「・・・異常は無いみたいだ。だけど、あんまり無茶はしないでくれ。」
モニターを眺めながら結城がため息をついてる。
私がバダンの怪人にヘリを衝突させようと無理をしたのを滝から聞いたらしい。
「大丈夫だって言ったでしょ。私だって普通の人間じゃないんだから。」
「ほとんど普通だよ。大体そんな為に手術をしたわけじゃ・・・」
タヒチでヨロイ元帥に瀕死の重傷を負わされた私は結城によって改造手術を
受け一命を取り留めたのだ。もちろん、ライダー達とは比べ物にはならないけど
普通の人間よりはかなり強靭になっている。
浮かない顔で、結城は私の身体から検査用のコードを抜き始めた。
私の身体から目を逸らしながら作業をしているのがわかって、
(因みに私はほとんど服を着ていない。)意地悪したくなった。
「じゃあ、僕は外に出てるから・・・」
「嫌。」
後ろから抱きつくと見事に動揺してくれた。
「あ、アンリ僕はこれから・・・」
「敬介を助けに行くんでしょう?そしてもう帰ってこないかもしれない。」
自分の命を顧みず無茶をすることにかけては彼は私以上だ。
「だから・・・、少しだけ時間を頂戴。」
胸を押し付けながらジッパーを下ろし、指をすべり込ませる。
「ちょっと、アンリ、止め・・・」
止めてあげない。命の危険を感じると種族保存本能が働くのは
男に限ったことじゃないの。
・・・事後、結城は大慌てで待ち合わせ場所に爆走していった。
遅刻の理由を風見と沖になんて言い訳するんだろう?
と思ったら、なんだか幸せな気分で眠くなった。