地丹は、まだ眼の前にある亜留美の裸体を現実のものと信じきれずにいる。  
暗めにした照明の下、恥ずかしそうに、しかし大胆に大きく広げた亜留美の局部。  
陰毛は恥丘に申し訳程度に生えているだけで、割れ目の両側はすべすべしている。両側の盛り上がりは  
かなり強く、そのせいで内側の粘膜の部分が縦筋にしか見えない。まるで幼女のように…。  
上半身を見る。きれいなまあるいおっぱいが、大きな二つの眼のように地丹を見つめ返している。乳房  
は幼女どころか、立派な大人のそれに成長しきっている。なんと不釣合いな上半身と下半身だろう。  
亜留美自身は薄目を開けて恥ずかしそうだ。  
「だーかーらー。そんな穴のあくみたいに見ないでよ…なんか変よ地丹くん、帰ってきてから?」  
亜留美が身じろぎすると、おっぱいがつられてぷるんと揺れる。まるで皿を動かされたときのプリンの  
ようだ。おっぱいの下側、彼女には自分では見えないところにあるホクロもつられて揺れる。  
そうだ、このホクロには見覚えがある。ストーカーをしてた頃はちょくちょく着替えを覗いたもんだ。  
公園のトイレでおしっこしてるのをアクシデントで見てしまったことも…だから以前から、おっぱいも  
アソコも見た事がないわけじゃ…  
いや待て、あれから何がどうなって今みたいな関係になったんだっけ?  
そうだ、たしか、科特部の鍋パーティーで、酒『のようなもの』を飲んで酔った勢いで初体験して…  
それがきっかけで何度もエッチを繰り返して…  
まもなく彼女はうちまで押しかけてきてエッチをするようになって…  
なし崩し的に僕の部屋に居ついちゃったんだっけ。  
そして彼女はそのまま独力で双方の両親を説得(地丹はどうしていいかわからず傍観者状態)して…  
強引に押し切って事実上の『婚約者』宣言をして…  
だけどなんかまるで箇条書きみたいな記憶なんだよな、どうしてなんだろう?  
「ねえ、地丹くん…早く来て…私もう…」  
亜留美がおねだりしている。  
それも口ではなく、今見てる淫靡なもう一つの縦長の方の口から聞こえるような気がする。彼女は自分  
の乳首を両方とも弄りながら自らを昂ぶらせているのだ。  
次第に、縦筋だけに見えていたピンク色の小陰唇が開き始めた。花が咲くように…。  
地丹はもうたまらなくなった。  
 
そうだ、いつもやってる通りにやればいいんだ。  
亜留美が自分からおねだりをしだすのは、『前戯はもういいからもう挿れてよ』の意味だったよな、ち  
ゃんと覚えてるぞ。よし挿れちゃうぞ…なのに穴の位置がわからないのはなぜだろう…毎日してるはず  
なのに…?  
地丹が少し戸惑い始めた所で、亜留美が地丹のものを手探りで握り、自分の入り口にあてがった。  
「ここだよ…今日はちょっと焦ってるね…大丈夫、リラックスして、いつも通り…」  
地丹は腰に力を入れた。  
かなり抵抗がある。ほんとに入るのかな。もうちょっと力を入れて…  
ぬるっ、とした感触。  
「ふわわ!?」  
亜留美が身体を反らし妙な声を上げた。地丹は少しビックリしたが、腰は意思とは別に前に進む。  
「ほわぁ?あ、ああ…っ、ちょっとまっ…」  
痛がってるのではない。ただ戸惑ってるような…  
陰茎が半分ほど入った所で、やっと本能による腰の動きにストップがかかった。  
「ど、どうしたの亜留美ちゃん?大丈夫?やめようか?」  
「そうじゃないの、そうじゃ…ただちょっと、こんなおっきいと思ってなかったから…」  
「え?」  
「ああっ、今のは忘れて、なんでもないの!そ、それより…動いていいよ、ね、いつも通り動かして。」  
最初は遠慮がちに、次第に大胆に、地丹の腰の前進に力が入る。  
亜留美はまた悶え始めたが、こんどは声を出さない。おっぱいがさっきと同様、二つのプリンみたいに  
ぷるぷる揺れている。少しのけぞるようにして、目をきつく閉じ、シーツを両手で掴み…  
まだ違和感があるようだ。  
奥まで届いた。地丹は夢中で往復運動を始めた。  
心臓が早鐘のように鼓動している。そんなきつい運動でもないのに…息も荒い。  
そしてあっけなく地丹は果てた。  
どく、どく、っと亜留美の中に即物的に…出し終えた。気持ちがいいとかどうとかは良く分らなかった。  
 
真下からか細い声がする。  
「地丹くん…地丹くん、動いていいんだよ…私は大丈夫だから…。」  
「いや…でも、出ちゃったからすぐには動かせないし…」  
亜留美が「え?」という表情になり、次いで二人が繋がった所に目を持っていった。  
「あ…で、出ちゃったんだ…そ、そっか、終わったんだね、ごめんごめん。」  
「気づいてなかったの?」  
「その、えっと、ちょっと…む、夢中になってたから…ね、もう抜ける?抜いていいよ。」  
地丹は訝しみながらも腰を後退させてペニスを抜いた。先端はまだ白い液を滲み出させている。  
亜留美は少し、ふう…とため息をついた。それが急に慌てだし、困った様子でティッシュを探し始めた。  
数枚をババッと手に取ると股間に押し当てる。  
「わ、わ、わわ…うわすごい、ほんとだぁ…こんなに出てたんだ、やだ私ったら…」  
ほとんど独り言のように言う。上体を起こし、真っ赤な顔でなお股間にティッシュを押し当てている。  
地丹はそれをぼんやり眺めている。  
(ビデオとかにはこんな、出したのを拭き取るシーンってないんだよな…だいたい女の子って夢見ごご  
ちみたいな表情のカットで終わっちゃうし…でも当然出したら拭かないといけないんだよな)  
AVとかでは見たことのない女の子の精液の後始末の仕草…なんか妙にリアリティがある。  
今の今まで現実か夢か良く分らなかったが、ようやく自分は亜留美とSEXをしたんだなあという実感  
が湧いてきた地丹であった。  
「地丹くん、私ちょっと…シャワー浴びさせてね、終えたらついでに晩御飯も持ってくるからね。」  
 
<以下、病院内>  
亜留美は病室から出ると、一目散に浴室(本来は患者用)に走りこみ、シャワーを浴びだした。  
身体を流し終えた頃、シャワーカーテンのむこうに人影が。  
「亜留美ちゃん、今いいかしら?あ、シャワーは続けてていいわよ。」  
「あ…彩園先生。私、何とか地丹くんと…」  
「言わなくていいわ、判ってる。でも…ねえ亜留美ちゃん、あなた初めてだったんじゃないの、違う?」  
 
「ええ、まあ…」  
「やっぱりね。何でそれを早く言ってくれないの、知ってれば別の手段を考えたのに…」  
「いいんですよ。」  
「こんなロストバージンの仕方でほんとに良かったの?」  
「はい。痛くなくってよかったですー。」  
「そう…まあ、出血もなかったみたいだけどね。」  
「あははー。私、中学のときに部活で激しく動いたら生理でもないのに血が出ちゃいまして。あちゃー  
破けちゃったーって思いまして。だから今回、出血はないだろなって予想はしてたんですよ、あははー。」  
「あははーってあなた…まあいいわ、あなたがそんなあっけらかんとしてるなら、気を揉むだけムダね。」  
「あは…すみませーん。」  
すずは、浴室のカーテンの向こうの亜留美が自分の頭をこつんと拳骨で叩くのをシルエットで見てため  
息をついた。  
SEX時の様子や出血の有無をなぜすずが知っているのか。もちろん地丹の病室の目に付かない所にビ  
デオカメラがあって、今回の様子は逐一モニタされていたからなのだが、その辺にまるで無頓着なのが  
亜留美らしいというべきか。  
彼女はシャワーを終え、身体を拭き始めているようだ。  
「うーん、地丹くんがイッちゃったの、私気づかなかったんですよね…ちょっとまずかったですかね?  
私の経験不足、ばれちゃったかな?」  
「さあ?地丹くんもそこまで女の子の身体の事はわかってないと思うけど。」  
「そうですね。よし、次はちゃんと彼がイクのにあわせて私もイクぞ。」  
「演技でいいのよ。」  
「はい。」  
「それより、中に出されちゃったけど大丈夫なの?事後ピル処方しましょうか?」  
「あ…できたらお願いします。」  
亜留美はそう言うと素っ裸のまますずの前に出てきた。そしてまた元気ポーズ。  
「よーし2回目もがんばるぞ、亜留美ファイト!」  
 
亜留美はキャミソールを着ると、婦長から夕食(二人分)を受け取ってまた地丹の部屋に入っていった。  
婦長がすずに心配そうに顔を向ける。若先生がやってきた。彼も少し心配そうだ。  
「…ほんとにいいんでしょうかこんな事をして?病を治すためとはいえ、看護師に患者とのSEXをさ  
せるなんて…よく青松理事が納得しましたね。」  
「まあそれはね、改蔵くんとしえちゃんの例があるから…。」  
「改蔵が治ったのは彼女とSEXしたからじゃないでしょ?それに意図してああなったわけじゃ…」  
「そうよ。でも、前例としては価値があるのよ。あの理事には改蔵くんとしえちゃんがああいう関係を  
持った責任があるしね。」  
さすがに先ほどの理事も、今回の手法を説明すると『それは確かに強引だな…』と躊躇したのだ。  
もし院外に説明不足のままこの件が漏れたらスキャンダルに発展しかねない。理事にも話を通してある  
と知れたら彼の責任も追及されるだろう。  
しかし理事は最終的には承認した…それは、患者と看護師が肉体関係になるという事態には前例があり、  
その前例ができたのにはある程度彼に責任があるためなのだ。  
 
ほぼ2年前、改蔵と羽美はかなり親密になっていた。  
『父がリストラされた羽美が、改蔵の家に居候になった』という箱庭内設定を作り出し、現実世界では  
ほとんどの時間同じ病室でいちゃついていたのだ。  
このままだとすぐに肉体関係を持つだろう。みなそう思った。ほとんどのスタッフがそれで構わない、  
そのほうが二人の精神の安定にプラスになる…と思ったのだが、件の理事だけは違った。  
「そんなふしだらなことが病院内で許されるか!」  
そして患者同士がそんな関係になるのを防ぐ為、看護師に改蔵の性欲処理させろと無茶を言ったのだ。  
もちろん性欲処理と言っても手ですることを想定したのだし、過去にも他の患者にそういう処理をせざ  
るを得なくなった例は実際にあった(精神科病棟では色々あるのだ)のだが…。  
その役を任された二人の看護師が、お互いのライバル意識からか次第に『処理』のやり方が積極的にな  
ってゆき、ついにそのうちの片方のしえがある夜改蔵とSEXをしてしまったのだ。  
しかも、した直後を羽美に見られてしまったから騒ぎは大きくなった。  
 
すずが上手く三人(改蔵、羽美、しえ)の間に割って入り、催眠誘導による記憶操作術も駆使してなん  
とか関係を安定状態に戻したが、しばらくの間は羽美がそれを思い出してすずが「あれは見間違いだっ  
たのよ」と納得させなければならない、ということがしばしばあった。  
そこで、すずは普通とは逆の解決法を取った。改蔵としえを引き離すのではなく「改蔵は、しえとも、  
それ以外のたくさんの女の子ともつきあっている」と言う箱庭設定を作り出した。  
つまり、大きな一つの浮気を、小さなたくさんの浮気で目立たなくさせ、騒動を発散させたのだ。  
副作用で羽美は改蔵とあまりいちゃつかなくなり…改蔵の性欲処理も必要なくなっていった。  
その騒ぎの最中、青松理事はうろたえるばかりで何もできなかった。という訳で、あの理事も、自分が  
看護師と患者の肉体関係にとやかく言える立場ではないのをわかっているのだ。  
 
<以下、箱庭世界>  
晩御飯も食べ終え、夜も更けた。母親が食器を下げに少しだけ顔を出し、そしてまた二人きりに戻った。  
そうか、そうだったな。僕が引きこもり同然の生活をしてるから、亜留美ちゃんもほとんどこのうちで  
は引きこもり同然なんだ。地丹はそれも思い出した。  
そして、また二人は裸になって…  
「あ、あん、ああ…ん…」  
薄暗くした部屋で亜留美がかわいらしく喘いでいる。地丹は上でぎこちなく腰の往復運動をしている。  
(そうか、だんだん思い出してきたぞ…たしか、この娘は…イク時って、背中に爪を立てるんだっけ…  
背中には彼女の引っ掻き傷が結構残ってるはずだよな、あとで調べてみよう…)  
ふくよかなおっぱいを鷲掴みにし、乳首をしゃぶり、夢中で自分の硬い物を突きたてる。2回目だとい  
うのに、地丹は2分もしないうちにもう出しそうになってきた。今度は亜留美は地丹の変化に気づいた。  
「あ、ああ、地丹くん…イキそう…なの?ハアハア…私も…もう…」  
「あ、亜留美ちゃん…もう出ちゃうよ…」  
「地丹くん、イッちゃう…亜留美…イッちゃう…」  
亜留美が、地丹の背中に爪を立て始めた。  
 
つづく  
 

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