(後始末)  
ことを終え、桜子は達彦の腕の中で余韻にしたっていた。  
達彦は桜子を抱いた腕で桜子の肩を優しく撫でていた。  
「達彦さんが好き。少しだけ離れただけなのに、寂しくて寂しくて、達彦さんの  
温もりが恋しかった。」  
「桜子、俺もだよ。お前の温もりが恋しくて、寂しくて、お前が欲しくて仕方が  
なかった。」  
「達彦さん」  
「俺はもう、お前が側に居らんと駄目なんだな。」  
「達彦さん、ごめん。ちょっとお風呂に行って来て良い?」  
「駄目って言ったら?」  
「そんな」  
「嘘だよ。一緒に風呂に入って俺がお前の体、綺麗に洗ってやるよ。」  
「良いよ。」  
「いいから。」  
「良いってば」  
「何、今更恥ずかしがってるんだよ。」  
達彦は起き上がり、浴衣を簡単に素早く纏、桜子の浴衣を手に持った。  
「ほら、桜子起き上がれるか?」  
「うん」  
布団で胸を隠しながら起き上がると、達彦は、背後から優しく浴衣を背中に掛けてると  
桜子を抱き上げた。  
 
「キャ!」  
突然達彦に抱きあ上げられた桜子は、悲鳴をあげ、とっさ的に達彦の首に腕を回した。  
「達彦さん、恥ずかしいで下ろして。私、歩けるよ」  
「いいから、俺がこうしてお前を風呂に連れていきたんだ。それに、この母屋には  
俺とお前しか居らんのだから。」  
「達彦さん」  
 
達彦に抱き上げられたまま風呂場に入って来た。  
「桜子、脱衣所の明かりを付けて」  
と達彦が桜子に言うと、桜子は脱衣所の明かりを点けると達彦はそのまま風呂場の  
戸を桜子に開けさせると、桜子を風呂椅子に座らせ、桜子が羽織っていた浴衣を脱がせると  
浴衣を持ち脱衣所に戻り、桜子の浴衣を籠の中に入れ、自分の浴衣を脱ぎ手拭を  
2枚持ち、風呂場へ入ると桜子に手拭を渡すと達彦は、風呂場の明かりを点けようと  
した。  
「達彦さん、お風呂場の明かり点けんで。」  
「明かりを点けんかったら危ないだら」  
「恥ずかしいで点けんで、お願い」  
「分かった」  
達彦は、風呂の中のお湯の温度を確かめると、風呂桶でお湯をすくい桜子にかけてやった。  
「熱くなかったか?」  
「うん」  
再び風呂桶でお湯をすくうと、手拭を濡らし石鹸をつけると、桜子の背中から洗い  
前に手を差し伸べると桜子の手が達彦の手を止めた。  
「後は、自分で洗えるで、大丈夫。ありがとう」  
「いいから、俺がお前の体を洗いたいんだ。」  
「達彦さん。」  
「それに・・・夫は妻の体を隅々まで知っておかなきゃいかん。」  
と言って達彦は桜子の体を洗いはじめた。  
桜子は、ギュット硬く目を閉じた。  
達彦は、桜子の秘所に手拭を当てると反射的に桜子は、股に力を入れた。  
「桜子、股に力を入れては洗えんではないか」  
「達彦さん」  
「ほら、早く。それに風呂場が暗いで何も見えんよ。」  
桜子は、渋々股の力を抜き再び目を硬く閉じた。  
「桜子、洗い終わったからお湯掛けるぞ」  
「待って達彦さん。私にも達彦さんの体、洗わせて。」  
と言って、桜子は手拭で前を隠しながら立ち上がり・・・達彦の手から風呂桶を取り  
風呂桶にお湯を少しすくい。自分が座っていた風呂椅子に掛けた。  
 
「達彦さん。ここに座って。」と桜子が言うと達彦は嬉しそうな表情を浮かべ、風呂椅子に  
腰を下ろした。  
桜子は、再び風呂桶にお湯を入れ、石鹸の付いた手拭を洗い再び石鹸を付け達彦の背中を  
洗いはじめた。  
「達彦さん、痛くない?」  
「あ。痛くないよ。気持ちが良い。お前に背中を流してもらうのは、初めてだな。」  
「私も達彦さんに体洗って貰うの初めてで、とっても恥ずかしかった。」  
「恥ずかしがることなんてないよ。俺とお前は夫婦なんだからな。」  
「うん。」  
達彦の背中を洗い終わると、桜子の手が急に止まった。  
「どした?」  
「うんん。何でもない。」  
桜子は、意を決した様に達彦の腕や胸などを洗いはじめた。  
「桜子、後は自分でやるで、泡を流して湯船に入れ。ありがとう」  
達彦は、桜子にはまだ、自分自身を持ち洗ってもらうのは・・・まだ早いと判断し  
言った。  
すると、桜子は無言のまま達彦自身を手に持ち洗いはじめた。  
「桜子、もういいよ。無理するな」  
と言って達彦は桜子の手を止めた。  
「うんん。達彦さんも私を洗ってくれたで・・・私にも洗わせて。」  
「しかし・・・」  
「大丈夫だから」  
と言って桜子は、桜子自身を洗いはじめると徐々に達彦自身が大きくなってきた。  
桜子は驚き手を離してしまった。  
「ごめん。もう良いから、泡を流して湯船に入れ。」  
「でも・・・」  
「いいから。それとも・・・この場で俺にもう一度、抱かれたいんか?」  
「え!」  
「このままお前が俺自身を洗い続けとると、俺はお前が欲しくて溜まらなくなる」  
と言って達彦は桜子の片手を引き自分の所に抱き寄せると、桜子の唇にあらあらしく  
唇を重ね口内を掻き回しながら、もう片方の手で桜子の秘所に手を這わせ掻き混ぜ  
体制を替え、達彦は桜子の中に自分自身を挿れた。  
突然、何の前触れもなく達彦に挿れられた桜子は、「あっ」と声を発すると同時に  
一瞬目を大きく見開くと倒れ落ちた。  
倒れ落ちる桜子を抱きとめると、達彦は欲望を満たすかの様に桜子を求めた。  
「はぁはぁ・・・達彦さん」  
「桜子。」  
達彦は桜子の口を自分の唇で塞ぎ桜子を激しく突いた。  
桜子の頭の中は、既に真っ白でただ、達彦から受ける得体も知れぬ快楽の恐怖に  
襲われていた。  
 
「桜子、イクよ」  
と言って達彦は、風呂場の床に桜子を寝かすと振る腰を早め、桜子の中に再び  
精を注ぎこんだ。  
桜子の中に精を全て注ぎこむと、少しの間動かず桜子と一つになったまま  
抱き締めた後、桜子の体内から自分自身を静かに抜くと、達彦は桜子を静かに抱き  
起こし達彦の膝の上にのせられた。  
「桜子、ごめんな。こんな場所でお前を抱いてしまって。お前に嫌われてしまうな。」  
「達彦。達彦さんを嫌いになんてなれんよ。嫌いになる所か益々好きになっとる。」  
「こんな事をしてもか?」  
「私は、達彦さんのもんだで。達彦さんがすることなら、何でも受け入れるで」  
「桜子。お前は・・・俺の心を掴ん離さんな」  
「達彦さんだって。達彦さんが好き。好きで好きでたまらん。」  
「桜子。俺もお前が好きだ。愛しとる。」  
「私も、愛しとる」  
「桜子、また汚してしまったな。お湯で洗い流して、一緒に湯船に入って、寝よう。」  
「うん」  
達彦は、立ち上がり桜子にお湯を掛けてやった。  
「桜子、湯船に入り」  
「うん」  
「立てるか?」  
「うん。大丈夫。」  
と言って桜子はゆっくり立ち上がり湯船に入った。  
達彦もお湯を掛け汚れを落とすと、風呂場の電気を点けた。  
「達彦さん。」  
「真っ暗だと危ないだら」と言って達彦も桜子を後ろから抱き締めるかたちで  
湯船につかった。  
「こうやって、ゆっくり二人で湯船につかるのも良いな。」  
「うん」  
「明日から一緒に風呂に入るか?」  
「達彦さん。」  
「嫌か?」  
「嫌じゃないけど、時々ならいいよ。」  
と言って桜子は、達彦の唇に軽く口付けを交わし見つめ合っていると  
達彦が、人差し指で自分が桜子の体に付けた無数の赤い所有の証をなぞった。  
「ごめんな。こんなに沢山、お前の体に付けてしまったな。」  
「うんん。私の体に付いている赤い印は、私が達彦さんのもんだと言う証だで  
この証を見る度に、私は、達彦さんに守られとるんだ。私の側にずーと居るんだ  
愛された証なんだと思うと嬉しくて、幸せな気持ちになれる。」  
「桜子ばかり幸せな気持ちになれてずるいな。俺の胸にもお前の所有の証を  
付けてくれるか?」  
「達彦さん。」  
桜子は、達彦の胸に強く口付けをし、一つ赤い証を付けた。  
「もっとだ。もっと付けてくれ」  
桜子は、達彦の胸に数箇所赤い証を付けると、達彦は、それを指でなぞった。  
「このし証が消えた頃、また一緒に風呂に入ることにしよう。」  
「うん。」  
 
終わりです。  
 

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