-真理-  
 
事の発端は1年半前。  
叔父が経営するペンション「シュプール」に招待された時だった。  
以前からちょっと惹かれていたボーイフレンドの透と訪れ、成り行きによっては彼に20年間守りつづけた純潔を奉げてもいいと思っていた。  
しかし、まさかあの男に奪われるなんて・・・。  
叔父、小林二郎に・・・。  
 
シュプールでの夜。  
私は部屋をノックする音にドキドキと胸を高鳴らせていた。  
覚悟はできていたものの、実際その時が訪れれると躊躇してしまう。  
でも私は意を決して、ドアを開けた。しかし、  
「やあ」  
透だとばかり思ってドアを開けた私の前には叔父が立っていた。  
叔父は周りを気にしながら私の肩を押して、部屋の中へ入ってきた。  
そしてドアを後ろ手に閉めると鍵まで掛けた。  
「今日子に見つかると五月蝿いからね」  
叔父は屈託の無い笑みを浮かべながら私の横に並んでベッドに腰掛けた。  
突然の訪問に多少面食らったが、招待して貰った手前文句を言うわけにもいかない。  
取りあえず叔父が何をしに来たのかを尋ねようとした私の前で、叔父の形相が一変した。  
いつも優しく温和な叔父の顔がいやらしく歪んでいる。  
何かに取り憑かれたかのように瞳は妖しく濁り、口元は今にも涎が垂れそうなほどに半開きになっていた。  
「真理ちゃ〜ん。綺麗になったね〜。叔父さんとイイコトしようよ〜」  
「ちょっと・・・いや!叔父さん・・どうしたんで、ぅぐっ・・」  
素早く私の肩に手を回すと強い力で引き寄せてそのまま唇を奪った。  
まだ透にも許してないファーストキスを突然奪われ、私の脳内では危険信号が点滅する。  
「やめてっ・・叔父さん!本当にっ・・・だめっ・・んぐぅ!」  
 
このままではもっとヤバイ事になると感じた私は叔父の胸を力いっぱい叩いて離れようとする。  
しかし、男の力には敵うはずもなく、逆にベッドの上に押し倒された。  
小柄のわりに重たい叔父の体重が私を圧迫する。  
叔父に組み伏せられ動けない私の唇を再度奪うと、Tシャツの裾から潜り込んだ指が直接肌に触れた。  
脱サラをしてペンション経営を始めた叔父を尊敬する気持ちがあったのだが、その男の指がまるでナメクジのように私の肌を汚していく。  
臍、肋骨、脇の下と私の肌を上ってきたナメクジは徐々に山の頂上を目掛けて登っていく。  
「だめ・・んむぅぅ!・・・はぁああぁ・・・」  
天辺に到着した叔父の指が私の乳首を摘む。  
それと同時に私の口内に大量の唾液が叔父の舌を伝って流し込まれてきた。  
毒液を飲まされた私は何とか吐き出そうとするが、その隙に私の舌は叔父の舌に絡め取られそのまま飲み込んでしまった。  
「ぐえっ・・ごほっ・・・」  
唾液が食道を通過するおぞましい感覚に私は咽て咳き込んだ。  
そして一瞬、口が自由になった時を逃さずに大声を上げようとした。  
が、私が声を出す前に口にタオルを押し込まれた。  
もう助けを呼ぶことができなくなった私は、タオルを噛み締め涙を流しながら叔父の行為が終わるのを待つことしかできなかった。  
 
その後も私と叔父の関係は続いた。  
裸身を晒され、純潔を失い、子種まで注がれたあの忌まわしい記憶が、私の知らないうちに記録として残されていたからだ。  
私の部屋に設置されていた隠しカメラの映像を見せられ私は透には秘密にすることを条件に叔父の性奴隷になった。  
 
透には父の仕事の事情でと嘘をついて大学を中退した。  
そして北海道へ帰ると言いながら、本当は1年半の間、私はシュプールで働いていた。  
表向きは従業員である。  
俊夫さんとみどりさんが辞めて人手が少なかったこともあって、今日子叔母さんは何の疑いも持たずに私を受け入れてくれた。  
しかし、実際やらされていた仕事は一部の客に対する肉接待だった。  
皮肉にも私が叔父に犯された夜を舞台にしたゲーム「かまいたちの夜」がヒットしてオフシーズンでも客足が遠のくことはなかった。  
そして、お金を持っていそうな客には私が特別料金で接待をするのだった。  
 
この一年半の間に私の身体の上を何人もの男が通り過ぎていった。  
男達は私を抱くと叔父と同じく必ず膣内で出していく。  
避妊薬を飲んで対処してはいるが何時当たってしまうかわからない。  
しかしそんなことはどうでもよかった。  
もう私には以前のような生活を送ることなんて出来ないのだから・・・。  
 
 
透との1年半ぶりの再会。  
私はあの日の夜のようにドキドキしていた。  
しかしその心の鼓動の本質は全然違う。  
透と二人きりであればそんな事もないのであるが、叔父が一緒にいるのである。  
何時、透に今の私が知られるかわからない。  
透にだけは以前の綺麗な頃の私だと思っていて欲しかった。  
 
 
「うわぁ。こんなところに湖がある」  
三日月島に着いた私達は船頭さんの案内で目的の三日月館を目指していた。  
鬱蒼と生い茂る山道を進んでいくと突然前が開けて大きな湖が現れた。  
ここは島の水源になる人口湖だと船頭さんが説明してくれたが叔父と透は釣りの話で盛り上がっていて全然聞いていなかった。  
透は釣りには興味がないようだが、叔父のペースに嵌められ、湖の辺まで行ってあれこれとレクチャーを受けている。  
ああなると長いのよねぇ・・とため息をつく私のそばに取り残された船頭さんが近寄ってきた。  
「お嬢さん、別嬪さんやなぁ・・」  
「えっ、はあ、ありがとうございます・・」  
突然船頭さんに誉められた私は取り合えず礼を言った。  
なんでこんな事を言い出すのかわからなかったが、私に向けられた船頭さんの目を見て全てを察知してしまった。  
「こんなお嬢さんが相手をしてくださるとは、長生きをするもんじゃのう・・」  
 
私は船頭さんの前に跪くとチャックを下ろし、中に収納されていたペニスを取り出した。  
炎天下の中、歩き回ったため性器の匂いより汗の匂いのほうが鼻についた。  
咽返りそうになるのを必死に堪えて私は船頭さんのペニスに舌を這わせた。  
「おお・・そうじゃ・・そこを・・・お嬢ちゃん、うまいのぉ・・」  
まず亀頭をペロペロと舐めた後、裏筋に舌を這わせ、その後口内に含んでから同じように亀頭から丹念に舐めまわす。  
もう現役を引退したかと思われていた船頭さんのペニスは見る見るうちに元気になり、根元まで含みきれないほどにまで大きくなった。  
そろそろ限界が近いことを感じたのか、船頭さんはペニスを抜き取ると私を近くの木の幹に抱きつかせた。  
腰を折り、お尻を船頭さんの方へ向けたとても恥かしい格好。  
しかし、船頭さんの目には私のもっと恥かしい姿が見えているはず。  
「こんなに濡らして・・恥知らずな娘さんじゃのう・・」  
私の身体はペニスを舐めるだけで濡れてしまうほど敏感なものへと作り変えられていた。  
その証拠である濡れたパンティの両端を掴むと、一気に膝まで下ろした。  
外気に触れた私のお尻と陰部に一瞬冷たい風が吹き付ける。  
しかし、その陰部のワレメに熱くなったモノがすぐ突きつけられた。  
「お嬢ちゃん・・・入れさせてもらうよ・・・おおぉ・・これは・・・」  
船頭さんのペニスが私の身体を串刺しにする。  
身体の中心まで熱い肉棒を打ち込まれ私は思わず声を上げそうになる。  
しかし、今は声を出すわけにはいかない。  
すぐ近くに透がいるのだ。  
何としても透にだけはこんな姿を見られたくない。  
私は親指を強く噛んで声が漏れそうになるのを耐える。  
しかしピッチが早くなる船頭さんの腰突きに私の性感が絶えられなくなる。  
陰部を中心に身体全身に強い波動が流れる。  
(ああっ・・・だめ・・出ちゃう・・声がでちゃうぅぅ・・)  
私の粘りが限界に達し、声が漏れそうになるその瞬間、  
「おおっ・・おうっ・・・」  
今までで一番強く腰を突き出したのと同時に私の子宮内へ精液が放出された。  
(ふうぅ〜)  
船頭さんが達したのを知り、間一髪助かった私はため息を漏らしながらその場へ崩れ落ちた。  
 
「真里。遅くなってゴメン」  
私の膣内を船頭さんの子種が汚した数分後、何も知らない透が叔父と一緒に帰ってきた。  
「どうしたの?何か顔が赤いよ」  
「えっ・・こ、これは・・こんな熱いトコにずっと待たされたんじゃ誰だって日焼けするわよ」  
透の突然な質問に私は適当に誤魔化した。  
しかし、本当は船頭さんが自分だけイッてしまい、限界寸前まで高められた私の身体が醒めることなく火照っていたのだった。  
 
 
三日月館には懐かしい顔ぶれとの再会があった。  
しかし肝心の我孫子氏は現れなかった。  
お手伝いのキヨさんが言うには仕事で遅れるらしい。  
私達は次の船が来るまで浜辺で時間を潰すことにした。  
本当は部屋でゆっくりしていたいのだが、出来るだけ叔父と離れていたかったのだ。  
私は透を誘い浜辺へと向かった。  
途中で加奈子ちゃんと啓子ちゃんのOL2人組と一緒になった。  
二人とは1年半前の時も仲良くできてもう一度会いたいと思っていただけにこの再会は嬉しかった。  
しかし会いたいと思っていたのは私だけでは無かった。  
 
「真理ちゃんはあれからどう?透君と上手くいってるの?」  
隣に並んだ加奈子ちゃんが聞いてきた。  
「ぼちぼちかな」  
私は曖昧な返事で誤魔化す。  
「ふ〜ん、そうなんだ〜」  
加奈子ちゃんが何か意味深な喋り方をした。  
気になった私は歩調がゆっくりになった加奈子ちゃんに合わせる。  
透と啓子ちゃんは気付かずに二人で楽しそうに話しながら先を進んでいく。  
「ねえ、真理ちゃん。デジカメ見る?」  
「あっ、綺麗に写ってる〜?」  
突然、加奈子ちゃんが私にデジカメを渡した。  
ついさっき、三日月館を出たとき記念撮影をしたのだった。  
「うん、綺麗に写ってるよ。特に真理ちゃんはね」  
私はデジカメの画面を見た。  
しかし、そこに写っていたのは・・・  
 
「この前ね、会社の男どもが信州に遊びいくっていったから、シュプールを紹介してあげたのよ。料理はとても美味しいよって。  
そしたらさ、帰ってきたら私にいっぱいお土産を買ってきたのよ。おかしいな〜て思って問い質したらさ〜・・・  
まさか真理ちゃんがこんなことやってたなんてね〜。みんな驚いてたよ。滅茶苦茶可愛い子が精液呑んで、中出しまでさせてくれたって」  
 
加奈子ちゃんの言葉はほとんど私の耳には入って来なかった。  
私の目の前にあるのは、ベッドの上で両足をM字に開き、ワレメから白い濁液を溢れさせている自分の姿。  
私の身体は知らないうちに小刻みに震えていた。  
 
「私ねぇ、本当は前に会ったときから真理ちゃんって余り好きじゃなかったの。そしていつか虐めてやりたいって思ってたのよ。こんなに早く夢が実現するなんて思ってなかったわ。明日まで思う存分可愛がってあげるからね」  
 
新たな悪魔の登場に、真夏だというのに私の心は吹雪の中に立ち尽くしているかのように寒く凍えていた。  
 
 
-透-  
 
白い砂浜に青い海。  
東京のジメジメした空気と違い、南国の澄み切った空は僕の心を開放的にする。  
久しぶりに会った真理との旅行。  
今まで真理とは友達以上恋人未満といった微妙な関係であったが、この旅行の間に何としてもこの関係を進展させようと僕は心に決めていた。  
そして僕の思いは通じたのか、海に誘うと真理はあっさりとOKをしてくれた。  
以前だったら「水着が目当てでしょ。透ってばHなんだから」と文句の一つも言われるとこなのだが、こう順調に話が進むとかえって怖い気もする。  
でもひょっとしたら僕が思っている以上に真理も開放的になりたいのじゃないか。  
と、自分にプラスになるような解釈をすることにした。  
「おまたせ」  
真理の声がして僕は振り返った。  
そこには僕の想像を絶する真理の姿があった。  
 
真理のブラは首や肩に掛ける紐がなく、1本のチューブのような水着だった。  
胸の膨らみは完全に露出し、水着は乳首のラインをかろうじて隠しているだけ。  
少しでも激しい動きを取ればブラが弾け飛んでしまいそうな感じがする。  
下半身はもっと際どい。  
サイドの紐が異様に低い位置にあるのである。  
その為お尻は上半分が丸見えだし、前面はヘアが見え隠れしている。  
 
僕は目を点にして真理のの身体を見つめた。  
まず胸で視線が止まり、その後下半身でまた止まる。  
「真理・・なんで・・」  
「似合わないかな?」  
「いや・・ちょっとビックリしたけど・・とっても綺麗だよ・・」  
少し恥かしそうにしている真理の姿に僕はメロメロになっていた。  
 
 
ゴォーッ  
 
海辺で遊ぶ僕に向けて、沖のほうから一隻のクルーザーが凄い音を立てて猛スピードでやってきた。  
「キャーっ!あぶない!」  
ぶつかるかと思った瞬間、クルーザーは直角に曲がり、多量の水しぶきが真理を襲った。  
「ハハハ、ゴメンゴメン」  
「美樹本さん!」  
クルーザーから顔を出したのは美樹本さんだった。  
「君達の姿が見えたからちょっと驚かしてやろうと思ってね・・・だけど今日は運がイイ。島に着くなり水着美女に会えたかと思ったら、更に素晴らしいものを拝めるなんてね」  
美樹本さんは顎に手をやりながら真理の方を見ていた。  
確かに今日の真理の水着は素晴らしい。  
だけど、この真理の水着姿を僕以外の男が見ることに少し苛立った。  
しかし、美樹本さんのいう素晴らしいものとは真理の水着ではなかった。  
 
「キャー!」  
 
僕の目の前で真理が胸を抑えてその場にしゃがみ込んだ。  
美樹本さんが起こした水しぶきのせいでブラが外れてしまったのだった。  
つまり僕が見てない真理の生乳を美樹本さんは拝んだのだった。  
 
次の船が到着する時間が近づいたので僕達は三日月館に戻った。  
三日月館に着く頃にはもう既に船は到着した後で応接室からは初めて聞く声が聞こえてくる。  
僕は一旦部屋に戻って水着を置き、応接室に向かった。  
応接室の中は嫌な雰囲気に包まれていた。  
それもその筈、最後の船が来たのに肝心の我孫子氏はまだ姿を現さないのだ。  
人を呼んでおいて姿を見せない無礼な態度に誰もが苛立っていた。  
その時、応接室のドアが開いた。  
僕はドアのすぐ前の椅子に座っているから、ドアはちょうど真後ろになる。  
だから最初誰が入ってきたのか分からなかった。  
だけど、急に皆が静かになりドアの方を見ているから僕はやっと我孫子氏が到着したのだと思った。  
しかし、振り向いた僕の目の前にいたのは我孫子氏ではなかった。  
そこにいたのは真理だった。  
 
真理の姿を見て僕も含めてここにいる誰もが声を失っていた。  
「おおっ!真理ちゃんか!なんか今日はえらいセクシーな格好やな。これだけでわざわざ大阪から来た甲斐があったで」  
香山さんが助平そうに顔を歪めて囃し立てた。  
僕は先程と同じように真理の姿に目を奪われた。  
真理の上半身は薄いタンクトップ一枚だけだった。  
しかも裾が短くお臍が丸出しになっている。  
さらに、そればかりではなくノーブラなのか二つのお椀の先端には小さな凹凸が見えた。  
暑いからか恥かしいからかは解らないが、真理は頬真っ赤にを染めて全身から汗が流れ出ている。  
その汗をタンクトップの生地が吸い込み少しずつ肌が透けて見えてくるのである。  
スカートも腿の付け根くらいまでしかない極めて短いミニスカートを穿いていた。  
真理の健康的な太腿が丸見えなのはいいのだが、腰掛けると当然スカートの裾が捲れあがって、その下のパンティが丸見えになった。  
僕は真理の露出度の高い服装に興奮していた。  
今まで手を握ることすらままならなかった真理がこんな挑発的な衣装を着るなんて。  
でも僕は周りを見てぞっとした。  
ここにいる僕以外の男は皆、真理を獲物のような目で見ているし、女性達は蔑むような視線を送っていた。  
(真理がこんな格好をしているのは僕のためだ)  
僕は心の中で何回も自分に言い聞かせた。  
 
 
-透-  
 
円周に沿った奇妙な形をした食堂で夕食が始まった。  
食堂の形に合わせた大きなテーブルに向かい合うような感じでそれぞれが席についた。  
料理が運ばれると先程まで、すぐに本土へ帰るとか、迎えの船を呼べとか騒いでた人達も大人しく食事を取り始めた。  
主人の我孫子氏が現れないことに僕も釈然としなかったが、真理と一緒にいられるだけで満足していた。  
正面に座る真理に目を向けた。  
真理はスプーンに掬ったスープに息を吹きかけて冷ましている。  
フーフーと口元を窄めて突き出した唇が何とも艶かしい。  
僕もスープに口をつけた。  
「美味しい」  
僕は思わず声を漏らした。  
それくらいこのスープは美味しかった。  
「このスープは○○ホテルのスープに良く似ている。  
あの味をここまで再現できるなんてキヨさんはよっぽど料理が上手いんだな」  
小林さんも感嘆の声を上げていた。  
1年半前、シュプールで食べた小林さんの料理も物凄く美味しかったのだが、その小林さんが誉めるのだから、  
このスープは余程のものなのだろう。  
「透君、これほどのスープはもう食べられないよ。おかわりしてでも腹いっぱい食べたほうがいい」  
「そうですね。キヨさん、おかわりお願いできますか?」  
僕はスープを飲み干すとキヨさんに頼んだ。  
「はい、少々お待ちください」  
キヨさんはスープ皿を持って食堂から出て行った。  
 
「ごちそうさま」  
キヨさんが消えてすぐ、真理が食事を終えて席を立った。  
真理は未だにあのセクシーな衣装を身に纏っている。  
あの格好の真理を一人にはしておきたくなかったのだが、おかわりをした手前席を立つことができない。  
僕がイライラしながらスープが来るのを待ってるうちに、次々と食堂から出て行く。  
キヨさんがスープを持ってきたときには食堂にはもう僕だけしか残っていなかった。  
 
熱いスープを無理矢理飲み込み食事を終えると、僕は真理の元へ急いだ。  
しかし、応接室には香山さんと村上さん、久保田夫妻がいるだけだった。  
「あの、真理を見ませんでしたか?」  
「ん?真理ちゃんならここにはおらんで。部屋とちゃうか?」  
僕は香山さんに礼を言って真理の部屋へ行った。  
「真理、真理」  
真理の部屋のドアを叩く。  
しかし、中からは何の返答もなかった。  
応接室でも部屋でもないとすると真理は何処へ行ったのだろうか?  
僕は首を傾げていると、隣の部屋のドアが開いた。  
「透君、こっち」  
ドアから顔を出した加奈子ちゃんが手招きして僕を呼んだ。  
(何だ、加奈子ちゃんの部屋にいたのか)  
僕はちょっとホッとして加奈子ちゃんの部屋に行った。  
しかし、中には真理の姿は無く、かわりに啓子ちゃんと夏美さんがいた。  
「あれ?真理は?」  
「真理ちゃん?真理ちゃんやったら、小林さん達と釣りに行ったんちゃう?」  
「透君も行くの?でも美樹本さんのクルーザーで沖のほうまで行くって言ってたから、  
今から追いかけても間に合わないわよ」  
僕の心の中で警鐘が鳴っている。  
あの格好のまま他の男と一緒にいると思うと僕は心配でハラハラが止まらない。  
「真理ちゃんが心配?大丈夫よ。小林さんが一緒にいるから。それより私達と遊ばない?  
こんなに美人が揃ってるのに、若い独身男性は透君だけなんだもん」  
加奈子ちゃんが僕の腕を引っ張っる。  
確かに肉親の小林さんが一緒にいれば大丈夫だろうと考えた僕は加奈子ちゃんに誘われるままに部屋へ入っていった。  
 
「くそ〜!また負け〜!納得いかんわ〜」  
夏美さんは手に持っていたトランプを投げ捨てると両手を後ろへ回した。  
「夏美さん、ひょっとしてブラいくの?」  
「だいた〜ん!透君が喜んじゃうよ〜」  
僕達はトランプで盛り上がっていた。  
しかも普通にトランプをするのではなく、負けた人には罰ゲームがあるのだった。  
その罰ゲームはコップに注がれたお酒を一気呑みするか、着ている服を一枚脱ぐか。  
ゲームが進み、既にあられもない格好になっていた。  
見かけによらずお酒に強い啓子ちゃんはまだ一枚も服を脱いでいない。  
加奈子ちゃんはブラとパンティでもう後がなく、お酒も結構呑んでて顔も真っ赤になっている。  
夏美さんも加奈子ちゃんと同じく下着だけだったのだが、今負けてブラを外そうとしている。  
僕も既にトランクス一枚でお酒も限界に近い量を呑んでいた。  
「夏美さ〜ん。お酒呑めばいいじゃん」  
「私は仕事中は酔っ払う程呑まんよーにしてんよ」  
何が仕事中なのかわからないが既に酔っ払ってる夏美さんはブラを外して思いっきり上へ投げた。  
僕の目の前には上下に揺れる夏美さんの胸が現れた。  
夏美さんの胸は昼間見た水着姿の真理の胸と同じくらいの大きさがあった。  
ただ、その時と違うのはもう覆うものが何もないということだ。  
当然、膨らみの頂には乳首が見える。  
夏美さんの乳首は色素が薄く日焼けした乳房の色とほとんど変わらなかったが、  
乳頭と乳輪の形が綺麗でとても魅力的な胸だった。  
 
「どうや、透君。私の胸、綺麗やろ」  
夏美さんは僕に見せ付けるかのように胸を下から持ち上げた。  
程よく酔いが回ってきたこともあって、僕は非常に興奮していた。  
そしてそれは身体にも正直に現れていた。  
「あっ!透君、何おっきくしてるのよ〜」  
「私のおっぱい見て興奮した?何だったら吸わせてやってもええよ」  
「いや、それよりも透君のトランクスを奪っちゃおうよ」  
女の子達は好き勝手なことを言っている。  
そして僕を裸にすることを目標にして次のゲームが始まった。  
ここで負けたらトランクスを脱がなければならない。  
それだけは逃れようとトランプに集中しようとするが、目の前で揺れる夏美さんの胸にどうしても気が向いてしまう。  
そして僕はあっけなく負けてしまった。  
「さあ、透君。一気呑みとパンツ、どっちにする?」  
僕は迷わずお酒を取った。  
もう限界だったが、真理以外の女性の前で裸を晒す気にはならない。  
僕は気合を入れて一気にお酒を飲み干した。  
「おお〜!すごい!」  
「さすが、男の子や!」  
周りで皆が囃し立てる。  
「ぷは〜っ!呑みましたよ!次行きましょう!」  
僕は異様な程テンションが上がっていた。  
空になったコップを床に置くと、カードを集めて配り始めた。  
しかし、カードを配っているうちに視界が狭まり、聴力も衰えていく。  
「透く〜ん、しっかり〜」  
「もうあかんか〜」  
完全に酔いが回ってしまった僕は女性陣の声を子守唄にそのまま意識を失った。  
 
 
-真理-  
 
「真理ちゃん、いいよ・・・もうちょっと腕を上げて、おっぱいが見えるように・・・」  
パシャ・・・パシャ・・・  
誰もいない砂浜に美樹本さんの声とシャッターを切る音だけが響いている。  
月明かりに照らされた幻想的な浜辺で私は半裸を晒していた。  
身を覆うものはショーツ1枚だけという非常に恥かしい格好。  
しかし当然ながら私にそれを拒む権利はなかった。  
「真理ちゃんのおっぱい、とっても綺麗だよ。これだけの身体を隠しておくのは本当にもったいないよ」  
パシャ・・・パシャ・・・  
(あっ・・・撮られてる・・・)  
シャッターを切られる度に私の身体が妖しく疼く。  
私は今、両手を頭の後ろで組み、胸を前に突き出した格好をしている。  
今までの客の中で、行為の後デジカメ等で勝手に撮っていく者もいたが、  
今回のように自分から裸身を晒すのは初めてのことだ。  
今までの「撮られてる」より「撮って貰っている」というのは何か私の心の中に新しい感覚を芽生えさせている。  
加奈子ちゃんに着させられたHな水着、叔父に着させられた露出度の高い衣装。  
その姿を見る皆の視線を思い出すたびにその吹き出した芽がグングンと成長する。  
(恥かしいのに気持ちイイなんて・・この感覚に馴染んでしまうと私はもう後戻り出来なくなる・・)  
理性では解っているのだが、シャッターを切られる度にその理性が脆く崩れ去る。  
 
「僕ねぇ、今度都内で個展を開く予定なんだ。そこで今回撮った真理ちゃんのヌード写真を公開させて貰うよ。  
これだけの素材はそういないし、それを撮った僕の評価も一気に上がるだろうからね」  
「えっ・・・それは困ります・・・」  
突然の美樹本さんの言葉に私は反対した。  
こんな姿を沢山の人たちに見られてしまうなんて・・・。  
恥かしくて外も歩けなくなる・・・・はずなのに・・・・。  
何故か私の心の奥底では炎のように熱いものが燃えている。  
「小林さん、真理ちゃんの写真、公開してもいいですよね」  
「う〜ん、そうだなぁ。もしその個展のパンフレットにシュプールの宣伝を載せてくれるならOKしよう」  
「そんなのお安い御用ですよ。なんだったら僕のHPにもシュプールの広告をいれますよ」  
一方は自分の評価を高める為、一方はペンションを有名にする為。  
そんな自分勝手な野心の為に私の裸身は私の意志に関係なく晒される。  
悔しい・・・泣きたくなるほどに悔しいのに・・・何故・・・  
「真理ちゃん、そのまま座って・・・もっと腰を突き出して・・脚を開いて・・・  
あれ?パンティがもうぐっしょりじゃないか。ひょっとして撮られて濡れちゃった?」  
そう、私のアソコは自分でもわかるくらいに濡れていた。  
先程から、カメラのレンズが血走った男の目のように見える。  
いや、そんな生易しいものではない。  
ギンギンに勃起した男性器が私のアソコに狙いを定めている。  
そしてシャッターを切られる度にその男性器は私のアソコに突き刺さる。  
「写すたびにドンドン濡れていくね。いっそのことパンティも脱いじゃおうよ」  
私は美樹本さんの言葉に操られ、唯一身体に残っていたパンティを脱いだ。  
これで私の身体を隠すものは何も無い。  
生まれたままの全く無防備の私の姿。  
それを美樹本さんは写真に収めていく。  
 
「すごいよ・・・アソコも綺麗で言うことなしだ・・・もっと開いてよく見せてくれ・・・  
そう、自分の手で思いっきり・・・」  
私はワレメを作る左右の肉丘を掴むと大きく開いた。  
一瞬冷たい風が私の体内に吹き込んでくる。  
正面にあるレンズにワレメの中にあるピンク色の真珠と谷間が写し出された。  
そして撮られる度に熱い溶岩が私の奥底から引き上げてくる。  
「こんな綺麗な姿、僕一人で独占するのは悪い・・HPに特別室を作ってそこに掲載したいくらいだ」  
えっ・・・HPに掲載・・・。  
そんなことしたら・・・日本中、いや世界中の人に見られてしまう・・・  
私のアソコを見る何千、何万の男の視線。  
そんな事を妄想するだけで私の身体は・・・ドンドンと火照っていく・・  
「見られるだけで感じるなんて真理ちゃんは相当なマゾだったんだね。  
でも女の子はそれくらいのほうが可愛くていいよ。もうガマンできないだろ?僕がその火照りを鎮めてあげるよ」  
何時の間にか美樹本さんはズボンを脱いでいた。  
無防備の下半身には今まで抱かれてきた男の誰よりも大きなペニスがぶら下がっている。  
あんな大きなもので突かれたら私の身体は・・・  
私の身体から一斉に汗が噴出す。  
冷や汗か脂汗か、それとも身体が興奮しすぎて発汗したのか。  
理由はわからないが、それでも私の疼きは治まらない。  
私は四つん這いになって美樹本さんの下へ歩み寄る。  
そして私の身体を鎮めてくれる肉棒への奉仕をはじめた。  
 
美樹本さんのペニスは非常に大きい。  
勃起すると、喉の奥まで含んでもまだ根元まで届かない。  
それでも丁寧に亀頭、裏筋、カリを舐めまわす。  
今までにないくらい感じてる私の身体を、この後絶頂にまで高めてくれる肉棒に愛おしさを感じながら丹念に舐め、吸い上げる。  
私の口内で十分の大きさになったのか美樹本さんは腰を引いた。  
舐め足りず思わず後を追って突き出した私の口に別の肉棒が差し出される。  
それは今まで嫌と言うほど舐めさせられた叔父のペニス。  
何時もは見るのも嫌なのに何故か今日は魅力的に見える。  
私は叔父の腰に掴まり、ペニスを口に含みながら、お尻を後ろに突き出した。  
脚を少し開き、肉裂もアナルも後ろに立つ美樹本さんには丸見えになってるだろう。  
私の恥かしい部分を見られていると思うだけで体温が何度も上昇する。  
そして、どろどろに濡れそぼった私の淫口についに美樹本さんの亀頭が触れた。  
ほんの少しが触れただけなのにこれから来る快楽を期待してイってしまいそうになる。  
すぐには入れず、ワレメをなぞって焦らす亀頭を追いかけるように私の腰は妖しく動く。  
「・・・ああぁっ・・」  
亀頭がワレメの先端の肉真珠に触れた。  
私は思わず身体を仰け反らせ、甘い吐息を漏らした。  
「お願い・・・もうっ・・・ガマンできない・・・入れてっ・・入れてくださいっ・・・」  
思えば私が自分からセックスを要請するのはこれが初めての事だ。  
それくらい私の身体は絶頂に達したがっていた。  
私は美樹本さんの肉棒を腰を振って誘った。  
その腰を両腕でガッチリ抑えられたかと思うと、私の肉裂に猛り狂う肉棒が埋め込まれた。  
予想以上の大きさの肉棒は一気に私の子宮まで辿り着いた。  
待ちに待った瞬間を逃すまいと私の肉襞が肉棒を締め付ける。  
「おうっ・・これは・・・なんて名器なんだ・・」  
美樹本さんは思わず声を漏らす。  
その後、私の肉襞の一つ一つを楽しむかのようにゆっくりと腰を動かし始めた。  
少し動くだけで私の身体は壊れそうなほどに感じてしまう。  
しかし、更に深い肉欲を求める私の身体は無理をしてでもこの快楽について行った。  
 
パンッパンッパンッ  
「ああっ・・ふぁぅ・・ぁああっ・・ああぁぁ・・」  
腰と腰がリズミカルな音を出してぶつかり合う頃には、私は中毒患者のように快楽を求めるだけの存在になっていた。  
もう手足も腰も感覚がない。  
それでも陰部から発せられる衝撃だけは全身に伝わっていた。  
限界が近いのか一回一回の腰の打ちつけが早く強くなる。  
「うっ・・そろそろ・・・おお、おおぉっ・・」  
「きゃっ・・ああぁ・・やぁぁん・・」  
絶頂に達した肉棒が大きく膨れたかと思うと子宮全体に熱い液体が発射された。  
奥の奥まで到達した精液は肉襞の細部にまで染み込んでいく。  
好きなわけではない男の子種を受け入れたのに不思議と今までのような嫌悪感はなかった。  
そして同時に私の心の中にある透の面影が薄くなっていくのを感じていた。  
 
 
-真理-  
 
三日月館に帰った私は透と会うことは無かった。  
しかし、姿は見なくても近くにいると思うと、壊れかけていた理性が再構築されていく。  
とりあえず私は部屋に帰るとシャワーを浴びた。  
全身を隈なく洗うと陰部の中まで綺麗にする。  
私の身体についた男の匂いを消そうと必死に洗った。  
しかし心に染み付いた匂いはなかなか消えない。  
「まったく、何処行ってたのよ」  
気が付くとシャワーを浴びる私を見てる女がいる。  
可奈子ちゃんだった。  
可奈子ちゃんは腕を組み壁に寄りかかりながら私の身体を眺めていた。  
「いやっ!やめてっ!」  
私は裸身を視線から隠すように背中を向けた。  
「ふ〜ん。真理ちゃんの身体って、思ったより綺麗なのね。だいぶ汚れているはずなのに」  
背中越しに聞こえる可奈子ちゃんが私の心に突き刺さる。  
そう、私の身体は汚れている。  
洗っても洗っても男の匂いが全然消えない。  
「はい、これ」  
可奈子ちゃんが剃刀を私に渡した。  
出されたものをそのまま受け取ってみたものの、何に使うのかわからない。  
「なにぼ〜っとしてるの?剃刀で剃る毛なんて一箇所しかないじゃない」  
可奈子ちゃんの視線は下半身に向けられていた。  
「真理ちゃん綺麗な身体してるから、ツルツルにした方が更に綺麗になるよ」  
私は耳を疑った。  
アソコの毛を剃るなんてことは出来るはずが無い。  
だけど、汚れきった私に「綺麗になる」という台詞は非常に魅力的だった。  
また綺麗になれるなら・・・  
私は催眠術に掛かったかのように加奈子ちゃんの指示どおりに陰毛を剃り始めた。  
 
「ふふ、ツルツルしちゃってまるで赤ん坊みたいね」  
可奈子ちゃんは私を嘲るかのように小さく笑うと、私の腕を取った。  
そしてそのままユニットバスから出て、廊下に出ようとする。  
「あっ、ちょっと待って」  
私は何も着ていない。  
アソコの毛も無くなって本当に素っ裸だ。  
しかし可奈子ちゃんは構うことなく廊下に出た。  
窓の無い廊下はひっそりとしていた。  
物音一つ無く誰の姿も無い。  
その廊下を可奈子ちゃんに連れられ全裸で歩いていた。  
もし誰かに見つかったらえらい事になってしまう。  
しかし、そう思うと先程、浜辺で感じた被虐的な感覚がまた体内で芽生えてくる。  
(見られたくないけど・・・もし見られたら・・・)  
私の身体は自分が破滅的な状況に陥るほど感じてしまうようになってしまっていた。  
しかし性感が高まり始めた時に、この羞恥散歩は終わってしまった。  
「この部屋よ。しっかり奉仕してきてね」  
可奈子ちゃんはドアを開けると私を中に突き入れた。  
いきなり部屋に入れられ転んでしまった私の目の前に男の脚があった。  
恐る恐る視線を上げていくとベッドに腰掛けた香山さんの姿がいた。  
「真理ちゃんを抱けるなんてホンマ嬉しいこっちゃ」  
汚らしい笑みを浮かべた香山さんが私を見下ろしていた。  
 
下から突き上げる衝撃が私の身体を襲う。  
ベットの上で仰向けになった私は両足を大きく開いていた。  
隠すものが何も無い陰部に香山さんのペニスが入っている。  
私は目を閉じて悪夢が過ぎるのを待った。  
思えば初めて叔父に抱かれた時も、シュプールで客を取らされた時もベットの上では何時も目を閉じていた。  
好きでもない男に抱かれる屈辱から耐える為に瞳を閉じ現実から逃げていた。  
しかし心は拒否しても身体は快楽を求めてしまう。  
更に、被虐的快楽に目覚めてしまってからは心の防壁も崩壊寸前だった。  
「どうや・・真理ちゃん・・気持ちええやろ・・」  
「ああっ・・・そんな・・・やめて・・・」  
香山さんは樽のように太った身体を器用に動かし、腰を振りながら、私の首筋や乳首などを舌と指を使って執拗に愛撫する。  
このまま快楽に身を任せれば楽になれるかも・・・  
いつも男に抱かれるたびに思うのだが、透の顔を思い出して何とかその悪魔の囁きを拒みつづけてきた。  
しかし、その透の顔がすぐ近くにいるはずなのになかなか浮かんでこない。  
「真理ちゃん、あっち見いや・・・ドアの方や・・・鍵、開いとるやろ。大きな声出すと、誰か入ってくるかも知れへんで」  
私の心は凍りついた。  
この館には透がいるのだ。  
しかもこの部屋は透と私の部屋の間にある。  
何時、部屋の前を歩くかわからない。  
透だけではない。  
今、この館にいる人全てに知られてしまう可能性があるのだ。  
しかし、先程美樹本さんに写真を撮られた時と同様に、他人に恥かしい姿を見られると思うと身体が熱くなってしまう。  
「ああっ・・・ダメッ・・聞こえちゃう・・みんなに・・・」  
更に増して私の声は大きくなっていた。  
まるで誰かを呼んでいるかのように。  
そして、その結果はすぐに現れた。  
 
私の見ている前でドアノブが回ったのだ。  
うそ・・・  
私の周りの時間が止まった。  
誰かに見られると妄想するのは非常に興奮するのだが、実際に見られるとなると別だ。  
ヤダ・・見られちゃう・・・  
ドアがゆっくりと開けられ、女性が入ってきた。  
夏美さんだった。  
「お楽しみのところゴメンね。すぐ出てくから気にしんといて」  
夏美さんは私がセックスしてるところを見てもまったく驚かなかった。  
むしろ私の方が動揺していた。  
今、私を抱いているのは香山さんだ。  
年はだいぶ離れているが一応夏美さんのダンナだ。  
「あ、あの・・夏美さん・・これは・・・その・・・」  
なんとか言い繕うとするが言葉が出てこない。  
そんな私に夏美さんは驚くべきことを言った。  
「あぁ、別に気にしとらへんよ。私、社長の奥さんということになってるけど、あれウソやから。なんつうか、デートクラブみたいなもんや。社長の奥さんゆう設定でデートしてHするってやつ。でも真理ちゃんが社長とHしてくれたお陰で私の仕事が減って助かったわ」  
夏美さんはあっけらかんと真相を述べるとさっさと部屋を出て行こうとした。  
しかし、香山さんは夏美さんを止めた。  
「おい、夏美。お前もここに来て相手せんかい。お前にもぎょうさん金払うとんのや」  
夏美さんは嫌そうな顔をしたが、「しゃあないか・・」と呟くと鍵を掛けて服を脱ぎ始めた。  
 
 
-透-  
 
世界が回っている。  
まるでメリーゴーラウンドに乗っているかのように僕の頭の中はグルグル回っている。  
大学の友達と呑んで二日酔いになったことは何度もあったが、ここまで酷く酔った経験は今まで無かった。  
僕は重たい瞼を押し上げた。  
ここは何処だろう・・・  
僕の視界には見たことの無い天井が映っている。  
周りを見渡す。  
ベッド、スタンドなど必要最低限の家具。  
窓の無い部屋。  
僕はやっと三日月館にいることを思い出した。  
久しぶりに真理と会って、可奈子ちゃん達とトランプをして・・・  
ガチャ  
何処かでドアの開く音がする。  
音のするほうを向くと可奈子ちゃんがいた。  
「ようやくお目覚め?」  
可奈子ちゃんは昼間着ていたワンピースではなく白い服を着ていた。  
いや違う。バスローブを身に纏っていた。  
シャワーを浴びたばかりなのか髪は濡れ、肌も汗が光っている。  
そして髪から零れ落ちる雫は鎖骨を伝い、大きな胸の谷間へ流れていく。  
「か、可奈子ちゃん、なんでそんな、格好を・・」  
突然現れた可奈子ちゃんのセクシーな出で立ちに動揺を隠し切れない。  
僕はまだクラクラする頭でどうすればいいのかパニックになっていた。  
「ふふっ、透君。そんなに慌てなくてもいいわよ。それよりもその恥かしい格好をどうにかしたら?」  
可奈子ちゃんは僕よりも年下のはずなのに、貫禄は全然彼女の方が上だった。  
僕は可奈子ちゃんの視線の先にあるものを見た。  
「あっ・・!」  
僕は絶句した。  
 
僕が只一枚身に着けていたトランクスは無様にも膝まで下ろされていて、下半身が丸出しになっていた。  
「ゴメンネ。透君が一人で酔いつぶれちゃったから、罰ゲームって事で脱がして皆で見ちゃった。啓子なんて興味津々で見てたのよ」  
可奈子ちゃんは悪びれもせず笑っていた。  
しかし僕にとってはとても笑って済ませる問題ではない。  
可奈子ちゃんの話が本当なら、啓子ちゃんにも夏美さんにも見られてしまったことになる。  
そう思うと僕は恥ずかしくて顔が真っ赤になるのが自分でもわかった。  
「さすがに私もやり過ぎちゃったかなって思ってね・・・お詫びとしてご褒美あげるわ・・」  
急に艶かしい口調になったかと思うと、可奈子ちゃんは一歩一歩僕に近づきながら腰の帯を解いていく。  
当然、歩く振動によって肩に乗ったバスローブが肌蹴てくる。  
そして僕の前に来た時にバサッとバスローブが滑り落ちた。  
目の前に全裸の可奈子ちゃんがいた。  
胸だけなら先程夏美さんのを見たが、生で全裸を見るとなるとこれが初めての経験だった。  
僕は聞こえないように小さく生唾を飲むとその艶やかな姿を眺めた。  
肌は昼間大胆な水着を着ていたのにも関わらず、全体的に白く美しかった。  
胸は少し垂れ気味で形こそ綺麗ではなかったが、大きさは真理や夏美さんを凌いでいる。  
乳輪が大きめで褐色の乳首は、淫らな雰囲気を醸し出している。  
僕はもう一度生唾を飲んで視線を下半身に送った。  
臍の下の、初めて見る地帯の叢は綺麗に整えられていた。  
陰毛の奥に見え隠れする秘密の縦筋に僕の目は奪われた。  
「透君って、ひょっとしてまだ経験ないの?」  
「えっ・・いや、そんな・・・」  
可奈子ちゃんの質問に僕はしどろもどろになった。  
 
確かに僕はまだ童貞だった。  
だけどそのことを真理以外の女性に知られるのは非常に恥かしい。  
しかし、可奈子ちゃんは僕の曖昧な返事で全てを察したようだった。  
「ふ〜ん、てっきり真理ちゃんともうしてると思ってたけど、まだなんだ〜。ねえ、私としてみない?」  
「えっ!何言ってるんですか!」  
「そんなに驚くことないじゃない。セックスくらい誰だってやってるし、真理ちゃんだって経験あるんじゃない?」  
可奈子ちゃんの台詞はとても衝撃的だった。  
真理が他の男とセックスをしたなんて全く考えたことの無いことだった。  
しかし、冷静に考えれば、ありうることだった。  
数日前の新聞に都内高校生の約半分が初体験をしているという記事が載っていたことを思い出した。  
僕と真理が出会ったのは大学に入ってから。  
当然真理のように綺麗な女性なら高校時代に恋人がいてもおかしくない。  
僕の膝がガクガク震えだしたのは決して酔いのせいではなかった。  
「例え真理が経験あったとしても、真理が真理であることには変らないよ」  
僕は可奈子ちゃんにではなく自分に言い聞かせた。  
「それはそうよ。例え誰と寝ていようと今の真理ちゃんは変らないわ。だけど、もし透君が真理ちゃんとセックスする時に、初めてで何もわからないんじゃみっともないわよ。そんな事にならないようにも私とセックスしよ〜?・・・・真理ちゃんには黙っていてあげるから・・・」  
甘えた口調で語る可奈子ちゃんは僕に顔を近づけるとそのまま唇を合わせた。  
 
 
-透-  
 
薄暗い部屋の中が熱い吐息で溢れている。  
ベッドの上で横たわる僕に覆い被さるようにして可奈子ちゃんが抱きついていた。  
重ねあわされた唇は一時も離れることなく舌と舌が絡み合う。  
「真理ちゃんには黙っててあげるから・・・」  
可奈子ちゃんが漏らしたこの台詞は僕にとって悪魔の囁きだった。  
罪悪感に胸を掻き毟られながらも、可奈子ちゃんの誘惑を振り払うことが出来なかった。  
真理と僕はおそらく相思相愛だろうから時間を掛ければいずれ結ばれる時がくるだろう。  
だが、22歳になっても未だに童貞である僕にとって、今すぐ近くにあるチャンスを我慢することは難しかった。  
「ああっ・・・はぁっ!」  
可奈子ちゃんの指先が僕の脇腹をなぞる。  
僕は自分でも知らなかった性感帯を突かれ、女の子のような呻き声を上げた。  
可奈子ちゃんの指はそのまま僕の肌を這いまわり、下腹部へ伸びてきた。  
僕のペニスはすでに勃起している。  
22年間一度も女性に触れられた事の無いペニスに触られたら、もう僕は自分を抑制することは出来ないだろう。  
僕は断腸の思いで可奈子ちゃんの腕を取った。  
 
「可奈子ちゃん・・・やっぱり止めようよ・・・」  
可奈子ちゃんは僕の言葉に少し驚いたような表情をしたがすぐに微笑んだ。  
そして僕の手を振り払ってペニスを掴んだ。  
「こんなに大きくしてるのに止めちゃっていいの?」  
「あっ、だって・・・」  
可奈子ちゃんの掌は僕の亀頭を優しく包み込んだ。  
既に溢れていたガマン汁をペニス全体に塗って指の滑りをよくすると、ゆっくり扱き始めた。  
人差し指と親指で輪を作ると亀頭から根元まで上下に動かす。  
カリや裏筋など敏感な個所を他人の手によって触られる快感は今までに無いものだった。  
このまま可奈子ちゃんの愛撫に身を任せていたい。  
しかし真理以外の女性とこんなことをするわけにはいかない。  
僕の心は大きく葛藤していた。  
その思いを察したのか、可奈子ちゃんは愛撫を止め僕の両手を取った。  
何を始めるのか不安がる僕を余所にその両手を頭上に持っていく。  
そしてバスローブの帯で僕の両手をベッドの柱に括りつけてしまった。  
「可奈子ちゃん・・何を?」  
「これでもう大丈夫。透君は自由を奪われてしまったわけだから、私に何をされても、それでどんなに感じても、真理ちゃんを裏切ったことにならないわ」  
「でも・・・」  
両手を縛られたといっても固く結ばれているわけではない。  
力ずくで可奈子ちゃんの誘惑から逃れようと思えばいくらでも出来たはずだった。  
しかし僕はそれをしなかった。  
もう自分の肉欲を押さえ込むほどの理性が僕には残っていなかった。  
 
僕の腰の上に跨った可奈子ちゃんの腰が狙いを定めて降りてきた。  
僕の視線の先にある赤い裂け目が今までに無いくらいに反り返った僕のペニスに口付けをした。  
そしてそのまま僕のペニスを咥え込んだ。  
「ああ・・暖かい・・・」  
これが僕の初めての感想だった。  
そして僕のペニスに肉襞が触手のように纏わりついてくる。  
自慰では体験できない柔らかくて優しい圧力がペニスを包み込む。  
「ん・・んんっ・・・」  
可奈子ちゃんが悩ましげな吐息を漏らしながら腰を動かし始めた。  
僅かに動いただけなのに僕のペニスはもう限界寸前だった。  
「可奈子ちゃん・・・もう・・僕っ・・」  
「えっ、もう?もういっちゃうの?」  
可奈子ちゃんは不満そうな声を上げるが、腰の動きは止まらない。  
「透くん・・んん・・イク時はちゃんと言うのよっ・・」  
「はい・・もうっ・・・いきますっ・・・・ああっ!」  
僕が絶頂に達し射精する寸前、可奈子ちゃんの腰が僕から離れた。  
このまま最後までいけると思っていただけに僕はまるで生殺しの状態だった。  
惨めに行き絶え絶えになってる僕を残して可奈子ちゃんはベッドから降りた。  
「さすがに中に出されるわけにはいかないから最後は手で我慢してね」  
可奈子ちゃんは優しく微笑みながら僕のペニスを扱き始めた。  
もう発射寸前にまでなっていたペニスを触られてはどうしようもなかった。  
「可奈子ちゃんっ!だめっ!出るっ・・・ううっ・・」  
僕は呻き声を上げながら精液を発射した。  
勢い良く発射された白濁液は可奈子ちゃんの手に降り注いだ。  
「ふふっ、透君のイク時の顔、とっても可愛かったわよ」  
可奈子ちゃんは指に纏わりついた僕の子種を舐めながら優しく微笑んだ。  
 
童貞を卒業するということは男にとって人生の一大イベントだ。  
しかし、それを無事に終えた僕の心を占めるのは達成感でも満足感でもなかった。  
ただあるのは真理に対する罪悪感だけ。  
一時の誘惑に負けてしまった自分に腹が立ってしかたなかった。  
やり切れない思いで胸を一杯にしながら三日月館を彷徨っていた。  
「あれ?え〜と、君は、透君だっけ?」  
無性に喉が渇きキッチンへ行くと正岡さんがいた。  
右手に持ったグラスの中には水が半分くらい入っている。  
「君も水を飲みに来たのかい?やっぱり自然に囲まれていると水道水でも東京とは全然違うね」  
正岡さんは自分のグラスをテーブルに置くと、新しいグラスに水を入れ僕に差し出した。  
ガラス越しに伝わる水の冷たさが朦朧としていた僕の感覚を少しずつ正気に戻してくれた。  
「どうしたんだい、そんな思い詰めた顔をして。僕でよければ相談に乗るよ」  
正岡さんは椅子に腰掛けると僕にも座るように促してきた。  
僕は正直、正岡さんの事を好きではなかった。  
昼間、初めて会ったときの女性に対する馴れ馴れしい態度が許せなかった。  
僕はグラスの水を一気に飲み干すと椅子に座った。  
正岡さんには何も話す気になれず僕は黙っていた。  
代わりに正岡さんが当り障りのない世間話をしてきた。  
でもそれもすぐに会話が途切れてしまい、気まずい雰囲気だけが残ってしまった。  
居づらくなった僕は寝ることにした。  
グラスを洗ってキッチンを後にしようとした時、正岡さんが声を掛けてきた。  
「透君は真理ちゃんと付き合っているの?」  
僕はどう答えていいのか迷った。  
正岡さんがどういう意図で聞いてきているのかわからない。  
だけど僕は誘惑に負けて可奈子ちゃんと関係をもってしまった今、真理を彼女だと言いきれる状態ではなかった。  
僕は小さく首を横に振ってキッチンを出た。  
 
 
-真理-  
 
ベッドを降りた香山さんは椅子に腰掛けてこちらを眺めている。  
バスローブを纏い、ワインを片手に寛ぐ姿は笑ってしまいそうなほど似合わない。  
しかし今の私には笑っている余裕などはあるはずがなかった。  
ベッドの上の私の後ろに夏美さんが座っている。  
柔らかい胸を私の背中に押し付けるように密着させ、両腕を前に回し、掌で私の胸を包んでいる。  
「あぁっ・・・」  
夏美さんの指が私の乳首に触れた。  
先程の香山さんとのセックスと、夏美さんからの愛撫で私の乳首は既に硬くなっていた。  
男性による力任せの触り方と違い、優しさと気配りを感じる柔らかい愛撫に私の身体は蕩けていく。  
夏美さんの舌が私の鎖骨から首筋へと上がってくる。  
不思議と同性に舐められているという嫌悪感は無かった。  
「真理ちゃんのココ、ツルツルで赤ちゃんみたいやわ〜」  
私の乳房から離れた手が臍を通過して無毛の下腹部へ到達した。  
しかしすぐに肉裂を弄るのではなく、内股や臍の下の部分などからジワジワと責めてくる。  
「んんっ・・・んうぅ・・・」  
感じる個所を直接触らない焦らした愛撫に私の身体が我慢できなくなってきた。  
しかし自分から求めるのも躊躇われ、切ない声を上げて夏美さんにそれとなく信号を送った。  
「なんやもう我慢できへんの?ほんまHなコやわ。ま、私も他人のこと言えんけどね」  
夏美さんは私の背中に密着させた身体を離すと、私の前で立ち膝になった。  
私の目の前には綺麗な刺繍が施された夏美さんのパンティがある。  
「真理ちゃんが・・脱がして・・・」  
言ってから夏美さんは恥かしそうに顔を背けた。  
他人に、しかも同性に下着を脱がされるというのは非常に恥かしい事だ。  
今までにないくらいに顔を赤らめる夏美さんの羞恥心を共有するつもりで私もドキドキしながらパンティに手を掛けた。  
 
両端を持って少しずつパンティを下ろしていく。  
夏美さんのパンティは、私が可奈子ちゃんに着させられた水着の様にとても小さかった。  
少し下げるだけでヘアが見えそうになる。  
しかしどんなに下げてもヘアは見えず、代わりにピンク色の肉裂が現れた。  
「私も真理ちゃんと一緒でツルツルやねん・・」  
夏美さんのアソコも私と同じく剃毛されていた。  
初めて見る自分以外の同性の、しかも剃毛された性器に目を奪われた。  
自分のアソコが綺麗なのかどうかはよくわからないが、夏美さんのアソコはとても綺麗だった。  
襞も肉も黒ずんでいる個所など全くなく芸術的な感じさえした。  
その美しいワレメから愛液が溢れ出してくる様は非常にいやらしかった。  
秘所とパンティとの間で愛液が糸を引いている。  
私はパンティをそのままにして、晒されたワレメに惹かれるように顔を埋めていった。  
「真理ちゃん!だめっ・・・そんなとこ舐めたらあかん・・」  
拒否する声を上げながらも夏美さんの手は私の頭を掴んで更に強く押し付ける。  
私は夏美さんの期待に答えるべくワレメの奥まで舌を潜り込ませた。  
立ってられなくなった夏美さんは私のほうへ倒れこんできて、私もそれを抱きとめた。  
私と夏美さんは更なる性感を求めて強く抱きしめあった。  
 
私はベットの上で相変わらず、両足を大きく開いている。  
その私の上に四つん這いになった夏美さんがいる。  
私と夏美さんの恥かしい部分は香山さんから丸見えになっていた。  
夏美さんの裸は女の私が見ても美しかった。  
全身小麦色に日焼けして、大きく形のいいバストと私と同じくツルツルにされた陰部が非常に官能的だった。  
四つん這いの夏美さんが片手で身体を支えながら、もう片方の手を下部にやった。  
何をするかと思ったら、その指が私のワレメに触れた。  
「あっ・・なにを・・」  
「ここをな、大きく広げて、社長に見て楽しんでもらうんや」  
夏美さんの指が私の恥丘を左右に開く。  
私のワレメの中は自分でもわかるほどに濡れている。  
肉門を開かれると、愛液が奥から湧き出し太腿に伝わり落ちる。  
「こんだけ濡れてれば大丈夫やな・・」  
夏美さんが身体を私に押し付けてきた。  
身体だけではない。  
身体よりも下半身を強く押し付けてくる。  
クチュ・・  
いやらしい音を立てて私と夏美さんのワレメが口付けをした。  
夏美さんの腰が動いて密着した肉裂が擦れる。  
「あぁぁ・・・」  
「はぁぁ・・うぅん・・」  
陰部から伝わる快楽に二人とも切ない喘ぎ声を漏らした。  
気持ちイイ・・気持ちいいけど・・・なにか物足りない・・・  
私は無意識に香山さんを見た。  
香山さんの股間に雄々しく勃起したペニスが見える。  
 
「真理ちゃん、社長のチンポ欲しいんか?」  
「え・・そんなこと・・・」  
「いらんのやったら・・ああっ・・・私が・・」  
何時の間にかベッドの近くまで来ていた香山さんが夏美さんの腰にペニスを突き入れた。  
「ああぁ・・・いいっ・・・気持ちイイ・・・」  
夏美さんの歓喜の声が頭上から聞こえてくる。  
私への愛撫を忘れて快楽に溺れる夏美さんがとても羨ましかった。  
私達の痴態を見て我慢の限界だった香山さんは夏美さんの肉壷で一気に達しそうになる。  
「ああっ・・だめぇ・・・私にも・・頂戴・・ああぁ・・」  
ついに私は自分から欲しいと言ってしまった。  
恋人でない男のペニスを自分から。  
しかし今の私には気持ちよくしてくれるものなら何でもよかった。  
私の声を聞いて香山さんは夏美さんに入っていたペニスを私の中に埋めてきた。  
「ああっ・・・いいっ・・・もっと、もっと強く・・ついて・・・」  
「真理ちゃん、ずるい・・私も、いきたいのに・・」  
ペニスを奪われた夏美さんが私の乳首を責めてくる。  
秘所は肉棒で激しく突かれ、胸には夏美さんの優しい愛撫が行われている。  
身体がバラバラになる程の快感に私の身体も思考も限界に近かった。  
「真理ちゃん、そろそろ出すで・・」  
太った身体を小刻みに震わせ香山さんの精液が私の中に放たれた。  
子宮に広がる暖かい液体の感触に私の身体が絶頂に達し意識も何処か遠くへ飛んでいった。  
 
冷たいシャワーを浴びて私は気を取り戻した。  
情事の後、朦朧とする私を連れて夏美さんと一緒に浴室に入った。  
夏美さんが私の顔を目掛けてシャワーを掛けてくる。  
「あんた恥かしくないんか。あんなデブハゲに自分から抱かれて。しかもアソコの毛まで剃って。ほんまイヤラシイわ」  
「え・・でもそれは、夏美さんも・・・」  
先程までの優しい態度が一変し夏美さんは激しく私を罵ってきた。  
「私は商売でしてるからええねん。でもアンタはちゃうやろ」  
「そんな・・」  
「そんなもなにもあらへん。私は昔、アホな事して借金こさえて、その為にしかたなくやってるんや。あんたの場合はどないやねん」  
「私は・・・・」  
私はどうしてこんな事をしてるんだろう・・・  
ふっと忘れていた透の顔が思い出された。  
1年半ぶりに透と会えたのに私はいったい・・・  
私の頬に暖かいものが伝った。  
「やっぱり何かワケアリなんや。私でよければ話してみない」  
夏美さんの口調はまた優しいものになった。  
それも全てを包み込んでくれるような感じがするほど暖かく大きかった。  
私は夏美さんの胸に顔を埋めた。  
私の泣き声はシャワーの音に掻き消されていた。  
 
「ようは透君に掛かっているわけや」  
シュプールで叔父に犯されてからの全てを夏美さんに話した。  
「透君も近くにいるわけやし、正直に話したらええんちゃう?」  
透に話すということは今まで何度も考えた事だったがどうしても出来なかった。  
しかし、私のことを思ってくれる人からの意見を聞いてやっと決心がついた。  
私は透に全てを打ち明けることにした。  
透の部屋へ向かおうとする私に夏美さんが付け加えた。  
「真理ちゃん、これだけは覚えといて。もし透君に冷たくされても、自分を見失ったらあかんよ。男なんて世界中にいっぱいいるんやから」  
夏美さんの言葉をしっかりと胸に留め私は部屋を出た。  
 
可奈子ちゃんに裸でこの部屋に連れてこられたことを思い出し、まず自分の部屋へ行くことにした。  
決心はしたものの、やはり透に嫌われたらという恐怖心が足の歩みを遅らせる。  
しかし今の状況を打開するにはこれしかないと自分に言い聞かせて一歩ずつ足を進める。  
そして私の部屋が近づいて来た時、何処からか透の声が聞こえてきた。  
館のこちら側には女性の部屋がほとんどで、透の声がするはずが無い。  
しかし私の隣の部屋から間違いなく声が漏れてきている。  
ここは・・可奈子ちゃんの部屋!  
私はドアに耳を当てた。  
 
「可奈子ちゃん・・・もう・・僕っ・・」  
「えっ、もう?もういっちゃうの?」  
 
「透くん・・んん・・イク時はちゃんと言うのよっ・・」  
「はい・・もうっ・・・いきますっ・・・・ああっ!」  
 
私の身体は震えていた。  
自分の身体が足元からガラガラと崩れていくような感覚が襲ってくる。  
「自分を見失ったらあかんよ」  
夏美さんの言葉が闇の中に消えていく。  
 
「可奈子ちゃんっ!だめっ!出るっ」  
 
私の心の中の大切なものが完全に失われた。  
 
 
つづく  
 
 

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