妖怪たちに敗北し、捕らえられて巣にさらわれてきた音羽姉妹。  
全ての穴を様々な妖怪に犯され、孕まされる。  
人外の子供の成長速度はとても速く、子種を産み付けられて数日で腹が膨らみ  
出産の時を迎えようとしていた。  
「あ゙・・・・・あがっっ・・・・ウッ!・・・うえぇぇえぇぇぇ〜〜〜〜〜〜〜・・・・」  
まずは初香の口から蛞蝓(なめくじ)の卵が吐き出された。  
6,7・・・・全部で8つ。  
蜜柑ほどの大きさのものが、喉を逆流し気管を圧迫し  
少女の小さな唇を割って、地面にボトボトと落ちる。  
唾液と胃液にまみれた卵。  
それは小さくて、でも確かな脈動が伝わってくる。  
生きているのだ。  
「エ゙ホッ、ゲホッ、ゲホッ・・・・・・ゔ〜・・・・・・・・ヒッ!?」  
卵を吐き出し、呼吸を整えようとした矢先、今度は子宮に巣くう妖怪の子が暴れ始める。  
早く外に出たいと、出口を求めて動き回る。  
「ひぎっ!! い゛・・・っ! 痛い、痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いっ!!!」  
子宮をこじ開けられる感覚に喚き散らし、地面に爪を立てる。  
「ヒュー、ヒュー・・・・・・・・・・っ・・・ぁ・・・・たす・・・助け・・・」  
苦しみ喘ぎ空気を漏らしながら、助けを求めて姉の方を見た。  
 
ブリッ・・・ブチュブチュブチュチュチュ・・・!!  
初香の視線のその先では、姉の桂香がお尻の穴から子供を産んでいた。  
赤子の頭に着いた小さな皿、細い手足の先には水掻き付きの指。  
河童の子供だった。  
3匹の河童の子が桂香の肛門から産み落とされた。  
それと同時に、今度はえづき始める。  
「ヴッ!! ウウッ・・・・・!」  
口元を両手で押さえる。  
しかしそれでも止まらない。  
喉が下から膨らみ始め、何かが這い登ってきた。  
やがてそれは口腔へとせり出てきて、舌の上を這いずって口から出ようとする。  
ブニョブニョしたゼリー状のもの。  
一緒に上がってきた胃液が酸っぱくて、でもどうにもならなくて。  
身体が半透明で内臓器官が丸見え。  
くわえて数本の長い足を持つ。  
口から吐き捨てるように出したそいつは、海月の子供だった。  
一匹目に続いて、また胃の中から次々と上がってくる。  
口内が胃液の味で満たされ、また吐き出す物は吐瀉物ではなく、全て海月だった。  
 
初香からもの凄い悲鳴が上がる。  
目を見開き身体を投げ出し、全身がビクビクと痙攣していた。  
股の間には赤黒いヘソの緒と胎盤、そして広がる羊水。  
その水たまりの中にいたのは、四つ足の動物を思わせる生き物。  
しかしどこかが、何かが違う。  
それは前足と後ろ足で毛並みも形状も違うし、尻尾がまるで別の生き物のように蠢いていた。  
薄い胎膜に包まれた子犬のようなそれは、鵺の子供だった。  
 
気を失ってしまった初香。  
そんな彼女の腹がゴロゴロと鳴りだす。  
全身が弛緩しきってしまい、もはや排便を止める体力も気力も無くなってしまった初香の不浄の穴から  
これまた不浄なものがひり出された。  
十数個の卵が次々と内ら側から括約筋を押し開いて、外に出てきた。  
穴が盛り上がり、卵が排泄が繰り替えされる。  
色素の薄い卵の殻からは、中が透けて見えた。  
頭に並んだ複数の目、短い体毛の生えた昆虫類より二本多い足。  
大蜘蛛の卵だ。  
殻の中で、まだ小さな鋸歯をギチギチと震わせていた。  
 
桂香の方では陣痛と破水が始まっていた。  
ゴボコボと膣口から流れ出る液体。  
でも、あまり痛くはなかった。  
子宮口を思いっきり広げられる感覚が無い。  
それでいて、どんどん流れ出す羊水。  
・・・・・いや、桂香の産道からわき出るものは、羊水ではなかった。  
地面に垂れ流された水たまりがブルブルと震えだし、盛り上がって行く。  
まるで意志を持ったかのような水、それは水妖であった。  
そのゲル状のものが桂香の胎内から流れだし、  
みるみるうちに妊娠のために膨らんでいた腹が萎んで行く。  
ビュルリ・・・と最後の部分が抜け出し、桂香はグッタリと力無く横たわった。  
肩で息をしながら、何もかも・・・人間の尊厳すらも出てしまったような気分になっていた。  
 
『二匹トモ、全テ産ミ落トシ終エタヨウダナ・・・』  
音羽姉妹を取り囲む妖怪達の誰かがそう言った。  
その言葉を待っていたかのように、出産・産卵を見守っていた妖怪たちが動き出す。  
徐々に狭まる衆人・・・いや衆妖の輪。  
そして一斉に、我先にと妖怪達が群がってきた。  
次の子供を、自分の子供を孕ませるために。  
 

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