「もう一回いいですか?」
嫌だって言っても止めないくせに。
返事をするのも癪なので黙って好きにさせていたら、指が後ろに滑り込んできた。
「ちょっと、止めて!」
「こっちは経験ないんですか?」
何よそのうれしそうな顔。
「結城さんは、こういうことしそうにないですもんね。じゃあ僕が初めてなんだ。」
「冗談じゃないわよ!」
逃げ出そうとしたけど、逃げられるわけもない。
「ちゃんと慣らしてあげますから。」
だから、何でローションなんか持ってるのよっ。
「本当に嫌!こんなことするんならもう・・・ うぅ」
口にハンカチを詰め込まれて声が出せなくなった。
おまけに皮バンドなんか持ち出して両手をベッドにくくりつけられてしまった。
「すごく怒ってますね。」
当たり前でしょう!!
「僕だって辛いんですよ、あの人を心配している貴女を見てるのは。」
それは私も悪い。結城の事が心配で到底眠れないからって誘いに乗ってしまったのは。
「こんな時くらい僕の事だけ想って下さいよ。」
無理やり拡げられた部分に指が増やされ、内臓をかき回されるような感覚に身を捩る。
「力、抜いてて下さいよ。」
指が抜かれ、熱い塊が押し入ってきた。痛い。こんなの本当に嫌。
それでも指や唇で愛撫を受けているうちに少し慣れてきたけれど、彼が動き始めると
また痛みが増す。
「あまり無理させるわけにもいきませんしね。」
抜かれてほっとする間も無く、前に挿入されて激しく攻め立てられる。
快楽を感じ始めたところで、また後ろにという様に繰り返されてもう
何がどうなっているのか快感なのか苦痛なのかもわからない・・・
気が遠くなりかけた耳に何か聞こえてきた。
「こっちは僕だけの専用にしといてくださいね。」
・・・自由になったら本気で撃ってやろうかしら。