廃屋に二頭の馬が繋がれている。
ぎしぎしと床の軋む音。
中では一組の男女が交わっていた。
女は両手を縛られ横たわっている。
男は間に身体を埋め、腰を振る。
ぱんぱんと、肉と肉のぶつかり合う音。
繋がった箇所からは透明な液体が溢れている。
それが愛ある性行では無い事は
誰の目から見ても明らかだった。
「いい加減素直になって欲しいものだな」
ディエゴは薄ら笑いを浮かべ、犯している女ーホット・パンツの頬を撫でる。
「誰がお前なんかに……」
彼女はまるで汚物を前にした様に自分を見る。
たとえ何度汚されようと絶対に、屈しない。
その瞳から、その体から伝わる鋼の精神。
それがディエゴを高ぶらせる。
「っ…!!!!」
射精の衝撃に彼女の体が跳ねる。
どくどくと体内に注がれる白液。これで何度目になるのか…
被膜の痛みは既に薄れていた。
ディエゴが陰茎を抜くとどろりと白液が零れ落ちた。
「君も強情な女性だ……」
だからこそ、屈服させ甲斐があるのだが、
「しかし、そろそろ終わりにしよう」
くすくすと笑いながら、耳元に語りかける。
彼は、小さな小瓶を取り出すとそれを目の前で軽く振る。
「君の口から聞かせて欲しいな。君はどこが好きなんだ?」
小瓶の中には透明な液体が入っていた。
ホット・パンツに見せ付けるように
小瓶を何度か振ると蓋を開け、中身を口に含んだ。
そして彼女の鼻を摘み強引に唇を奪う。
「!!!?」
息が吸えないという状況から容易く唇を開いてしまった。
口膣内から、喉に流れ込む液体はほんのり甘い。
「これが何だか、君に解るかな?」
「知らないし……興味もない…な」
咽る彼女とは違い、ディエゴは相変わらず笑みを絶やさず語る。
「東方に巨大な国があるのは知っているだろう?
そこに人を狂わす薬があるんだが、これは…
回りくどい話は止めよう。
君が飲んだのは媚薬だよ、媚薬。」
「!?」
その瞬間、身体に熱が集まり、陰部を中心とし火照ってくるのが解る。
人形の様に犯されいた時には考えられない新しい感触。
湧き上がる女としての快感。
「う…あ…」
まだそれを知らないホット・パンツは未知の感覚に怯えた。
「はぁ……いや…だぁ……」
血が全身を駆け巡る様に、頭から爪先まで敏感になっていく。
先ほど犯された陰部からはとろりと、精液以外の液体が流れ落ちた。
「く…うぁ…」
「あははは」
快楽に悶えるその姿をディエゴは笑いながら眺めている。
「我慢は身体に良くないなぁ」
ディエゴはすでに一糸纏わぬ姿となっていた。
逆光に照らされるその姿。
しなやかな筋肉、引き締まった体に光る雫の様な汗。
正直、美しいと思った。
しかし……それは…
この間、共にした彼から感じられるような温かみなど一切感じられない。
無機質な美しさだった。
ホット・パンツはふと考える。ここでなぜ彼を思い出すのか?
しかし、『答え』が出る前にディエゴの指が頬を掴んだ。
「さぁてと…衣服は邪魔だろう?」
『陵辱の再開』を認識するのには、この言葉だけで充分だった。
必要最低限しか露出していない肌が段々と露になっていく。
服を脱がす長い指は怪しく彼女の肌を撫でる。
「くぅ……やめろぉ…!」
それまで不快としか思えなかった彼の指が不気味な程に心地よい。
「はぁ…あっ……んぁ…」
鎖骨を撫で、背中を滑り段々と衣服がはだけ
透き通る様な白い乳房が外気に晒される。
その中心で赤く彩る乳頭は痛い程に勃起していた。
「へぇ…すごいな」
ディエゴはくくっと喉を鳴らす。
羞恥心に彼女は顔を背けた。
彼は、白い果実には興味を抱かず先端を摘む。
「うあぁあ!!」
身体を流れる電流に、背を仰け反らせ悲鳴を上げる。
きゅっと摘まれたそこは汗で湿っていた。
そのまま、指を上下させ乳首を軽く擦る
「っくぅ…」
その度に彼女は声を押し殺し、快感に耐えようとする。
「どこまで耐えられるか…見物だな」
彼はそう呟くと、顔を埋め赤い実に軽く口付けをした。
「っ!!」
びくんと、身体が跳ねる。
既に硬くなっている乳首を口に含むと、舌で丹念に転がす。
「ふぁ……くぅ……」
必死に声を押し殺してはいるが、息遣いは段々と荒くなっている。
ちゅうちゅうと、乳を吸う音。乳首軽く噛んでみる。
「−−−−っ!!」
彼女は絶頂に達した。
痙攣した秘部からは先ほど散々流しこんでやった白液が
止め処なくあふれ出ている。
ふぅふぅと肩で息をする彼女をディエゴは満足そうに見下す。
「薬の性とはいえ……卑猥な婦人だなぁ」
ホット・パンツの頬を撫で、唇を近づける。
艶やかな唇を舌でなぞり、中に侵入する。
「っ…!」
ガリっという音と共に咄嗟に顔を離す。
唇から流れる一筋の赤。
薬の力を借りて彼女を屈服させたと思った。
しかし、その瞳から光は消えない。
それどころか自分への憎しみで更に激しく燃えている。
「ふ…ふふ…」
小さく笑う。
そう。そうなのだ。簡単に落ちてしまっては面白くない。
「うあっ!」
脚を掴むと無言で彼女をひっくり返し尻を撫でる。
既にとろとろに溶けた蜜壷からは二人の混合液が糸を引きながら落ちていた。
その中に指を乱暴にネジこむ。
「んああああ!!!」
急に侵入した異物感に、震えた彼女の頬を掴み引き寄せる。
「あまり調子に乗るなよ」
「っく…うぁ……」
何度か内部を弄ると、ぐじゅぐじゅと鈍い音がして白濁液が溢れて流れ出た。
「っ…あぅ…」
その度に彼女はふるふると身体を震わせ快楽に耐えている。
白丘を撫でるディエゴの指がある箇所で止まった。
「!!!」
彼女はびくんと、身体を震わす。
そこは不浄の箇所である小さな蕾。
「な…?や……やめろ」
これから行われる狂気に、ホット・パンツの瞳に恐怖の色が見えた。
その瞬間を、ディエゴは見逃さない。
「案外楽しめるかもしれないな」
彼は最高に残虐な笑顔を見せ、自身をあてがった。
「あっ…やめろぉ…ディエゴ……!!!」
静止空しく、彼はそのまま体重をかけた。
「うぁああああああああ!!!」
メリメリという音と共に、広がる蕾。
本来、排泄器官であるそこは男を受け入た事もないし、受け入れる必要もない。
被膜時の痛みが再び彼女を襲う。
「あっ…ああ…」
しなやかな脚が、ガクガクと震えている。
喉からは悲鳴も、嬌声も上がらない。息をするのが精一杯だった。
「ぐ……キツイな…」
彼は、膣内に溜まった愛液を救い菊座の周りに塗りつけ潤滑油の代わりにする。
何度か塗りたくると、ゆっくりと腰を振った。
「っはぁ…ああ…」
じゅぷじゅぷと、交わりの音が廃屋に響く。
そのうち、媚薬のお陰か素質があるのか解らないが
悲鳴は段々と喘ぎに変わっていく。
「ああっ!ふぁあ!」
彼女は貫かれる度に湧き上がる快感に嬌声を上げた。
「うああああ!やめ…いやぁあ!」
乳房がプルプルと揺れている。その先端を摘むと指で押してみた。
「んぁあ!あぅ!………」
ぶるぶると震えるホット・パンツにディエゴは口を近づけた。
そして囁く。
「犬の様な格好で尻を犯されて感じてんのか?」
彼女の瞳が大きく見開かれる。
それはたった一言だったが人としての尊厳を砕くのに十分な一言だった。
「あ……」
見開かれた瞳から、一滴の涙が零れた。
「ち……がう……」
「ち…ちがう…違う…ち…がう…」
「違う!違う!違うううう!!!」
彼女はぶんぶんと首を振り、叫ぶ。
それはまるで快楽に屈しそうな己に言い聞かせている様だった。
「オレは…!!オレは!!!」
この期に及んで自分を「オレ」と呼ぶ事で辛うじて自我を保っているのだろうか?
しかし、突き上げる度に締め付ける直腸、たわわに実った白い乳房、
その先で高潮した赤い実は確実に女そのもの。
「オレは…ぉれはぁあ……」
壊れた機械の様に言葉を発する彼女。
ディエゴの指が後ろから彼女の乳首を引っ張る。
「うぁあ!くぁっ!!!」
びくんと甘い声を出す。ディエゴが乳首を弄べば遊ぶほど
腸内はきゅうきゅうと締まり陰茎を締め付け精子を搾り取ろうとする。
「おれは…おれ…」
ガクガクと腰を震わせ、快楽に身を委ねる。
腰を突き上げながら、ディエゴは甘く囁く。
「俺の元に来い。ホット・パンツ」
「うぁあ!!んぁあ!!」
やがて、彼女に絶頂の兆しが現れる。二度目の絶頂に恐怖を感じた
彼女は、顔を振り必死に絶頂を拒否しようとする。
「い…やだ…いやだいやだああ!!」
「無駄だよ」
きゅうっと、クリトリスを摘む。
「んあああああ!!!」
彼女の身体が大きく仰け反る。
「くっ……」
ディエゴは高ぶる剛直を引き抜き、彼女の顔に持っていく。
「あ……やめ…」
それより早く、目の前で射精した。
「いやあぁあ!」
びゅるびゅると音を立て降り注がれる白濁液は
耽美な顔、潤った唇、長いまつ毛、髪、彼女の全て汚した。
ちらりと後ろを振り返る。
あの後、彼女の口膣を、胸を、膣内を直腸を何度も何度も犯してやった。
床に横たわる彼女は全身を精で汚し、ぐったりとしている。
顔を伏せてはいるが死んではいないだろう。
ディエゴは皮の手袋をはめると、
「まぁまぁ楽しめたよ」
と、一瞥しくるりと踵を返す。
ドアノブに手をかけ、開いた所で何かが耳に入ってきた。
「……て……」
脚を止める。音は彼女が発しているのだ。
「…て……や…」
しかし、ディエゴは振りかえる事もせず、扉を閉めた。
愛馬に跨り腹を蹴る。
いくらか進んだ所で、別の声が聞こえた。
「手下として使うんじゃなかったのか?」
凛々しい男の声。先日大統領と取引をした再に
手下にした男、サンドマンだった。
「交渉決裂だな。今回はムリだったよ」
ディエゴは涼しい顔で言った。
それに比べサンドマンは不快な表情を浮かべている。
ディエゴはくくくと再び笑う。
「そんな顔をするなら助けてあげれば良かったじゃないか?」
「任務意外でお前が何をやろうが興味はない」
それだけ言うと、彼は森へ消えた。
再び一人となった彼は、皮の手綱を握る。
そして、瞼をゆっくりと閉じる。
耳に聞こえるのは、彼女が息絶え絶えに囁いた言葉。
「殺してやる」
彼女は確かにそう言った。
「殺してやる…か…」
くくくと喉を震わす。
殺してやる。瞼を開く。
そう、早く俺を殺しに来い。
その時こそ最高の屈辱と快楽を与え、完全に屈服させてやる。
跪き、俺の脚を舐め自分から尻を振り俺を求める女にしてやる。
新しい楽しみを覚えた彼は、誰もいない草原で
その瞬間を想像し一人笑うのだった。