ジュップ・・・・ジュップ・・・・ジュップ・・・・ジュップ・・・・
深夜の森に止む事の無い水音が響く。
揺れる白い裸体が森の闇の中に浮かび上がる。
その音に目を向ける者がいればその異様かつ淫卑な光景を目にし息を呑むだろう。
一人の巫女が・・・・おぞましい鬼の上にまたがって・・・・犯されている光景に・・・・・
自分の上で揺れる巫女の女を満足げに見つめる。
強大な力を持つ刀・・・・獅子王。
その剣を振るい向かってきたこの巫女を返り討ちにしたのがつい先ほどの話だ。
「はっ・・・・あっ・・・・ああっ!!・・・・っ」
両手を片手で掴み上げ拘束し、下から突き上げてやると痛ましいほどの苦痛の叫びを上げる。
その中に僅かながら淫らな喘ぎが混じっているのを俺は聞き逃さない。
ククク・・・・さっき処女を奪ってやった時、あれほど激痛に泣き叫んでいた女がな・・・・
思わぬ拾い物だった・・・・たしかにあの刀に斬りつけられた時は命の危険を感じたがこうなってしまえば可愛いものよ・・・・我は哂う。
巫女は美しかった・・・・透けるような肌、さらさらの漆黒の髪、容姿も自分好みだ・・・・何より斬りかかって来た時のあの射殺さんばかりの目が良い。
下等妖怪にありがちな女なら子種を植え付けるだけ・・・・そういう単純嗜好を高位の妖怪は持たない。
自分の上で喘ぐ巫女と自分の接合部に目をやる。
さんざんに責め立てた巫女の身体はもう自分を受け入れ始めている。
自分の腹の上がが愛液で水たまりのようになっていた、肉棒にこびりついた破瓜の証をにやついた笑みで眺め、騎上位のまま貫いていた巫女をそのままに身体を起こした。
「あうっ!!」
姿勢移動によって中を擦られたのだろう悲鳴を上げるが構わない、むしろもっと聞かせて欲しいくらいだ。
座位で向かい合った巫女を己の胸の中に掻き抱く。
分厚い胸板に顔を押し付けられた巫女の耳元で囁いた。
「巫女よ・・・・名は?」
巫女が視線を上げた。
驚いた・・・・あれほど犯してやったのにまだその光は失われていない。
久々の上モノに内心舌なめずりする。
「はぁ・・・・・はぁ・・・・っ! 聞いてどうするのですか?」
長時間犯し貫かれて荒い息をついているもののその目と言葉に力は宿っている。
面白い・・・・
「ぐうっ!!」
不意に大きく身体を揺する。
巨根に中を抉られる、痛みは薄らいだとは言えゼロではないし、圧迫感は消えないだろう。
まるでおもちゃのように激しく揺さぶる。
「がっ・・・・はぁっ・・・・・や、やめっ・・・!」
「・・・・名は?」
動きを止め、再度尋ねる。
「く・・・・っ。け、桂香・・・・音羽 桂香・・・・」
睨みつけ言葉をたたきつけてくる。
・・・・桂香か・・・・
「良い名だ・・・・」
「・・・・え?」
自分を犯している自分の意外な言葉に驚いているのだろう桂香が呆けた目を向ける。
「我が妻に相応しい・・・・」
「なっ!? ふ、ふざけないでください!!」
「ふざけてなどおらぬ、我は桂香・・・・お前を気に入った。人間流に言うなら惚れたか?」
壮絶な笑みを浮かべる。
「わ、私は貴方を好きになどなりません!!」
火花が散るかのような激しい視線・・・・フフフ、ますます気に入った。
「つれないことを言うな、我が女にしてやったというのに・・・・」
「・・・・・っ!!」
怒りの顔が一瞬にして蒼ざめる、想い出したのだろう自分が処女を我に散らされた事を・・・・
「だ、だからって・・・・貴方の物になど・・・・」
「ククク・・・・ならどうする?一度我のものを咥え込んだお前だ、もう並みの人間では満足させてもらえないぞ?」
「・・・・・・・・くっ!」
悔しげに顔を背ける桂香。
こうしている間にも桂香の中に我の物の形と大きさを憶えこませている。
そうなれば・・・・クククク
「さ、続きだ・・・・」
「・・・・! ちょ、まっ・・・・・あう!」
再び始まる性の宴、生贄(ごちそう)は美しい巫女、存分に味合わせてもらう。
座位のまま我に嬲られる桂香を見る。
波間に漂う小船のよう激しい揺れをその小柄な身体で味合わされたまらず苦痛に叫んでいる。
美しい黒髪が波打つように揺れ、宙を舞い、きめ細かい肌を流れる汗が月光を受けて煌く。
闇の中を蠢く我らに眩しき生命の輝きを放つ清らかな巫女が、我の手で淫らに舞う様が驚くほどに獣欲を掻きたてる、もっと穢してやりたい、もっともっとその淫らな声を聞きたい。
自分の中で高まってゆく射精感。
「そろそろだ、我が子を孕んでもらうぞ」
「・・・・っ、や・・・・や、めっ・・・・っ!」
そのか細い身体を引き寄せる。
倒れこむ桂香を胸の中に抱きしめ我は咆哮した。
繋がったままの桂香の中に思う存分吐き出す。
「〜〜〜〜〜〜〜っっ!!!」
桂香の身体が震える・・・・堪らぬだろう?
子宮に弾丸のように打ち込まれるソレは、鬼が女を狂わせる責めのひとつだ。
桂香の手が背中に回され震える爪を立てた・・・・心地よい征服感が暗い心の中に満ちる。
「あっ・・・・・あ、あ、ああっ・・・・・!」
桂香の身体の震えが小さくなり力が抜けた。
軽く達したようだ。
しばらくして腕を開き開放してやると胸を突き放すように身体を離した。つれないな。
「・・・・はぁ・・・・はぁ・・・・はぁ・・・・・」
息を整えながら巫女が自身の身体を抱きしめる様に乱れた衣服の胸元を合わせる。
「・・・・気が・・・・済みましたか?」
驚いたね・・・涙の浮かんだ目で睨みつけてきた。
・・・・いい女だ、一度抱かれたくらいで心は穢せないというわけか・・・・
「い・・・・つっ・・・・!」
顔を顰めながら立ち上がろうとする・・・・が、腰に力が入らないのだろう。
何度か脚に力を込め、その度に咥え込んだままいまだ硬度を失わない我自身を締め付けた様で全身が震える。
「んっ・・・・くうっ・・・・」
繋がったままのそれを引き抜こうとして力の入っていない腰が震えている。
ブルブルと身体を支える腕が痙攣して、漏れそうになる喘ぎ声を歯を食い縛って耐えながらゆっくりと・・・・
えらの張った部分が中を擦りあげているようだな・・・・新たに分泌された愛液がそそり立つ男根を伝い、陰毛を濡らしていく。
ズン!!
ホントにあと少しという所で突き上げてやった。
腰が砕けて再び座り込み、重力に従い勢いよく子宮の奥底を小衝かれる。
「・・・・・〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!」
身体がピンッと伸び上がり軽く痙攣した、仰け反って天を仰ぎ漆黒の髪が舞った。
どうやらまた達したようだな・・・・感度が良い事だ。
「・・・・・・っ、な、なに・・・・・をっ・・・・!?」
「終わりなどと言っておらんな、我はまだ満足しておらん・・・・」
「そ、そんな・・・・」
再び律動を始める。
上がる桂香の悲鳴・・・・心配するな時期に痛みも苦しみも消える。
ジュップ・・・・ジュップ・・・・ジュップ・・・・ジュップ・・・・
アレからどのくらいの時が経っただろうか?
桂香の中に数え切れないほど精の迸り解き放ち、桂香自身もまた幾度と無く気をやった。
もはや桂香の中は我の形も大きさも完全に覚えこんでいる事だろう。
あれから姿勢を変え、後ろから桂香を突き上げながらその巫女装束がはだけられこぼれた形の良い胸を弄ぶ。
まだ芯が抜けておらず、やや硬かった胸も随分と柔らかくなった。
我の手の中で面白いように形を変え、その先端を擦りあげてやるとその度に桂香の身体が震える。
だが、まだ桂香の心は折れない・・・・まったくたいしたものだ。
「あっ、あっ、ああああっ!!」
桂香の身体が高まっていくのがわかる、ククク存分に我の色に染め上げてやる。
その誇り高い心も、気の強さも、気高さもなにもかも我のものだ・・・・・
ゴンゴンと子宮を先端でこづいてやるとピクピクと震える、来るな・・・・
「わ、わたしっ・・・・ま、またっ〜〜〜〜〜っ・・・・・」
桂香の身体を引き寄せ、抱きしめると何十度目の射精が桂香の中に放った。
「ああああああああ〜〜〜〜〜〜〜っ!!」
桂香の意思に反しその極上の身体はもはや我の思うがままだ。
細身の身体は折れんばかりに反り返り、整った顔が天を仰いで絶叫する。
もはや痛苦は遠に消えているだろう、我の射精はもはや桂香の身体を悦ばせているだけだ。
脱力し、背中を我に預けてくる桂香・・・・汗に濡れた肌が我の胸の上で荒い息とともに揺れる。
涙に濡れた瞳が我を見据える。
「・・・・・何度やっても・・・・無駄です・・・・っ」
抵抗する力も逃げる力ももはや失いながら桂香の目はその輝きを失っていない。
「私は・・・・・負けない・・・・・」
声と同時に意識を失った。
「これ以上は死ぬか・・・・」
ソレはつまらない。
どうやらこの巫女の身体に溺れるあまり加減を少々誤ったようだ・・・・ここまで女の身体に満足したのははじめてかも知れぬな・・・・しかし
処女を奪われ、身体を穢され、子を孕まされそれでも失わない誇り、クククク桂香は解っていない、そのまばゆい魂の輝きが我を欲情させ、魅了し、略奪を囁いている。
だからこそ此の巫女の魂を堕としてやりたくなるのだ・・・・
「ククク・・・・まあいい、時間はたっぷり在る」
初めて貫いてから繋がったままだった桂香の身体を横抱きにすると草むらに寝かせた。
近づいてくる気配・・・・仲間だな。
我の精を全身に浴び穢された巫女・・・・しかし尚美しいその姿を眺める。
此のまま連れ帰ってもいいが・・・・・ククク、まあいい。
「また、来るぞ・・・・桂香」
意識を失ったままの桂香に覆いかぶさり唇を重ねる、次の逢瀬を誓い合う恋人のように・・・・そして我は姿を消した。
(2日後 昼)
「・・・・・・」
私が鬼に処女を奪われてから2日が経った。
あの後、幹也さんに浄化してもらい、鬼の子を身篭る事は無いが、私の心と身体に刻まれた傷は深い。
バシャッ!!
滝壷の夏でも冷たい水を身体に浴びせる。
髪から滴る水が濡れた肌襦袢の上に落ちる・・・・
鬼に穢された身体を清めるかのように執拗に禊ぎをし、私の身体は冷え切っていた。
なのに・・・・なぜ?
身体の奥に燻るような炎が消えない。
あの日・・・・鬼に処女を奪われ、抱かれ、求愛され、その精を受けた日から・・・・身体の奥が・・・・熱い・・・・
スッ・・・・・
不意に何の前触れも無く私の後ろに立つ影
「だ、だれ・・・・っ!?」
振り向く間もなく後ろから抱きしめられる。
ビクッ!!
全身が震え、硬直した・・・・お、覚えている・・・・この太い腕と厚い胸板の感触は・・・・
「あれだけ熱烈な求愛をしたのにもう我を忘れたのか?」
耳元で囁かれる。
忘れるわけが無い・・・・私の身体を汚し、私の心を求めた妖(あやかし)・・・・
鬼の親指と人差し指が私のおとがいを摘んで後ろを振り向かせ、頭2つは高い鬼の顔を仰がせる。
「クククク・・・・我が忘れられなかったか?」
「そ、そんな・・・・事・・・・」
心を見透かすように尋ねてくる鬼に何故か強く否定する事が出来ない。
顔が動かせずただ揺れる視線を鬼から逸らす。
「そうか・・・・?今のお前からはプンプンとメスの臭いがするぞ? ふふふソレに誘われて真昼だというのに来てしまったではないか・・・・」
「・・・・・っ!」
身体の奥底を燻る炎、満たされない心の乾きを見透かされ頬が紅潮する。
クチュっ・・・・
「は・・・・あっ・・・・」
「ほら、もう、濡れている・・・・」
漏れるのは、はしたないほどに濡れたメスの吐息・・・・
水浴のために纏っていた肌襦袢の脚の部分の隙間に鬼の手が侵入し、触れてきた・・・・響く水音・・・・そ、そんな・・・・
「あっ・・・・くっ! ち、ちが・・・・ああぁっ・・・・」
指が動き水音は大きくなり、そこから吹き上がる快楽が身体を振るわせる。
震える足が滝壺の水を揺らして音を立てる。
「何が違う? 何故抵抗せぬ? 我を振りほどかずに為すがままではないか?」
「そ、それはっ・・・・」
ご、剛力で・・・・有名な鬼の腕を女の力で振り払えるわけも・・・・無い、で、でも・・・・うっ・・・・た、確かに今の鬼の腕にはたいした力は・・・・っ・・・・篭っていな・・・・いっ!
む、むしろ・・・・こ、壊れものを・・・・ああぁ・・・・あ、扱うように・・・・はっあっ・・・・
下半身から蕩ける様な快楽が押し寄せ思考がまとまらない・・・・。
鬼の空いた手が胸元から侵入し、胸を傷つけないように揉みしだき、その尖りをくすぐる。
「な、なんで・・・・こ、こんな・・・・」
切ない・・・・あの晩、鬼に施された乱暴な責めではなく・・・・ただ私の身体に燻っていた炎を優しく解き放つような・・・・
な、なんで・・・・こんなに・・・・優しく・・・・?
私の濡れた瞳が切なげに鬼を見上げる。
「我は桂香・・・・お前に惚れたと言っただろう?」
唇が奪われる・・・・で、でも抵抗が・・・・でき・・・・ない・・・・
優しく吸われ、舌が絡み取られて鬼の口の中まで誘われた。
「んっ・・・・んんっ・・・・っ!」
鬼の口の中で翻弄される私の舌・・・・歯茎が、唇の内側がそっと舐め取られる。
下半身と胸から同時に駆け上がってくる快楽の稲妻と溶け合い口の中まで・・・・きもち・・・・いい・・・・
「はぁ・・・・はぁ・・・・はぁ・・・・っ」
唇が開放される・・・・私と鬼の口の間を唾液が繋がってアーチを描いた。
「我の精を受けたあの日・・・・あの男に抱かれたな?」
鬼の胸の中で身体が震える。
そう、鬼の子を降ろす為に幹也さんの精をこの身に受けて浄化した行為・・・・
「悪い子だな・・・・」
鬼は怒るでもなく再び唇が奪われる。
「ううんっ・・・・・」
ど、どうして・・・・わからない。こ、この鬼は・・・・いったい・・・・
快楽に霞む思考が纏まらない、今自分がどうすればいいのかか・・・・解らない。
「満足できなかっただろう?惚れた男に抱かれたというのに・・・・」
「なっ・・・・?」
なっ、なんでそれを知って・・・・
私の幹也さんへの想い、そして浄化行為とは言え彼に抱かれた時の事・・・・をっ
クチュクチュクチュクチュ・・・・
鬼は応えずに下半身をかき回す指の動きは激しくなり、胸は切ないほどに鬼の優しい責めを受け入れていた。
足に力が入らない、背後の鬼の支えが無ければ水面に倒れ込んでいるだろう。
「あっ、あっ、ああっ・・・・っ」
身体の熱が加速していく、頭の中をピンクの霧が覆っていく・・・・
下半身と胸を愛撫する鬼の手を自分のそれぞれの手で握り締める・・・・その動きを止めるためなんかじゃなくて・・・・快楽の波頭に揺られる私が・・・・その逞しい腕にただ縋る為に・・・・
「あ、あ、ああああああああああっっ〜〜〜〜!!」
意識が弾ける。
あの日・・・・鬼に抱かれた日でさえ感じることの無かった凄まじい絶頂に私は気を遣った。
「もう、お前は我以外では満足できない。それがすぐに判る・・・・」
最後に鬼の囁きとともに鬼の抱擁から解放される。
支えを失った私が倒れこみ水面に手を突いた。
火照った身体に冷たい水が心地良い・・・・・
しばらくして私は周囲に鬼がいないことに気づく。
鬼が私を抱くことなく去っていった?
既に夕暮れ近い時間となった茜の空に鴉の鳴く声が響く・・・・
わ、わたし・・・・あいつに・・・・あの鬼に・・・・
おぞましい思考を振り払い、私は自分の身体を掻き抱き水の冷たさだけではない寒さに震えた・・・・
「・・・・・はぁ・・・・はぁ・・・・はぁ・・・・」
夜の森の細道を私は歩いていた。
足元はおぼつかず、視点は定まらず、疲れているわけでも無いのに荒い息が収まらない。
あの昼の邂逅から5日が経っていた。
アレ以降鬼の姿はなく、妖怪たちとの小競り合いも特に問題がなく終わっている。
だけど・・・・私は・・・・私の身体は・・・・・
あの日以来私の身体は時折何かを求めて疼く様になった。
いや、おそらくは初めて鬼に抱かれたあの晩から・・・・
昼間の鬼との逢瀬から2日目の夜、私はついに耐え切れず自らの身体を慰めた。
疼く身体は歓喜の叫びを上げて私の慰めを受け入れ、はしたない行為に酔いしれた。
真新しいシーツを敷き、昼に干した太陽の香りのする布団の上で絶頂を迎える。
初めの晩は気づかなかった・・・・いや、気づくことを意識が拒否していたのだと思う。
次の晩、もう抑えは効かなかった・・・・
無論、私だって若い女だ。
それまでだってそういう行為に及んだ事はある。
特に好きな幹也さんと同じ屋根の下で暮らし、その想いを持て余して自分の身体にぶつけた晩だってあった。
でも・・・・その晩からは違った。
それまでの行為の最中に浮かぶ幹也さんの笑顔はない。
時折、自分の指がもたらす快楽に霞む脳裏に浮かぶのは、自分を乱暴に掻き抱く逞しい腕、鋼の様に硬く厚い胸板、そして・・・・・自分を貫くまるで杭の様な・・・・
3日目の晩、私は自分の中を迸ったあの鬼の怒涛の射精を思い浮かべ気を遣り・・・・自身の浅ましい行為に咽び泣いた。
4日目・・・・もう駄目だった。
夜ともなると抑えが効かず、心配する家族を余所に早めにベットに潜り込み行為に及ぶ。
脳裏に浮かぶのはただただ荒々しい鬼の行為。
乱暴に唇を奪われた光景、中を指で肉棒で掻き回された感触、その厚い胸板で嗅がされた生臭い獣臭を思い出して身体を熱くする。
1度目は親指の爪をかみ締め声を抑えながら達した。
2度目はシーツを掴み、枕に顔を押し当てて声を殺し、絶頂に身を震わせた。
3度目以降はもう覚えていない・・・・翌朝のみんなの気まずげな顔を見ればどうだったか想像はつく。
そして・・・・今日・・・・
ホーホーホー
梟の鳴く声が森に響く
虫の鳴く声が足元の草むらから聞こえる。
もう、限界だった。
自分で慰めても慰めても湧き上がる飢え・・・・渇き・・・・
身体を溢れる熱は理性を焦がし、正常な判断を奪っていた。
手に愛剣である獅子王は無い・・・・もう私には必要の無い物だから・・・・
道中に他の妖怪に襲われるかも・・・・とも思ったが不思議とあの鬼が助けてくれる気がしていた。
どうしてこんな事になったのだろう?
頭のどこかでもう一人の自分が悲しげに呟く。
「わからないよ・・・そんなの・・・・・」
声に出して呟く。
そう、解らない・・・・あの日、鬼に抱かれた日から全てが狂いだしていた。
足が止まる・・・・目的の場所に着いた。
すこし森が開けた広場・・・・初めて鬼に抱かれた場所、私が女にされた地・・・・
そこにあの鬼はいた。
「待っていたぞ・・・・」
「・・・・・はい」
鬼が立つ場所が私が処女を失ったところなのだと直感的に解った。
そこまでふらつく足で向かう。
鬼の前あと数歩という場所に立った。
鬼はそれ以上何も言わず、何もしない。
そこに踏み出せばもう戻れない・・・・人の世界を捨てて生きることになる。
胸の前で両の手を合わせ、俯く・・・・最後の迷い、躊躇、人の世界への未練。
私の揺れる瞳がおそるおそる鬼を見る、鬼はただ黙って見ていたがやがて小さく呟き私の手を掴んだ。
「・・・・来い」
「あっ・・・・」
引き寄せられて鬼の胸に飛び込む。
久しぶりに嗅ぐ生臭い獣臭が鼻腔をくすぐり、理性を溶かす。
火のように熱く鋼のように硬い胸板が私の胸を押しつぶし、既に硬くなっている尖りをくすぐった。
丸太のように太い腕が私の細腰を抱き引き寄せる。
シュルッ・・・・パサッ
鬼の指が袴の紐を解き、渇いた音を立てて緋の袴が地面に落ちた。
下半身を夏の夜の外気がひんやりとくすぐる。
唇が塞がれた。
「・・・・あの時のキス・・・・ファーストキスだったんですから・・・・」
開放され、拗ねたように呟く。
滝で否応なしに奪われた唇
「悪いが最初の晩・・・・桂香が気を失った後に既に貰っておいた」
「・・・・・酷い人・・・・」
私の身体を奪い、心を穢し、堕とし、人としての暮らしさえ奪った憎い鬼・・・・だから
「もう濡れておるな・・・・」
「私を・・・・・こんな淫らな身体にしたのは・・・・貴方なんですよ?・・・・・責任取ってください」
「・・・・・無論だ」
ズン!!
懐に隠していた破魔刀を突きたてる
「・・・・桂香・・・・」
「だがら、責任を取って・・・・・死んでください・・・・」
全霊力を注ぎ込む。
大きく震える鬼の身体・・・・
「・・・・・終わった・・・・やっと・・・・」
私を狂わせた鬼を屠り、あとは狂った私がみんなの前から姿を消せばそれで・・・・・
「・・・・・なにがだ?」
「・・・・・っ?」
驚愕に顔を上げる。
破魔刀をもった手が鬼の手に掴みあげられ、その握力に耐えられず唯一の武器を落す。
片手で宙釣りにされ、肩が抜けそうになり苦痛に顰められた私の顔に指をかけ視線が鬼のほうに向けられる。
「あの晩、お前を抱いたことで我の力は数段増した、獅子王ならともかくそんなおもちゃでは傷もつかん」
「・・・・・・っ」
再び唇を塞がれた。
同時に腰を鬼の手が引き寄せる。
「知っていたよ。桂香がソレを狙っていた事は・・・・・な」
熱いものが私の秘所に押し当てられた・・・・もう見なくても解る。
あの晩とそして脳裏で幾度と無く私を貫いたソレを私の身体は完全に覚えていた。
淫らな期待に脳が痺れる、胸が高鳴る、身体が熱くなる。
「我は見たかった。恥を捨てて唇を許し、誇りを捨てて騙し打ちを選び、それでもなお届かずに我に犯され、心を手折られるお前をな」
私の決意も、想いも何もかも、この鬼の掌の上で弄ばれていた・・・・んだ。
そして、私は命を狙った相手に、恥じも誇りもかなぐり捨てて挑んだ憎い敵に・・・・その場で貫かれた・・・・
「あっ!」
熱さに震えた、太さに慄いた、硬さに屈した。
「はああああああぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜っっ!!」
前戯も無くもたらされたソレはもう痛みを生み出さず、ただ充足の吐息が押し出されるように唇から漏れる。
私の中はもうこの鬼(ひと)の専用の場所にされていたんだ。
この鬼以外のものに満足できず、そしてこの鬼のものならいつでも受け入れられる場所に・・・・あの晩されてしまったんだと・・・・全身で、そして魂の底から理解した。
(抗えるわけ、逃げられるわけ・・・・なかった・・・・)
一瞬の隙間無く埋め尽くされるソレはもう痛苦を微塵も与えずにむしろ瞬く間に私の意識と身体を快楽に染め上げる。全身がわななく、抵抗など一瞬も出来ずに達した。
「挿れただけで、いったのか・・・・・」
鬼が私を見下ろし哂う。
その顔をみてももう怒りが沸かない、増悪が駆り立たない。
くやしい・・・・折れた心で潤んだ目で力なく見据える・・・・。
「憎い人・・・・・私をこんなにイヤらしい女にして、本当に憎い・・・・なのに・・・・・なのに・・・・あっ!!」
最後まで言わせて貰えずに鬼が動き出す・・・・それだけでもう言葉が紡げない。
快楽にガクガクと足が震える、立っていられない・・・・鬼に縋りついた。
面白いように高まっていく身体、怒涛の様に押し寄せる感覚を処女を失ってそう日にちの経っていない私にどうこうできるわけは無かった。
「あ、あ、ああっ! ああああっ!!!」
ビクン!!ビクン!!ビクン!!
再び絶頂に押し上げられ、意識を飛ばした。
同時に鬼の熱い精が私の中に解き放たれ、最初の晩のあの時のように子宮の奥に砲弾のように叩きつけられ、一溜まりも無く連続で意識が弾け散る。
「はっ、あっ、あぁ〜〜〜〜〜っっ!!」
ドクッ!ドクッ!!ドクッ!!!
鬼の背中に両手を回して抱きしめ無意識に爪を立てる。
何度も私の奥にたたきつけられる精に、私は嵐の海に浮かぶ木の葉のように翻弄され、鬼の胸に顔を埋めて首を左右に振りたくり、悦楽の涙が飛び散った。
吐き出される精を一滴も漏らすまいと震える両の足を鬼の腰に絡めた。
私の中に精を吐き出しながら痙攣する憎い鬼のお尻を、左右の足首が交わり愛しげに抱きしめた。
より深く鬼の肉棒を中に導き貫かれ・・・・全身がビクビクと歓喜に震える。
私が自分を貫く熱い肉棒に完全に・・・・・身も、心も、魂の底から完全に屈服した瞬間だった。
もう、この鬼(ひと)以外、何も見えない。何も感じられない・・・・私の世界の全てがこの鬼(ひと)で染め上げられる。
鬼は止まってくれない、動きはドンドン激しくなる。
腰に回された手、その人さし指がそっと私の菊座にあてがわれた。
「あっ、あっ、あっ・・・・・っ! ま、ま、待って・・・・・は、激しすぎ・・・・・って!!」
その感触に怯えて鬼を懇願するように振り仰ぎ、そのまま硬直した。
私の後ろに深々と突き立てられた指が誰も触った事の無い不浄の穴を抉った。
「ああああああああ〜〜〜〜〜っっっっ!!!」
再び絶頂に放り上げられる。
初めて異物を受け入れた場所なのに、鬼の指を美味しそうに咥え込んだ後ろの穴は嬉々としてそれを締め付け、お尻が痙攣する。
続いてまったく量も濃さも衰えずに2度目の射精。
私の中に吐き出される粘塊に子宮をまたノックされて絶頂が止まってくれない。
「だ、だ、だめぇっ!! し、し、死んじゃうぅ〜〜〜〜っ!!あああああ〜〜〜〜〜っ!!」
止めらない身体、収まらないどころか加速していく熱、脳が沸騰し、神経が焼ききれる。
私の悲鳴にようやく動きを止めてくれた。
背中に回された手が優しく髪を撫で、激しい鼓動と荒い息に揺れる背中を撫でてくれる。
「我も我慢していたのだ、お前の身体に溺れていたのは我も同じ、我が妻よ、今夜は寝かせはしないぞ・・・・」
「はぁ・・・・はぁ・・・・はぁ・・・・・・はい・・・・・・・・・あなた・・・・・」
重なる唇。
闇夜の結婚式・・・・祝福のヴェールも、指輪の交換も、花束の贈呈も無い。
人と魔の婚姻は人知れず行われ、幕を閉じた。
闇に身を堕とした巫女の行く末は誰にもわからない。