今日は、朝からおかしかった。  
まず…朝起きて、歯を磨こうと洗面所に行ったつもりが、ドアを開けると牡丹が着替え中だった。  
不審火が起きては建て直し、を何度もしているせいで自分の家なのに勝手がよく判らない。たまに間違っ  
た部屋のドアを開けたりするのだ。  
妹はきゃんきゃん文句を言いながらも、さほど恥ずかしがるでもなく下着姿になる。  
僕も「お前にブラなんか必要ないだろ」とか文句を言って対抗しながら部屋を出た。  
 
次に、登校途中、今度は、前を歩く女子高生の十数人の集団がいて、突風が吹いてスカートが捲れあがっ  
てパンツが見えた。十数人、全員分だ。白やら柄モノやら黒やらTバックやら色々だった。  
さらに、校門の前まできたらあわてて登校して来た下級生女子がこけてパンツが見え、授業中にはチョー  
クを落としたのを拾おうとよし子先生が屈みこんだらパンツが見え、次の授業中に何の気なしに斜め後ろ  
を振り向いたら居眠りをしてる羽美ちゃんの机の下の両脚が開いててパンツが見えっぱなしになっていた。  
 
最後はついさっきのことだ。3時間目の授業が終わった時、亜留美ちゃんを含む女子3人とすれ違った。  
彼女らは階段を登って上の階に行こうとしていたのだが…。  
(スカートの中が見えそうで見えないなぁ。朝みたいにまた風が吹かないかな、無理か…)  
と思ったら軽い風が吹き上げた。なんと言うお約束。3人は慌ててスカートの裾を手で押さえた。  
亜留美ちゃんがこちらを振り向いて言う。  
「…見た?」  
「み、見てないよ、何も見てないって亜留美ちゃん!」  
「そう…。でも、見ようとしたでしょ。地丹君のエッチ。」  
そう言うとむこうを向き、他の二人に追いつくようとんとんと階段を駆け上がっていった。  
言葉のわりに表情は優しかったし、目は笑ってた。大丈夫そうだ。  
でも、一緒に居た二人のイチゴと縦じまはともかく、マンボウ柄のパンツなんて初めて見たな。  
 
で、今は4時間目の授業になっているところなのだ。  
 
僕は授業も聞かず、取りとめもなく考えている。  
今日はいったいどうしてしまったのだろう。ついている日とかついてない日というのがある。あるいは、  
「二度あることは三度ある」とかいう諺もある。だけど、こんなふうに同じような場面にばっかり僕一人  
が遭遇するっていうのは、一体どういう訳なんだろう?「地丹にパンツを大量に見せる日」と神様が決め  
たのだろうか。偶然にしてはたくさん見えすぎる。  
でも…どうせなら、神様、僕はパンツよりおっぱいを見たいです。お願いします。  
 
昼休みになった。廊下でなぜかものすごく慌てて走ってた神崎さんとぶつかった。小脇に抱えていた大き  
な封筒が床に落ち、中身が散らばる。  
「ああっ!原稿が!」  
神崎さんは書きかけの同人誌の漫画の原稿を慌てて拾い集めだした。僕も手伝おうと屈みこむ。と、彼女  
のシャツのボタンを3つ目まで外した胸元が見えるのに気づいた。しかも、ちょうど僕から右のおっぱい  
が丸見えになるアングルになっている…。  
周囲に人はいない。  
3時間目の授業中の願いがまさかすぐにかなうとは思わなかった。  
彼女は原稿を拾い集めるのに必死で気づく様子がない。四つん這いになってるせいもあり、ブラはおっぱ  
いを覆ったり支えたりする用をなしていない。小ぶりだがプルプル揺れて柔らかそうなおっぱいだ。乳首  
はきれいなピンク。乳輪のすぐ脇に、スクリーントーンの切れ端が貼り付いている。  
「ご、ごめん神崎さん、それじゃ…。」  
僕は前屈みになりながらその場を離れた。神崎さんは僕に目もくれずに原稿を拾い集めている。  
 
前屈みのまま教室に戻る途中、吉川くんに会った。  
「オイ地丹、コーラ買ってこいよ。」  
ところが、買いに行く途中、例によって色々エッチなシーンに遭遇する。保健室のカーテンが開いていて  
室内で診察中の上半身裸の先輩女子のおっぱいを目撃し、家庭科実習室の前では誰かがぬるま湯のやかん  
をひっくり返したとかで透けブラの女の子を大量に目の当たりにし、校庭では紛れ込んだ子犬にソーセー  
ジをあげる為にしゃがみこんでいたしえちゃんのパンツが見えた。  
異常だ。初めの方は偶然が重なってラッキーかもとか思ったが、いくらなんでもこれはおかしすぎる。  
気色の悪さにうわあああと叫びながらコーラを買い、うわあああと叫びながら吉川くんに渡し、目をつぶ  
ってなにも見ないようにしてうわあああと叫びながら学校を飛び出す。無断早退だ。  
 
しかし、校外に出ても、状況は変わらないらしい。どこに行っても、エッチな場面に遭遇する。  
川岸の土手を通れば河川敷で小学生(と、いってもすでに胸が膨らんでいる女子もいる)の乾布摩擦大会  
が行われているし、バスに乗れば急停車した弾みで女子大生(OLかも?)が車内ででんぐり返しをして  
下半身が丸見えになり、街中に出ればスイミングスクールでぼやがあって外に避難してきた水着女性や着  
替えの最中だったと思しき半裸の女性を数多く目にする。  
 
夕方になった。今日一日に見たパンツとおっぱいを数えたら60位になるだろう。  
人間の幸福/不幸の絶対量はあらかじめ決まっていると言う説がある。もし今日、これ以上パンツやおっ  
ぱいを観たら、僕はもう生涯女の子のそれに縁がないかもしれない。  
いやだ、このまま童貞で一生を終えたくない。  
亜留美ちゃんとこの世で一番親密になったのが、今日の午前中にパンツを見た瞬間なんて悲しすぎる。  
そうだ。どうせいろいろ見ざるを得ないのなら…亜留美ちゃんの所へ行こう!  
いつもみたいにうちまでついていけば、マンボウ柄のパンツよりいいものが見られるかも…。  
僕はいつものストーカー衣装に着替え、亜留美ちゃんが学校帰りに寄りそうな所を探すことにした。  
 
亜留美ちゃんは公園で見つけた。しかしその公園でも、パンツやら何やらが僕にだけ見えまくる。それら  
が見えない方向へ、見えない方向へと移動せざるをえない。  
ところが、移動に気を取られ、亜留美ちゃんを見失ってしまった。さっきまでそこにいたのに…。  
むにゅ、と変な感触がする。  
公園内でロープを外されて遊んでいた犬の尻尾を踏んでしまったのだ。  
ものすごい勢いでそいつは怒り、すさまじい勢いで僕に噛み付こうとする。  
僕は生涯最高速で逃げ回る。でも犬は追いかけて来ている。  
そうだ、公園の公衆トイレに逃げ込むしかない。  
個室は鍵がかかってないのにドアが開かない。犬が迫る。火事場の馬鹿力+全体重をかけて押し入った。  
「いやあああああああ痴漢――――っ!!」  
僕が飛び込んだのは、鍵が壊れていて、亜留美ちゃんが中から「どうか男の人が入ってきませんように…」  
と必死に内側からドアを押さえながら用を足していた個室だったのだ。一つしかない個室だけど。  
亜留美ちゃんは「見ないで、出てって」と泣きながら僕をポカポカ叩いている。  
でも僕は彼女の股間から視線を逸らせない。そして、突如男が乱入したからといって、一度出し始めたお  
しっこは簡単には止めらるものではない…。  
扉の外ではまだ犬が吠えている。  
 
神様…確かに亜留美ちゃんのエッチなシーンを見たいと望みましたが、これはちょっと行き過ぎです…。  
 
亜留美ちゃんは結局全部出しきってしまった。今、彼女は瞳に一杯涙を溜め僕を睨みつけている。  
「あんただれよ!?この痴漢男!そうか、あんたがいつも私を付けねらうストーカーね!」  
僕はそうだとも違うともいえない。口をきけば坪内地丹だとばれてしまう。  
 
「何が目的よ!?私のトイレが見たかったの!?それともパンツが欲しいっての!?そうなのね!?」  
亜留美ちゃんは便座に腰掛けたまま、膝まで下りていたパンツを両脚から抜いた。その間、ずっと彼女の  
アソコが見えていたが、彼女は完全に開き直っているらしく意に介さない。  
陰毛は恥丘にのみ生え、割れ目の両脇には全く生えていない。ほんの縦すじだけのピンク色の部分。  
「ほらっ!もってって!」  
僕の手にパンツを押し込むと、亜留美ちゃんは個室を飛び出して陽が大きく傾いた公園に消えた。ミニス  
カの制服なのに、ノーパンでうちに帰る気だろうか。  
いつのまにか犬はいなくなっている。  
 
というわけで、今、僕の手中には、亜留美ちゃんの脱いだまだ暖かいマンボウ柄のパンツがあるのだ。  
 
もし「人間の幸福/不幸の絶対量保存則」が正しいのなら、こんなものをゲットしてさらに彼女のアソコ  
まで見てしまったからには、僕はもう二度と亜留美ちゃんには縁の無い人生を送るのだろうか?  
 
そうだ。突然、僕は閃いた。天才的な閃きだ。  
幸福の絶対量のバランスを取りたいなら、思い切り不幸なことを今のうちに経験しておけば、今日の異常  
な幸運という名の「受難」は打ち消せる筈だ。  
とりあえず今から、このパンツを頭にかぶり、全裸で街を歩いてみよう。そうだそれが良い。良いに決ま  
ってる。最高の思いつきに、僕の頭の中で何かが弾けた。  
 
トイレの中でストーカー衣装を脱ぎ、パンツを頭にかぶって外に出る。なぜか目の前には柔らかな陽光を  
浴びたお花畑が広がっている。確か陽の傾いた公園だった筈だけど、まあいいか。なんだかすごく幸せだ。  
 
−完−

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