「慎一(主人公)が一連の殺人事件の犯人だった・・・」加奈子を殴り殺す慎一の姿に、真理は直感した。
床に落ちていたストックを拾い、返り血を浴びた慎一と目が合い、迷わずストックを慎一の首に突き立てる・・・
それで全てが終りだった。・・・そのはずだった。
パチパチパチパチ
だが、真理の背後から有り得るはずのない拍手の音が聞こえてきたのである。驚いて振り向いた真里の目に映ったのは、死んだはずの美樹本であった。
「いやはや、素晴らしいショーを見せてもらったよ、お嬢さん。」美樹本は楽しくて仕方ないといった風である。
「・・・どうして・・・?美樹本・・・さん?」真理には訳が分からなかった。
「フフフ、説明する時間はたっぷりある。何しろもうこの家にはオレと君の二人だけしかいないのだからねぇ。」美樹本は“二人だけ”を強調した。
いまだにことの次第を理解できない真理。そんな真理に美樹本はニヤニヤしながら近づく。「そう、楽しむ時間もたっぷりある・・・。」と言いながら・・・
真理は美樹本に取り縋って叫んだ。
「美樹本さん!生きてたのね・・・良かった。」そして徐々に真理の声が泣き声に変る。
「慎一が・・・慎一が犯人だったの・・・。叔父さんも叔母さんも・・・みんな・・・」語尾は鳴咽に混じって声にならない。
が、「オレが殺したよ。」美樹本の可笑しくてたまらないといった声が真理の言葉を継いだ。
「君の叔父さんは包丁で串刺しにした。叔母さんは殴り殺した。二人ともピイピイ鳴いて命乞いしたがね、死ぬ時はあっけなかったな。」
真理はもう何度目かの混乱に陥った。「・・・嘘でしょ?美樹本さん・・・だって慎一が・・・」
「ああ、あのスレた女学生は君の彼氏が殺したんだっけな。手間を省いてくれて助かったよ。そして・・・」
真理はかつてないほどの恐怖に襲われた。美樹本の言葉に耳を塞いで逃げ出したかった。だが・・・「その彼氏は君が殺してくれたというわけさ。」美樹本はまるで何でもないことのように笑って言い・・・
「いやぁぁぁぁぁーーーーーーっ」真理の叫びがペンションに響き渡った。
真理はその場に崩れるようにして慎一の死体にしがみついた。
「いやぁ!慎一、慎一ぃーーーっ」。必死で物言わぬ死体を揺する。
開いたままの慎一目は、光を湛えないまま、虚ろに真理を見返していた。
そんな真理の肩に美樹本の手が添えられる。「解ったろ?お嬢さん。」。
真理は力なく言った「殺してください・・・」
・・だが、真理はあるいは甘かったかもしれない。罪を犯した者には罰が与えられるもの。
ビリリッ
美樹本の力強い腕はいきなり真理のセーターを引き裂いた。「きゃっ!」本能的な恐怖に真理が戦慄く・・・
「彼氏にお別れは済んだかい?・・・死んだ人間は放っておいて、生きている者同士お互いの体温を確かめ合おうじゃないか。」
邪悪に歪んだ美樹本の表情は、恐怖と悲しみに麻痺しかけた真理の心に、更なる絶望を約束するものであった。
「いやぁ!やめてぇ!!」真理は必死で抵抗する。だが美樹本のがっしりした体に押さえ込まれ、満足に身動きすらできない。
美樹本の両腕がブラウスに伸びたかと思うと、いくつものボタンを宙に飛ばしながら真理の薄いピンクのブラウスは、左右に大きく開かれた。
「へへ、たまらねぇ光景だぜ。」真理の純白のブラが、汗ばんだ胸の谷間が、真理の白い首筋が美樹本の視線に晒される。
「あぁっ。」真理の悲痛な声に構わず、美樹本の大きな手のひらが真理の豊かな乳房をこね回す。
真理は必死に美樹本を押しのけようとする。しかし抵抗の空しさを思い知らせるかのように・・・
ブラがずり上げられ、雪白の乳房と薄桃色の乳首に美樹本のぬめった舌が這い回る。
「・・・ぁんっ」堪らず真理の声が漏れる。真理はこの異常な事態にある種の興奮を覚えていた。
どんな抵抗も許されず、恐ろしい殺人者に体を奪われようとしている。しかも、自分が殺してしまった彼氏の死体の目の前で。
「あぁ?感度いいじゃねぇか。お嬢さん。」美樹本は尚も真理の上半身に執拗な愛撫を加えつつ、そんな真理を嘲笑う。
「そ、そんな・・・嘘よ!」真理は自分で否定しながら、自分の言葉こそ嘘であることを感づいていた。
体が熱くなり、鼓動が早くなり、恥ずべき液体が一滴下半身に滴るのを感じたのである。
「嘘かどうか、確かめてやろうじゃねぇか?」真理を心情を見透かしたように美樹本はナイフを取り出すと、真理のズボンのベルトを断ち切った。
「そ、そんな!ダメぇ!」聞き入れられるはずもない真理の哀願を無視し、真理の、緩くなったズボンと体の間に美樹本の指が侵入する。
さらにパンティの傍から真理の素肌をなぞるように中まで侵入し・・・