◆  ◆  ◆  ◆  ◆  
 
 時は冬の終わり、草木が芽吹く香りが風に運ばれ春の訪れを感じる頃、  
戦争を挟んで6年ぶりに再会した桜子と達彦の結婚の日が近づいていた。  
無事に帰還するも戦争の重い陰を引きずっていた達彦だが、心の整理をつけ  
出征前に婚約した桜子と一緒になる意思を固めた。  
有森家も山長の店の者たちも、二人の改めての決意を祝福し、  
一日も早い二人の結婚を皆が望んだ。  
桜子の嫁入り支度といっても、終戦直後のことで誰もが苦しい生活の日々だったから、  
簡単なものだった。  
かねが遺した白無垢衣装の他には、柳行李一つ分の所持品、物資不足の中で有森家が  
あちこち探しまわり用意した婚礼ふとんで、桜子の嫁入り道具は出来あがりである。  
婚約していた二人なのだから、今すぐに一緒になっても何ら問題はない。  
それでも、嫁入り後に達彦の前で纏うことになるだろう寝巻きや浴衣や肌着など  
娘心にも桜子は新しいものを揃えたかったし、  
老舗山長ではそれなりの婚礼準備を必要とし、また終戦後の再建期にあった店では  
皆忙しく仕事に引っ張られていたから、今すぐ嫁入り、というわけにはいかない。  
3週間後の大安の日に二人の婚礼は執り行われることになった。  
 
結婚の日まで、桜子は、有森家で簡素な嫁入道具を準備する傍ら、  
女将仕事の手伝いと二人の住む部屋の準備をする為に、昼間は毎日、山長で過ごした。  
達彦が出征してからかねが亡くなるまで長いこと山長に住みこんだ桜子だが、  
達彦が独りでいる山長に、嫁入り前の桜子が寝泊りすることは、この時代では  
考えられないことだったから、毎日早朝に有森家を出て山長に通った。  
嫁入り準備と早朝からの山長での手伝い、2足のわらじは楽なことではなかったが、  
山長で達彦の顔を見ながら、以前のように店の人々と一緒に仕事に精を出すのは、  
嫁入り後の生活への期待に胸膨らむ嬉しいひとときだった、  
それに、独りきりの達彦の衣食住、身の回りの世話をするのも、  
ふと、既に達彦の嫁になったような錯覚に陥り、胸が震えるような  
気恥ずかしさと嬉しさで、達彦の肌着を洗濯しながら  
自然に笑みが零れ落ちるのだが、  
(いかんいかん。 戦争が終わってこれから店を立て直すんだで、浮かれとらんで、  
しっかりやらんと)と時々自分を戒めるのであった。  
夜は店の仕事の片付けで、有森家まで桜子を送り届けられない達彦は、  
陽が落ちない明るいうちに桜子を家に帰していた。  
 
桜子が山長に出向いて慌しく過ぎた1週間後の土曜日、仕事が午前中で片付きいわゆ  
る半ドン、店の者達も帰って行き、二人で味噌蔵や店の戸締り、金庫や帳簿の点検を  
していた。  
「さあ、これぐらいでいいだろう、1週間ご苦労さんだったな。助かったよ、  
ありがとう、ついお前を頼っていっぱい働かせてしまったな、ごめんな」  
「ううん、前みたいにお店の皆と一緒にいられて、楽しく仕事できたよ。  
ここに達彦さんが居ったらどんなにいいだろう、とその時はよく思ったものだけど、今は本当に達彦さんが居るんだでね。夢みたいだよ」  
「お前は、俺がおらん間に、すっかり店の仕事を憶えて皆から  
頼られるようになったんだな」  
「ほいでも、最初は失敗ばかりして、亡くなったお義母さんやみんなから、帰れって  
言われたこともあったんだよ。懐かしいなあ」  
「桜子、陽足がだいぶ長くなったし、夕方までまだ時間あるだら、ゆっくり音楽でも  
聴いていかんか。」  
「達彦さん、ようやく音楽を聴く気になれたんだね、よかった。私が選んであげる」  
桜子は目を輝かせて、達彦の部屋の棚からレコードを夢中で選んでいた。  
「ねえ達彦さん、何がいい?ベートーベン、それとも久しぶりに  
ジャズ聞いてみるかん、そうだ、二人で連弾したリストにするね、懐かしいね」  
と、回り始めたレコード盤に針を落とし、無邪気にはしゃいぎながら振り向くと、  
達彦の顔が直ぐ近くに迫っていた。  
怒ったような、いや情欲に駆られたような達彦の険しい視線に耐えられず、  
射すくめられた桜子は思わず目を伏せる。  
その瞬間、達彦の腕が桜子の背中に回り、ぐいと、抱き寄せられた。  
震える声で「た、達彦さん…」と開いた桜子の言葉を、達彦の唇が塞いだ。   
BGMにリストの愛の夢が流れる中で、桜子の体から力が抜け、  
そして胸の鼓動が達彦に聞こえてしまうのではないか、というほど  
激しく高鳴っていた。 寝台に腰掛けた達彦の膝の上に、力の抜けた桜子は抱き寄せ  
られ、唇を奪われていた。  
突然のことに、動揺した桜子の頭の中では、遠くのほうで、  
達彦と自分、二人きりで居るこの母屋で、これから起こるかもしれない未知のことへ  
の不安と、一方で、万一そういうことが起こったら、二人の姉達には  
何が起こったかきっと見破られるんだろう、という小さな懸念が交錯していたが、  
その周りをぼんやりした霧が包みこみ、何も考えられなくなっていた。  
 
達彦と交わした唇は、決して初めてではなかったが、6年前の婚約の時には、明日を  
も知れぬ差し迫った状況で、どんなに離れても変わらぬ愛を誓ったしるしとして切な  
く交わしたものであったから、男の情欲として受ける唇は初めてと言っていい。  
しかし、桜子の未知への不安とは裏腹に、達彦は優しく紳士的で、舌先をかすかに  
桜子の歯に触れるだけで、決して乱暴に侵入したりはしなかったし、抱き寄せた腕で  
肩や背中を優しくさすって、桜子を乱暴に奪うような荒々しい真似をしている  
わけではなかった。  
次第に、逞しい達彦の腕に守られているような安心感と、本当に達彦が戻ってきた  
という実感に、気持がおちついて、しばらくは達彦の腕に身を任せて波に  
揺られているようだった。  
「愛の夢」の旋律に誘われるように、桜子の体をさする達彦の手が初めて、  
そっと、ためらうように、ブラウスの上から桜子の小ぶりな胸を包んだその瞬間、  
桜子の体中に電流のような衝撃が走った。  
決して拒まないが、夫となる達彦とはいえ、自分以外の手に初めて  
包まれる小さな胸は震え、思わず唇を離し、はずかしさと動揺で達彦の胸に  
顔を埋めた。  
達彦の荒い息遣いと、胸の鼓動が大きく響いて着衣を通して伝わってくる、  
胸を優しくまさぐる達彦の手が腰、腹と下がり、膝に達した時に、桜子は思わず  
固く膝を合わせてしまったが、達彦は焦らず、桜子の緊張が解けるのを待つように  
やさしくやさしくさすり続けながら、手は奥へ奥へと進入する。  
「愛の夢」のエンディングのメロディーを聴きながら、達彦の腕の中に揺られて  
膝の緊張を弛緩させ、恍惚としていたその時、何の前触れもなく、しかし極自然に、  
達彦の手が桜子の太ももからその奥に入り、下穿きの上からではあるけれども、  
桜子の秘所をやさしくそっと、そしてなんどもまさぐった。  
今まで経験のないような、電流が頭のてっぺんから流れて、ぴくっと反応した桜子は  
高鳴る胸を抑えて、ただ達彦の胸にしがみつくしか出来なかった。  
リストの曲が終わり、レコード盤が静かに止まった。  
達彦の手が離れ、桜子を正面に向きなおし、息を呑んでささやいた「桜子、ごめん、びっくりしたか。嫌だったか」  
恥ずかしさで顔を上げられない桜子は、ううんと小さな声で頭を振った。  
達彦は大きなため息をつき、「俺、こんなことして、何やっているんだ。ごめんな。  
 ちゃんと夫婦になる日まで、けじめはつけんといかんのだよな。本当にごめん。」  
しかし熱に潤んだ目で「正直に言うよ、俺、お前が欲しいんだ、でも、その日まで  
けじめはちゃんとつけておこうな。 陽が落ちないうちに、家まで送るよ。」  
務めて明るく振舞う達彦に、二人は何事もなかったかのように、有森までの帰り道を  
店の仕事の話しや、桜子の嫁入りしたくの話しをしながら歩いたが、桜子は今まで  
経験のない、体の奥の未知の感覚が気になり、上の空で応じていた。  
家に戻ってからも続く体の奥のヌルヌルした感覚に、なんとも気持が抑えられなく、  
桜子は、その日から独り部屋のふとんの中で、まんじりともせずに毎晩過ごしたこと  
を、達彦は想像していただろうか。  
 
そして、その次の土曜日も午後、二人になった母屋の中、仕事の整理をしている達彦  
を残して、桜子は高鳴る胸を抑えながら、二人の住む奥の部屋で自分の衣類を持ち  
こみ収納していた。  
この日は、密かに、小さなレースを縁取った下穿きを選んで、着けていた。  
達彦を誘惑しようというのではない。 嫁入りするまでは清いままで  
という伝統的価値観に異論はない。しかし、万一、万一のことがあったとしたら、  
無造作なただの白い下着よりは…と思うのが、まだ処女の切ない娘心である。  
「桜子」 仕事を片付けて、達彦も奥の部屋に来たが、先週のような、険しい視線はなく、着物をたたんでいる桜子を後ろからそっと優しく抱きすくめた。   
「桜子、ごめん、でもちょっと、こうしていたいんだ」  
もう桜子は動揺しなかった。行為に及んでも及ばなくても、達彦の唇や抱擁に、  
ただ震えてうつむくのではなく、愛情を持って応えたい。  
桜子は達彦のほうに向き直って、達彦の胸に体を預けた。  
一度足跡をつけた新雪には遠慮なく足を踏み入れるように、達彦の手は、桜子の胸や  
腰、膝を越えてスカートの下の太ももに伸びてきたが、桜子はひるむことなく愛撫を  
受け、達彦の腕にしっかりしがみついた。 「桜子、1週間長かった。月曜や火曜は  
こんな風にゆっくりする余裕ないもんな」と切なくうめく達彦に、桜子は自分から唇  
を合わせた。  
自分も対等に達彦に応えている、という自信と満足感のような気持で、桜子は満たさ  
れていた。たとえ達彦の手が、下穿きに触れても動揺すまい。  
が、そんな落ちついた気持も束の間、高まる気持を抑え難く理性を失いかけた  
達彦の手は、レースで縁取った下穿きの隙間、プラトニックバリアの境界線を越え、  
優雅に情熱的に鍵盤を操るしなやかな長い指を、下穿きの中に侵入させた。  
驚きのあまり、声も出ず息を呑んだ桜子は(そうなる覚悟)など全然できていない  
ことを知った。その間にも達彦の指は花びらに触れ、そして粘液の感触を確認した。   
粘液のぬめりを利用して、花びらの中や、桜子が一番敏感に  
感じる核を探し当て、軽く何度もタッチした。   
達彦の行為に初めは驚き戸惑っても、次にはしっかり受けとめられる自分でいたい。  
そう思っても、達彦は次の手次の手と、桜子を翻弄する。  
達彦の腕にしがみつきながら、そんなことをぼんやり頭の中を巡らせたその時、ア!と痛みが走った。「痛い!」桜子の悲鳴が上がった。  
指がついに桜子の秘密の通路の奥へ侵入を開始したが、まだ開通していない通路を  
奥へ奥へという侵入は桜子に痛みを伴うものだった。  
恍惚に目もとを潤ませた達彦は、桜子の叫び声にハっと我に帰り、手を止めた。  
「ごめん、桜子!」慌てて手を引き、「ごめんな、結婚の日までは、って誓ったのに。  
本当にごめん。乱暴だったな。」と桜子を抱きしめてなんども背中をさすった。  
「俺のこと…、嫌になったか」 達彦の肩に乗せた頭を いいえ、と振った。  
 
白いレースの下穿きを着けていても、心は何も覚悟は出来ていない。 不安と驚きに翻弄され、震えているだけだ。  
 
婚礼前にそんなことがあった桜子は、いよいよ初夜を迎えたその時、  
何も考えずに、真っ白な気持で、夫となった達彦に身も心も全て預け、求められる通りに従うことを心に決めた。 ただ一つの不安は、達彦のしなやかな指を受け入れただけでも、痛みが走るのに、そこに達彦自身を受け入れることができるのかどうかそのこと…。  
 
案の定、固く大きくなった達彦自身は、秘密の通路の入り口から先、桜子が痛がって  
なかなか先に進めないでいた。(達彦に全て預け)、と覚悟したものの桜子は恥ずかし  
がって、挿入に必要なだけ脚を広げることにためらい、正しい位置に挿入できずに、  
無用な痛みを桜子にもたらしていたためだった。  
達彦は焦らず、やさしくゆっくりリードし、桜子の体と気持が、受け入れ態勢になるま  
で待った。「桜子、大丈夫だから脚をもっと広げて、それで力を抜いて」   
これ以上脚を広げるなんて…。戸惑いながら、少しだけ開脚の幅を広げた。  
達彦を受け入れるのに、こんなに広く開脚することに、戸惑っていた。  
「心配するな、膝を立てて楽にしてみりん」とその声に従った次の瞬間  
達彦の膝で、桜子の立てた膝は外側に押し倒され、蛙のように脚の付け根から全開し  
た態勢になり、誰にも見られたことがない秘密の場所が、達彦の前に露わになった。  
(そんな!)もう桜子は達彦に顔を見せられず、横の枕に顔を埋めた。  
桜子の秘所の状態と、その入り口の場所が、達彦からはっきり見えるので、  
この態勢で初めて、通路に沿った角度で正しい位置に挿入できる。  
潤いは充分に満ちているので、今度こそ一つになれるだろう。  
達彦は用心深く少しづつ、しかし力強く腰を沈めていった。  
「桜子、少しずつ入れているけど、どうだ、我慢できない痛みだったら言ってくれ」  
「少し痛いけど、大丈夫だよ 我慢できる」枕に顔を隠したまま、  
消え入りそうな声で応えた。  
達彦自身が、通路の途中で抵抗物を感じ、いよいよ桜子が女になる瞬間を  
迎えると知った。  
「桜子、途中まで入った。今からちょっと痛いかもしれんが、一瞬だから我慢してく  
れ。脚はこのまま開いて、なるべく力を抜いていてくれるか」  
達彦自身は、処女の固く締まった通路にもたらされる強い快感に、我を失いそうにな  
るが、今は、桜子の心の不安と肉体の痛みを軽減した上で、早く本当の妻  
にしてやることに専念しなければ。  
桜子が力を抜いた瞬間を捕らえて、一気に深く体を沈めた。  
 
「痛いー!」という叫び声が同時に響いた。  
しかしこのハードルを越えて、達彦自身は完全に桜子の中に収まり、深く子宮口に  
到達していた。  
「桜子、入ったよ、全部入った。痛みは」処女の引き締まった通路の壁が、達彦自身  
を締め付ける快感に抵抗しながら、苦しくうめくようにささやく達彦に  
「痛かった、け、ど。 だ、いじょう、ぶ」  
次々に起こる初めてのことへの衝撃と痛みのショックで、桜子の目にはうっすら涙が  
浮かぶ。  
「しばらくこのまま入れていてもいいか?」コクンとうなずく桜子。  
桜子を自分のものにし、一体感にしばらく浸っていた達彦だが、高波のように  
押し寄せる快感への抵抗が限界に近づき「桜子、少し動くよ、そっとやるから  
心配するな」  
しかし動き始めたが最後、快感の大波に抗うことは出来ず、額に汗、眉間に苦渋を浮  
かべながら夢中で桜子に出し入れを繰り返す達彦。 、  
最初の衝撃的な痛みが不思議と消えたが、  
気持がいいとか、逆に嫌だとか、そういう気持も感覚も桜子には湧いてこなかった。  
(これが、達彦さんの奥さんになるということなの…)  
今はただ、目を閉じ横たわり、達彦の激しい動きを受けとめることが、自分に求めら  
れていることなんだと、言い聞かせる以外、頭の中は真っ白だった。  
全身汗びっしょりになった達彦が、ウウッと苦しそうな声を上げて、2,3度腰を大きく突き上げ、動きを止める。  
桜子の両肩の横に腕をつき、そのまま桜子の上にゆっくり崩れ落ちた。  
放心状態から、よろよろと身を起きあがらせて、下腹を抑えながら、桜子の開いた脚  
の間から白濁液が絡みついた自分自身を引き抜いたが、白濁液に血液も混じって糸を  
引いた。 桜子の体が、晴れて達彦のものになったしるしだ。   
下に敷いてあった敷布と踏んでいた寝巻きにも破瓜の血が飛び散っていた。  
が、今はそれを処理することよりも、桜子を抱きしめて、快感の余韻と、桜子を自分  
の物にした征服感、喜びに揺られていたい。  
 
腕に抱いた桜子の髪を撫でながら、  
「痛かったな。でも次からはもう大丈夫だからな」  
「…あんなに、脚を開くなんて。」  
「でもそのほうが、なんちゅうか、入れる場所が正確にわかるから、お前の痛みや負  
担は少なくなるんだ」  
(…ということは、その部分を達彦さんに全部見られている。)桜子は  
また恥ずかしさで目を閉じた。  
ややあって、半身を起こし懐紙で自分の処理をした達彦は、いろいろな出来事に  
憔悴して横たわったままの桜子の股間にもそっと懐紙を伸ばすと、  
「自分でやるでいいよ」  
桜子は恥ずかしそうに懐紙を受け取り、達彦に背中を向け身を起こし、夫によって  
開かれたばかりの秘密の花園に懐紙を充てがった。  
「!」懐紙だけではなく、敷布や寝巻きに飛び散った血痕に桜子は傷ついた。  
達彦がどうした?と背中越しに覗きこむと「見んで!何でもないで見んで」  
と泣きそうな桜子に驚いて、視線を落すと、桜子が傷ついた理由を察した。  
後ろから桜子を抱き寄せて、「これは、お前が俺のものになったしるしなんだ、俺は  
とても嬉しいよ。俺に隠したり恥ずかしがることじゃないんだよ。」  
 
未知のことが、一度に次々に桜子の身に起こっていたその頃、  
桜子の嫁入りを満足そうに見届けた祖父は、桜子の亡き母マサに迎えられ  
て、旅立っていった。  
翌日の葬儀は祖父の急逝の悲しみが溢れてくる一方で、本当に幸せそうな表情の最期  
だったと知らされ、温かい気持で祖父を見送る葬送となった。  
葬儀で慌しく有森家で立ち働く中でも、昨晩のことをふと思い出すと、  
白昼に皆々が居る中で、達彦と顔を合わせ言葉を交わしたりすることに、  
なんとなく恥じらいを感じていた。  
昨晩、達彦によって、桜子に起こった体と心のいろいろな変化を、姉達やおば、店の  
人々に見透かされそうな気がして、彼らともまともに視線を合わせられなかった。  
一晩だけで何も変わるはずはないのに。  
体は達彦を受け入れたけれども、一晩過ごしただけでは、気持はまだ処女のままの  
桜子だった。  
 

テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル