女子生徒の唇が桂馬の唇に触れた瞬間、ピンク色の湯気のようなものが女子生徒の頭の上に立ち上った。  
それはぐるぐると渦を巻きみるみるうちに巨大化していった。  
そして、それは実体化し、駆け魂となった。  
待ち構えていたエルシィは拘留ビンを開けると、駆け魂はしばらくあらがったものの  
ビンの中へと吸い込まれていった。  
「駆け魂拘留!!やりましたね、神様!!」  
エルシィが桂馬の元に駆け寄ると、すでに女子生徒の姿は消えていた。  
「これで、とうとう残り一体ですね、神様。」  
「よし!!これでようやくこの首輪からおさらばだ!!晴れて自由の身だ!!」  
桂馬は全身で喜びを表す。  
ふと隣を見ると、はしゃいでいる自分をよそに浮かない顔をしているエルシィに気づいた。  
「どうしたエルシィ、うれしくないのか?」  
「うれしいです…でも…なんでもないです。さぁ、早速次の駆け魂を探しましょう!!」  
 
駆け魂を探しに校内を二人でぶらぶら歩いていると、おかしなことに気づいた。  
誰もいないのだ。校内には桂馬とエルシィ以外の人の姿が全くなかった。  
放課後とはいえ、異様な光景だった。  
通り過ぎる教室には人の姿はない。  
校庭を見ても誰一人いない。  
職員室ももぬけの空だ。  
「どうなってるんだ?」  
「駆け魂の仕業かもしれません!!」  
「そんなことまでできるのか?!」  
「強大な駆け魂なら、それくらいのことできます。  
 まずは、駆け魂センサーで広域チェックします。」  
すると、突然エルシィが叫んだ。  
「近いです!!すごく近くです!!」  
エルシィの駆け魂センサーがドロドロ音を立てて激しく点滅している。  
「といっても周りには誰もいないぞ?」  
桂馬はあたりを見回す。  
エルシィが桂馬を不審げにじっと見つめる。  
「ボクじゃないぞ。ボクの心はいつも八百万の美少女たちで満たされてされているんだ。  
 駆け魂のつけいる隙などない。」  
桂馬は眼鏡の中心を指で押し上げ、冷静にまじめな顔で答える。  
エルシィは不満げに口をふくらます。  
「うう――」  
 
「わかった!!お前だ!!」  
そう言って、エルシィを指さす。  
「わ、私?!ま、待ってください…個人特定します…」  
エルシィは目を閉じ、センサーに手を当ててしばらく考え込む。  
「わかりました…」  
一呼吸置いてつぶやくように言う。  
「やっぱり私です…」  
「どういうことだ?」  
「私の心の隙間に駆け魂が潜んでいるんです。」  
「それはわかった。でも、なんで?!」  
「わかりません。この現象も駆け魂の仕業に間違いありません。」  
そういってエルシィはうつむいて口を閉ざしてしまった。  
「どういうことだ?なんで、駆け魂がボクたち以外の人間を隠すんだ?」  
「それは…」  
エルシィはうつむいたまま何も答えなかった。  
「どうすればいいんだよ!!」  
「攻略してください、私を!!」  
 
―なんだよこの展開…  
 
その時、桂馬の中では数知れずのギャルゲで鍛えられた脳がフル回転していた。  
 
―エルシィの心の隙間?  
 どうしろって言うんだよ。エルシィを攻略する?  
 ボクが?エルシィを?  
 そもそも、彼女の願いは?  
 もちろん、駆け魂の仕業と関連があるはず…  
 それは、つまり…?!  
 まさか?  
 いやそうだ!!そうだったんだ…  
 
桂馬はエルシィに向かって自信ありげに告げた。。  
「よし、エンディングは見えた!!」  
 
----------  
桂馬はエルシィと二人きりになれる場所を探した。  
誰もいないとはいえ、人目が気になる。一応、兄と妹という設定なのだ。  
結局、帰宅することにした。自宅がベストだと桂馬は考えたのだ。  
自宅へ帰る道のりのエルシィの顔には戸惑いと落胆の混ざった何ともいえぬ表情をしていた。  
 
帰宅する途中もやはり、誰一人、人間を見かけなかった。  
家に着くと、今日は定休日なので店は閉まっていた。玄関にも鍵がかかっていた。  
鍵を開け、家に入ると桂馬はエルシィに言った。  
「エルシィ、後で話がある。荷物置いたらボクの部屋に来てくれ。」  
「…はい、神にーさま。」  
その声にはいつもの元気はなかった。  
 
ドアをノックする音がして、エルシィは桂馬の部屋に入ってきた。  
先ほどまで着ていた制服から、普段着の地獄の掃除係の姿に着替えていた。  
「座ってくれ。」  
桂馬は自分の座っているベッドの横をたたいて言った。  
エルシィはそこにちょこんと座る。  
「話って…何かわかったんですか?」  
エルシィはうつむきながら言った。相当落ち込んでいるようだった。  
 
「エルシィ。」  
桂馬はエルシィの両肩に手をかけ上半身を自分に向ける。  
「ごめん。なんて俺は馬鹿だったんだろう。今までずっと君の思いに気づかなかったなんて…」  
桂馬の表情はは苦悩に満ちていた。  
「えっ…?!」  
「ボクが、駆け魂のためとはいえ、彼女らを攻略するたび、キミの心を傷つけていたんだね。  
 今まで、気づかなくてごめん。  
 駆け魂は、キミとボクの二人の世界を作るため他の人を消したんだよ。  
 ごめん、エルシィ、今更、やっと君の思いに気づいたよ。」  
「神にーさま…。私…私、ずっと神にーさまのこと…」  
そう言いかけたエルシィの唇を突然、桂馬はキスでふさいだ。  
エルシィは始め驚いて目を見開いたが、すぐに目を閉じ、桂馬のなすがままになった。  
桂馬の唇が離れると、エルシィは言った。  
「ごめんなさい、私のわがままがこんなこと引き起こしてしまって。」  
そこには瞳を潤ませ、泣いているのか笑っているのか判別のしがたい表情をしたエルシィがいた。  
 
「まあ、いいさ。で、駆け魂は?」  
「えっ?あれ?」  
「ダメか…」  
「えっ…私…その…ごめんなさい神様…」  
予想外の事態にエルシィは慌てる。  
桂馬は額に手をあて、うつむく。  
 
―ギャルゲーエンドじゃダメなのか!!  
 
桂馬は覚悟を決めた。  
 
―こうなったらエロゲーエンドだ!!  
 
「『神様』なんて呼び方、やめてくれ…。ボクは桂木桂馬。一人の人間として君を愛する!!」  
「け…『桂馬さま』で…いいですか?」  
そう言うとエルシィは恥ずかしさのあまり顔を手で覆いうつむいてしまう。  
「うん、それでいいよ。エルシィ…君が好きだ。愛している。」  
「私も愛してます、桂馬さま…」  
「好きだ、エルシィ、君の全てが欲しい」  
 
----------  
 
二人は桂馬の部屋で、ベッドに並んで座っていた。  
いきなりエルシィの唇を奪う。  
エルシィは全てを受け入れ桂馬のなすがままになっていた。  
帯に手をかけ、一気にほどく。  
そして、着物の合わせ目を開いていく。  
着物の下には、ブラジャーをしていた。  
桂馬は興ざめした表情で言った。  
「なんで、ブラジャーなんかしているんだ?必要ないだろ。」  
「じょ、女子高生ですから!!ブラは必須です!!子供じゃないんですから!!」  
「それになんだ、このパンツは?」  
「縞パンです!!萌えですよ、神にーさま!!萌えっ!!」  
「縞パンが許されるのは二次元の世界だけっ!!  
 こんなものポイだ。ポイっ!!  
 それに、そんなこと一体どこで覚えた?」  
桂馬は素早く青と白のストライプのパンツを脱がすとベッドの外へ放り投げた。  
「ひどいですぅ…せっかく買っておいたのに…」  
下腹部を隠そうとするエルシィの手をどかすと、秘部が露わになった。  
そこには、まだ産毛のようなものしか生えていなかった。  
「もうすぐ生えるんです!!まだ、三百歳代ですから!!」  
手で秘部を隠しながら、まだ何もいっていない桂馬に対し反論をした。  
「はい、はい。」  
その言葉を無視し、桂馬はエルシィのブラジャーを上にずらし乳房を露わにした。  
そして、優しく愛撫を始めた。  
「あのぅ…神にーさま?他は脱がなくていいんですか?」  
「エルシィ、お前からその長手袋のようなものとニーソックスみたいのを取ったら何が残る?」  
「うう――   
 ひどいですぅ…」  
 
エルシィ白い肌は、ピンク色に火照っていた。  
桜色の乳首はすでに充血して存在を主張していた。  
桂馬はそっと唇で乳首に触れる。  
エルシィの体はビクンとはねる。  
次に、乳首をくわえ、甘噛みする。  
「あっ…」  
エルシィは背中を反らし声をあげる。  
「くすぐったいです、神にーさま…」  
「嘘だろ、気持ち良いんだろ。」  
片方の乳房を手で弄びながら、もう片方の乳房に唇で愛撫を加えていく。  
「あぁっ…神にーさま…あっ…」  
切なげな声をエルシィは漏らす。  
「あっ…ダメです…そんな…」  
桂馬はわざと音を立てエルシィの乳首を吸う。  
エルシィは顔を上気させ、荒い息を吐いて応える。  
桂馬の手がエルシィのなだらかな腹部をなでながら、下腹部へと伸びていく。  
指は固く閉ざされた両足によって秘部への道を阻まれてしまう。  
「エルシィ、足を開くんだ。」  
「は、恥ずかしいです…」  
エルシィは顔を手で覆いながら、足の力を抜きゆっくりと太腿を開いていった。  
もうそこはすでに十分なほど潤っていた。  
少し力を入れるだけで、指は割れ目の間に滑り込んでいった。  
「エルシィ、濡れているよ…」  
耳元で囁く。  
エルシィはイヤイヤするように首を左右に振る。  
何度か割れ目にそって指を動かしているうちに、こりっとした肉の蕾を見つけた。  
そこに触れると、エルシィの体ははねるように動いた。  
クリトリスだった。  
エルシィは声を漏らさぬように自分の手で口をふさいでいる。  
クリトリスに指が触れるたび、声が漏れそうになるのを必死にこらえているようだった。  
「エルシィ、我慢しなくていいよ。エルシィのかわいい声が聞きたい…」  
「は、はい…」  
桂馬はエルシィのクリトリスを中心に愛撫を重ねていく。  
「あっ…あっ…ああぁっ…」  
だんだん、エルシィの反応が大きくなっていく。  
 
―そろそろいいかな?  
 
桂馬はエルシィに横になるように促す。  
「エルシィ、横になるんだ。」  
自分も制服のズボンとパンツを一緒に脱ぐ。  
エルシィの足下に座ると、太腿を持ち上げM字型に足を広げさせる。  
「恥ずかしいです、神にーさま。」  
「ボクにだけ見せてくれ、エルシィ。」  
桂馬は痛みを感じるほどいきり立ったものをエルシィの秘部に当てる。  
そして、ゆっくりと奥へと押し出していく。  
すでに十分に潤ったそこは桂馬のものをスムーズに受け入れた。  
しかし、亀頭が半分も入らないうちにエルシィが騒ぎ出す。  
「い、痛いです、神にーさま!!」  
「大丈夫なはず。人間の体はそういう風にできているはずだから。」  
「悪魔です、私は人間じゃありません!!とっても痛いです!!」  
「我慢するんだ!!最初だけだ!!」  
「でも、痛いんですぅ!!」  
そんなやりとりをしている間に、桂馬のものは萎えてきてしまった。  
 
「あれ?!桂馬さま、元気がなくなっちゃいましたね。」  
「お前のせいだ。」  
「ど、どうすれば良いんですか?」  
「咥えろ!!」  
「えっ!!?これを…ですか?」  
エルシィは体を起こすと、おっかなびっくり桂馬の半分萎えたものに指で触れた。  
桂馬は膝で立つと、エルシィの口元に半分萎えてしまったものを突きつけた。  
「し、失礼します。」  
そういって、エルシィはおそるおそる口に含んでいった。  
「そう、全部咥えたら舌で舐めるんだ。」  
これで良いのか不安なエルシィは上目遣いに桂馬の様子をちらちらと見ていた。  
そんな様子に刺激され、桂馬のものはむくむくと元気を取り戻していった。  
「もう十分だよ、エルシィ。」  
エルシィの頭をなでながら桂馬は言う。  
「はい、桂馬さま。」  
「今度は僕の番だ。」  
エルシィを横たえると彼女の足を開いた。  
そして、いきなり秘部に口をつけた。  
「ひゃっ…!!」  
いきなりの刺激にエルシィは声を上げた。  
「き、汚いです、神様!!そんなところ舐めたたら汚いです!!さっき、私…」  
「さっき、なんだって?エルシィの体に汚いところなんかないよ。」  
桂馬はエルシィの秘部の割れ目に沿って舌を動かす。  
「く、くすぐったいです、神様…」  
桂馬は構わず舌を動かし続ける。  
舌を奥に進めるとこりこりしたものを探し当てた。  
クリトリスだった。  
「はぅっ…!!だ、ダメです…そこはダメです!!」  
エルシィは体を起こし桂馬の頭をどかそうとするが、  
桂馬はエルシィの腰を抱きしめて離そうとしない。  
「ダメ…あっ…ダメです…くぅっ…」  
だんだんとエルシィの抵抗が弱まっていく。  
 
―そろそろ良いかな?  
 
桂馬はエルシィの秘部から顔を上げる。  
エルシィは上気した顔で、とろんとした目でこちらを見つめている。  
「それじゃあ再挑戦だ!!」  
桂馬はエルシィの秘部に自らの肉棒をあてがい、腰を進めた。  
エルシィは一瞬顔をしかめたが、無理矢理笑顔を作ると桂馬に答えた。  
「だ、大丈夫です。今度は…」  
ゆっくりと体重をかけ肉棒を、エルシィの中に送り込んでいく。  
「痛くないか?」  
「だ、大丈夫です…」  
エルシィの額には汗が浮かんでいた。  
「もう少しだ、エルシィ…」  
桂馬の肉棒は初めて異物を受け入れるエルシィの肉壁をかき分け、  
とうとう最奥部に達した。  
「大丈夫か?エルシィ?」  
「ちょっと苦しいけど大丈夫です。」  
「じゃあ、動かすぞ。」  
「ええっ、動かすんですか?」  
不安げにエルシィは訊ねる。  
桂馬は答えずに、ゆっくりと肉棒を引き抜いていく。  
内臓ごと引き抜かれてしまうような感覚にエルシィは妙な声を上げた。  
「うゎっ…!!ひゃっ…!!」  
 
桂馬はゆっくりとピストン運動を始めた。  
最初はゆっくりと、徐々にペースを上げていった。  
「エルシィ、とても気持ち良いよ…」  
「神にーさま…」  
何往復かすると、限界は桂馬の予想よりも早くやってきた。  
「エルシィ、そろそろいくぞ!!」  
ピッチを上げてピストン運動を続ける。  
エルシィは桂馬の首に手を回して抱きしめ、目をつむりひたすら桂馬の欲求に応える。  
「い、いくぞ!!エルシィ!!」  
「は、はいっ!!」  
「いくっ!!」  
桂馬はエルシィの中にありったけの欲望をはき出した。  
エルシィの中で桂馬のものが何度も脈動し、そのたびに熱い精子を  
エルシィの子宮へと注ぎ込んでいった。  
 
二人とも、息が整うまでしばらく抱き合っていた。  
桂馬が自分のものを引き抜くと、エルシィの流した血とともに精液があふれ出してきた。  
「はぅ――」  
エルシィは初めての体験にまだ目を回していた。  
「本当に初めてだったんだな。」  
「当たり前です!!」  
桂馬は優しく微笑んで、エルシィの頭をなでた。  
 
「これで…」  
「まだだ!!ボクの気持ちは一回で済むほど甘くはない。二回目だ!!」  
「また、するんですか…?」  
「今度は後ろからだ。」  
「後ろから?!」  
「四つん這いになるんだ。」  
「えぇ――。恥ずかしいです。」  
「いまさら、恥ずかしいもなにもないだろ。」  
「でも…」  
しびれを切らした桂馬は、エルシィをごろんと転がし、うつぶせにすると  
足下にまわり腰を抱え上げた。  
「うう――!!」  
エルシィはバタバタ暴れてみせるが効果はなかった。  
桂馬は片手を添えて自分のものをエルシィの秘部にあてがうと、一気に奥まで貫いた。  
「はうぅっ!!」  
まだエルシィの体内に残っていた桂馬の精液があふれ、シーツを汚す。  
桂馬はいきなり激しくピストン運動を始める。  
「もっと優しくしてください…」  
「エルシィ、キミを見ていると欲望が抑えられないんだ…」  
桂馬は子宮に届くくらいエルシィに深く打ち込む。  
「うっ…うぅっ…」  
最初は苦しげだったエルシィの声に徐々に嬌声が混じってくる。  
 
「うっ…あぁっ…うぅ…」  
「どうした、エルシィ…気持ち良いのか?」  
「よく…わかりません…おなかの中がじんじんして…頭がぐらぐらします…」  
「エルシィ、ちゃんと四つん這いになるんだ。」  
エルシィは力が抜けそうになる腕で、必死に上半身を起こす。  
桂馬はエルシィを支配する喜びに興奮をさらに増していく。  
肉と肉のぶつかる音が響く。  
「あっ…あっ…あぁっ…!!」  
エルシィは完全に快楽に飲み込まれていた。  
そんな様子に桂馬の興奮は絶頂に達した。  
「エルシィ、行くぞ!!」  
「はい、桂馬さま!!」  
桂馬はひときわ深く自分のものをエルシィの体内奥深く打ち込むと、  
先ほどよりもさらに激しい勢いで射精した。  
桂馬の射精を感じ取ったエルシィの体は喜びに打ち震えた。  
何度も精をはき出すと、桂馬のものは落ち着いた。  
しかし、堅さも太さもまだ衰えていなかった。  
 
「はぅ――」  
エルシィは蛙のように腹ばいになっていた。  
秘部からは桂馬の放った精液があふれてシーツをさらに汚していた。  
「もう、わたしダメです、桂馬さま…」  
エルシィはぐるぐると目を回していた。  
「まだまだ。3回目だ!!」  
「へ〜ぇっ、もうかんべんしてください…」  
「次は、エルシィ、お前が上になれ。」  
エルシィは桂馬の太ももの上にちょこんとまたがってみた。  
「自分で入れてみろ。」  
「ふぇっ、ふぇっ…?!」  
桂馬の腹につくほど勃起したものをエルシィはつかんででみた。  
「こ、これを入れるんですか…私の中に…」  
「さっきまで入っていただろ。」  
「でも…」  
「本来の目的を忘れていないか?」  
桂馬は冷静に言う。  
「は、はい!!がんばります!!」  
エルシィは桂馬の勃起したものを右手で押さえて垂直に立たせ、  
その上にまたがるように腰を下ろしていく。  
桂馬のものが秘部に触れた瞬間、エルシィがビクッと震えた。  
「そのままゆっくりだ。」  
エルシィの秘部はゆっくりとだが確実に桂馬のものを飲み込んでいった。  
「お、奥まで入りました…」  
桂馬のものを全て飲み込んだエルシィは言った。  
彼女の足はガタガタと震えていた。  
「よし、今度はゆっくり抜いていくんだ。」  
「は…はい…」  
エルシィは震える下半身で何とか体を引き上げていく。  
「うっ…うっ…」  
感じているのか、刺激が強すぎるのか声を漏らす。  
「よし、今度はまた降ろすんだ。」  
桂馬の言うとおりに、腰を下ろしていく。  
そうして、徐々にエルシィの動きが上手になっていく。  
「あっ…あっ…桂馬さま…桂馬さま…」  
エルシィは機械仕掛けのおもちゃのように体を上下に動かし、快楽をむさぼっていく。  
桂馬はタイミングを合わせ、腰を突き上げる。  
「はうぅっ…」  
あまりの突然の刺激に、エルシィの動きが止まる。  
「桂馬さま…もう…私…どうにかなっちゃいます…」  
エルシィは荒い息であえぐように言う。  
「ボクが体を起こすからちゃんとつかまっていろよ。」  
エルシィは桂馬の首に腕をまわした。  
桂馬は上半身を起こし対面座位の体勢に持っていった。  
ちょうど二人の顔が向き合う位置になった。  
 
「け、桂馬さま…」  
エルシィは桂馬の脇の下から手を伸ばし、ぎゅっと抱きしめた。  
桂馬もそれに応えるようにその上からエルシィを抱きしめた。  
「神にーさま、大好きです。大好きです。大好きです…」  
「エルシィ、君のことをもう離したくない。」  
お互いどちらともなく唇を重ねていった。  
しばらくの間、お互いの口をむさぼりあった。  
唇を離すと唾液の糸がお互いの唇の間に糸を引いた。  
「エルシィ、動かすぞ。エルシィも動いてみろ。」  
「はい!!」  
桂馬が腰を突き上げるとエルシィは声を漏らした。  
もう痛みは、そこには快感だけがあった。  
「はぅっ…!!」  
桂馬に突き上げられるたびに声を漏らす。  
エルシィもぎこちないながら、腰を動かし始める。  
最初はちぐはぐだった動きが、徐々にシンクロしていく。  
「すごいです…何だかわからないけど…すごいです…こんなの初めてです…」  
エルシィはうわずった声で叫ぶ。  
二人はきつく抱きしめあったまま、腰を動かし続ける。  
ベッドがギシギシと今にも壊れそうな音を立てているが、  
お互いのことしか見えていない二人には聞こえなかった。  
やがて終わりの時が近づいてきた。  
「桂馬さま…私…私、おかしくなっちゃいます…もう、ダメです…」  
「エルシィ、ボクもそろそろいきそうだ…」  
「あっ…あっ…ああっ!!」  
エルシィはひときわ大きな声を上げると、上半身を反らし、全身をけいれんさせた。  
彼女にとって初めてのエクスタシーが訪れていた。  
それと同時に、エルシィの肉壁は桂馬から精液を絞り出すようにうごめいた。  
そして桂馬はたまらなく3度目の精液をエルシィの胎内に向けて解き放った。  
「あっ…あっ…桂馬さま…桂馬さま…!!」  
精液を子宮に受けながらエルシィは愛する者の名前を叫んだ。  
 
二人はベッドに並んで横たわり、しばらく息を整えていた。  
「エルシィ…」  
「桂馬さま…」  
顔を向けると愛する人がいた。  
今まで晒してきた痴態数々に恥ずかしくなってどちらとともなく照れ笑いをする。  
すると、エルシィの頭からピンク色の湯気のようなものが立ち上ってきた。  
「エルシィ!!駆け魂だ!!」  
「ふぇっ?」  
幸せにひたっていたエルシィは桂馬の声に現実へ引き戻された。  
乱れた着衣のまま拘留ビンをどこからともなく取り出した。  
湯気は渦を巻き、やがて駆け魂として実体化し、エルシィの頭から抜け出そうとしていた。  
「これで最後です!!」  
ビンのふたを開けると、駆け魂はしばらくあらがったものの、拘留ビンに吸い込まれていった。  
エルシィはビンにふたをすると、桂馬に向かって敬礼をしながら言った。  
「最後の駆け魂、捕獲完了です!!」  
 
「ふうっ…」  
二人は同時に声を漏らした。  
二人はどかっとベッドに腰を落とした。  
「はぁ……」  
二人は同時にため息をついた。  
その瞬間、ベッドサイドに置かれていた桂馬の携帯ゲーム機PFPがメールの受信を告げた。  
「なんだ?こんな時に?メールの着信音はオフにしているはずだぞ?」  
ベッドのそばに置いてあったPFPを取るとメールをチェックした。  
桂馬は突然、真面目な顔になった。  
「ドクロウ室長からのメールだ。任務完了ご苦労様。エルシィは地獄へ帰れだとさ。」  
桂馬はエルシィにPFPを渡して言った。  
エルシィは喜びと驚きの混じった表情でPFPの画面を見つめていた。  
いつの間にか外の喧噪が戻っている。  
子供たちの遊ぶ声。  
主婦たちの井戸端会議。  
「戻ったみたいだな。」  
窓を開けて外の様子をながめた桂馬は言った。  
「それに、いつの間にか首輪がなくなってる。」  
桂馬は首をさすりながら言った。  
「本当です!!やりました!!私たちやったんです!!」  
エルシィはベッドの上でぴょんぴょん跳ねながら言った。  
「でも、これでさようならですね。神にーさま。」  
エルシィは桂馬を見つめながら言った。  
心なしか、目が涙で潤んでいるようだった。  
 
「ふーん、そうか。やっとこのうっとうしい首輪がなくなって清々したよ。  
 これでギャルゲー三昧の日々に戻れる。」  
桂馬はエルシィから視線をそらし、奪い返したPFPの画面から目を離さずに答えた。  
「長い間、ご苦労様でした。」  
その言葉は心なしか涙声だった。  
「ああ、苦労したよ。大苦労だ。」  
エルシィは乱れた着衣を直し、ほうきを取ると、窓を開けた。  
「さようならです、神にーさま。」  
PFPの画面には名残惜しそうに振り返るエルシィの姿が映り込んでいた。  
「もう行くのか?」  
「こうしていると辛いだけですから…」  
背を向けている桂馬の前に回りこみ軽い口づけをする。  
「さようなら、桂馬さま…」  
「じゃあな」  
桂馬はエルシィに背を向けたまま手を振った。  
そして、エルシィは窓から外へ飛んでいった。  
桂馬は画面に映り込むエルシィの姿が小さくなって消えるまでずっと見つめていた。  
やがて、PFPの画面が涙でにじんで見えたくなっていった。  
 
----------  
 
望んでいたギャルゲー三昧の日々が戻った。  
しかし、心のどこかにぽっかりと空洞が空いてしまったような感覚、  
それから逃れるために、よりいっそうギャルゲーにのめり込む日々が続いていた。  
あれから一年経った。  
 
―エルシィは今頃どうしているだろう…  
 あいつのことだから…  
 まあ…ちょっと…  
 心配だな。  
 
突然部屋の窓が外から開き、夜風が流れ込んできた。  
それとともに一人の少女が飛び込んできた。  
桂馬は、それが一体誰なのか一瞬わからなかった。  
「お久しぶりです、神にーさま!!」  
「エ、エルシィ!!」  
エルシィは今まで結んでいた髪を下ろし、ドクロ形の駆け魂センサーも頭につけていないので  
かなり印象が異なっていた。  
心なしか、以前よりも大人びた感じがしていた。  
そして、エルシィは一抱えもあるような巨大なバスケットを重そうにぶら下げていた。  
桂馬が中を覗くと、すやすやと寝息を立てている3人の赤ん坊が入っていた。  
「エ、エルシィ?」  
「お久しぶりです、神にーさま、じゃなくて神パパ。」  
「はぁっ?!」  
桂馬は驚きのあまり口を開いたまま一瞬、思考が止まった。  
そして、もの凄い勢いで脳みそがフル回転を始めた。  
 
―落ち着け!!  
 現実に飲み込まれるな!!  
 順序立てて論理的に考えればは問題ない!!  
 赤ん坊?  
 エルシィの子供?  
 パパ?おい、パパってなんだよ、パパって?  
 俺がパパ?  
 つまり…?!  
 
「なんでそうなるんだよ!!」  
桂馬は絶叫した。  
「だって…桂馬さんが…」  
そう言うとエルシィは頬に手を当て、顔を赤らめうつむいた。  
「なんだよこのシナリオ…」  
手を顔に当てて絞り出すような声で言う。  
「みんな女の子ですよ。まだ、名前決めてないんです。  
 やっぱり、こういうことはやっぱり…夫婦で相談しないと…」  
そういってエルシィは照れくさそうに、もじもじしながら言った。  
突然の出来事に、桂馬はへなへなとその場に崩れ落ちてしまった。  
「いろいろあって、こっちで暮らすことになりました。」  
「なんで!!」  
「うう――  
 追い出されたんです…姉さんからも縁を切るって言われて…」  
みるみるうちにエルシィの瞳が潤んでいく。  
「責任とってくださいよ、神パパ。」  
「パパ?!」  
「そうでちゅよー、パパでちゅよー。始め待ちてー。」  
エルシィは赤ん坊に話しかけた。  
「なんで、よりによって三つ子なんだよ!!」  
桂馬は立ち上がると絶叫した。  
「神にーさまが…あの…その…三回もするからです!!」  
「いや、その理屈はおかしい。回数は関係ないだろ、回数は!!」  
逆上した桂馬はそう叫んだ。  
「うう――!!」  
「おかしいだろ、そもそも駆け魂を拘留したらターゲットの記憶は消えるはずだろ!!」  
「それは愛の力でカバーしました!!」  
「なんだよ、その勝手な設定!!」  
「うう――!!」  
 
二人がにらみ合っている瞬間、ドアをノックする音が聞こえた。  
「桂馬、何騒いでいるの?」  
そう言ってドアを開けたのは桂馬の母だった。  
「ま、まずい母さんまで来た!!」  
母は部屋の中を見渡すとエルシィに気づいた。  
「まあ、エルシィちゃん。お久しぶり。また会えてうれしいわ。」  
喜んだ母はエルシィの手を取ってブンブン振り回す。  
 
その瞬間、申し合わせたようにバスケットの中の三人の赤ん坊たちが声を揃えて泣き始めた。  
「あら、この子たちは?」  
「…お、終わりだ…」  
桂馬の脳裏にバッド・エンドの文字がよぎった。  
「ほーらよしよし、泣かないで。」  
バスケットに入った三人の赤ん坊をあやしながら、桂馬の母は振り返った。  
「この子たちは?」  
母の表情は真剣だった。  
「桂馬さんと私の愛の結晶です!!」  
エルシィが叫んだ。  
桂馬は一瞬のうちに顔面から血の気が引いて行くのを感じてた。  
「今まで嘘をついていてごめんなさい。実は桂馬さんと私、血は繋がっていないんです。  
 私、お父さまの子供じゃないんです!!  
 でも、やっぱりいけないことですよね。たとえ血が繋がっていなくても兄と妹ですから…」  
「そんなの最初からわかってたわよ。あの人が私を裏切るはずないわ。  
 それはさておき――」  
母はため息を一つつくと髪留めと眼鏡を外し、ドスの効いた声で言った。  
「あんたたち、勝手に子供作っといて、ちゃんと面倒見ないと承知しないんだからね!!」  
「はい、お義母さま!!ふつつか者ですが、よろしくお願いします。」  
「よろしくね、エルシィちゃん。  
 今で大変だったでしょ?もう大丈夫。  
 私のこと本当のお母さんと思って良いんだからね。」  
そう言って、母はエルシィのことをぎゅっと抱きしめた。  
「さあ、桂馬さまも…」  
エルシィは桂馬の袖を引っ張る。  
 
―なんか、だまされているような気がするぞ…良いのか俺の人生これで…  
 
追い詰められ逃げ道を失った桂馬は苦悶した。答えは一つしかない。  
「桂馬!!どうなんだい!!はっきりしな!!」  
桂馬に、再びドスの効いた声で問いただす。  
 
―もう、どうとでもなれ!!  
 
「エルシィ共々よろしくお願いします!!」  
桂馬はとうとう観念し、頭を深々と下げた。  
 
母に認められたエルシィと、突然孫のできた母は、二人手を取り喜んでいた。  
桂馬はがっくりと膝をついて、床に手をつきうなだれた。  
 
―いったい、俺のギャルゲライフはどうなるんだ…  
 くそっ、やっぱり現実なんてクソゲーだ!!  
 俺の…俺の人生…  
 …まあ、とはいえ、愛すべきクソゲーっていうのもあるわけだが…  
 
「あらためまして、桂木エルシィです。娘ともども、よろしくお願いします!!」  
 
 〜 〜 〜 おしまい 〜 〜 〜  
 
 

PC用眼鏡【管理人も使ってますがマジで疲れません】 解約手数料0円【あしたでんき】 Yahoo 楽天 NTT-X Store

無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 ふるさと納税 海外旅行保険が無料! 海外ホテル