紅い肌、天を衝く長鼻、その身に羽織る山伏の装束。  
日本民謡に少しでも関心があるのなら知らぬものはいないだろう山の長・・・・天狗。  
その戦いに敗れた私の力の入らない私の身体を天狗の腕が抱き上げ、胡坐をかいた自分の足の間に横抱きの姿勢で座らせる。  
 
「くっ・・・・」  
 
妖力で受けたダメージは自由を奪い、身体が私の意思に従わない。  
 
シュルッ・・・・チリン  
 
背中まで伸びた白銀色の私の自慢の髪。  
それを先端でまとめていた紐が解かれ、飾りにつけられた鈴が乾いた音を奏でる。  
ふわりと広がる髪  
 
その紐が私の腕を後ろ手に拘束し、この妖(あやかし)がこれから私に何をしようとするのかを如実に物語る。  
 
「外道・・・・め」  
 
唯一、自由に動く口で憎むべき化け物を罵倒し、視線で射殺さんばかりに睨みつける。  
 
「おうよ、お孃ちゃんはこれからその外道に抱かれて、身も心もワシに委ねる事になるんじゃ」  
「くっ・・・・」  
 
瞳の無いただ爛々と蒼く輝く天狗の目を見据える。  
 
「それにしてもお孃ちゃん、その妖気・・・・半妖の様じゃが・・・・ふむ、もしかして葉子殿のお子かな?」  
「・・・・! 母を知って・・・・?」  
「はははははっ、これは良いわ!」  
 
天を仰いで哄笑する。  
その蒼く輝く目が増悪に燃え上がったかのように錯覚した。  
 
「ワシは葉子殿には少なからぬ因縁があっての・・・・親の因果が子に報いじゃの」  
 
ペッ  
私の吐き出した唾が天狗の赤ら顔を穢す。  
 
「母に敵わないから私で復讐か? やはり貴様は外道だ」  
「くくく、元気の良い子じゃの。七歌とかゆうたかの?これはこれは堕とし甲斐があるというもの」  
「下衆が・・・・私の名前を呼ぶな」  
 
私の吐いた唾液を指で掬い、舐め取る。  
こいつ・・・・  
 
「じゃが、少々下品じゃの・・・・おしおきが必要じゃ」  
 
プチッ  
何を思ったか天狗は自分の背中に生える黒い翼から一本の羽を抜き取る。  
そして、その羽を摘んだ手を私の緋の袴の脇から滑り込ませた。  
 
「なっ・・・・!?」  
 
羽毛の感触が私の肌に直接触れる。  
 
「き、貴様っ・・・・な、なにを!?」  
 
太ももを羽毛が撫で上げ、おぞましさに総毛だった。  
見た目に比して柔らかい其れは逃れようとする私の脚を執拗に撫でる。  
くすぐったい・・・・このっ!  
 
「そちらにばかり気をやってて良いのかの?」  
「・・・・っ」  
 
不意に胸に触れてくる感触・・・・しまった!  
気づけば天狗の空いた手が同様に羽を持ち、私の衣服の隙間から胸元に潜り込んでいる。  
くすぐられる私の胸、脚・・・・そして  
 
「あうっ!」  
 
胸の先端がくすぐられた。  
身体に走る電流に身体が僅かに反り返る。  
 
「ワシの羽根は特別製じゃからの? 心地よさも格別じゃろ?」  
 
私の身体の反応を見透かしたように天狗が哂う。  
 
「だ、黙れ・・・・っ」  
 
サワサワと羽で乳房や胸の尖りを下からくすぐられ、罵倒の言葉が止まる。  
 
「ほほほっ、こちらはどうかの?」  
「あっ!」  
 
身体が跳ねる。  
緋袴の中で太ももをくすぐっていた羽が私の足の付け根に触れてき・・・・たっ。  
上下に沿って撫で付け、くすぐる柔らかい感触に腰が震える。  
 
スリスリ・・・スリスリ・・・・スリスリ・・・・  
 
「・・・・あ、あっはぁ・・・・くぅ・・・・!」  
 
痛みなどなく、最初に感じていた違和感は消え、胸と脚の間を撫で付ける羽毛に心地よささえ感じ始める・・・・  
駄目だっ! 歯を食い縛る。  
 
「こ、こんな・・・・あっ!」  
「ほぉ〜れ、ほぉ〜れ」  
 
羽毛の動きが円を描くように乳房を撫でつけながら螺旋を描き、胸の頂に近づく。  
徐々に近づいてい来るソレに高まる焦燥感にも似たコノ感じ・・・・ち、ちがう。私は期待してなど・・・・  
 
「おお、良し良し。ご主人様と違ってお前は素直じゃのう。」  
 
浅ましく硬くなっているソコをまるでをあやす様に撫で上げる。  
 
「はあっ!!」  
 
反射的に反り返る身体がまるで羽根に押し付ける様に胸を突き出す。くっ・・・・  
 
「ほれ、七歌のここは、もうこんなになっとるぞ?」  
 
緋袴から抜かれた手に摘まれた羽根はぐっしょりと濡れて雫を垂らそうとしている。  
そ、そんな、私もうあんなに・・・・っ  
 
「う、うそだ・・・・っ!」  
 
天狗の腕の中で必死に顔を背け、目を閉じる。  
頬が屈辱に紅潮する・・・・悔しいっ  
 
「うむ、なかなか美味じゃ?」  
「・・・・?」  
 
意味不明な言葉に薄目を開けて天狗の様子を伺う。  
 
「なっ!?」  
 
羽根を咥えしゃぶる天狗の様子に目を見開き絶句する。  
チュルチュルと啜る音が、恥辱を煽る。  
 
「き、貴様っ・・・・」  
「甘露甘露、男を知らぬ乙女の蜜の味は格別じゃのう、ほれほれ。まだまだこれからなんじゃ、あまり興奮するな」  
「ふざけっ・・・・あうっ!」  
 
弾ける意識  
天狗に食って掛かっていた隙を突かれ、新たな羽根を握った手が袴の中に滑り込むのに気づかなかった・・・・なんてっ  
交換され乾いた羽毛は先ほどよりも小ぶりだ・・・・けどっ  
 
「そ、そ、そこ・・・・はっ・・・・」  
 
腰の痙攣が止められない。  
私の秘所の上に息づくもっとも敏感な一点・・・・そこをサワサワと撫でる羽毛  
 
「だ、駄目・・・・だっ、そ、そこは・・・・っ」  
 
草履と白足袋に両の足の指が限界まで突っ張る。  
 
「ほぉれ、ここなどどうじゃ?」  
「・・・・・っ・・・・・っ」  
 
声が出せない・・・・頭の中が白く染まっていく・・・・  
包皮からわずかに顔を覗かせていたそこを・・・・まるで手に目でもついているかのように的確にくすぐられた・・・・  
全身を走り、背筋を駆け抜けた桃色の電流に脳髄を打ち抜かれ・・・・た。  
 
「・・・・・イッタようじゃの七歌?」  
「・・・・はぁッ・・・・・はぁッ・・・・気安く・・・・呼ぶな」  
 
そこだけ意思を揺るがない視線が屈辱の涙に濡れながらも天狗を睨む。  
 
「ゾクゾクするのぅ。300年近く生きておるが、こんな生きのいい女子は初めてじゃわい。どれ・・・・そろそろにしようかと思うたが。もうすこし付き合ってもらうかの?」  
「・・・・・殺せ・・・・」  
「ほほほ、おおうよ、殺してやるとも、無限と永遠の快楽の果てによがり殺し、七歌にはワシの妻として子を成してもらうのじゃ」  
「黙れ、ケダモノ・・・・」  
 
ギラツク殺気を隠そうともせずに睨む眼差しがしかし天狗の手にした新たな羽根をみて揺れた。  
クルリと手の中で羽根をまわし、羽毛ではなくその先端部を羽根ペンのように持ち変える。  
 
「な、なにを・・・・・」  
 
私の質問に答えずに、天狗は私の上半身をかき抱き大きな手が顎を掴み固定する。  
そして、その羽の先端を・・・・私の・・・・耳の穴に・・・・挿入した。  
 
「かっ・・・・はっ・・・・」  
 
ば・・・・か・・・・な・・・・  
意識が弾け飛ぶ・・・・こ、こんな・・・・こんな・・・ことってぇ・・・・  
 
「ほほほ、耳というのは恐ろしいほどに敏感な器官じゃ・・・・」  
 
緩やかに羽根が動かされ、その度に天狗の指が耳に当たる  
でも、でも・・・・こ、こんなの・・・・し、知らな・・・いっ・・・・  
カリカリと耳の奥が掻かれ身体が震える。  
 
「ワシの羽根は痛みとか傷とかは与えぬし、つけぬ。先ほどの責めで高ぶっておるおぬしの身体、その敏感な耳の中に快楽しか与えぬものを挿入したら・・・・ほほほ、身をもって理解したじゃろ?それにおぬし随分耳が弱いようじゃ」  
 
コリコリコリ・・・・耳の中をが優しく掻かれる。  
辱められ、犯されようとしているのにまるで・・・・まる・・・・で・・・・  
 
「・・・・っ。・・・・ぁ・・・・ら・・・・めぇ・・・・」  
「ほほ、綺麗なもんじゃのぉ、七歌の耳の中は、そぁれフゥ〜ッ・・・・」  
「あ・・・・はぁっ・・・・い、息・・・・らけ・・・るなぁ・・・・っ」  
 
細く尖った生臭い吐息が狙い済ましたように耳の中を素通りし奥の奥までくすぐった。  
呂律が回らない・・・・声に力が入らない。  
深々と挿入された羽根・・・・本来なら激痛が走ってもおかしくない・・・・はず・・・・なのにぃ〜・・・・  
意識が染まる・・・・白く・・・・ううん・・・・ピンクに染まって・・・・くっ  
羽根の先端が私の鼓膜を優しく掻いたのを感じた。  
 
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっ!!!」  
 
ビクンっ、ビクンッ、ビクンッ・・・・  
 
「2度目は耳でイク・・・・か、たいした淫乱ぶりじゃの・・・・」  
「・・・・・・・」  
 
ぐったりと弛緩した身体を憎い天狗の胸に預け、悔しさに震える。  
 
「み、耳で・・・・耳の穴で・・・・イカせるなんて・・・・・くっ・・・・」  
「気に入ったようじゃのぅ・・・・」  
「だ、誰が・・・・」  
 
息を整え、睨む、たしかに私の身体は、堕ちかけている。  
それでも屈してたまるものか・・・・  
 
「おうおう、元気の良いのぅ・・・・しかし忘れとらんか?」  
「・・・・・・?」  
「耳はもうひとつあるんじゃぞ・・・・?」  
「・・・・・っ、や、やめ・・・・」  
 
一気に顔から血の気が引き蒼ざめる。  
天狗の手に握られる・・・・もう一本の羽根。  
 
「や、やめてぇぇぇぇぇ・・・・・・っ!!」  
 
「・・・・・・・・・・っ」  
「ほほほ、すこしやりすぎたかの?」  
 
アレからどのくらい時が過ぎたのだろう・・・・  
ぼんやりと羽根の先端についた私の耳垢を舐める天狗を見上げる。  
両の耳の穴を嬲られ、イカされ、天狗の中で身も世もなく泣き叫んだ。  
 
誇りは地に落とされ、踏みにじられた。  
でも・・・・まだ心は折れてない・・・・折られて・・・・たまるか・・・・  
 
「さてと、さすがにワシも我慢ができん。あれだけ七歌の乱れる様を見せられてはのぅ・・・・」  
「・・・・だ、誰の・・・・せいだ・・・・」  
 
まるで赤児を抱くように私を抱く天狗の腕の中で身をよじる。  
いつまでもこんな外道に身体を預けるなど・・・・クチュっ・・・・・  
 
「・・・・・っ」  
 
下半身から響いた水音と濡れた袴の感触に恥辱が蘇る。  
緋色の袴は私の脚の間の部分だけ変色し濃い赤になっている・・・・いや言い訳はしない。  
私は濡れていた。私の中の女が天狗の責めに屈服し身体を開いた、抱いてくださいと準備をしたのだ・・・・  
 
「準備万端じゃの・・・・」  
「ぅ、うるさ・・・・い・・・・っ」  
 
屈辱の言葉に顔を背ける。  
 
スルリ  
袴の紐が解かれる・・・抵抗しようにも力が入らない。  
緋の袴が太ももまで引き降ろされ、その状態で背後から抱えられた。  
 
「せっかくの巫女じゃしの、完全に脱がすのは邪道じゃわ」  
「へ、変態・・・・め・・・・」  
 
胸をはだけられ、袴を脱がされたとは言え、草履も足袋も履いたまま、ほとんど着衣の状態で・・・・犯す気なのか  
脚が開かれ、熱く硬いものが押し当てられる。・・・・・くっ  
 
「では、七歌の初モノを頂くとするわい」  
 
ズッ・・・・  
初めに感じたのはあまりにも圧倒的な熱さと太さと硬さだった。  
 
「あっ・・・・・かっ・・・・・」  
 
痛い・・・・苦しい・・・・痛い痛い痛い痛い・・・・・・  
 
手が無意識に背後の天狗の山伏装束を掴んで握り締める。  
 
「ほほほ、いつ見ても良いのぅ、少女を女にしてやる時の痛みを堪える顔は・・・・だが、まだまだじゃぞ?」  
 
ズン・・・・  
 
「あっ!!」  
 
押し入ってくる・・・・私の身体が熱い鉄の棒が私の中を貫こうとしているかのように・・・・ソレは乱暴に押し入り、私の中を道を付けながら征服していった。  
 
ピッ・・・・  
何かが裂くかれる様な感じとともに私は純潔を失った事を悟った。  
 
 
「あ、あ、あっ!ああああああああっっ〜〜〜〜〜〜・・・・・っっ!!!」  
 
 
目を見開き絶叫した。  
同時に子宮の奥をこずかれるような衝撃に息が詰まる。  
 
天狗は動きを止め、私のほうを伺っている。  
でも、私はそんな事を気にする余裕はほとんど無かった・・・・痛い痛い痛い痛い・・・・  
 
ズルリ・・・・  
 
「くあああっ!!」  
 
乱暴に入り口付近まで引き抜かれまたも絶叫した。  
 
「あれだけ濡らしたとは言え、さすがにワシの特大サイズはきつかったようじゃの・・・・」  
 
天狗の男根を濡らす私の破瓜の証・・・・私、抱かれた・・・・んだ。  
目の端を涙が零れる。  
 
いつか父さんみたいな素敵な人に捧げようと思って・・・・たのに・・・・・こんな奴に奪われて・・・・っ  
 
「なぁ〜に痛いのは最初だけじゃわい・・・・じきに良うなるわ」  
「くっ・・・・変態のっ・・・・言葉だけあって・・・・オリジナリティが・・・・あっ・・・・ないなっ・・・・」  
 
必死に息を吐き、整え、全身を襲う激痛と屈辱に耐える。  
 
「ほっほっほ、名言というのはそういうものじゃ。いつまでも使われる・・・・じゃがそう言うならサービスと行こうかの?」  
 
天狗の双眸が怪しい輝きを放ったように感じた。  
 
ズクン・・・・  
 
鼓動が跳ね上がる。  
 
「なっ!?」  
 
アレだけ全身を貫いていた激痛が和らいで行き、変わりに熱いものが全身を満たし・・・・てっ  
 
「な、なにを・・・・した?」  
 
先ほど整えたばかりの息が乱れる、肌が紅潮する、知っている・・・・さっき散々私を弄んだコノ感覚の正体は・・・・  
 
「妖術に決まっておろう・・・・痛みを消し、変わりに快楽にすげ替える。ほほほせっかくじゃから楽しもうじゃないか・・・・?」  
「ご、ご親切な事だな・・・・なら最初からしておけ・・・・くぅっ・・・・!」  
「ほほほ、わかっておらんの。そんな事をしては破瓜の痛みに悶える七歌の可愛い顔が見れんじゃろ?」  
「げ、下衆・・・・がっ・・・・・あああああっ!!」  
 
言葉を遮って動き出す天狗・・・・瞬く間に襲い掛かる膨大なさっきの感覚が・・・・か、快楽が・・・・  
 
「ほほほ、七歌の憎まれ口も可愛いものじゃが、そろそろ聞き飽きたわ。快楽によがり狂う声を存分に聞かせてもらおうかの?」  
「あ、あ、あっ、ああああ・・・・っ!」  
「そうじゃそうじゃ、その声じゃわい」  
「だ、だま・・・・・はあああぁぁっ」  
 
押し寄せる快楽に言葉が紡げない、こ、このっ・・・・このぉ・・・・っ  
天狗の巨大なソレが私の中を突き進み、子宮の奥をこづき上げ、両の太ももを支える天狗の手は容赦なく私の身体を揺さぶる。  
束ねていた髪留めを失った銀の髪は激しく宙を舞い踊る。  
肩まではだけられた上着と紅の肌襦袢から覗く肌、そして激しい動きに揺れる胸は汗で濡れ、時折動きに合わせて周囲に飛び散った。  
 
「だ、だめだっ・・・・な、流されたら・・・・あ、あっ、ああっ・・・・」  
「おうおう、頑張るのぅ。」  
 
私と天狗の接合部はまさに剛直と呼ぶに相応しい異形のソレが私の中にまるで魔法かナニカのように突き込まれ、抜き出され、時折回転を加えられ激しい水音をたててかき回される。  
 
私の足を支えていた指が愛液をすくうと私の淫核に添えられ、包皮を剥き、ソレを塗りこんだ。  
 
ビクン!!  
 
勢いよく腰が跳ね上がった。  
 
シュッ・・・・シュッ・・・・シュッ!  
 
剥きだしにされたソコをつまみ出され、親指と人差し指が添えられ小さく上下に擦られる・・・・桃色の光が眼瞼の中で何度も弾け散る。  
 
「はっ・・・・あっ・・・・い、いや・・・・いやあああああぁぁっ・・・・!!」  
 
涙を振りまきながらはしたなく絶叫した。  
 
イイ、気持ちイイ・・・・ち、ちが・・・・あああ、ち、ちがう・・・・あっあああっ、だ、だめ・・・・だ。  
 
快楽に溺れようとする私と、怒りを奮い立たせようとする私が、淫らに苦しむ身体の中でせめぎ会う。  
人の身では決して味わえない、否、味わってはいけない禁断の魔悦・・・・こ、このままじゃ犯し壊され・・・・る。  
脳が快楽に染め抜かれ、神経が悦楽に焼き切られ、身体が淫悦に骨抜きにされる。  
 
「あ、あ、あああ・・・・だ、駄目だっ・・・・お・・・・堕ちる・・・・っ」  
「ほうら、どうしたどうした、頑張れ頑張れ・・・・」  
 
天狗のあざけりの声援  
 
・・・・だ、だめ・・・・怒りが沸かない、屈辱に奮い立たない・・・そ、それだけの感覚の余地が・・・・も、もう・・・・ないの!!  
絶頂の階段を上る足が止められない、ち、ちが・・・・駆け足で登っていく・・・・昇って・・・・イクっっっ!!  
 
ピタリ・・・・  
 
「はっ・・・・ぇ・・・・?」  
 
それまでの激しい動きが嘘のように天狗の動きは止まった。  
 
勢いのついたままの私の身体が天狗の胸板に脱力した身体を預ける。  
 
「はぁ・・・・はぁ・・・・はぁ・・・・な、なんで・・・・?」  
「おやおや?七歌はワシにイカされたかったのかのぅ?」  
 
悦楽の涙に濡れた私の目を天狗が覗き込む。  
 
「・・・・っ、そ、それは・・・・っ」  
「それは・・・・?なんじゃな?」  
 
言える訳が無い、一瞬私の脳裏に浮かんだ浅ましい考え・・・・  
 
モウスコシ、ダッタノニ・・・・  
 
「・・・・・・・・・っ!!」  
「ほほほ、なかなか素直になれん子じゃのう、七歌は、まあ手のかかる子ほど可愛いというしの、いやはやまったくそのとおりじゃわい」  
 
ゲラゲラと高笑いをあげる天狗に消えかかっていた怒りに火が灯る。  
 
「なに、そのうち素直になる」  
「だ、誰がお前なんかに・・・・こ、殺す、絶対に・・・・お前は私が・・・絶対に殺すっ!!」  
「ほほほ、楽しみじゃわい。さて行くぞい」  
 
不意に身体が浮き上がった。  
 
「なっ・・・・」  
 
天狗の背後に広がった翼が空を翔る・・・・むろん私と繋がったままで雲上まで突き抜ける。  
 
「い、いったい・・・・」  
「ほほほ、せっかくの七歌の初体験じゃ・・・・すこしはロマンチックな方がイイじゃろ?」  
 
くっ、ふ、ふざけた事を・・・・  
全天を覆う無数の星空、そらに浮かぶ真円の月、足元に広がる雲の平野・・・・たしかにこんな状況じゃなければ絶景と呼んで相応しい光景。  
だが実際は、夜天の星の輝きに・・・・満月の蒼光に照らし出されながら、この化け物に犯されているだけ・・・・  
 
「ど、どこまで私を辱めれば・・・・っ」  
「無論、お主がワシに身も心も委ね、我が妻となるまでじゃよ」  
「こ、断る!!い、一度抱かれたくらいでお前の妻(もの)になどならない!!」  
 
イヤダ、絶対にイヤダ・・・・こんな化け物に、下衆野郎の妻になり子供を生むなんて・・・・っ  
 
「元気じゃのう・・・・ほおれ、ワシにしっかり捕まっておれよ?落ちればいかにお主とて・・・・死ぬぞ」  
 
そして再び天狗は私を責め始めた。  
 
「・・・・あっ・・・・あっ・・・・あっ・・・・」  
 
天狗に処女を奪われてより数刻・・・・  
私はいまだにこの化け物に犯し貫かれていた。  
 
月光が私の肌を照らし出し、輝きを失った私の虚ろな目に星々の輝きが映る。  
 
「ほほほほ、ほんとうに頑張るのう・・・・」  
 
後ろから犯され、前から貫かれ、獣のように4つ這いでも抱かれた。  
妖術によって浮かぶ私たちは上も下も体位も姿勢も天狗の思うがまま・・・・  
いまは座って向かい合いながら貫かれている・・・・・対面座位だと天狗が言っていたがもう私にはどうでもいい。  
 
もう、何回目だろうか?  
またも絶頂寸前に押し上げられた身体が止まった。  
 
「い、いや・・・・っ・・・・!」  
 
イケナイ・・・・イカセテモラエナイ  
 
天狗の胸板に顔を埋め、背中に回した手で天狗の背中に爪を立てて歯を食い縛る。  
絶望的なまでの焦燥感・・・・私の身体を芯から炙る性の炎はすべてを燻り続け、放置され続けた。  
涙の跡がいくつも残る顔を上げ、潤んだ瞳で天狗を睨む・・・・  
いやそれはもう睨む力なんて私にはない、ただ懇願するようにボウッと見つめているだけだ。  
 
「まだ返事は聞かせてもらえないしのぅ・・・・ほっほっほ」  
「・・・・・そ、それ・・・・はっ・・・・」  
 
自分でもここまで我慢できたのが奇跡のような拷問に等しい焦らし・・・・私の中に欠片ほど残った理性と誇りがその言葉を言う事を躊躇わせていた。  
 
口だけで、今だけでいい、言ってしまえ、求めてしまえ・・・・どうせ私は此の化け物に犯しつくされたんだ。  
 
心の中で囁く甘美な誘惑。  
だが、違う、自分でも解っている。  
認めてしまえば、天狗に身を委ねてしまえば、もう私は滝峰 七歌ではいられない。  
誇りも尊厳も心も魂までへし折られ、砕かれ、散々に引き裂かれ堕とされ・・・・戻ってはこれない。  
 
「強情じゃのう・・・・心が折れる前に砕けても知らんぞ?」  
 
呆れたように言いながら天狗が再び動き始める。  
再度訪れる至高の時間・・・・全身を駆け巡る快楽・・・・  
 
霞む思考が快楽に耽け溺れる。  
白く濁るピンク色の快楽の海に顎まで使って足掻いている私。  
爪先立ち辛うじて届くが、僅かな波で没すればもう浮かび上がれない・・・・  
 
ズップズップズップ・・・・  
 
天狗の袴さえグッショリと濡らす愛液は、動きに合わせて飛び散り、月の光を受け輝きながらキラキラと地上に堕ちていく。  
銀の髪が踊り、肌に弾かれた汗が宙を舞い、月の光を反射して輝く。  
 
それは舞・・・・  
私は幻想的な月夜の舞台の上で淫らの舞を舞わさ続ける哀れな踊り子・・・・  
 
再び高ぶっていく浅ましい身体が憎い・・・・快楽を認め溺れない強情な心が憎い・・・・私を犯し穢し貶める天狗が憎い・・・・天狗を受け入れられない私が憎い・・・・あああ、もう解らない、なにも・・・・なにも・・・・  
 
認めろ・・・・イヤダ・・・・溺れろ・・・・イ、ヤだ・・・・堕ちろ・・・・・イ、イ、イ・・・・イイ・・・・キモチイイ・・・・  
 
緩やかに動きながら天狗が耳元で囁く、私が言葉にするべき屈辱と屈服の言葉・・・・・  
眼瞼の奥に冷徹な顔をした私が浮かび上がる。  
 
一生をこの天狗の妻として・・・・妻という名のメス奴隷、性の道具として飼われて過ごす事になるぞ?  
 
地獄のような焦燥のなかで私の中にある不思議と冷静な部分・・・たぶん、妖孤としての私が告げる未来。  
ソレデモイイノカ?  
私が尋ねる・・・・・・・私は・・・・・・・・・頷いた。  
悲しそうな顔をしてもう一人の私は消えていった・・・・・それが私の・・・・滝峰 七歌の最期だったのだろう  
 
「み、認めます。わ、私を貴方の・・・・貴方の妻にし、してくださ・・・・いっ、だから・・・・だから・・・・も、もう逝かせて・・・・ください・・・・っ!!」  
 
天狗の胸板に顔を埋め泣きじゃくりながら叫ぶ。  
 
「いい子じゃの・・・・ご褒美じゃ好きなだけイクがイイ・・・・」  
 
天狗の蒼い目が私を見据え輝いた。  
同時に私の中に解き放たれる熱い精が私の中を乱暴に叩いた・・・・・  
 
「あっ!」  
 
跳ねるように俯けた顔が天を仰いだ。  
目が見開かれ、瞳孔が狭まり、溜まっていた涙が伝い落ちた。  
・・・・星が月が・・・・・驚くほどに綺麗だった。  
 
「あっ!!!」  
 
身体がバネの様に跳ねるのを天狗が抱きとめ、胸の中に沈めた。  
汗と愛液の臭いと咽るような獣臭を胸いっぱいに吸い込まされるのと、第2射が再び子宮の奥に叩きつけられたのが同時だった。  
 
「あっ!!!!」  
 
天狗の背中に爪を立てる、たくましい筋肉はびくともしない。  
何かにすがるように闇雲に掻きむしった。  
3射目で私の秘所から収まりきらない物が溢れ、零れ落ちる。  
 
だ、駄目・・・・・だめ・・・・・ダメ・・・・・  
4射目・・・・・5射目・・・・・  
真っ白に染め上げられていく思考、怒涛の様に押し流されていく私を構成していたものたち・・・・家族、友達、誇り・・・・・なにもかもが走馬灯のように浮かび消えていく。  
 
「あ、あ、あっ、ああっ、ああああおおおおおおおおおおおおおおっっっっ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」  
 
天狗とともに激しく腰を振り続ける、止まらない、止められない、止めたくない。  
何もかも忘れ、何もかも捨て去り、何もかもを失いながら、私は歓喜の涙を流し獣のように咆哮し続けた。  
ドサッ・・・・  
全てが終わり、天狗の胸の中に倒れこむ私・・・・  
開放感と倦怠感、脱力感が渾然一体となって私の全身を支配し指一本動かせない。  
 
指で顎がすくわれる。  
霞んだ視線を天狗の顔を覆い尽くし唇を塞がれた。  
・・・・初めての・・・・口づけ・・・・  
数秒で開放される・・・・口辱もなにもない。  
それは儀式・・・・光の世界に別れを告げる闇の口づけ・・・・  
涙が零れ落ちた。  
さようなら・・・・母さん・・・・父さん・・・・みんな・・・・もう、私戻れない・・・・  
 
天狗はそのまま私を胸に抱き、天を何処とも無く駆けていった・・・・その先に待つ未来は決まっている。  
さようなら・・・・・わたし  
 
あとにはただ満天の星と月だけが変わらずに輝いていた。  
 

テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル