「真理…真理ぃ…っ!」  
ハァハァと荒く息をつきながら、透は高速の動きで膣目掛けて腰を打ちつけた。  
真理は声も出さず、ただ微笑んで透を見返す。  
「いいの?いいのっ?ああ…真理、まり、ま…ぅッ」  
若さ故か、早漏な透は、その空気嫁の中に呆気なく果てた。  
汗だくで上下するその肩に、ぽん、と柔らかな手が添えられる。  
 
「透くん、それワシのお古やで」  
 
透が振り向くと、香山がやさしく微笑みかけていた。  
「香山さんの…お古…」  
呆気と絶望の入り混じった溜息を吐きながら、透は呟いていた。  
「透くん、人間諦めが肝心や。真理ちゃんに脈はあらへん」  
「えっ?!」  
他人のオナニー現場を堂々と見たどころか、  
何の権利があってそんな事を言うのかこの男は…  
「だからな、君もそんな無駄なことせんと、  
ホラ、春子を連れてきたからな、今夜は3人で楽しもうやないか」  
 
ドアの方を見ると、恥ずかしそうにバスタオル一枚で佇む春子の姿があった  
 
春子は俯きながら透に近づくと、  
体に巻いたバスタオルをはらりと落とした。  
若い娘のようなハリこそないが、その肢体からは大人の女の色気が溢れ  
香山はこの身体を何度も抱いたのかと思うと、透の心にはかすかな嫉妬すら生まれた。  
「透さん…」  
春子が透の手を取り、ベッドへと導く。  
いつもの静やかな雰囲気からは想像できない積極的な行為ではあるが  
イメージを損なわない繊細な動きではあった。  
「さ、透くん、楽しもうやないか」  
声の方を見ると、香山はすでに全裸になり、ベッドに寝そべってこちらを見ている。  
2人に誘われた透も自ら服を脱ぎ棄て、  
3人の体重を吸ったベッドはギシギシと悲鳴をあげた。  
 
 
「ぁ…んっ、あなた…っ」  
後ろから春子を抱えた香山が、透の目の前で、  
小ぶりながらも形の良い乳房を揉みしだき、乳首を摘みあげる。  
「こいつはな、これが一番感じるんやで」  
春子の影で表情の見えない香山が、笑いを含んだ声で言う。  
そんな様子を間近で見せられた透の股間は、  
つい先ほど空気の入った真理(と思い込んでいた人形)で1発抜いた筈だというのに  
若さ故か、期待と興奮で再び大きく膨らんでいた。  
「あ、僕…僕も触っても…?」  
はぁはぁと荒い息を吐きながら、一応確認も怠らない透。  
「何をいまさら遠慮しとるんや」  
 
「ァッ、あ…」  
背後から春子を抱え、性感帯を弄る香山。  
そして…  
「あっ、はるこさ…そんな…あああ」  
その春子の口の中には今、透の勃起しきったペニスが銜えられていた。  
時々たまらず腰を振りはしたが、透は殆どされるがままで  
(これが人妻か…)と、感心するばかりだった。  
「も、もうイキそうです…」  
「何を情けない事を」  
 
突然口淫は終わり、透はベッドに横にされた。  
「春子さ…ん?」  
上から見下ろしてくる春子が、舌舐めずりををしたような気がした。  
やがて、その綺麗な顔に、頭から亀裂が入り…  
 
 
「やあ透くん」  
先ほどまで、美貌の人妻だった筈のものから、  
髭面の男が現れ、爽やかな笑顔で、透を見つめていた―――  
 
 
 
おわり  
 

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