桜子が徳次郎の葬儀の片づけを終えて山長に戻ってから、半月ほどが経った。  
桜子は昼間は夫婦二人で店の仕事を忙しくこなし、夜は二日と空けず桜子を求めてくる達彦に応えていた。  
この日は茶の間で一人きりの夕食を取っていた。  
達彦が名古屋に泊まりがげの出張で、朝早く出掛けて行ったのだ。  
昼間はにぎやかだった山長も夜になると静まり返っている。  
「達彦さん、どうしとるかな・・・。」ふと達彦を思う桜子。急に寂しさがこみ上げる。  
戸締りをし、寝室に入るとがらんとした部屋には桜子の布団が一組敷かれている。  
「なんか落ち着かんね。」そう言って桜子は、達彦の布団を並べて敷いた。  
「なにしとるんだろう、私・・。」そう思いながら、達彦の布団に潜り込む。  
布団には達彦の匂いが残っていて、桜子は達彦を感じて少しほっとした気分になった。  
「達彦さん・・・。」布団をぎゅっと抱きしめ、桜子はいつのまにか眠りに落ちた。  
 
次の日の午後、達彦が店に戻ってきた。  
「ただいま。何か変わったことはなかったか?」  
「ううん。大丈夫。達彦さん、着替えるだら?」会話をしながら母屋へ向かう二人。  
「まだまだ大豆の価格が下がらんで、八丁味噌を仕込むめどは経たんな。」桜子に着替えを手伝ってもらいながら、達彦は仕事の話をする。  
背中で聞いていた桜子は、店の大将としての達彦の風格を感じ、頼もしく思う。思わず体を達彦に寄せ、額を背中にくっつけた。  
ぎゅっと達彦の着物をつかむ。「・・・どした?桜子」桜子の行動に気づき振り返る達彦。顔を覗き込む。  
「ううん。ごめん。なんでもない。」そう桜子が言ったとき、店から野木山の呼ぶ声が聞こえる。  
達彦は微笑み、黙って桜子の頭を一度なでると店へと向かった。  
残された桜子も、ときめく気持ちを抑えるように一つ大きく息をして、達彦を追った。  
 
夜になり、桜子はいつものように戸締りをして寝室に向かった。  
部屋では達彦がうとうとと眠っていた。結婚以来、桜子より先に眠ることが無かった達彦だったが、出張先で酒の席に付き合わされたせいのようだ。  
「達彦さん、疲れとるんだね。」桜子は明かりを消すと、達彦のそばに行き布団を掛けてやった。  
達彦の安心したような、無防備な、綺麗な寝顔に桜子はつい見とれる。子供のような寝顔を見ていると、さっき男の風格を感じた時とはまた違って、桜子は母性を刺激され胸がきゅっと熱くなる。  
手が達彦の頬にそっと触れた。と、達彦がピクッと動き、ゆっくり目を開けた。  
「ごめん。起こしちゃったね」謝る桜子に微笑みながら、達彦は桜子の手を取り、ぐいっと自分に引き寄せた。寝ている達彦に倒れこむ桜子。  
「桜子・・・夕べは寂しかったのか?」桜子を抱きしめ、頭をなでながら達彦が優しく囁く。  
達彦に気持ちを見透かされ、結婚前の、以前の桜子ならば「寂しいわけないじゃん!」と言い返すところだが、今日は違う。  
「うん・・・。寂しかったよ、達彦さん・・・。」  
桜子は顔を上げると、自分から達彦に口付けた。達彦もそれに応えるように桜子の頬を大きな手で包み込み、熱い口付けを返す。  
二人はお互いに舌を絡め、しばらく熱く甘い口付けに酔い知れていたが、達彦は桜子を抱きしめながら体を起こした。  
そして自分の浴衣を脱ぐと、桜子の伊達締めを解き、緩んだ浴衣の襟元から手を差し込む。  
「あっ・・・」桜子から甘い吐息が漏れる。そのまま優しく乳房を揉む達彦。そして桜子の浴衣を脱がせ、下着を取る。  
桜子は達彦の太もものあたりに座る姿勢になった。  
「好きだよ。桜子・・・」囁きながら、桜子の耳、首筋に唇を這わせる達彦。だんだんと達彦の唇が下がっていったので、桜子は膝を立てた。  
達彦は両手で桜子の乳房を包み込むと、優しく揉みながら谷間に顔をうずめた。「んっ・・あん」桜子はそんな達彦の頭を抱え、目を閉じた。  
 
達彦は桜子の乳房に唇を這わせる。すべすべと滑らかな白い肌。柔らかな桜子のぬくもりを感じ、達彦の体も熱くなってくる。  
「達彦さん・・・達彦さん・・・」愛撫を受けながら、せつない、甘えるような声で達彦の呼ぶ桜子。そんな呼びかけに応えるように、達彦は桜子をしっかりと胸に抱きしめた。  
「桜子・・・愛しとるよ。俺もお前に会いたかった。いつもお前を思っとるよ。」桜子を安心させるように囁き、優しく口付ける。  
桜子は達彦を見つめた。達彦も真っ直ぐに桜子を見つめ返す。その澄んだ瞳は桜子の心を熱く高ぶらせた。  
「達彦さん、抱いて・・・強く抱いて離さんで!」桜子は達彦の首にしがみつくように強く抱きついた。  
 
桜子が自分を求めている?達彦はいつもと違った積極的な桜子を感じていた。  
結婚以来、毎晩のように桜子を抱いていた達彦だったが、まだまだ緊張して、受身の桜子に、ただ自分の欲求をぶつけているだけのような気持ちを拭えないでいた。  
もっと桜子に感じて欲しい。もっと深く、桜子のすべてを知りたい。  
達彦は、自分の欲求のままに激しく桜子を求めたい気持ちを抑え、桜子の体をより熱く高ぶらせることに意識を集中させた。  
 
達彦は桜子の首筋を舐め、熱い息をかけながら、手で桜子の背中から細くくびれた腰のあたりを優しく擦った。触れるか触れないかの繊細な指先。その手がお尻から太ももの内側にも伸びる。  
「はああ・・・。」桜子は鳥肌がたつようにゾクゾクっと小さく体を震わし、吐息を漏らした。  
達彦はなおもその手を休めず、そして、すでに硬く隆起した桜子の乳首を口に含み吸ったり、舌で転がすように愛撫する。  
「あっ、ああっ!はぁ・・・んんっ!」喘ぎ声はだんだんと大きくなる。桜子は体の中心が疼き、自分の一番敏感な部分への達彦の刺激を求め、思わず腰をくねらせる。  
達彦は焦らすようにゆっくりと、その長い指を桜子の秘所へと伸ばした。  
ビクッ!っと桜子は体に電流が流れたように震え達彦にしがみついた。  
「桜子・・・もうこんなに濡れとるよ・・・・。」ぬめぬめとした花芯の部分を指でなぞりながら、桜子の耳元で達彦が囁く。  
「はぁぁ・・・んっ・・・いや・・・そんな事言わんで・・・。」言葉とは裏腹に、桜子は腰をくねらせ、花びらの奥からはどんどんと蜜があふれてくる。  
達彦はゆっくりと指を花びらの中へ押し込んだ・・・。  
 
桜子の秘所は未だかつてないほどに濡れ、蜜が太ももを伝って流れた。  
達彦の指に熱く柔らかい粘膜が吸い付いてくる。長い指をゆっくりと出し入れし、中をかき回した。クチュックチュッっと淫らな水音が聞こえる。  
「はぁぁ・・・!んん・・・」桜子は身をよじり悶える。達彦の指に弄ばれ、体の中心が溶けそうなほど熱く疼き、膝からは力が抜け、桜子はガクッと達彦の胸に倒れこんだ。  
引き締まった腕でしっかりと抱きとめる達彦。そのまま桜子を布団に寝かせ覆いかぶさる。  
 
桜子の唇からは熱い吐息がもれ、かすかに震えている。その唇を覆うように優しく口付ける達彦。そして唇を這わせ、丁寧に桜子の体を愛撫する。  
達彦の口付けを体中に受けながら、桜子は達彦の愛を感じ、心は満たされ、うっとりと酔いしれた。  
達彦は桜子の足首を持ち、素足の指の間までも舐める。  
「!・・・あははっ、くすぐったいよ、達彦さん・・・」思わぬ行動に声を上げて笑い、達彦を見る。  
達彦の口元にも笑みが浮かんでいるが、桜子には構わず、ふくらはぎや膝にも舌を這わす。そして蜜に濡れた太ももを舐めあげた。敏感な部分に達彦の顔が近づき桜子の顔から笑みが消える。  
「あっ・・・」桜子にまたざわざわと快感の波が押し寄せる。柔らかな茂みの奥に、きらきらと蜜が光るのが暗闇でもはっきりと解る。達彦は茂みに顔をうずめた。  
「はああん・・・!」桜子の喘ぎ声が悦びに満たされているのを達彦は聞き逃さなかった。  
花芽を舌で転がし、花びらからあふれる蜜をじゅるじゅると吸う。桜子は嬌声をあげ、腰をよじる。  
達彦の舌は花びらの下の、もう一つの固い蕾にまで伸びる。  
「ひゃあ!」叫び声をあげ、思わず腰を引く桜子。それを追いかけるように達彦の手が伸びる。  
「たっ・・・達彦さん・・・あたし・・・もう・・・」秘所を達彦の手で弄られながら、桜子は許しを乞うような目で達彦を見つめる。  
「どした・・・?桜子・・・言ってみりん・・・」  
「達彦さんが・・・欲しいの・・・入れて・・・」桜子の目は熱く潤んでいた。  
 
達彦は桜子から望んでいた言葉を得、感動に目を細めた。  
「ほうか・・・俺が欲しいか。」頬を紅潮させ、思わず自分の口から出た言葉に戸惑う桜子を、包み込むように優しく抱きしめる。  
達彦は桜子の隣に仰向けに体を横たえ、桜子の手を取り、そそり立つ自分自身に触れさせた。  
ハッ!と桜子は息を呑んだ。雄々しく何度も自分を貫いた達彦自身・・・しかし、手で触れるのはこの日が初めてだった。  
「桜子・・・俺の上に乗って、お前が入れてくれ」戸惑いの表情を浮かべる桜子に達彦が言う。  
「私が・・・?」困惑しながらも言われた通りに達彦の下腹部にまたがる桜子。そしてまた達彦の固い肉棒に手を添えた。  
(こんなに大きい物が、今までもほんとに入っとったんだろうか?)桜子の鼓動が早まる。  
「大丈夫だから・・・」と声をかける達彦を見つめながら、おずおずと腰を沈めた。  
達彦の肉棒は、桜子の粘膜を押し広げながら熱く疼く桜子の中に埋まっていく。「ああんっ!」欲しかった物を得て思わず声が漏れる。  
達彦も熱く締め付けて来る粘膜の刺激に、熱い息を漏らす。  
「桜子、動いてみりん・・・」下から桜子の乳房を揉み上げながら、達彦が囁く。  
コクンと頷いて、桜子はゆっくりと腰を動かした。桜子の花びらは奥まで蜜に満たされていて、痛みを感じる事は無い。  
「あっあっああ!」喘ぎ声を上げながら、懸命に腰を振る桜子。その動きはだんだんと激しさを増す。  
髪を振り乱し、より深い結合を求めるように、達彦の下腹部に花びらを擦り付ける。それに応えるように、達彦もゆっくりと腰を突き上げた。  
 
達彦は自分の上で、欲情し、快感をむさぼるように腰を振り乱れる桜子を、驚きと感動で見上げていた。  
乳房を掴む片方の腕を、紅潮し、汗ばんだ桜子の顔に伸ばす。桜子は弾みながらもその腕を取り、抱え、手の握って愛おしそうに頬ずりをした。  
達彦が指を口の中に入れると、桜子を舌を絡め、うっとりと達彦を見下ろす。  
その桜子の姿は、あまりに淫らで色気にあふれ、達彦の想像をはるかに超えていた。  
「・・・綺麗だ・・・桜子・・・」  
若い頃から恋焦がれ続けた最愛の女。この手に抱くことを夢見ながらも、運命に翻弄され、何度も自分を抑えて来た。  
結婚して、自分のものになったと解っていても、桜子を思う気持ちはいつもどこか切なかった。  
達彦は今、心も体も桜子に求められ、全身で桜子の愛情を感じていた。  
 
「あっあっあっ!はあはあ・・・はあああ・・・!!」桜子は息使いと喘ぎ声は激しく早くなり、絶頂が近いことを達彦に教えた。  
「うっ・・・んんっ」低いうなり声をあげながらも、達彦は快感の波に呑まれることなく、何とか踏み留まっていた。  
「あっあああああっ!!」桜子は体を仰け反らせると、ビクンッビクンッと体を痙攣させ、達彦の上に倒れ込んだ。  
 
達彦は桜子を抱き止め、自分の下に組み敷く。そして何とか踏みとどまり、まだ固いままの自分自身を、熱く痙攣する桜子の中からそっと抜いた。  
そして快感に震える桜子の唇にそっと口付け、汗で頬に貼りついた後れ毛を優しく掻きあげた。  
桜子は肩で息も絶え絶えに荒い呼吸をしていたが、そっと目を開き、満たされた表情で達彦を見つめた。  
達彦は何も言わず、熱い目見つめ返し、桜子の呼吸が少し落ち着くと、意を決したように体を起こした。  
そして桜子の足首も持ち上げ、大きく開くと、熱く硬いままの自分自身で、桜子の震える体内を一気に貫いた。  
「ああっ!!」その荒々しさに叫び声をあげる桜子。「達彦さん・・・」今にも泣き出しそうな声で達彦を呼ぶ。  
達彦は険しく熱い目で桜子を見つめたまま、抑えていた本能のままに桜子を求める欲情を解放し、激しく深く桜子を突き続けた。  
 
いつもは冷静で穏やかで、常に自分を気遣い優しさで包む達彦。そんな達彦の激しい姿は、桜子の脳裏にある情景を思い起こさせた。  
喫茶マルセイユの窓越しに見た、ベートーベンの「熱情」を弾く達彦の姿。  
陽光を浴び、一心不乱にピアノを奏でる姿は、激しく、情熱的で、桜子の心を打った。  
その時はまだ幼くて、嫉妬の気持ちが勝っていたが、感動で胸が高鳴ったのをおぼえている。  
今、その情熱を同じように自分にぶつける達彦。  
桜子は心に浮かぶそのピアノの旋律の中で、またどんどん高まってくる快感に身を任せた。  
 
「はあっはあっ!ううっ・・・」息を上げ、時折苦渋の表情を浮かべながら達彦は腰の動きを早める。  
湿度を増した寝室に、喘ぎ声と、パンッパンッと汗ばんだ肌が激しくぶつかり合う音が響く。  
「桜子!・・・俺の桜子!」達彦は吼えるように言葉を吐き、桜子に体を重ねた。  
二人はピッタリと一つに重なり、なおも激しく揺れ続ける。  
桜子の細く白い指が、汗が滴る達彦の背中に喰い込む。  
「うああっ!」達彦の叫び声の後、桜子の体の奥で熱いものが爆発した。  
全身を痙攣させながら、達彦が精を注ぎ込む。桜子の粘膜は、それを飲み込むように震えた。  
 
二人はしばらくそのまま重なっていたが、自分の重みが桜子にかかるのを気にした達彦がゆっくりと体を離す。  
「桜子・・・」けだるくかすれた声で達彦が囁き、いつもの優しい瞳で桜子を見つめる。  
桜子はそんな達彦の頭を胸に抱き、優しく撫でた・・・。  
 
二人は布団の中で、向かいあって横になっていた。  
満ち足りた表情で額や鼻先を擦り合わせ、何度も軽い口付けを交わす。  
「桜子・・・今日のお前、えらく感じとっただら?そんなに俺が欲しかったのかん?」達彦が嬉しそうに訊ねる。  
「・・・うん・・・でも、こんな私、はしたないよね。達彦さん、嫌いになった?」  
そんなことは無いだろうと思いながらも、甘えるように達彦の胸に顔をつける桜子。  
「嫌いになんて・・・!大好きだよ。俺、すごく嬉しかったんだ。」そう言ってぎゅっと桜子を抱きしめる達彦。  
「でも・・・」桜子が呟く。「ん?」達彦が顔を覗き込む。  
「私・・・達彦さんがこんなにいやらしいこといっぱいする人だなんて思わんかった。」悪戯っぽい笑みを浮かべる桜子。  
「なっ!?」思わぬ桜子の言葉に、達彦は「いっいやらしいって、男なんだから!・・・普通だよっ」と唇を尖らせる。  
少しむきになって焦る達彦に、クスクスと笑う桜子。  
「・・・好き・・・」囁きながら、そっと達彦に口付けた・・・。  
 
身も心も解放し、すべてを与え合った春の夜。  
二人は満ち足りた気持ちで、幸せな眠りに就いた・・・。  
 
 
 
「・・・好き・・・」囁きながら、そっと達彦に口付けた・・・。  
二人は満ち足りた気持ちで抱き合っていた・・・が、「あっ」っと桜子が小さく声を上げた。  
「どした?」達彦が顔を覗くと「うん・・・」と言って布団の中に手を入れる。  
「・・・あの・・・さっきの達彦さんのが・・・」布団から出した桜子の手のひらには、達彦の白濁が纏わりついていた。  
あっ・・・と達彦は少し照れたように苦笑いをする。  
 
いつもは事が終わると、しばらく抱き合った後、桜子はそそくさと寝室を後にし、身じまいをして戻ってくる。  
今日も「ちょっと行ってくるね」と言って体を起こす桜子。と、「待てよ」達彦が引きとめた。  
「お前はここにおってくれ」優しく微笑み、桜子の頬に口付けると、簡単に浴衣を着付け部屋を後にする。  
 
達彦はお盆にコップに入れた水と、固く絞った手ぬぐい何枚か乗せて部屋に帰ってきた。  
桜子は髪を直し、肩に浴衣を羽織って座っていた。  
布団の足元にある文机のスタンドに明かりを灯すと、白熱球の暖かい光が部屋を染める。  
「ありがとう」桜子は水を受け取り、美味しそう飲み干す。  
達彦は桜子の背中側に座り、肩にかけた浴衣を脱がせた。薄明るい部屋の明かりの中で、桜子の肌がいっそう輝いて見える。  
「あっ・・・」桜子は少し恥ずかしそうに肩をすくめた。  
「冷たくないか?」達彦はそう言って、手ぬぐいで優しく桜子の背中を拭った。  
「ごめん・・・ありがとう・・・気持ちいいよ」桜子は目を閉じる。  
達彦は首筋から肩・・・乳房まで丁寧拭いていく・・・部屋がいつもより明るいせいもあって、桜子は頬を染める。  
布団をまくり、足を拭きあげていく達彦・・・。その手が太ももに伸びたとき「あっ・・・」と桜子がそれを制止する。  
「もう自分でするから・・・」そういう桜子を「いいから」と言って布団に寝かせる達彦。  
足を開かれ、太ももを拭きあげられると、桜子の鼓動は一気早まった。  
薄明かりの中で桜子の秘所がいつもよりはっきりと見える。達彦も息を呑んだ。  
が、平静を装い、手ぬぐいで流れ出る白濁をそっと拭き取る。桜子は目をぎゅっと閉じ体を硬くする。  
拭いても拭いても桜子の中から白濁が流れてくる。達彦は思わず花びらに口付け、吸い上げた。  
「いや!!」桜子の強い言葉に「ごめん!」と達彦はあわてて体を起こした。  
桜子は頬を染め、困った顔をして達彦を見つめていた。  
「・・・桜子?」達彦が再び秘所に目を落とすと、白濁は透明な蜜に変わっていった。  
「桜子・・・お前」達彦は桜子の体を起こし、優しく抱いた。  
「欲しいのか?」顔覗き込むと、桜子は頬を真っ赤に染め「だって・・・達彦さんが・・・」と言って達彦にしがみつく。  
達彦は「ほうだな、ごめん・・・」謝りながら桜子の髪を撫でる。  
「もう一度抱いていいか?」優しく訊ねる達彦。桜子はコクンと頷いた。  
 

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