香山さんが強引に私の肩を掴み、床に押し倒す。
悲鳴を上げる暇も無く口を塞いで、空いた片手で力任せに上着をびりびりと破り捨てる。
暴力的な行動による怒りと嫌悪感が入り混じり、体中を駆け巡った。
肌が露出するや、衝動の赴くままに乱暴な仕草で揉みしだく。
ねっとりとした汗と脂が肌に付着して気持ち悪い。
必死で体を動かそうにも、香山さんの体重は年代相応に重く、びくともしない。
涙目で抗議の視線を向けるが、香山さんの動物染みた血走った目を見るなり、何も云えなくなった。
ひぃ、と悲鳴が分厚い手に阻まれ、恐怖感が喉元までせり上がる。
「悪いのはワシやないんやで」
香山さんが云い訳気味に早口で捲くし立てていく。
「風呂上りか一戦交えたんか知らんが、半裸姿で現れれば
そら普段紳士を自認するワシでも理性が吹っ飛ぶわ」