ピコピコピッピピ  
 
暗闇の中、隣の部屋から神兄様がゲームをしている音だけが聞こえてくる。  
それはずっと鳴り止まない。神兄様は一体いつ寝ているんだろう。  
 
神兄様と暮らし始めて、もう半年はたった。  
けれども神兄様は、駆け魂勾留のお手伝いはしてくれるものの、  
それ以外の時はゲームばっかり。  
 
これじゃあ、あんまりに惨めです。  
周りの皆は海に山に青春を謳歌しているというのに・・・  
テレビではあんなに可愛らしいかのんちゃんがかわいい衣装とダンスで魅了してくれるというのに・・・  
 
私、決めました。  
今のままでは不健康すぎです。神兄様は少し現実の女の子にも目を向けるべきです。  
私はそう決心してまぶたを閉じたのでした。  
 
 
***  
 
 
「あ、神兄様おはようございます」  
「・・・」  
翌日、制服に着替えて部屋を出たところ、神兄様とばったり会いました。  
すかさず、作戦を実行します!挨拶は基本中の基本ですから。  
けれども神兄様はいつもどおりPFPの画面ばかり見て、私の挨拶はスルーです。  
一体どうして壁に当たらずに歩けるのか、階段で踏み外さないのか、本当に不思議ですけど、  
負けませんよ〜。今日は普段のLCとは違うのです。  
 
「おはようございます、神兄様。」  
「・・・」  
「おはようございます、神兄様。聞こえてますか?」  
「・・・・・・」  
「・・・」  
「・・・」  
 
「おはようございます!」  
つい声が大きくなっちゃいました。  
「うわっ!なんだLC、驚いたじゃないか!」  
神兄様はとても驚いた様子で、攻め立てるような口調で言います。少し怒らせてしまったようです。  
 
「だ・・・だって、神兄様が挨拶を無視するから・・・」  
「ふん、だいたい、お前が来て駆け魂勾留の手伝いをするようになってからというもの、ゲームを積みまくって積みまくって仕方ないんだ。  
こう、僅かな時間を見つけてはゲームをしている僕の健気さがお前にはわからないのか!」  
 
そこまで、ゲームにのめり込まなくても・・・  
けれども私のしたことは結果的に神兄様をよりゲームにのめりこませてしまいました・・・  
少し反省です。  
 
その後の朝ごはんの時も、神兄様はずっとゲーム。  
私がせっかく丹精こめて作ったものを、ああやって食べられると少し心が痛むというものです。  
あの調子で料理の味なんて、わかっているのかな?神兄様は・・・  
 
当然、朝ごはんがすんで、学校に行く通学路でも神兄様はゲームを手放しません。  
 
「ハァー」  
 
私は大きなため息をつかざるを得ません。  
この調子で行ってしまえば、いつもと全く変わらない神兄様です。  
ここはなんとか私がアクションを起こさなくては・・・  
 
なんて考えていると  
 
−ドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロ!  
 
!  
「なんだLC。駆け魂か?」  
駆け魂・・・であることは間違いありません。けれども少し反応が弱いような・・・  
ふと、前を歩いていた同じ学校の生徒に視線を移してみると・・・  
「おいLC、あいつの背中に何か入り込もうとしているぞ!」  
あ、あれは・・・  
 
「あれは駆け魂が人間の心の隙間に、まさしく今はいろうとしているところです。  
けれども力が弱すぎて、どうやら乗り移るのに手こずっているみたいですね。」  
 
「力が弱いのかもしれないが、  
彼女の心の隙間がそもそもそれほど大きくなくて入りづらいっていう可能性は考えられないのか?」  
 
あ!そうでした。  
駆け魂討伐隊に入る前にドクロ室長からある程度の駆け魂に関する知識は持っておけということで、  
数週間の講習を受けたときに、そういうふうなことを習った「よう」な記憶が・・・  
 
神兄様は本来は部外者だというのに、本当に頭の回転が早くて・・・そして・・・  
 
「ん、LC。そして僕はどうしたらいいんだ?」  
「え!あ!」  
少しボウっとしてました。  
 
「え、、あ、あの!今、あの駆け魂は入ろうとして入れない、  
つまり隙間が狭すぎて中途半端に挟まっているような状態なので・・・」  
「つまり、逃げようにもすぐに逃げられないし、そう早く駆け魂が心の隙間に入り込んでしまうこともないということか。」  
ご名答。  
 
「じゃあ、普段出している駆け魂攻略よりかは、幾分体力を温存してかかれるというものだな。LC!あんな雑魚はさっさと片付けてしまうぞ!」  
 
 
***  
 
 
そうして神様は落とし神モードになりました。  
ああなると、私のすることは傍観することぐらいです。  
というよりは神兄様が本当に優秀なバディーなので、  
私がすることが殆ど無いという方が正確なのでしょうか。  
 
落とし神モードの神様は、あの手この手で女の子を落としにかかります。  
その姿は本当に知的でカッコよくて・・・  
 
そして、何か遠いところにいるような疎外感を常に感じているのです。  
 
 
「ふぅ〜、全く仏像に萌える女だったとは、ゲームではレアなパターンだ。さすがの僕も不覚だった。」  
 
駆け魂が入りそこねていた女の子を、街の小さな裏山のお寺で見事、攻略した神兄様。  
私は神兄様が出した駆け魂を交流してドクロ室長へ転送しました。  
これで、おしまい。もう日も暮れかけています。  
 
結局、神兄様を現実の女の子に振り向かせる作戦が全く前進しないまま、一日が終わってしまいます。  
 
「神兄様、もうすぐ日が暮れます。早くお家へ帰りましょう。」  
「いや、まて。今日はあの英語教師が家庭訪問に来る。」  
「えぇ?神兄様何かしましたっけ?」  
「いや、今日は昼間ずっとどうやって攻略していけば良いかを考えていたからな。  
授業中にゲームは慣れっこだろうが、ゲームもせずに、しかし授業は全く上の空となれば奴は確実に動く  
・・・ような気がする。」  
 
気がする・・・ですか。  
 
「いずれにせよ、晩飯までまだ時間がある。もし家庭訪問だったら、  
ろくにゲームもできないからな、少しここで時間を潰していくぞLC。」  
 
そういって、神様はゲームを始めてしまいました。  
チャンスです。昨晩の私の決心。作戦スタートです。  
 
と、その前に。まずは神兄様をそれほど虜にさせる、ギャルゲーとはどのようなものかを探るべきです。  
敵を討つからには、敵のことをよく知らなければなりません。  
 
神様の肩越しから、夕日の光の中にPFPの女の子のキャラが動いている。  
なんか、一見、とても幻想的ではあります。  
コントローラでは神様の指が痙攣を起こしているかのように素早く動いていました。  
 
−今日はどこに行こうか?  
>遊園地  
 
−髪切ったんだけどどうかな?  
>とても似合っているよ。  
 
神様は迷うことなく選択肢を選んでいきます。  
 
−嘘嘘嘘!今日あの娘ばっかり見てたでしょ!  
>そんなことない。嫉妬しているのか可愛いなあ。  
 
その時私の心がチクッと痛みました。  
 
「嫉妬?」  
 
神様が女の子たちを攻略していく間、私が感じていたのは疎外感だけではなかったのかもしれません。  
いや、もしかすると「嫉妬」という感情が、疎外感の構成要素の一つに過ぎなかっただけなのかもしれません。  
 
いずれにせよ、私が神様が女の子たちを攻略している間に感じていたモヤモヤは、  
神様の頭の回転が私よりも早いからだけではなく、  
神様が優秀なバディーだからだけではなく、  
 
「嫉妬」  
 
私の個人的な感情が…  
 
 
−じゃあ、私のどんな所が好きか言ってみてよ。  
>だから、可愛いって  
 
可愛い、私は可愛く無いのですか?神様。  
 
>黒い髪も綺麗だ。  
 
毎日丁寧に手入れしている私の髪は綺麗ではないのですか?神様。  
 
私はふと人差し指で自分の唇に触れてみます。  
何かとても熱を帯びているように感じました。  
 
目の前が霞んで見えます。  
どうして。涙が溢れて止まらないのです。  
 
 
神様、ごめんなさい。私、止められないみたいです。  
 
「エル・・・シイ?」  
神兄様の戸惑った様子が、霞んだ視界にぼやけて映ります。  
 
「おいおぃ・・・一体どうしたんだ。どうして泣いている、どうして押し倒す・・・」  
その表情、言葉は明らかな拒絶を示しています。  
けれども、もう私は止められないのです。  
 
「おいおぃ、どうしたんだよ、エル・・・おわぁ!やめ・・・」  
まずは神兄様の唇を塞いでしまいます。  
 
ああ、これが神兄様の唇の感触・・・  
温かい豆腐のような湿っぽくて、ほんのり汗の匂いのする、  
私の躰の芯が、頭に血がかけめぐって・・・痛くてジンジンする。  
けれども、とても幸せ。  
攻略された女の子たちはこんな幸せな気分になったんだ。  
 
もう、興奮が、思考がまともに回らない。  
神兄様ともっと溶け合いたい。神兄様がもっと欲しい!  
 
私は舌を奥に差し入れた。  
神兄様は拒絶するかのように唇を深く閉じたけれども、無理やり押し込めた。  
神兄様の上の前歯に舌が当たる、下の・・・  
観念したのかどうなのか、少し開いた歯と歯の間から、更に奥深くへ舌を滑らせる。  
 
すぐにザラッとした感触が舌に感じられる、とても熱くて柔らかい。  
神様の舌を自分の舌で絡めとるようにして、自分の方へ引き寄せいようとする。  
 
もう口の周りは神様の私の唾液で濡れている。  
ひどくだらしがないけれども、そんなこと、もうどうでもいい。  
 
嗚呼、全然足りない。足りてない。  
私は神様の頭に両手を回して強く引き寄せた。  
ゴツン、私のおでこと神様のおでこがぶつかる。  
おでこの向こう側にある骨さえも、骨格さえ、何か私と神様の融合を邪魔するようで、  
私は神様のより内側を欲しているというのに・・・  
 
息が少し苦しくなってきた。私は腕の力を緩め、唇と唇を離した。  
プハッーと、私と神兄様も大きく息を吸う。  
ふと神兄様の顔を見てみると、頬は紅潮し、私と視線をあわせまいとしていた。  
そんな神兄様がとても可愛いくて、  
 
鼻腔を唾液独特の匂いが刺激する。けれどもそれすら愛おしてくて。  
神様と私の唾液の混じった口の周りを拭うのもめんどくさく思われて、  
私は再び夢中で唇を重ねた。  
 
ふと、客観的な思考が私の脳裏によぎる。  
口の周りはヨダレで汚れ、何かもさぼり食うかのごとく唇を求めている自分が、  
獣のように卑しい存在に感じられた。  
 
しかし、今更どうにも思わないし、どうすることもできない。  
今まで、さんざん堪えてきた、たがが一気に外れてしまったら、もう止められない。  
 
ハァハァハァ  
 
暗くなったお寺の静まり返った境内に、二人の荒い吐息だけが響く  
 
あれから幾度も唇を重ねた、けど私はこんなものでは満足できそうもない  
神兄様も最初こそ拒絶の姿勢だったが、最後の方の接吻では神様からも求めてきているように感じた。  
 
「神様、少し失礼します。」  
そう言って私は神様の制服の上着を脱がす。神様は抵抗しない。  
ほぅっと、ほのかな汗の匂い。  
そうして神様を上半身半裸にした後、私も制服の上を乱した。  
 
今度は獣のようなものではなく、優しい接吻から。  
お互い、何かぎこちなく。手探りで確かめるようにして、躰を寄せ合う。  
互いの舌が当たれば、びっくりしたように引くが、また探すように奥に入れ合う。  
 
無意識のうちに両手の掌を重ねていた。  
ただそれだけなのに、何か手のひらがとてもこそばく感じられる。  
 
しかし、そうした静かな求め合いも、徐々に激しくなっていく。  
二人の汗、唾液、二人の髪が汗で濡れる。  
これは神様の汗の匂い?私の?  
もうどうでもいい。唾液の匂い、私の頭は刺激でパンク寸前だ。  
 
もう下の方も大洪水だ。おしっこを漏らしてしまったようにグチョグチョに濡れている。  
熱い、もう我慢出来ない。  
 
私はディープキスを続けながら神兄様の乳首に自分のそれを重ねて、  
自分の恥部を神様の太ももに押し付ける。  
そのまま、乳首を前後に、恥部を神様の太ももでこするように激しく動かす。  
全身を電撃に打たれたかのような快感が突き抜ける。  
 
快感、興奮、もうしばらく前から私の思考はまともに回っていない。  
ただ延髄の欲するままに、躰だけが何か操り人形のように動き続けるのである。  
 
「きゃ・かみにひぃしゃまぁ・・・わたしぃ・・・」  
 
プロレスでリングロープを掴むかの感覚で、私は神兄様に懇願する。  
 
さすがの神兄様も察しってくれたようで、自分でズボンを下ろし、  
固くそり立つそれをあらわにした。  
私はそれに馬乗りになる形になった。もう下着を脱ぐのも面倒くさい。  
ビショビショに濡れて恥部が透けたショーツを横にずらして神様を受け入れた。  
 
ヒャァアア!  
瞬間、私は叫んでしまった。  
ノーラがいつか話していた初めての痛みは全く感じない。  
快感の波だけが、私の脳の髄を延々と刺激するだけ。  
 
ッアァッン!  
私は更に激しく欲するように躰を動かす。  
結合部から発せられる、ヌチョヌチョとする音が恥ずかしい。  
しかし、その恥ずかしさが、更に私の感情を昂らさせる。  
 
まさに全身が性感帯、全身が性器かのごとく敏感になる。  
太ももの付け根、恥部の毛同志のぶつかり合う感触。その奥にある骨盤同士のぶつかり合う感触。  
手、指の一つ一つまで、もっと触れたい。神様に触れたい。  
私は起こしていた躰を倒し、再びディープキスをした。  
私の胸の頭頂が、神様の白い肌にこすれるたび、快感に悶えた。  
 
ふと、後ろに目をやった。驚いた、ドクロ室長だ。  
「センサーから喘ぎ声が聞こえると思ったら・・・  
全く駆け魂討伐隊の初夜権は室長の私が持っているというのに・・・  
せめて、こっちの処女は私がいただいておくとしよう」  
 
「や、やめてくだ、アアッ」  
抵抗しようにも快感でまともに話せない。  
その内に、室長は自分のものに何かを塗って私のすぼまりにあてがう。  
 
「や、アアッやめて・・・そんなとこ汚アッ、ですぅ・・・」  
そんな、私の言葉を聞くはずもなく室長は私のあそこに、入れたのである。  
 
ヒャアアアゥウウウン!  
 
それまで感じたこともないような快感が躰を貫いた。  
下の穴が両方塞がれた。2本の堅くて熱い棒が、自分の内臓を引っかき回しているかのような感覚。  
 
私の躰は、無意識に仰け反り、次の瞬間には脱力した。  
躰に力が全く入らない。  
 
そうしている間にも、2本の欲の棒は激しく出入りする。  
神様の躰に持たれる形で、息をするのがやっとの状態でも、確実に快感は昂ぶってきている。  
 
「アッアッアッ、駄目、もう駄目、あぁ、アァンッ!アアアアアアアアァァァァァァ!!!」  
 
最後に声にならないような声が、私の声帯から漏れでたと同時に3人は果てたのである。  
 
 
「ねえ、神兄様」  
「なんだよLC・・・」  
 
普段は話しかけてもゲームばっかりで無視する神様が、きちんと答えてくれる。  
私は嬉しくなって、つい調子にのって神様の腕にしがみついてしまいました。  
すると神様はゆでダコのように顔を真赤にして腕を乱暴に振り払い、  
 
「ふざけるな!今日のアレはちょっとした過ちだ。俺もどうかしていた。  
リアルの女と接点を持ってしまうなど落とし神の風上にも置けない。」  
 
そういって、照れるのです。  
ちょっと、つい数十分前が懐かしいですが、私はそれでいいのです。  
いつもどおり、神様の後を笑顔でついていくだけで  
 
 
***  
 
 
「−というわけだが、よいかハクア・ド・ロット・ヘルミニウム」  
「あ、はい室長。ではこちらも少々質問してもよろしいですか?」  
「何かね?」  
「さっきからこの部屋変な匂いがするのですが、いったいなんの匂いです?」  
「!」  
 

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