「ツモ。2千4千」
「……」
「月夜、人形の服を代わりに脱がすのは反則」
「ごめんなさい、ルナ。あの男がいけないのですね」
もぞもぞと一枚だけ残った肌着の中から、平べったいブラを脱ぐ。
「まだオーラスがあるっ」
長瀬がタイトスカートの足から、ちいさく丸まった布を取り出す。
「ハクア、脱がないならリタイアだ」
「わ、わかってるわよっ……!」
最後に一枚だけ残ったそれを真っ赤な顔で下ろす。
その根性だけはたいしたものだ。
「もう勝ち目はないってわかっただろ。
今なら何でも言うことを聞くっていうペナルティなしにしてやるから、交替しろ」
ボクの言葉になんら反応を示さず、3人はさっそく洗牌をはじめる。
だいたい神たるボクに、その上、スーパーリアル麻雀PIIやスーチーパイでさえ
負け知らずの脱衣麻雀などでかなうわけがない。
なんとか今日一日やり過ごせば、地獄の記憶保管の故障は直るとエルシィは
言っていた。
ちらりと、じゃんけんで負けた主将、かのん、栞、ちひろ、歩美、美生を見る。
……見なければよかった。
背中がちりちりするプレッシャーを感じながら、ボクは何故こんなことになったのかを
考えていた。