お昼休み。三人合わせた机の上に、祀が一冊のノートを置いた。
「これ、なに? 祀ちゃん」
ノートを手に取ったゆりえが、しげしげと表紙を観察する。
「八島様の物入れから持ってきたのよ」
楽しげに言う祀。そんな彼女に、光恵が咎めるような眼差しを向ける。
「あんた、それ。泥棒じゃない・・・」
「あっ、これ。日記帳だ・・・」
そのとき、ページを繰っていたゆりえが驚きの声をあげた。すると、祀はにやりと笑う。
「やっぱり、持ってきて正解だったわ。私じゃ、それに何が書いてあるのか読めないのよ。ゆりえ、さっそく読んでみてくれる?」
罪悪感の欠片すらない祀。光恵は呆れている。
「祀、やめなよ・・・八島様、きっと怒るよ・・・ねぇ、ゆりえも、そう思うでしょ?」
「ねぇ、祀ちゃん、本当に読んでいいの? 読んでいいかな?」
光恵の制止をよそに、ゆりえが嬉々と訊ねる。祀は光恵に勝ち誇った笑みを見せつけると、「んふふ。まんざらでもないみたいよ。それじゃ、ゆりえ、お願いするわ」
「うんっ。えーっと、今日は、ゆりえ様という神様が、私を連れ戻しにやってきました――」「へーー、最近の話じゃない。どんどん読んでちょうだい」
「私、どうなっても知らないからね・・・」
「みこさんを泣かせてしまいました。祀さんにはこっぴどく叱られました。もう家出はしないことにしました――。
・・・今日は、祀さんの部屋に行きました。やっぱり、三ヶ月ぶりの祀さんはいろいろと良かったです」
「ちょっと待ったぁっ!」
祀が声をあげた。「ちょっと、ナニよそれ。最後のやつ、最後のやつっ!」
「祀ちゃん。八島様と、遊んでたの?」
「そんなわけないでしょっ! 見えないんだから! なによ・・・いろいろ良かったって・・・・・・はっ!? ゆりえっ、どんどん読んで!」
「う、うんっ・・・
●月×日。今日は、祀さんのお風呂を覗きました。ぷっくりした可愛い乳房と、細い腰が印象的でした――
●月×日。今朝は、祀さんの部屋に行きました。祀さんは大口を開けて寝ていました。むらむらときたので、
その口に、●んぽを突っ込みました。祀さんの口は温かくてとても気持ちが良かったので、そのまま口内に精液を吐き出しました。
祀さんは、家の畑で採れたとろろ芋は最高だわと寝言をいいながら、精液を呑み込んでいました。
●月×日。昨日の祀さんの口が忘れられず、今朝も部屋に行きました。祀さんはまだ寝ていました。
祀りさんはお股を広げて、はしたない格好で寝ていたので、下着を脱がしました。祀さんのあそこはまだ毛が薄く、真ん中の縦筋がよく見えました。
縦筋を指で広げました。肉色の粘膜がとても綺麗でした。おしっこの臭いが少ししましたが、膣口の辺りをくすぐると、祀りさんはくすっぐったいと寝言を言っていました。
それから祀さんのあそこをしばらく観察しました。祀さんは処女でした。今度は指を入れてみようかと思います。続く・・・」
ゆりえが日記帳を閉じる。三人のあいだには言い知れぬ空気が漂っていた。
「だから、やめとけって、言ったじゃない」
光恵が呟いた。祀りは拳を震わせていた。ゆりえは内容を思い出しているのか、顔を真っ赤にしていた。
「あんのっ! 馬鹿神っ!」
とつぜん、祀が勢いよく立ち上がった。衝撃で椅子が倒れる。
「ふふ、見てないさい。八島様・・・わたしの裸は高いわよぉ・・・」
憎々しげに呟きながら、祀は日記帳を縦に引き裂いた。次の日八島様は家出した。
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