フィレンツェ中心から少し離れた所にあるアパート。  
そこが彼らの根城だ。  
灯台下暗し、海外へ逃亡するよりも  
国内で普通に生活する方が、ボスに見つかりにくいと踏んだのだろう  
(本当かどーか知らんけど……)  
 
ソファーの上、少女は退屈そうに欠伸をする。  
「遅いなぁ……」  
ショッキング・ピンクの髪を数本指に絡め、窓の外へ視線を移す。  
見える景色は茜色。家路につく人間が忙しなく動いている。  
しかし、その中に彼の姿は見えない。  
 
「手間のかかる仕事だからな……」  
怪しいマスクをした男…メローネが  
カップを口につけながら言う。  
トリッシュはメローネの方向に顔を向けると  
「それだったら、メローネのスタンドが行けばよかったのに……」  
と、悔しそうに言う。遠隔操作型のスタンドなら簡単なのに。  
 
「オレのはターゲットの血液が必要なんだよ。あと母体ね」  
くるくると円を描くように指先を回すメローネ。  
「そうだ!お前が母親になるか?ベネ!名案だ!」  
ショッキング・ピンク色のベイビィ・フェイス。  
鮮やかなビビットカラーは見た目的にもディ・モールトベネ!  
「絶対イヤ!!どうしてアタシが!!!」  
「いいじゃないか。毎日種付けしてるんだろ?」  
ゴンッ!と、ガラステーブルに頭を打ち付ける娘。  
突然、そんな事を言われたのだ。当然の反応だろう。  
「ーーーーーーなっ何それ!!し、知らない!!訳解んない!!」  
暫く言葉に詰まった後、顔を真っ赤にして反論する。  
 
「とぼけても無駄だぞ。毎日ハメてる事ぐらい知ってるんだからな」  
「ちょ!!!やってないわよ!!」  
「二日に一回くらいよ!」  
「してんじゃねーか」  
おもしろメガネのギアッチョ、ついついツッこむ。  
「たまには違う男もベネだぞ!」  
「違う男ってスタンドじゃねーか!」  
おもしろ(ry のツッこみ。  
 
 
「オイオイオイオ〜イ……しょ〜がね〜なぁ〜  
 何時の間に種付けあう仲になったんだぁ?」  
先ほどまで雑誌を読んでいたホルマジオが、興味津々に聞いてくる。  
「ちょっと!変な言い方しないでよ!」  
「兄貴〜種付けってなんだよぉお?」  
愛らしい瞳をくりくりさせ、ペッシが兄貴に質問。  
 
「出かけるぞペッシ」  
「何でだよぉお兄貴ぃい〜待ってくれよぉ〜」  
席を立つ二人。ペッシにはまだ早いのか兄貴が過保護なのか……  
とにかく、こういう話題は聞かせたくないのだろう。  
そそくさとリビングを後にする。  
「しっかし、チビちゃん相手にヤるよなぁ。本当、しょ〜がね〜なぁ〜」  
チラチラとトリッシュを見ながらニヤニヤ笑うホルマジオ。  
 
「そんな事はないぞ。この腰つき……見事だ。やはり母体に…」  
メローネの指がトリッシュの腰をなぞる。  
「きゃあ!!」  
瞬間、飛んできた掌に頬を叩く。  
しかし……  
「いいビンタだ」  
うっとり……恍惚とした表情。そしてお約束のペロリ。  
「きゃあああ!!」  
最悪のカウンターを食らって半狂乱になるトリッシュ。  
「何で舐めるのよ〜〜〜!!うわぁああん!!」  
ソファーに顔を埋めて泣き出す。  
彼との関係もバレるし、掌を舐められるし……  
折角彼が『仕事』を終えて、帰宅する日だと言うのに  
つくづく悪い事づくめだ。  
 
「まぁまぁ。そう泣くなって。  
 そうだ……いいビンタをしてくれたお礼に……イイ事教えてやるよ」  
「……?」  
泣き顔を上げるトリッシュ。  
その耳元でメローネがある秘策を言い出したのだ。  
 
 
太陽が沈み茜色の空は群青色の夜へと変わった。  
 
 
『ザー』と言う小気味良い音。  
噴出された湯は銀色の髪を濡らし、身体を伝い落ちていく。  
 
「……?」  
ふっと前を見るといつの間にか大きな鏡が取り付けられていた。  
シャワールーに何でこんな物が?  
リゾットは不思議そうに鏡を覗きこむ。  
普通の人間だったら、さして気にもしない事だが  
『鏡の中を自由に闊歩できる』イルーゾォがいる。  
彼の能力を考えていると……少し嫌な気分になった。  
まさか…覗き……?  
「メローネじゃあるまいし」  
と疑惑を振り払う。  
チームにこれ以上特殊な性癖を持つ  
人間が増えられたら困る。  
その時、鏡のふわりと動く影。  
 
 
「どうした?」  
振り返らなくても解る。  
彼の後ろにはいつの間にか娘ートリッシュがいた。  
「……」  
「?」  
様子がおかしい。  
普段の彼女なら「感謝しなさいよね」なんて言いながら  
着替えとタオルを置いていくのだが……。  
 
妙に大人しく、しかも何時までたっても立ち去る気配は無い。  
「トリッシュ?」  
 
「ご……」  
「ご主人様!お背中流します!!!」  
ばっと登場。ショッキング・ピンクの髪には  
可愛らしい犬ミミ。  
黒皮のベルトの変わりに銀の鈴。  
衣装はそれのみだった。  
 
ガンッ!!!  
鏡に頭を打ち付ける。  
 
「……」  
 
「……」  
 
「なんで黙ってるのよー!!」  
沈黙に耐えられず叫ぶトリッシュ。  
「いや……言葉が見つからない……なんだそれは?」  
「は…流行」  
ようやく自身が恥かしい事をしたという事に気がついた娘。  
「ちょっ……み……見ないでよおおお!!」  
先ほどの威勢はどこやら、ぴゅーっと壁の後ろに撤退。  
「お前から見せたんだろ」  
「うるさい!」  
ひょこりと顔だけ出すと、耳まで真っ赤にしながら叫ぶ。  
「で、流行ってる?」  
「し……知らないの?『サムライとエロスの国ニホン』ニホンの聖地、アキ……何だっけ?  
 そこでは女の子は全員こんな格好で、恋人とか上司にこう……  
 ご主人様〜って……ぅん…そ…ぉ…なんだって」  
と、犬ミミカチューシャを恥かしそうに手で隠す。  
 
遥遠い地の「ニホン」については幾らか聞いた事はあるが…  
 
東洋の人間は訳が解らない。色んな意味で黄金の国だ。  
 
しかし、リゾットにはそれ以上に気になる事があった。  
「トリッシュ……それを誰に聞いた?」  
「メローネ」  
あいつかーーーー  
一気に駆け上る脱力感。  
ふぅとため息をつき、諭すように言う。  
「奇妙な事を教わるなと言っただろう」  
「だ……だって……」  
おろおろもじもじ……  
「……理由は?」  
「言えない!」  
 
ふぅと二度目のため息。  
メローネは後でどうにかするとして……  
トリッシュを横目で見る。……すごい格好だ。  
 
しかし、普段、大人びた格好をしている  
トリッシュだけに新鮮な気がしてくる。  
彼女が一喜一憂する度にぴこぴこと動く犬ミミも  
よく見ると、とても可愛いらしいじゃないか。  
 
「背中」  
「え?」  
「流してくれるんだろう?」  
 
「あっ……うん……」  
突然、本来の目的を思い出されたトリッシュは  
ぴょこりと恥かしそうに出てくる。  
スポンジにボディ・ソープを垂らすと  
くしゅくしゅ揉む。  
「あ……やだ」  
とろりと垂れる白い泡が太ももに落ちる。  
 
 
リゾットはトリッシュの腕を掴むと強引に引き寄せる。  
「きゃっ」  
小さく悲鳴を上げ、すっぽりと腕の中に納まる少女。  
ピンクの髪がふわふわと揺れ、  
犬ミミカチューシャにかかる。  
「変更だ。俺がお前を洗う」  
 
スポンジについた泡を手の平に取ると、乳房にたっぷりと盛り付ける。  
「きゃあ!い……いいわよ!アタシは自分で洗えるわよ!」  
「遠慮するな」  
 
突然立場が逆転して大慌てな娘。  
何とか逃げようとするが、  
がっちり捕らえられてる為、また乳房に適度な刺激が加わり、力が出ない。  
 
リゾットの指が乳房へと伸びる。  
まだ発達途中だが、形とハリのよい乳房は指に吸い付く様だ。  
そのまま掌ですっぽり包むと、円を描く様に揉んでみる。  
 
「んっ…ふぁ……」  
泡が潤滑油代わりとなり、何時もとは違った快感がトリッシュを襲う。  
小ぶりの乳房は掌の中、何度も形を変えていく。  
(前見た時より大きくなってるな……)  
ふにふにと揉みしだきながらシミジミそんな事を考えてしまう。  
 
「ん…ちょっと……」  
「どうした?」  
「そこ……洗いすぎよ……」  
「そうか?」  
きゅっと、ベビーピンクの乳首をつまむ。  
「ひぁっ!!」  
乳房の愛撫により、既に充血し硬くなっている乳首をしごく。  
「っやぁあ……駄目ぇ……」  
こりこりとした感触を楽しみながら、集中的に虐める。  
「んっ……ふぁぁ」  
「感じてるのか?」  
意地悪く聞いてみると、トリッシュは顔を真っ赤にして怒る。  
「違うわよ!」  
その表情が、おかしいやら、可愛いらしいやら。  
「そうか?」  
両方の乳に手を這わすと、きゅっと先端を摘み乳房ごと軽く引っ張る。  
「あぅう!やぁあ!」  
びくんと仰け反り、甲高い声を上げる。  
にゅるにゅると、指の間で擦られる乳首。  
小ぶりな乳房が、引っ張られ形を変える。  
「あっ…ひぁっ!」  
強弱をつけ、リズミカルに前後に動かす。  
「やぁっ!やだぁあ!リゾットぉ…そんなに乱暴しないでぇ……」  
 
既に立っているのが辛くなったのか、  
トリッシュは、鏡に両手をつき、乳首への刺激に耐えるのに必死だ。  
 
「トリッシュ…」  
リゾットの指が、彼女の顎をくいっと押し上げる。  
「あ……」  
トリッシュは、鏡に映る自分を見る。  
真っ赤な顔、とろんとした瞳。  
そこに映るのは快感に打ち震える女の顔。  
 
「や……いやぁ……バカ……」  
恥かしさの余り、ぷいっと顔を反らす。  
「いい顔だな」  
くすくすと笑うと、  
「バカ!バカバカ!リゾットのスケベッ!」  
更に真っ赤にして怒る。  
「鏡……か……」  
ふと、リゾットは思う。  
「そうだな……」  
そして、「良い事を思いつた」と呟くと乳房に添えていた手を離した。  
「んぁ……?」  
急に胸への刺激が無くなる。不思議そうにしていると  
 
ずずず……  
「え?」  
微かに聞こえる奇妙な音。  
ずずず……  
音は段々と二人の元へ近づいていく。  
「あ……」  
ふっと、後ろを振り返えった時、音の正体に気がついた。  
彼の手の平に灰色の鉄分が集まっていたのだ。  
「え?そ……それ」  
なぜここで『メタリカ』を使うのか?  
トリッシュの脳内を不吉な予感が通り過ぎる。  
 
まさか……ボスからの刺客!?  
だとしたら、こんな事をしている場合では無い。  
 
それに……犬ミミ&首輪&泡泡な姿を  
リゾット以外の男性に見られるのは絶対嫌だ。  
 
「リゾットぉ…もう止めよう!!刺客が来ちゃうわよ!!」  
「刺客…?…落ちつけトリッシュ…パニくるな……」  
慌てるトリッシの頭をもう一つの掌で優しく撫でる。  
やがて集まった鉄分は形をとり、小さなグレーへと変化した。  
そう、日常でよく眼にする……  
「え……?なんで……剃刀…?」  
こんなんで刺客を撃退できるのか?  
「大丈夫だ…落ち着け……トリッシュ…」  
未だ不安そうに見つめるトリッシュを落ち着かせる為  
今度は頬に軽くキスをする。  
 
「そんなぁ……刺客だったらどーすんのよ……」  
「刺客?さっきから何の事だ?」  
「だって……メタリカ…使ってるじゃない」  
「ああ……これか…」  
やっと理解し、掌に眼を落とす。  
やや小さい剃刀を見ると再度口の端を吊り上げる。  
「え……?」  
トリッシュが、その仕草に疑問を持った時には既に遅かった。  
「邪魔だからな」  
意味深に呟くとひょいと彼女の白い太ももを持ち上げる。  
「きゃああ!?」  
バランスを崩して、片足を開脚した状態でリゾットに寄りかかると  
ぱっくりと開いた秘部が鏡に映る。  
そして恥丘を守る薄い茂みが丸見えになった。  
「やぁああ!!!ちょっと!!?リゾット!?」  
そんな状態で、彼の意思を理解するのは困難だ。下半身…恥丘に伸びる手。  
「え!?」  
「折角鏡があるんだ、よく見えた方が良いだろう?」  
後ろから囁く。そこでやっと理解できた。  
「…そ…それって…剃刀って…そ…剃るの?」  
「当りだ」  
 
「嘘ぉ!やだぁ!バカ!バカ!止めて!」  
じたばたと暴れるが、ガッチリ固定されている為(ry  
「動くと危ないぞ」  
 
そっと、剃刀を恥丘に当てる。冷やりとした感触に  
「んっ…!」  
身体はぴくんと反応する。  
「じっとしてるんだ」  
諭す様に囁くと、そのままゆっくり指を滑らす。  
「ん……んん…」  
、静かな音と共に、恥丘を滑る剃刀。  
「あ……やだぁ……ばかぁ」  
恥かしさと『ヘタすれば切れてしまう』という恐怖にトリッシュは涙を浮かべる。  
しかし、泣いたからといって指の動きが止まるという事はなく、  
桃色がはらはらとバスタブに落ちていく。  
 
何度か往復した所で指の動きが止まった。  
「見てみろ……」  
「きゃっ……」  
するりと伸びた指は彼女の恥丘をなぞり奥を広げる。  
「やぁあ!!」  
邪魔な草原が落ちた丘は  
つるつる……とまではいかないが  
すっかり可愛い若草時代に逆行してしまった。  
 
「ばかぁ……絶対…許さないんだからぁ……」  
精一杯、睨みつけたつもりだが  
瞳を潤ませ開脚したこの状態では威嚇も何もない。  
逆に厭らしささえ感じてしまう。  
 
「悪かったな」  
「いやよ!絶対に許さないんだから!」  
再度、じたばたと大暴れする。  
 
「ああ……それは怖い…これ以上怒りを買うのは得策じゃないな」  
と、言うとするりと手を離す。  
「あ!」  
今まで上げられていた脚を急に開放された。  
その反動でふらりと彼に寄りかかる。  
リゾットは、小さな肩を抱くと耳元で囁く。  
「俺は十分楽しんだからな……今日はもう止めるか?」  
「あ……ぅ……」  
なんて意地悪な質問をするんだろう!  
熱く火照った身体を今更どうやって冷ましていいのか、トリッシュには解らない。  
これだけ様々な恥辱を受けたのだ。  
すでに花弁からは熱い蜜が溢れだし太ももを伝っている。  
ふるふると切なく震えるトリッシュに  
「止めるか?」  
と、再度問いかける。  
「……うぅ…ホント、嫌なヤツ!大嫌いなんだから!」  
顔を真っ赤にし、ぽかぽかと胸板を叩く。  
 
勿論、彼自身もここで終わらす気は更々ないのだが、ついつい虐めてしまう。  
くすりと笑みを浮かべ、頬に掌を添える。  
 
「さて、どうする?」  
「う……覚えてなさいよ……」  
トリッシュは悔しそうに涙を浮かべると、ぐっと、背伸びをする。  
 
ちゅっと、軽く唇が触れた。  
 
「こ…これで……解ってよね……」  
不意打ちを食らったリゾット、少々目を丸くしたが  
「解った」  
と再度唇を重ね返事にした。  
 

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