を変えハクアの攻略法を見つけていくが、さすがにそろそろ限界が近づいてきた。  
「そろそろ出すぞ、ハクア」  
「い……いつまでかかってるのよぉ。ちろうじゃないのおまぇ、ぃん! ごめんあさぃ! ゆるしてぇ」  
暴言には臍の裏側にあるざらざらした個所を乱暴に小突いてやることで応えてやる。  
何度となく射精しそうなのを我慢して、喜ばせようと色々試しているのにひどいことを言う。なんてヤツだ。  
だが、今回で色々とわかった。次回からはもっとずっとハクアで愉しむことができそうだ。  
お礼代わりに耳元に口を寄せて四文字ほどの言葉をささやいてやる。  
大事な言葉、本来大切にすべき言葉だろうが、もはやボクにとっては単なる道具にすぎない。  
 
「あ――」  
 
ハクアの目じりから涙がこぼれた。ひくひくと震える膝がボクの両脚にピッタリと寄せられる。イってしまったようだ。  
こわばる背中を抱きしめる。いよいよラストスパートに入ろうと腰を深く引くとハクアが問いかけてきた。  
「ねえ、きすしていい? 抱きしめて、いい? 私のそこ、好きなようにしていいから。  
桂木のカタチにしていいから、調教していいからぁ。おねがい、ぎゅうってさせて?」  
短くうなずく。うっとりと幸せそうな顔をして腕を首に回し、ハクアはボクと深い口付けを交わした。  
ぐじゅぐじゅとみだらな音が上と下とで鳴り響く。あふれ出た愛液はすでにしたたるほどで、  
何適かはボクの足首にまではねていた。  
発掘したばかりの弱点はこれまたボクにとって気持ちのいいポイントで、夢中になって貪る。  
先端を膣壁にくすぐられ、カリ首はざらざらと密集した神経に歓待される。  
鈴口はぷっくり膨らんだ盛り上がりに熱烈なキスを受けて放出の準備を始める。  
 
「んっ、んっ、あっ、あっ、あぁっ! かつらぎっ、かつらぎぃ! すき、すきぃ! ぁなたぁ」  
 
制御なんかもうとっくにする気はない。ひたすら夢中で腰を叩きつける。  
何もかもを忘れる。ひたすらハクアに種付けする存在になる。  
人間と悪魔でも子どもはできるらしいがそんなことは気にもしなかった。ただハクアの反応を求めるために宣言する。  
「なかにっ、出すぞ、ハクア――!」  
「うんっ、うんっ、私、わたしもイくからっ! ちゃんと一緒にイくからっ! いっぱい出してえっ!」  
甘い叫びと同時、膣道がせばまり精液を強請ったのがとどめだった。  
「ひああああああああああん!」  
先端から精液が飛び出す。どくりどくりとハクアの一番奥深い場所に流し込まれる。  
腰を突き出して奥まで突きこんだ後、命の根源を潤滑油代わりに何回か腰を振ってもう一度膣内射精を行う。  
ハクアの長い脚がボクの体を締め付けるので、駄目押しとばかりに三度目。  
これ以上ない征服感。自分の分身をもって他人を凌辱する。  
おぞましくも心地よい倦怠感を味わいながらボクはハクアから己を引き抜いた。  
 
「寝ている間に犯すなんて、お前、本当にクズね」  
横に寝ころんだハクアが唇をとがらせる。  
「さっさと起きないお前が悪い」  
こちらは上体を起こしてPFPをプレイ中。とはいえ、これは半ばポーズだ。  
プレイしてるソフトはお気に入りのものですでにセリフどころか地の文まで一言一句暗唱できるほどにまでやりこんだ一品。  
何度プレイしてもいいものだが何も今しなければならないわけではない。単にハクアの顔を見るのが気恥ずかしいだけだ。  
「こっち、見なさいよ」  
「やだね」  
「やってないくせに」  
「バカにするな。見なくても知ってる」  
「やっぱりやってないじゃない」  
ぐいと首に腕が回され唇が奪われる。  
「ねえ。もっとしよ?」  
「底なしかお前」  
「火をつけたのはお前じゃない。それに」  
右腕を首に回したまま白魚のような左手の指が腹筋をくすぐり、臍を経由してそこに到達する。  
「もうこっちも準備できてるみたい」  
血液が供給され、硬度を取り戻しつつある男根をあやすように弄ぶ。  
「まだまだ。準備段階だ」  
「じゃあ、すぐに発射できるようにしてあげる」  
ボクの頬にキスするとハクアはそのまま首筋から胸板、腹へつうっと舌でなぞっていく。  
ほどなく局部へ到着し、ハクアは奉仕を始めるだろう。  
そうなれば回復はすぐだ。なら  
(今度はハクアの好きなバックで愉しんでやろうか)  
(いや、せっかく発掘したんだ。また騎乗位で弱点を責めて今度は本当に気絶させてやるのもいいかもしれない)  
(その前に一回喉を使ってみるか?)  
喉の奥まで容赦なく叩きつけて否応なくハクアの胃に精を流し込んでやる。  
膣内射精と違って顔を見下しながらできるというのがいい。  
ハクアはいつも飲んでくれるが、それとはまた違う征服感が味わえそうだ。  
相談すれば最初は嫌がるだろうが、こと被虐の傾向があるこの悪魔ならきっと受け入れるような気がした。  
(悪くないな)  
心のどこかで声がする。そんなことをしていていいのか、果たすべき使命があるんじゃないのか、女の子の涙を――  
(もう、いい。もう、面倒だ)  
チラリと下腹を見ればハクアが恍惚とした表情で自分の陰茎を口に含んでいる。  
絹のような肌触りの髪をなでてやると情欲に澱んだ目で淫蕩なほほ笑みを返す。  
お互いを逃げ道にしているようなものだ。  
いずれ戦うべきものと対峙しなければならぬことなどボクもハクアも知っている。  
(ならせめて、今くらいは――  
「ハクア。やってみたいことがあるんだが……」  
   ユ メ  
この淫夢に溺れよう――)  
 

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