目の前のナイル川の流れに目をやりながらポルナレフは吐き捨てた。  
「あのくそビッチ!」  
天国と地獄を往復させられ苦悶し、のたうちまわった悪夢の夜。  
 
―犯す。  
何度でも。  
最も屈辱的な形でだ。  
あの白い細腕に唾を吐き、柔らかな太ももを足蹴にし、たわむ胸を爪を立てて揉みしだき、犯す。  
貝のネックレスが彩る首を締めあげ、むき出しの腹を蹴りあげ、くびれた腰をおさえつけて犯す。  
気の強さを如実にあらわす整ったあの綺麗な顔を白濁液で見る影もないほど汚してやる。  
ポルナレフは復讐に燃えてここにやってきた。  
ここ、ナイル川にはかつて彼が封印したものが眠っているのだ。  
―露出が趣味ならばいっそ服を切り刻みすっ裸のまま公衆の前に引きずり出して、犯してやる  
 
ポルナレフのスタンドの目は川底に沈む何かを見つけていた。  
―男を舐めきった傲慢な表情が恐怖に歪む様を、  
下半身を突き刺すような妖艶な音色のあの声が許しを乞う様を  
白く輝く美体が怯えて震える様を  
早く見たい―  
チャリオッツが拾いあげて来たものを手にしてポルナレフはほくそえんだ。  
「シルバーチャリオッツ、+アヌビス神ッ!」  
あの日以来何度となく想像してきた、ついにその機会がくる。  
踏みにじり、犯し尽くすその時が。  
ポルナレフはカイロの空港へと急いだ。  
日本へと旅立つために。  
 
 
「ここ、座ってもいいかしら?」  
一つにまとめた美しい髪をなびかせ、美貌に笑みを浮かべながら  
その女、ミドラーは承太郎の隣のイスに手をかけた。  
フレンチをきかせた爪はラメが薄暗いなかにも光る。  
「やかましい、あっち行け」  
承太郎はあくまでそっけなくグラスの飲み物を口に含んだ。  
その寒そうな格好の女はくじける様子もなく隣の隣のイスをひいて腰掛けた。  
胸飾りを付けただけの胸はたわわに揺れ、  
そして挑発的な視線を送るが承太郎は目もくれない。  
「あのコが彼女、なの?」  
「ウットーしいんだよ このアマ!」  
目深に帽子をかぶる承太郎。  
女医がいなくなったのを見計らったように登場したこの女に警戒の色を強めたようだ。  
「随分年齢差あるんじゃない?承太郎…」  
「てめー、オレの名前が承太郎だと、なぜわかった?」  
「あら、さっきのコが呼んでたじゃない?」  
大きく自己主張するように胸をたわませ、承太郎に向き直るミドラー。  
「ねぇ…」  
DJのマイク、絶え間なく響くアップテンポのBGMがミドラーの声をさえぎる。  
ミドラーは胸の下で両手を組んだ。  
形の良い胸が強調されるが承太郎は見向きもせず正面を見つめている。  
フレグランスの芳香が承太郎を刺激する。  
「ねぇ…ここじゃ落ち着いて話ができないわね」  
「なんだと?」  
「あたし…承太郎のことをもっと知りたいわ」  
「何の話だ」  
「どこか静かなところへいかない?」  
「てめーいい加減にッ」  
「二人っきりになりたいわ…」  
「ふんッ…」  
しばらくの沈黙。  
やかましくBGMが鳴り響く。  
時間にして十数秒の間があった後  
帽子をあらためてかぶりなおし、承太郎はイスから腰をあげた。  
「うれしい♪」  
無邪気な声をあげて承太郎に細い腕を絡みつかせたミドラー。  
さりげなくその承太郎の腕に胸をおもいきり押し付けながら。  
「お待たせ、JOJO…って、あれ?」  
女医が用を済ませて戻って来たとき、そこには承太郎の姿はなかった。  
明るいところでみるその女はひときわ美しい。  
モデル並みのグラマラスなスタイルと美貌、  
豊満な胸の谷間もあらわに、細くくびれた華奢な腰まわりや  
まぶしい太もももむき出しのその姿。  
被覆率が極めて少ないわりに装飾品は数多く  
その美体を彩っている。  
だが承太郎はポケットに手を突っ込んだままで硬い表情を崩さない。  
「ふふっ、踊らない?」  
ウ゛ェールの奥の美しい唇から出る声はややハスキーだ。  
しなやかに細腕を伸ばすミドラー。  
スラリと伸びた長く肉感的な足でリズムが刻まれ、  
首筋に華を添える貝殻をあしらったネックレスがチリチリとなり  
豊かな胸の膨らみはそれに合わせて大きく弾む。  
その淫靡な光景にも承太郎は動揺することなくウ゛ェールと頭布の間からのぞく  
ミドラーの目を無言のままじっと見続ける。  
彼女は視線を受け止めながら椅子に腰掛け  
脚線の美しさをたっぷりと見せ付けるように真っ白い脚を組んだ。  
「んッ……」  
 
足首にはアンクレットが青白く光り、足の指には金色のペディキュアが明かりを反射する。  
そんな姿ながら大事なところだけは黄色い薄布で隠されている。  
そして承太郎を挑発的な視線で刺す。  
「ふふっ……」  
「……」  
狂い咲いた花のような香りがさきほどのフロアとうって変わって静まり返っている部屋に満ちている。  
ミドラーは間近に立つと口元のウ゛ェールをめくりあげて湿った唇で承太郎に合わせた。  
「んッ……」  
整った顔立ちを静かに見据え口付けを受ける承太郎。  
ミドラーは静かに体を沈ませていった。  
ベルトのバックルに手がかかる。  
豊満な肢体とは裏腹な力を込めて握れば壊れてしまいそうなほどの華奢な肩を  
見つめながら承太郎はされるがままに任せていた。  
すでに剛直にそそり立つ承太郎。  
「あら…なかなかじゃないの…ふふっ」  
膝立ちのミドラーは長く伸びた爪で口元のウ゛ェールを上げて、舌を伸ばす。  
先端を軽く舐めて意地悪く上目遣いの視線を投げかけて挑発する。  
「キモチよくしてほしいんでしょ?承太郎…」  
承太郎はあくまでクールだ。  
「ふん、いやなことだな  
逆に意地を張ってなにがなんでも気持ちよくなりたくなくなったぜ」  
「ふふっ…強がっちゃって…」  
承太郎を口に含んで包皮を舌で前後する。  
唾液をたっぷり含ませた後、さらに先に軽く歯をあてる。  
喘ぎながら熱く甘い吐息をもらすミドラー。  
視線は絶えず上目遣いで承太郎を見やり、挑戦的に射抜く。  
承太郎は帽子に手をやった。  
「どうした?気持ちよくさせてくれるんじゃないのか?」  
剛直に屹立するが射精の気配はない。  
(なかなか…我慢強いわねぇ……)  
さらに舌を落としていき裏まで責め立てるが状況は変わらない。  
ミドラーの真っ白い頬はわずかに紅くなり、焦りを感じ始めた。  
「ふふっ……」  
内心の動揺を悟られないように勝気な笑みは崩さないままで  
責め方を変えた。  
それを剥き出しの胸の谷間に挟み込む。  
肩を寄せてグッとそれに力を込める。  
そして体をゆっくりと上下に揺らし始めた。  
しかしそれでもいつの間に火を点けたのか承太郎はタバコをふかしている。  
ミドラーは胸に収まりきらない先を口で強く吸いたてた。  
並みの男ならぶちまけているその責めにも承太郎には通じず  
怒張してはいるものの、全く射精する素振りはない。  
胸をさらに寄せて擦りあげるように責めるが先を口の中で転がすように濃厚に責めるも  
全く感じる様子もないまま不審な顔をミドラーに向けた。  
「くわえたままですまねえが質問させてくれ どうしてさっき承太郎と呼んだんだ?  
なあ 答えてくれ 子供のころ『刑事コロンボ』が好きだったせいか細かいことが気になると  
夜も眠れねえ」  
ミドラーは興ざめたように柳眉をしかめながら唇を離した。  
こんなときにそんなどうでもいいことを、という表情だ。  
しかし、気を取り直して承太郎を乳肉であらためてきつく締め上げ、  
そして先端に軽く息を吹きかけた。  
「だからさっき言ったじゃない…あの女が…」  
「ふん…あの女はオレのことをJOJO、と呼ぶんだぜ」  
「はっ……!」  
「とぼけてんじゃねえ それにその声、  
…女教皇のミドラー、だったな、もうバレてんだよ  
また女医を危険な目にあわすわけにはいかねーからな  
挑発に乗ってやったぜ」  
 
ミドラーは妖艶に微笑んだ。  
「野暮はいいっこなしよ…まずは楽しみましょ?ふふっ…」  
多少計算が狂ったことは否定できないがそれでも  
まだ想定内の出来事だ。  
己の肉体を使って骨抜きにしてやれば承太郎を殺るチャンスは出てくる。  
所詮はウブな小僧だ、と。  
やさしく撫でつけ舌を這わし、かと思えば冷たく切って捨てるように  
粗末に扱い罵倒する。  
焦らして我慢させてから、立て続けに発射させる。  
自由自在にいたぶってやろうとミドラーは被虐の表情を浮かべた。  
なんといっても自分の崇拝者を灰として消し去り、  
そして自分に地獄の激痛をもたらした忌むべき悪魔であるとともに  
そのクールな表情はたまらなく自分の好みのタイプだという複雑な因縁の相手だからだ。  
「野郎…面白くなってきたぜ…!」  
「ふふっ……」  
ドーン!!  
「!?」  
ひざまずいて承太郎を咥えていたはずのミドラーは突如ベッドの上に寝転がされていた。  
(今のが…「世界」……?だと言うの…!?  
時を止めた、と言うのッ!?  
そういえばDIO様も時を止めて階段を登ってくる人を下に下ろす  
練習をしていたわ…  
まさかあたしも同じように時を止められた間に動かされた、と言うのッ!?)  
動揺収まらないミドラー。  
それを見透かしたかのように承太郎はスタンドを出した。  
「見えたか? 気づいたか? これが悪霊だ」  
スタープラチナはミドラーの長い足を持ち上げた。  
「!?」  
「あぁ…いきなり、そんな…ぁ」  
媚を含んだ湿った声をあげて時間を稼ぐ。  
「いきなり…?  
いきなりと言ったのか?  
この先はベッドでと言ったはずだぜ…  
なにかに夢中になりすぎて聞こえなかったのとちがうか…?  
ミドラーさんよ…」  
承太郎は涼しい顔でミドラーの細い腰を抱き黄色い腰布をめくりあげた。  
青い小さな下着を膝までずり下ろす。  
雪のような白い肌とは対照的にたっぷりと水分を含んだ艶めく肉壁におもむろに押し込んだ。  
「いくぜ、おい!  
オラオラオラオラオラ!オラァ!」  
ミドラーを責め立て突きまくる承太郎。  
スタンドさながらの破壊力がある。  
「っ!!!はぁッ!!」  
ミドラーはたまらずに小さく悲鳴をあげた。  
 
承太郎の首筋に手を回し首の後ろで手をつないだ。  
鋭い爪を立てて力を込めたため承太郎の首後ろの薄皮が破け血が滲む。  
しかしまだ妖艶な笑みを浮かべるミドラーにはだいぶ余裕がある。  
中では温かく、そしてうねるように承太郎に絡みつくミドラー。  
たしかに瞬発力がありパワーもある。  
しかしミドラーが迎え撃てないほどではない、とみた。  
「あー…ぁ…いいわぁ…承太郎、もっとぉ…」  
貪るような嬌声すらあげる余裕がある。  
「うふふ…それとも少し休憩する?」  
挑発して消耗を早める手でもある。  
しかし承太郎は帽子に手を当てた。  
「やーれやれだぜ、休憩する必要はないな  
お前があと一回呼吸するうちに終わる」  
「あっハッハッハッ…」  
ミドラーが何をバカなことをというような勝ち誇った笑いとともに  
息を吐き出し、そして吸い込んだその刹那。  
「スタープラチナ、ザ・ワールド! 時は止まる」  
激しく、そして執拗に一点を突きまくる承太郎。  
ミドラーは凍りついたように同じ表情、同じ態勢のまま  
微動だにしない。  
彼女に限らず周囲のすべてのものが動きを止めた。  
動いているのはただ一つ、承太郎の腰だけだ。  
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラ  
オラァ!!  
そして、時は動き出す」  
「きゃ!…きゃひぃんっ!?  
んくぁああっ…」  
時を止めているときに注がれる快楽のすべてが  
時が動き始めたときに一気に爆発した。  
年下の承太郎をからかうようなミドラーの余裕の笑みは姿を消し  
淫らに顔をゆがめ弓なりに背をまげて快感に溺れる姿がそこにあった。  
「はぁぁああっ…ぁぁああっ…ぁっ…」  
全身が快感を貫き悶えるミドラーに冷たく言い放つ承太郎。  
「安心しな、手加減してある」  
そそり立つモノを射精す前に引き抜いた。  
「ダメぇ…抜かないでぇえ…」  
残酷な仕打ちに悶えるミドラー。  
「もうてめーにはなにもいうことはねえ…スター…!」  
 
スタープラチナはミドラーの青い胸当ての上から正確に乳首を摘まみあげた。  
至近距離からの弾丸すら指で捉えるほどの精密さを持つそのスタンドにとって  
その程度はたやすい。  
そして痛いほど硬直するその部分を軽く、あくまで柔らかく刺激を加える。  
「あふぅっ!?…あぁっ……あ……」  
「オラァッ!」  
さらに承太郎が適度な強さでひねりあげるとミドラーは甘い吐息を漏らさずにはいられない。  
カチカチに硬直するその性感帯を刺激され、恍惚の表情をうかべながら喘ぐミドラー。  
「あああ!あぁぁあ…」  
ドギャーーーーン!!  
承太郎はさらに唇を硬く張り詰めた乳首に近づけ飾りの上から軽く噛んだ。  
「んくっ…んふぅっ……あああぁっ!!」  
痺れるような甘い痛みに下半身が熱を帯びて承太郎を求めている。  
両手をスタープラチナに押さえ込まれていなければ、  
承太郎が例えみていようと自慰行為に耽るところだろう。  
凄まじい快感に貫かれ、卑猥な声をあげてよがり喘ぐミドラー。  
「ひぃっ…きひぃぃぃぃいっ……」  
「行くぜ、おいッ!」  
思い切り乳首を捻りあげられ、のけぞるように体を躍らせ  
のたうつミドラーはすでに正気をほとんど失っていた。  
その瞳はすでにいつもの気の強さをあらわす輝きは息を潜め  
潤んで媚を売るようなものに変わっている。  
さらにそこを指で握り潰すかのように力を込めた。  
「きっ…きひいいいッ!!  
体が疼く…疼くのぉお!  
お願いぃい!」  
快楽を求めて小刻みに体を震わせながら哀願するミドラー。  
煮えるような欲望が体を焼き、  
その視線はすでに承太郎の体の一点しか見ていない。  
必死で体をくねらせるが彼女の華奢な体を押さえ込むスタープラチナはびくともしない。  
乳房だけが重たく揺れ、星の胸飾りが青く光る。  
そして内股を締め付けるようにしてもどかしく刺激を求める。  
「お願いぃ…イジワルしないでぇえ…もうダメなのぉっ!  
…承太郎ォっ!お前のォっ…」  
承太郎はとぼけたように耳に手を当てた。  
「おまえ?」  
「あ……あ…」  
わずかに残ったプライドを熱い欲望が葬り去った。  
「あなた様のぉっ…熱い、熱っいオチンチン挿れてぇえええっ!!」  
承太郎は再び黄色い腰布をめくり上げた。  
ミドラーが下に付けている下着は焦燥しきってじっとりと湿っている。  
「やれやれだぜ…」  
ゆっくりと承太郎は押し込んだ。  
ミドラーは長い脚を承太郎に絡みつけ、もう離さないとばかりに力を込める。  
すべすべした太ももの肌触りが承太郎に降りかかる。  
「スタープラチナ・ザ・ワールド!」  
湿った温もりと女の色香で充満する部屋が再び凍りつく。  
壁にかかる時計の針は仕事を休み、冷蔵庫は低いモーター音を途切れさせた。  
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!!  
そして時は動き出す」  
「はふぅぅぅううっ!はううううっ!!」  
ミドラーの敏感すぎる柔肉から膣、その奥の子宮に至るまで快楽が嬲る。  
承太郎が数秒に渡って激しく突きまくったその力が  
一気に襲い掛かるその瞬間、電流に打たれたような感覚がミドラーを包む。  
が、時が動き出すそのときには動きがすでに止まっていて絶頂に登りつめるには至らない。  
衝撃と刹那の快楽、そして寸前のところで満たされない欲望に拷問同然の焦らされているミドラーは打ち震えた。  
目は潤み、両耳はこれ以上ないくらい充血した赤さを呈していた。  
焦らされ弄ばれる感覚についにミドラーは自分で腰を振りはじめた。  
 
が、冷酷にも承太郎は再び引き抜く。  
ミドラーは黄色い頭布を振り乱し胸をブルブルと震わせて悶え狂い泣き叫んだ。  
「お願いぃいいっ!欲しいのっ、欲しいのぉおっ!!  
もう我慢できないいいいぃいいっ!!狂っちゃうぅうううっ!!」  
実際時を止めずに承太郎が二突きもすれば  
ミドラーは獣のような声を上げて愛液を撒き散らしながら  
絶頂に達するだろう。  
が承太郎は息も絶え絶えの白い肌と紅潮した頬というコントラストを描く  
ミドラーを冷ややかに見つめるだけだ。  
すがるような情けない視線をおくるミドラー。  
ミドラーの秘所の奥の奥は火をつけられたかのように熱くなっている。  
「ひどいぃ…ひっ…ひどいいいいっ…!!」  
「いいや、慈悲深いぜ…発狂させないだけな」  
悶絶するミドラーの腰布を承太郎は再びめくった。  
体を痙攣させながらミドラーは腰をふって承太郎を求める。  
胸当てからはっきりと乳首がうきあがるバストは汗を噴きながら激しくたわむ。  
「イカせてぇ、気持ちよくしてぇええっ!!」  
「やれやれ…流星指刺ッ!」  
スタープラチナは正確、精密にミドラーの秘所の一番奥にある  
肉襞に隠れたクリトリスを指で的確に突いた。  
「くう、くううううううっーーーー!!!!」  
わずか数回でも揉みしだかれれば腰が抜けるほど  
昇天するだろうがわずか一突きではさすがにイけずに、  
ミドラーは荒い息を吐きながら一瞬の快楽に切なく悶え狂い蕩かされる。  
「イカせる気はないのッ!ないのねッ!?  
こ、このまま生殺しで弄ぶ、そう考えているのねッ!?」  
「ちがうね、おれが考えていたのはてめーが気持ちよくなりすぎた時  
小便ちびられたら間近だからキタネねーなってことだけさ、ミドラー」  
裏社会でもその名が高い暗殺者として知られる普段の彼女からは  
およそ想像もつかない姿がそこにある。  
超能力をもつ彼女にターゲットとして狙われたら最後、あるものは  
切り裂かれ、またあるものは噛み砕かれ無残な最期を遂げる。  
防御能力も高く刃物はおろか弾丸、さらにはダンプカーですら  
「ダイヤモンドの奥歯」と称される鉄壁の防御に阻まれ  
彼女の体には到達できない。  
暗黒街でもその名の高い超能力者は増殖し続ける官能的な悦楽に身悶えるのみだ。  
「お願いしますっ!お願いしますぅっ!!  
あああっ!お、おかしくなっちゃうぅううッ!  
なん…なん、でも、す、するから、いイカせて、イカせてぇええええっ!!!」  
「やかましいッ うっとおしいぞォ!」  
ミドラーは承太郎の機嫌を損ねないように口を閉じるものの、  
呼吸は荒く、目は血走ったまま、生唾を飲み下し承太郎の下半身を物欲しげに眺めている。  
焦らされきった秘所は絶え間なく脈打つ。  
濡れぼそり光る。  
「っ……ッ……!」  
シミひとつない太ももを必死で震わせて、わずかでも快楽を得ようとする。  
「お前が狂うのが先か、イクのが先か、  
どちらが早いか試してみようぜ、というヤツだぜ」  
承太郎はミドラーの膝に口をつけ、そして舌で舐める。  
狂おしいほどに甘美に求めるミドラーはそれだけでも全身に鳥肌が立つ。  
さらに女肉を味わうようにゆっくりと太ももに舌を這わせる承太郎。  
苦悶に呻きつつも小刻みに体を震わせ続けているミドラーは  
承太郎の舌の動きにかすかな安堵を浮かべた。  
こすり合わせるためにピッタリ閉じられていた太ももを  
少しずつ開き承太郎の舌を迎え入れる準備を始めた。  
ミドラー自身も少しづつ口を開く。  
真っ赤なそこからは我慢を強いられ続けたために発生する白く濁った  
甘い蜜が泉からトロトロと流れ落ちる。  
承太郎の舌は内ももへと侵入しながら上を目指してゆっくりと  
しかし確実に突き進んでいった。  
 
ペチョッ…クチュっ…  
ミドラーは承太郎を怒らせることがないように  
口を引き結んで今にも漏れそうになる歓喜の咆哮を飲み下していた。  
「ッ……っ……っ!! ッ!!」  
ついに舌は媚肉の入り口部分にまで到達した。  
早く来て、と言わんばかりに腰を振るミドラー。  
中までは侵入せずその周囲を舐めしゃぶる承太郎。  
媚汁は絶え間なく流れ落ち、舌の侵入を、今か今かと待ちわびている。  
「はっ……早くぅううっ…」  
耐え切れず苦しげに呻くミドラーを冷めた目で見つめて舌を離す。  
「それじゃあてめーは地獄の底で悶えてな!」  
ビシッと指を指す承太郎。  
ミドラーはなにかがキレた。  
「触ってぇえええええッ!はぁああっ…はぁあああああっ…かきまわしてぇええええッ!!」  
発狂寸前に追い込まれ、耐え難く焦らしぬかれたミドラーはわずかに  
残った理性とプライドを完全に消し去り泣き喚いた。  
押さえ込まれた両腕をなんとかほどこうと必死で暴れ、  
ボリュームのある胸は激しく暴れ、腰を淫らに振り、下の口からは粘液を撒き散らす。  
喘ぎ、呻き、熱い吐息、そして絶叫が交互に果てしなく響く。  
絶え間ない刺激と、絶頂寸前まで連れて行かれ  
そこからの急降下を味わいつくしたミドラーは凄惨な表情を浮かべてよがっている。  
「二度とオレを狙わないと、誓うか?」  
「誓うぅうううっッ!誓いますぅぅぅううううッ!!」  
「オオオオオオオオッ!!  
オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ  
オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ  
オラオラオラオラオラオラオラオラオラッ!!!」  
中が焼かれるように熱くなる。  
「ぁああああぁあ…ぁああああッ!  
承太郎ッ!承太郎ぅううううッ!!」  
埋め込まれ、突き上げられ痛いほど仰け反り返り  
呼吸をすることすら忘れたまま、  
絶頂に達したときは彼女はすでにその意識を失っていた。  
ミドラーが夜中に目を覚ましたとき承太郎はすぐに気がついて体を起こした。  
「おい、どこへ行く気だ?」  
ミドラーは気だるげに起き上がりシャワーを浴びるべく浴室に向かった。  
「あたし…行くところがあるから」  
「……」  
熱いシャワーで甘い記憶と切ない疼きを流す。  
「…スタンド使いは惹かれあう…か」  
 
 
ステージはゲージで覆われ観客が乱入できないようになっている。  
つめかけた満員の観客がすでに見世物が始まるまえからどよめいている。  
そして極上の美女の登場とともに観客は総立ちになった。  
胸に貼り付けるタイプのブラは星型でかなり小さく乳肉を半分以上露出させ、  
腰からは黄色い布を垂らしただけでムチムチとした肉感的な  
太ももの柔らかい曲線の長い美脚を見せ付け、  
腹部には何もつけずくびれた腰を無防備にさらけ出す。  
四方八方から彼女の肢体に欲情しきった男達のいやらしい視線が注がれる。  
熱狂的な雰囲気に包まれすでに会場のボルテージは最高潮だ。  
ほとんど全員が彼女の白い肌に痛いほど屹立させ昂ぶらせている。  
「たまんねぇなー女あー!」  
「見られて興奮してんのか、こら!」  
「いい乳してやがる!」  
欲情しきった視線があらゆる角度から突き刺さり無遠慮な野次が絶え間ない。  
その彼女―ミドラーの頭髪をまとめ背中から腰まで垂れる黄色い布がスポットライトの光を  
受けて光を振りまき、そこからのびる星をかたどった髪飾りが力なく揺れている。  
「騒がしいわねぇッ!」  
凄腕で知られる女スタンド使いはかけらほども動揺する気配はなく  
整った顔立ちに冷笑を浮かべて観客達を一通り見渡した。  
そしてフロアの異様な興奮状態、逃げ場のないゲージファイトという決戦の場、  
男を誘うような淫らな衣装に注がれる熱い視線にも下卑た怒号にも全く動じることなく悠然と受け流す。  
並の女なら羞恥と恐怖で背を丸め身を縮めてしゃがみこんで泣き出すところだろう。  
が、一般人の間では神出鬼没の暗殺者として知られ、  
スタンド使いの間でも、近接戦闘はおろか遠距離操作でも屈指のパワーを持つと謳われた  
彼女はむしろそんな異様な狂騒をむしろ楽しんですらいる。  
「まさか、あんただったとはねぇ…」  
素っ気無く言い放つミドラー。  
「ワハハハハハハ」  
壊れたように馬鹿笑いを放つ。  
濡れて潤んだ視線を送るミドラーを意に介さず見返すポルナレフ。  
その目には彼本来の明るい快活な光はなく半眼で、片手には刀身のおれた刀の柄が握られている。  
「覚悟できてるんだろうねぇ?」  
ステップを踏み始めるミドラー。  
豊かな乳肉をみせつけるように上下に波打たせる。  
腰布が振幅しながらそよぎ、頂に星型の飾りをつけただけの豊乳は音が鳴りそうなほど弾み観客を煽る。  
ミドラーは素早くポルナレフに接近するなり体を反転させて一瞬宙に浮き上がった。  
上質のシルクでできた腰布が、頭布がその跳躍に伴い、たなびく。  
目の前で彼女のTバックに到底納まりきらない尻をまともに見せ付けられ硬直するポルナレフ。  
その隙を見逃さずポルナレフの頭部に長く美しい脚で蹴りを繰り出す。  
「やぁッ!」  
トパージュをあしらった青いアンクレットが鳴り  
硬いサンダルを叩き込まれてひるむポルナレフに追撃を緩めず「女教皇」の鋭い爪で切り裂いた。  
ポルナレフは瞬時に体を引いて危うく直撃は避けられたが浅く斬られて衝撃で吹っ飛ぶ。  
体制を立て直し、呼吸を整えようとするポルナレフを  
ミドラーは今度はしなやかに舞うように「女教皇」を水中銃に変えて攻撃する。  
ポルナレフは「銀の戦車」で危うく払い落とす。  
ミドラーは美貌に高慢な笑みを浮かべて腰に手を当てた。  
そして悪戯っぽく蕩かすように笑った。  
「ふふっ…踊らない?」  
ぐっ…と上半身を前傾させると頭布がふわりと動き  
ほとんど剥き出しにあふれ出す乳肉が波打つ。  
会場の熱気と興奮は加速度的に増大し  
悩ましげな肢体は目の前のポルナレフだけでなく会場の数千の観客をも挑発する。  
そこにいる全員がこの生意気な女狐を想像の中で上から下まで嘗め回し  
およそ考えられる限りの陵辱を尽くし泣き喚くほど犯しぬいていた。  
全身に突き刺さる脂ぎった視線や浴びせかけられる野次などものともせず  
ポルナレフに向けておもむろに近づいた。  
 
「食らいなぁッ!」  
空中に巨大なカミソリが現れるとそれはポルナレフめがけて飛んでいった。  
ポルナレフは冷静にアヌビスで受け止めるとそれを弾き飛ばした。  
「今ので…覚えたァッ!!」  
スタンドが弾き飛ばされたのにあわせてミドラーも弾けとび尻餅をついた。  
腰布がめくりあがり極小の青い下着が観客に晒される。  
野獣の猛るような咆哮がわきあがったがミドラーは気にも留めず  
素早くたちあがって態勢を立て直した。  
「絶っ対に…負けないッ!!」  
ポルナレフは二刀流でラッシュを繰り出してきた。  
ミドラーは「女教皇」で壁を作りあげて攻撃を防ぐ。  
防ぎきってはいるがそのパワーにじわじわ後退していくミドラー。  
ポルナレフはさらにゲージを背負った本体に近づくなりおもむろに腹部を  
蹴り上げた。  
「ぐはぁっぁっ!」  
ゲージに叩きつけられよろめくミドラー。  
黄色い頭布で隠された背中は観客の目からは見えないが  
痛々しく赤く腫れあがっている。  
ミドラーは気を取り直して回り込んで距離をとる。  
「残念だけど…死んでもらうわッ!」  
華麗に腕を突き出すとポルナレフの立つ地面から車がとびだした。  
風圧で腰布がめくりあがりその中の青い下着が遠慮のない視線に晒される。  
ポルナレフは「銀の戦車」を出して弾き飛ばす。  
それからミドラーはあまりに無防備すぎるほど優雅にポルナレフに向け歩みを進めた。  
腰布が歩みに合わせて軽やかに踊り濃厚な色気がかもし出される。  
突如空中に巨大なハサミがうなった。  
ポルナレフはそれを「戦車」で迎え撃ったが、その隙にミドラーはポルナレフに接近し  
強烈な蹴りを見舞う。  
が、ポルナレフはもう一つの武器、アヌビスで脚をミドラーの脚をはらうと  
彼女の頭布を掴んだ。  
「とっておきのダメ押しというやつだッ!」  
「銀の戦車」が剣をかまえると  
ミドラーめがけて突きまくった。  
「ウッシャァァァーー!」  
ミドラーは勢いよく弾けとび、頭布はポルナレフの手の内に残り髪が乱れ自由になった。  
「!?」  
あれほど激しく突かれたというのに陶器のような肌には痛みはおろか傷一つついていない。  
「ハッ!」  
ハラリ、と切り刻まれた小さな布切れがステージに飛び散っている。  
あわててミドラーは両手を胸の前で交差させた。  
豊満過ぎる胸をかろうじて隠していたギラギラと青く光る星型の飾りが切り刻まれて床に落ちる。  
ポルナレフはとりつかれたように笑い、片手におさまっている先ほどまでミドラーの  
頭髪をまとめる役割を果たしていた頭布を「銀の戦車」で切り裂いた。  
「フッフッフッフッ…なかなか鋭い蹴りだったが…  
もう覚えたッ!」  
口布で隠されていた真っ赤なルージュが彩る厚めの唇、  
そして白い肌に紫がかった腰までの長い髪が流れ落ちる。  
ざんばらになった髪が艶かしさを醸し出している。  
ミドラーの細腕ではその見事なバストを覆い隠すことなど  
到底かなわず、かろうじて先端の突起をカバーするに過ぎない。  
相手がひるんだと見たポルナレフは「銀の戦車」の剣先を突き出した。  
するとその先端部分がミドラーに突如向かってきた。  
ポルナレフの奥の手だ。  
反射的にかわして左手でかろうじて胸を抑えながら右手を突き出した。  
「ハイプリエステス!」  
「女教皇」は巨大な歯を持つ人の顔へと変わった。  
数ある変化のバリエーションのなかでも最強の破壊力をもつのがこれだ。  
大口を開けてポルナレフを飲み込もうとしたその瞬間。  
「ぐえッ!?」  
ミドラーの後頭部をなにかが襲った。  
 
激しい衝撃に目の前に火花が散り思わずよろめき震える脚で踏みとどまる。  
先ほど飛ばされた剣針だ。  
刺さる角度ではなかったものの、突然鉄の塊に頭部を直撃された衝撃は  
予想外に強くふらふらとうつぶせに倒れこんだ。  
失神してもおかしくない一撃だったが、ミドラーは意識だけは失うまいと、耐えた。  
ひんやりとした床の冷たさがむきだしの肌を襲う。  
「ぐぅっ!」  
乱れた頭髪の上から頭を軽く踏みつけるポルナレフ。  
徐々に体重を乗せていく。  
「うっくっ…うううっ……」  
「やったッ!勝ったッ!しとめたぁッ!」  
傲慢で挑発的な美女が足蹴にされ呻く姿に観客達はますますヒートアップしていく。  
「犯せぇえっ!犯してやれぇえっ!」  
「どうした女ぁっ!?それで終わりかぁっ!?」  
ゲージにふれることができるほどかぶりついている観客たちはギラついた視線と  
欲望丸出しの下品な野次を飛ばす。  
「はっ…」  
「んん〜!?」  
ミドラーの苦しげな声にポルナレフは勝ち誇った勝者の笑みを浮かべた。  
「ハイプリっ…」  
空中に鉄骨が現れポルナレフめがけて降下した。  
「うおッ!?」  
慌ててバックステップしてかわすポルナレフ。  
ミドラーは左手を鉄骨にかけて右手でユサユサと重く揺れ動く胸をおさえながら  
ヨロヨロと立ち上がる。  
髪は乱れ、ほつれ幾筋かが汗で額にはりつき苦しげに呼吸を乱して目を潤ませている。  
異様な興奮、そして更なる期待とが観客席に渦巻く。  
観客達は彼女のその手を払いのけかぶりつき  
襲い掛かり、揉みしだき、吸い付き蹂躙する妄想を楽しんでいた。  
足元がふらつくミドラーにポルナレフは「銀の戦車」で一気に切り込んだ。  
「絶ーっ対に…負けんのだァァァァァーー!!」  
振り乱した髪が視界を塞いだため顔を振って髪をどかしミドラーは斬撃を間一髪でかわす。  
玉の汗がミドラーのくびれたウェストラインから飛び散る。  
「ぐっ……」  
左手で胸を押さえたまま右手を股間に落とした。  
腰布、そしてその下着の紐まで切り裂かれ  
その二つがハラハラとたなびきながら床に落ちた。  
ポルナレフはそれをつまみあげた。  
「ウッシャーーーァッ!!」  
「銀の戦車」でバラバラに切り刻んだ。  
光沢を放つ上質なシルクでできた腰布も  
小さな青い下着もただの布切れと化した。  
会場のテンションはひときわ高くなってきた。  
ミドラーの後ろに席を取る観客達は豊かで張りのある極上の尻、  
乳白色の滑らかな肌を目に焼き付けようと汗で光る肢体に注がれる。  
尻はただでさえ肉付き豊かでただ立っているだけでも  
まるで突き出されているかのように、男にせがんでいるかのようにそびえる。  
また彼女を前から見る位置にいる観客たちは彼女の手で隠された部分をなんとか見ようと  
撫で回すような視線を浴びせかける。  
「手をどけやがれぇ!!」  
「メス犬ぅ!見せろ!またひろげておマンコ見せろぉおっ!!」  
 
肌を露出することには抵抗がないミドラーではあるが  
それでも露出狂というわけではない。  
セクシーで際どい衣装はむしろどんな男が襲ってきても  
退けられるという自信、そして自分の美への圧倒的な自信からくるものだ。  
そこには強い誇りこそあり圧倒的なスタンドの強さと  
完璧な美しさを兼ね備えた自分への感嘆と崇拝の視線を浴びるのは快感ですらある。  
しかし今のように全裸に剥かれ晒し者にされ、  
欲情しきった視線を全身にまとわりつかれ這わされる羞恥と屈辱には耐え切れず  
下唇を軽く噛み、頬は微かに震えていた。  
剥きだしの胸と股間を両手で押さえながらジリジリと後退するミドラー。  
「フッフッフッフッ…」  
肩めがけて踏み込んできた一撃をミドラーは必死でかわした。  
ピンチを迎えながらもあくまで反抗的な表情は崩さない。  
容赦なく斬り込んで来るポルナレフにミドラーは両手が不自由でスタンドもだせず  
ただよけることしかできない。  
緊張で汗が額に浮かぶ。  
絶え間なく続くラッシュに髪を振り乱し跳ね回りながら回避に集中する姿は  
背後に陣取る観客達には扇情的に尻を振りたて男を誘う淫乱女にしか見えない。  
「銀の戦車」とアヌビスの二刀流ラッシュをかわすのに集中していたミドラーに  
本体のポルナレフが肩でおもいきりぶつけた。  
「ぐふぅっ!」  
胸を押さえていた左腕が衝撃を受け痺れ唇から苦痛の声が漏れ、弓なりに仰け反ってよろめいた。  
必死で両手で股間と胸を押さえるのは彼女に残された最後の意地である。  
痛烈な一撃に歯を食いしばって耐えている。  
ついにゲージのはじまで追い詰められたミドラー。  
その目と鼻の先の観客は背中を半分以上隠す長い髪や  
くびれきった腰を舐めるように視姦しながらみずみずしい半球に艶めく尻を目で犯し続けている。  
「犯すっ!!犯してやるぅううっ!!」  
「ヤらせろ、ヤらせろぉおおっ!!」  
激しい罵声への憤怒でミドラーの眉がピクピクと震えている。  
ゲージさえなくこんな状況でもなければこの観客達を皆殺しするのに全く躊躇しないだろう。  
「死ねぇッ!!」  
「銀の戦車」の剣をグルグルと回し、そしておもむろに突きを繰り出す。  
その必殺の一撃を回りこんでかわし、ポルナレフの懐に飛び込んだ。  
防戦が精一杯だったはずの相手からの思いもよらぬ反撃に意表をつかれたポルナレフ。  
ミドラーは全裸でいることなど感じさせない見下ろすような高慢で残忍な  
笑みを浮かべた。  
「食らいなァッ!」  
そしてしなやかな右足を禁断の場所―股間に向けて蹴り上げた。  
「はぁっ!」  
禁じ手、裏技とも言うべきものだ。  
「ああああああぁぁぁぁぁッ!!」  
瞬間ミドラーはしゃがみこんで今蹴りをはなった足の甲を両手でおさえた。  
ポルナレフの急所だったはずがそこにはアヌビスがあった。  
切れ味こそなくなったとはいえ鉄をしたたかに蹴り上げた彼女の足は真っ赤に血が滲む。  
「その蹴りは…覚えたぜッ!」  
片方の膝を立て起き上がろうとするミドラーの鼻先にチャリオッツが突きつけられた。  
ステージの光を受けて鈍く光る剣先。  
赤いルージュも鮮やかな唇からは荒い吐息が漏れる。  
「フッフッフッフッ……」  
邪悪な笑みを浮かべながら近づいていくポルナレフ。  
 
「オラァッ!」  
すると突如一人の男がゲージを突き破り乱入してきた。  
彼は身に付けていた学ランを脱ぐとミドラーの剥きだしの肩にかけた。  
そして前を合わせる。  
「早く車をだしな、逃げるぜ」  
ミドラーは突然の乱入者にわけもわからずしゃがみこんだまま呆然としている。  
「車を出せッ!」  
「なんだァ〜!?承太郎ッ!」  
ポルナレフが濁った目をむけるが承太郎はそれにかまわずミドラーをうながす。  
ミドラーは左手で学ランをかきあわせたまま、右手を振り上げた。  
「ハイプリエステス!」  
承太郎はミドラーを抱え込んで車に飛び乗った。  
「オラァッ!」  
承太郎が身を乗り出してゲージに一撃するとその一角が粉々に砕け散った。  
「…つかまってな」  
荒々しくアクセルを踏み込んだ。  
学ランを羽織っただけで呆然としているミドラー。  
「助けて…くれたの?」  
「ふん…ヤツにやらせるのはもったいねー、そう思っただけだ。」  
ミドラーが笑顔に輝いた。  
「ありがとう…うれしいッ!」  
承太郎は前をむいて運転しながら  
帽子をとってミドラーのむき出しの覆い茂る股間に帽子をかぶせた。  
「やれやれだぜ」  
艶やかな褐色の肌を持つ赤いフードをかぶった女は深々とタバコを吸い込んだ。  
黒いストッキングに包まれた脚は見事な脚線を誇る。  
真っ赤な口紅をつけた形のよい唇からタバコを離し紫煙をくゆらせた。  
「鉱物をあやつる女が…磁力を帯びたらどうなっちゃうのかしら…  
ふふっ…  
DIO様…敵に寝返った裏切り者の始末、お任せください…」  
女は天を仰いだ。  
to be continued…  
次回 「足がグンバツの女」  
 

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