「うっ…だめだ…俺はもう…ッ」
「あっ、だめですよ俊夫さ…まだ…」
「…なんだ、ッ…だらしがないな俊夫くん…まだ20代…だろう」
「若いからこそ…早…ウッ」
「くっ…はぁ、はぁ、はぁ…っ」
「キャッ!!なんかこっちまで飛んで…やだっ髪についた…っ」
「ンっ、ぁ…」
外は猛吹雪、特にすることもない泊まり客達と従業員は
1階の談話室に集まり、全裸や半裸、思い思いの格好で互いのオナニーを披露しあっていた。
テクニック、飛距離、喘ぎ声、耐久時間など
別に競い合うつもりは最初は無かったのだが、
最初に脱いだ美樹元のXLを目の当たりにしたとき、全員に
何かしらの欲望や恐れ、憧れ、羨望、そして対抗意識が目覚めたのだった。
輝く汗、荒々しい息遣い、そしてイカ臭さで今談話室は支配され、
皆の心はひとつになっていた。
「ああっ、だめだ…僕ももう…真理、まり、まりぃぃぃぃ…っ」
次に果てたのは透だった。激しく愛しい女の名を呼びイッたものの
呼ばれた当の女は何故か頭の薄いメタボ気味の中年社長に乳首を吸われて
股間を自らの手で弄りながら、うっとりとしている。
「ま、真理…?!っていうか香山さん何してるんですか!!」
すぐさま駆け寄ろうとした透の腕が何者かに引かれる。
振り向くと鼻先が触れそうな程近くに、魅惑の人妻――春子の顔があった。
「こちらはこちらで楽しみましょう、…いいですよね、あなた」
春子が言うと、真理の乳首をちろちろと舐めながら香山が頷く。
「そうそう、人前でオナニーなんてそもそも不毛だしね、こっちはこっちで楽しもう、透くん」
春子がつかんだのとは逆の手を引かれ、声の方向を見ると
XLを更に大きくした美樹本の満面の笑みがあった。
「一体…もう…どうなって…」
少し離れたところでは、俊夫が再び、ストイックに一人で行為を開始していた――