目があってミドラーはにっこりと微笑んだ。
「ハイプリエステスっ!」肌の色の白さがエジプトの強い日光をうけて眩しいほど光る。
「休むひまも与えてくれないというわけか・・・・・かかってきなッ!」
「残念だけど死んでもらうわ」
ミドラーは立ち上がった。
若く背が高い。
紫がかった黒髪は長い黄色いシルクの布でまとめられている。
踊り子のような衣装を身につけ、見事な脚線を惜しげもなくさらしている。
スタンドはハサミに化けてポルナレフへと襲いかかった。
「ぬあっ」
チャリオッツではじいて飛びあがる。
ミドラーは待っていたかのように細い腕を振り上げた。
ハサミは車へと姿をかえて空中のポルナレフを直撃した。
「うわああああ!!」「フフッ」
形のよい眉を少しあげてミドラーは微笑んだ。
その一瞬の隙をとらえて、ポルナレフは空中で体勢を変えてミドラーへと向かった。
拳はミドラーの顔の近くで寸止めされている。
「次は止めねーぜ」
ミドラーは妖艶に笑った。
「甘いわねぇ」
地面に顔、そして大口があいた。
「ちっ」
間一髪で交すとポルナレフはミドラーに向き直った。
「メンドくせえ、チャリオッツ!」
鋭い突きも強固なハイプリエステスの壁に阻まれ本体を直撃できない。
「ホラホラホラホラホラぁーッ!!」
かのように見えた。
「フフッ、だらしない・・・ッ!?」
胸と腰の紐が切られ地面に落ちた。
ミドラーは素早く右腕で両胸を、左手で股間を守ってしのいだ。
悔しげにうつむいたミドラー。その頬はわずかに赤い。
「ほれ!なんとかしてみろよ!あ!?
こいよ!ここだぜ さあどうした」
ミドラーは歯をくいしばった。
「いくぜ ダメ押し」
ポルナレフはゆっくりと近づいていった。